「…ユニット起動」
「覚悟しなさい!!」
「全弾発射~☆」
「…」
▼とっさに かくれてしまった!
…いや、その…全く予想だにしなかった衝撃を頭に受けて*1、「あ~そういえば"ゲヘナ学園でも問題児集団として名が通ってる"んだったな…」と気づくのに時間がかかってしまった。その間になぜだかアビドスと風紀委員会で交戦状態になっていて完全に出ていくタイミングを見失った。
…エーーーッ!!?ナンデ!?アビドスナンデ!!?………あれか、もしかしなくてもまたシロコちゃんか…?
「どうなってやがる…?向こうは三人だぞ?」
ワッ…ワァ……めっちゃ久しぶりのイオリちゃんだ…あ、後ろにチナツちゃんもいる…でも私、眉をひそめて首をかしげてるイオリちゃんしか知らなかった…そんなアグレッシブガールだったなんて知りたくなかった……あ、でも吹っ飛ばされた…ノノミちