話せる言葉が増えてきて、これでロキシーにもっと色んなことを訊ける! と、思ったら、にぃにの五歳の誕生日を祝った翌日に、にぃにに〝水聖級魔術師〟という称号を授け、ロキシーは荷物をまとめて家を出ていった。
両親は、次は私の家庭教師としてこのまま雇い続けたいとも思っていたようだが、しばらくは魔術の腕を磨きたいから、と断られていた。
もっと仲良くなりたかった。悲しい。
そうそう、この国には誕生日という日があり、人は自分が生まれた日に歳をとるそうなのだ。元旦にいっせいに歳をとるのではないらしい。*1
私とにぃにの誕生日は近いため、にぃにが五歳になってすぐに私は二歳になった。
にぃにの誕生日は、みんなでお祝いした。
母様は本を、父様は直刃の剣を、ロキシーは紅い石が先端についた小さな杖を贈っていた。
私はなにも用意がなかったため、お気に入りのおもちゃと外で摘んだ花でにぃにの箱床を埋めつくしておいたら、翌朝に起きがけのにぃにの「何じゃあこりゃあ!?」という声が家に響いた。
三年後は、私もにぃにみたいにお祝いしてもらえるらしい。
楽しみにしててね、と母様に言われた。やったあ。
私がおっぱい以外のご飯を食べられるようになってから、母様は、ときどきお昼すぎまで家を空ける。
そして、その家を空けている間は、村の治療院というところに居て、怪我をした人を治してあげたり、庭で育てた薬草を持ってきて具合の悪い人に煎じてあげたりしているのだ。
働く母様について行ったり、お使いに行くリーリャについて行ったりするうちに、友達ができた。
でも、ブエナ村に私と同じ年に生まれた子供はいないらしく、みんな年上か、背中におぶわれている赤ん坊だった。
そして、女の子は女の子で、男の子は男の子で遊んでいることが多いみたい。
わかるよ。異性と遊ぶとからかわれるんだよね。
「シンディちゃん、あーそーぼー!」
「エマちゃん!」
暖炉のそばに腹ばいになり、にぃにに本を読んでもらっていたら、外から声が聞こえてきた。
椅子に登り、窓を開け……か、硬い。開かない。ガタガタやっていると、にぃにが開けてくれた。
「あいがと」
「どういたしまして」
観音開きの窓から顔を出し、門の真ん中に立っているエマちゃんに手を振る。
エマちゃんは鋳掛屋の子だ。
把手が外れた鍋を修理に出しに出かけたリーリャについて行ったときに、友達になった。
エマちゃんは六歳。灰色の髪を肩の上で切り揃えた、眦のきりりとした綺麗な女の子だ。しっかりした子なので、エマちゃんと一緒のときは、子供だけで外に出る許可が母様から出ている。
エマちゃんがいないときは、遊ぶのは庭か家の中だけ。
「外で遊ぶのか?」
「ん!」
にぃにも来ていいよ。
手を繋いで玄関に向かおうとしたが、「俺はいいよ」とそっと振りほどかれた。
前に、友達が三人ほど来て庭でおままごとをしたことがあった。
その時は番犬役が足りなくて、にぃにに混ざってもらったのだけど、門の傍を通りかかった男の子たちにからかわれたのだ。
『あいつ、男のくせに女と遊んでるのかよー!』
『変態! へーんたい!』
にぃには傷つき、家の中に戻ってしまった。
可哀想に。男の子たちにはみんなであっかんべーを返しておいた。
シンディちゃんのお兄ちゃんは乱暴者じゃないから、また来ていいよ、って言われてるんだけどなあ。
あ、でも、ハンナちゃんだけは、なんか目がキモチワルイからやだ、って言ってたっけ。
にぃには気持ち悪くなんかないやい。
「りーにゃ、行ってきまぁす」
「行ってらっしゃいませ。夕食までにはお帰りくださいね」
「うん!」
〝リーリャ〟の発音はいまだ困難である。
「今日は何する?」
「輪回しやりたいな」
「昨日もしたじゃん」
「川遊びは?」
「ちょっと寒いかも……」
木の下で、車座になって真剣に話しあう女の子たちが結論を出すのを待つ。
私は年少者ゆえ、発言権は無きに等しい。何でも楽しいから何でもいいんだけどね。
エマちゃんの膝の上で、腹に回されたエマちゃんの手を持って勝手にぱちぱち打ち鳴らしているうちに、今日の題目は決まった。
結婚式だ。
「私とシンディちゃんは、花冠の花を集める係ね」
「わかった!」
セスちゃんに重大な係に任命された。
セスちゃんが前掛けの裾を持って受け皿を作ったので、私は山茶花に似た花を摘んでは、そこに入れていく。
手先の器用なソーニャちゃんが集まった花でどんどん花冠を編んでいき、余った花で腕飾りも編んだ。
他の子が家から古くなったシーツを持ってきて、体に巻き付けて服っぽく仕立てていく。
嫁と婿の役に分かれて演じれば、楽しい結婚式ごっこだ。
おままごとでは必ずといっていいほど赤ちゃん役を任せられる私だが、結婚式ごっこなので私も何回かお嫁さん役をさせてもらった。なぜか相手は必ずエマちゃんだった。
いいよね、結婚。
トウビョウ様は処女がお好きでいらっしゃるから、私は生涯できないけれど。
飽きるほど結婚式ごっこをして、誰かが草笛を作って吹き始めて、今はあちらこちらでピーピーと笛の音が聞こえてくる。
ふと、思った。
ブエナ村は小さな開拓村で人口はさほど多くなく、子供の数もまだ少ない。そのため、男の子とはあまり話したことがないが、名前は知らなくても顔はおそらく全員憶えている。
では、女の子は?
私が、名前も顔も知らない女の子は、ブエナ村にいるのだろうか。
居なかったら全員と友達だということだから嬉しい。
居るならその子とも友達になりたい。
「エマちゃん」
「ん?」
「もしわたしがね、知らない子がいたら、知りたいの」
「……シンディちゃんが会ったことない子?」
「うん」
「いないわよ」
そうなんだ。
じゃあ私は全員と友達というわけだ。
「ひとりいるよー」
と、思いきや、ピーピーと笛を吹いていたメリーちゃんが訂正してくれた。
メリーちゃんはブロンドの巻き毛が特徴の、おっとりした女の子だ。
「誰それ?」
「猟師さんのとこの子」
「……あー!」
思い出したようにエマちゃんが声を上げた。
本当に忘れていたみたいだ。
「名前は? なんだっけ?」
「たしか……ルフィ? って呼ばれてたよ」
ルフィちゃん!
「エマちゃん、エマちゃん、ルフィちゃんとも遊ぼ!」
「いいよー」
当然のように私の手をとって腰を上げかけたエマちゃんは、周囲を見回して「何?」と不思議そうに続けた。
「みんな来ないの?」
「だって、あの子、髪の毛緑だもん……。魔族じゃないってママは言うけど、怖いもん」
「男の子みたいな格好してるし」
「一緒にいるとソマルの奴に叩かれるよ」
ルフィちゃんは不評なようだ。
積極的に仲間はずれにしてる訳じゃないけれど、さほど仲間に入れたいわけでもないみたい。
どんな子なのかな。
ちょっと探してみよう。
狩猟業や皮革業など、生き物の命や体の一部を扱う仕事を生業にしている者は
その穢れを引いた子で、髪が緑色で短い女の子を探せばいい。
頭が熱くなり、絵が視えた。
女の子は己の髪を隠すように上着の
なぜそんなに大事に抱える必要があるのか。男の子たちに泥玉をぶつけられているからだ。
男の子は、前にロキシーに泥玉を投げつけていた子たちだ。
また以前のように呪いを飛ばそうと思ったとき、ひとりの男の子が出てきてルフィちゃんを庇った。
にぃにである。いつのまに外に出ていたのだろう。
にぃにが来れば、ぜったい大丈夫だ。
私が介入しなくても、いじわるな子らを追い払ってくれるだろう。
そして、ルフィちゃんがにぃにの初めての友達になるかもしれない!
すると、絵が変化し、すっぽんぽんのにぃにがルフィちゃんの下着を下ろしている絵になった。今起こっている事ではない。でも近い未来に起きるのだろう。
なんで?
「ねえねえ、ママが、どんぐり集めてきた子にはご褒美くれるって!」
ソーニャちゃんの一言により、私たちは籠いっぱいにどんぐりを集めることになった。
今は、冬の準備をする期間なのだという。大人たちは、越冬のために忙しくしている。村で豚を飼うのも冬の準備の一環で、十一月にどんぐりを食わせて太らせた豚を十二月に潰して、塩漬け肉やソーセージを作るらしい。
豚の世話は村のみんなが持ち回りで見ていて、今日はソーニャちゃんのお家が当番だ。
ルフィちゃんに会いに行く話は流れてしまったような感じではあるけれど、ルフィちゃんのところにはにぃにが行くし、まぁいいか。
「コラ!」
「!」
どんぐりを集めていると、突然腋の下に手を入れて持ち上げられた。腕に抱えていたどんぐりが、ぱらぱらと朽葉の上に落ちて、乾いた音をたてた。
「森に入ったらだめだろう!」
眩しいくらいの金髪。
尖った長い耳。
少し前の私ならば、妖の類かと思い、力の限り暴れて抵抗したところだが、ロキシーという前例があるのだ。動揺はしない。
「めんなさい……」
でも急に大声を出されたことには驚いた。
目を開いたまま謝ると、私を持ち上げた男は表情をやわらげた。
「よし、良い子だ。森の中には魔物がいるから、子供だけで行ってはいけないよ」
そういえばロキシーも森へ行ってはダメだと言っていた。母様も父様も。
この国でいう魔物は総じて凶暴で、人を襲って食べてしまうらしい。
ちらっと横を見ると、鬱蒼とした木々の集団が隣りに広がっていた。梢は密集して日差しを遮り、先は見渡せないほど昏い。
魔物筋を踏まなければとりあえず魔物に遭遇することはないけれど、迷い込んだら帰って来れなさそうだ。
どんぐりが沢山落ちている方に進むうちに、私は森の中に入りかけていたようだ。
気がつかなかった。
「シンディちゃん!」
耳長男の大声を聞きつけたのか、エマちゃんがこちらに駆け寄ってきた。他の子供たちもなんだなんだと来た。
私は地面に降ろされ、エマちゃんに走りよった。
「君たち、小さな子はちゃんと見てあげなきゃ……」
「シンディちゃん! 目ェ離してごめんね!」
「わ、わかってるならいいんだ。うん」
エマちゃんにがばっと抱きしめられた。
男はエマちゃんたちのことも叱ろうとしていたが、出鼻をくじかれたようだった。
エマちゃんは頭が良い。うまいことお叱りを回避したのだ。
私のせいでみんなが叱られるのは忍びないので、一番に来てくれたのがエマちゃんで良かった。
「あ、この人だよー」
と、メリーちゃんが男を指さした。
なんの話? とメリーちゃんと男を交互に見ると、補足してくれた。
「この人、シンディちゃんが会いたがってた女の子のお父さん」
あら。
つまりは、猟師さん。
言われてみれば、箙を肩にかけているし、私を降ろしてから近くの地面に置いてあった弓を拾い上げていた。
男は目を輝かせ、拾ったばかりの弓を放り投げんばかりに、私を抱きしめたエマちゃんのそばに屈んだ。
「シルフィエットのことかい!?」
「あ……シルフィエットっていうんだ……。うん、この子――シンディちゃんが、その子と友達になりたがってるの」
答えたのはエマちゃんだが、男は煌々した目で私の手を握る――というよりすっぽり包んで上下した。
なんだかすごく嬉しそうだ。
「そうか、君が……。僕はロールズ。シルフィエットの父親だ。もうすぐ娘が弁当を届けにくると思うから、そのときに紹介するよ。
