「なっ、何これ!どういうことなの!?」
バンッ!と机を叩いて大声をあげたのはセリカちゃん。帰ってきたアビドスの教室で、私たち(一緒についてきてくれたヒフミさんも含む)の視線は机の上の一枚の書類に注がれていました。
「アビドスで788万円集金した、って書かれてる。私たちの学校に来たあのトラックで間違いない」
「その直後に"カタカタヘルメット団に対し任務補助金500万円提供"、と…これは…」
ゆっくり顔を上げたハリカ先輩…これは、から先は口にしませんでしたが、答えはとっくに出しているような据わった目で…代わりにギリッと歯軋りをしたセリカちゃんが、その答えを口にしました。
「あたしたちからお金を受け取った
「ヘルメット団に、任務…まさか、ヘルメット団の背後にいるのはカイザーローン!?」
「そのまさかだろうね…」
「ど、どういうことでしょう!?理解できません!学校が破産したら、貸し付けたお金も回収できないでしょう!?」
「なんか…何か、もっとでっかい意思が働いてる感じがあるな…」
「うん、銀行単独の仕業じゃなさそう。カイザーコーポレーション全体が関わってるとしか思えない」
「はい…そう見るのが妥当ですね…」
ハリカ先輩とシロコ先輩の意見、そこににヒフミさんからも肯定があり、にわかに不安になります。…私たちは、思っていたよりも巨大な陰謀に囲まれている。そういうことなのでしょうか…
そのあと、帰るヒフミさんをみんなで見送ったのですが…ヒフミさんが自校の生徒会に伝えておくと言ったのに対して、ホシノ先輩はあまりいい顔をしませんでした。
いわく、「トリニティほどの規模の生徒会なら既に知っているはずだし、それで打開策が出るとも思えない」「仮に悪意を向けられても、廃校寸前のうちはマンモス校の力に逆らえない」との考えだそうで…。
「そう、ですね…その可能性も、否定できません」
「でも、いくらなんでも悲観的に考えすぎではありませんか?ホントに助けてくれたりとか…」
「うへ~私は他人の善意を素直に受け取れない、汚れたおじさんになっちゃってね~。…「万が一」ってのを考えなかったから、アビドスはこうなっちゃったんだよ」
ぽつりと呟かれたその言葉。そのとき、ホシノ先輩が普段とは違うどこか悲しげな顔をしたのが…なんだか印象に残っています。
突然の轟音と爆風。機器を見ると学校から10km圏内で大爆発が起きたよう。
「何、まさか襲撃?」
「衝撃波の形状からするとC4爆弾の連鎖反応のようです。砲撃や爆撃ではないですね…もう少し調べてみます」
「心臓に悪いキヴォトス…!」
ハリカ先輩のうめき声を背に、解析作業を進めます。不測の事態には、迅速に…
「爆発地点確認、市街地です!正確な場所は………柴関ラーメン!?」
「はあ!?どういうこと!?なんであの店が狙われるのよ!!…まさか、また私を狙って…?」
「憶測はあとでもいい、とにかく何か手を打とう」
「そうですね、今はそれどころじゃありません!向かいましょう!」
ノノミ先輩の提案で出動していく皆さんを見送りつつ、私はホシノ先輩に連絡するため端末を取り出しました。…それで、気づかなかったのです。私や先生のそばにいたハリカ先輩が、いなくなっていることに。
【アヤネ⇒ハリカ】
駆けつけた柴関ラーメンは綺麗さっぱり跡形もなくなっていて。
黒煙が
…聞くところによると大将は無事、退避済みらしい。不在のホシノ先輩には連絡を取っている最中とのこと。そして、
「あんたたち…許さない!!ぜぇったい許さないから!!!」
…セリカちゃんが、揺らめくオーラが見えそうなほど激怒していた。どうしよう飛び出したはいいけど味方が怖くて近寄れない。…怒ってる人に近寄れないのはもはや私の習性と言っていい。治したほうがいいとは思うんだけど。
「そっ…そうよ!これでわかったでしょうアビドス!?私がどんなに悪党かを!!」
対する便利屋…あれがアルって子か……ふぅん………?
「みんな、覚悟はいい?」
「それはこっちのセリフよ!真のアウトローがどんなものか、見せてあげるわ!!」
…なんだか引っ掛かりを覚える私を置き去りに、戦い…アビドスvs.便利屋68【ROUND2】の火蓋は切られてしまった。
「お、押してる…危なげなく…まあ、二回目だもんな…先生もいるし…」
どうも…私・イン・ザ・銃撃戦でお送りしております。ホシノさんは別件で手が離せないのか来る気配がないけど、それでも三人だけで便利屋+傭兵集団を圧倒できちゃっているアビドス。ノノミちゃんが際立つけどシロコちゃんも火力強めなんだよな…そしてセリカちゃんは怒り心頭だし。すさまじいバフだ…
しかし私はやっぱりどこか引っ掛かりがあって、便利屋の面々に弾丸を飛ばせずにいる。とりあえず小柄な子が投げてくる爆発する鞄を撃ち抜いたりはして―――
「わ、ひゃあっ!?ちょっ…!?」
いきなり降り注いだ爆撃。その爆風にたたらを踏んだ。なんだこれ!?あの子じゃない、鞄構えてなかったし、そもそも一度にいくつも投げられないだろう。アビドスにもここまでのことをできる子は…
「迫撃砲、ですか…?」
「それも、狙いは便利屋って…」
ノノミちゃんたちの不思議そうな声が聞こえた。えっ、迫撃…なんだっけ?あいにく私はミリタリーに暗い。こっちの世界に来ても全然覚えられない。なんならブラックマーケットのとき借りてたやつもなんなんだか…
「…へっ!?ゲヘナの風紀委員会!?」
「…は?」
・ハリカ
思いがけない闇の気配に遠い目をした
激怒している人にはなかなか近寄れない。治したいとは思うけどどうしても…ネ
最後方からささやかな火力支援タイプ。それはそうと彼女の状況、違和感にお気づきだろうか
そしてまさかの名前を聞いてフリーズ。え、……は??
・アヤネ
もっと大きな闇の気配に漠然と不安を抱く。
(ブラックマーケットは例外として)普段はこっちにいたハリカがいないことにはあとで気づく
総合的に分析能力高すぎるけど具体的に何してるんだろ…
・セリカ
怒りでバフ発生
・シロコ
今回は影薄め
・ノノミ
行きましょう!って言うのは大体彼女よね
・ホシノ
何かを抱え込む先輩。今回から次回にかけてほぼ不在。どこかに行っているようだが…?
・ヒフミ
母校へ帰還
・先生
今回は現場に出張ってる。
・便利屋68
引くに引けなくなった&面白いことになった&切り替えていこう&アル様のためならなんなりと!の四人でお送りしております。