嬉しいなあ。娘は友達がいなくてね、よかったら君たちの仲間に入れてやってくれないかい?」
もちろん。友達が増えるのは嬉しい。
エマちゃんは「いいよ」と答えたけれど、ソーニャちゃんはもじもじしながら言った。
「……わたし、帰ろうかな……」
「うーん、ソーニャが帰っちゃうなら私もー」
メリーちゃんまで帰りたがる素振りだ。
ハンナちゃんとセスちゃんはどっちに付こうか迷っている。
ロールズさんの長い耳がしゅんと悲しそうに垂れた。
「シンディちゃんは残りたいんだよね?」
エマちゃんに訊かれ、頷く。
「いっしょがいい」
「そうだね、皆で遊びたいよね」
エマちゃんは笑顔で私の頭を撫で、ソーニャちゃんとメリーちゃんに近づき、強い瞳で二人を見つめた。
「帰るの?」
「だって、怖いもん」
「ソーニャが一人になるのは可哀想だから、私も帰るよ」
「そっか。メリーちゃんは、ソーニャちゃんが居るなら帰らないのね?」
「うん」
ちょっと緊迫した雰囲気。
エマちゃんは、ソーニャちゃんに囁いた。
「私と仲良し、やめたいの?」
エマちゃんは強い。ハキハキ喋るし、六歳にしては背が高い。
ふだんは優しくて、みんなが仲良くできるように気を配っているけれど、意見が食い違うと、こういう風に他の子に言う。
「仲良し、やめたいの?」は、次からは貴方は仲間はずれだけどいいの? の意なのだ。
「やめたくないよ……」
「じゃ、帰らないよね?」
ソーニャちゃんが頷いた。
こうして私たちは、森を監視する櫓の傍で、ロールズさんの娘を待つことにしたのだった。
「おーい、ルフィ!」
ロールズさんは、子供たちを順番に物見櫓に登らせてくれて、そこからの景色を見せてくれた。そんなロールズさんがふいに櫓の上から声を張ったのだ。
しばらくすると、髪の短い女の子が籠を抱えてこちらに歩いてくるのが見えた。
あの子が、ルフィ改めシルフィエットちゃんだ。隣りにはにぃにがいる。にぃには私を見つけて手を振った。
ロールズさんはするすると櫓の梯子を降りて、シルフィエットちゃんと、初対面らしいにぃにと何事か話している。
「行こ!」
エマちゃんに手を引かれ、私たちも三人のそばに行ったが、シルフィエットちゃんは、驚いたようににぃにの後ろに隠れてしまった。
その隠れ方も控えめで、人を警戒している栗鼠のようだ。
「緑色だ……」
誰かが呟くと、泣きそうな顔で
せっかく愛らしい顔なのに。
「なんで泥だらけなの?」
「えっ、えっと……」
ハンナちゃんは普通の声色で訊ねたが、シルフィエットちゃんはまるで責められたかのようにたじたじになっている。
シルフィエットちゃんの隣りに移動して、冷たい白い手をきゅっと繋いでみると、彼女は戸惑ったように私を見下ろした。
口ごもるシルフィエットちゃんに代わり、にぃにが答えた。
「さっき行き遭った男の子たちにイジメられてたんだよ。そのせいで泥だらけなんだ」
「男の子って、イマルとソマル?」
「あー……そういえば、一人はソマルって呼ばれてたような」
「えー! ひどい!」
「大丈夫? 叩かれてない?」
「う、うん。泥玉だけ……ルディが、助けてくれた……」
なんとなく一歩引いた様子だった子たちは、いっぺんにシルフィエットちゃんの味方になった。〝かわいそう〟は〝かわいい〟と同義であると私は思う。
かわいそうなシルフィエットちゃんは、この瞬間女の子たちにとってかわいい存在になったのだ。
「なんなの、あいつ」
「次会ったらみんなで無視しよーよ」
この場にいないソマル君とその兄の悪口に花が咲きかけたところで、
「あんなやつの話、しても楽しくないよ。
ね、ルフィちゃんとシンディちゃんのお兄ちゃんも、私たちと遊ぼ!」
と、エマちゃんが笑顔で言った。
きょとんとしていたシルフィエットちゃんだったが、頬がじわじわと赤くなって、ロールズさんよりやや長い耳が上下にパタパタ動いた。
「う、うんっ! 遊ぶ! ボクも入れて!」
「俺もいいの?」
「うん。あんたは男の子だけど、大人しいから特別ね」
特別と聞き、にぃには嬉しそうな、ちょっと締りのない笑みを浮かべかけて……「あれ?」という顔でシルフィエットちゃんを見た。
「何する?」
「どんぐり集めの続きは?」
「そーしよー」
早々に次の予定が決定した。
シルフィエットちゃんと繋いだままの手が強く握り返される。
「……ぼ、ボク、どんぐりがたくさん落ちてるとこ、知ってる……」
声は小さく、どもっている。頬は夕陽みたいに真っ赤だ。
握り返してくる強さで、彼女なりに勇気を振り絞っているのだとわかった。
エマちゃんたちはお互いすばやく視線を交わし、シルフィエットちゃんに好意的な声を投げかけた。はぐれ者の彼女を真に仲間に入れることをたった今決めたみたいだった。
「すごいじゃん!」
「ほんと? どこにあるの?」
「あの丘の、木の下……」
「じゃあ、あそこまで一緒に行こう。籠は持ってる?」
「も、持ってない……ごめんなさい……」
メリーちゃんとエマちゃんに訊ねられ、シルフィエットちゃんが申し訳なさそうに耳を下げると、ロールズさんが夕食らしいパンと水筒を取り出して、空になった手提げ籠をシルフィエットちゃんに渡した。
「ここに入れるといい」
「いいの?」
「ああ。ほら、行っておいで。みんなと仲良くするんだぞ」
「うん!」
「森の近くには行かないように」とロールズさんがみんなに向けて言うと、にぃにが「僕が責任をもって全員を送り返しますよ」と返事をした。
「そういえば、君はパウロさんの子だね。聞いていたとおり、礼儀正しい子だ」
「ええ。そこのシンシアの兄でもあります」
名前を呼ばれたので、はーい、と手を片っぽあげておく。
「兄妹ともども、この先ご迷惑をおかけする事もあるかと思いますが、そこは我が子の友人ということで多目に見てくださると幸いです」
「迷惑なんて、そんな……」
にぃにはそれから少しの間、ロールズさんと話していた。
暗くなる前に帰るとか、捜索がどうとか、話の内容がむずかしくてほとんど意味はわからなかった。
ただロールズさんがしきりに感心していたから、大人顔負けの口を利いたのだろう。
「シンディちゃんと手を繋ぐ係は、私ね!」
「あ……」
にぃにが私と手を繋ごうとしたが、さっとエマちゃんが躰を割り込ませて阻止した。引き寄せられた勢いでシルフィエットちゃんと繋いでいた手がすっぽ抜け、私はシルフィエットちゃんとバイバイすることになった。
リーリャに背負われて鋳掛屋に行ったときの事を思い出す。まだ口も利けなかった私は、やっとつかまり立ちができるようになった程度だった。小さい子供の遊び相手は務まらないから、一緒にいても楽しくないだろう。だというのに、エマちゃんは「えまの妹にする!」と私を抱っこしてなかなか離そうとしなかったのだ。
エマちゃんと歩くから、にぃにとも少し距離ができてしまった。
目的地で落ち合うことになるだろう。
またあとでね、って、何と言えば……?
「にぃに、ばいばい?」
「バイバイなの?」
にぃには苦笑していた。
ブエナ村で過ごす幼少期は長々と書く予定です。
テンポが遅く感じるかもしれませんが読んでくださると作者が喜びます。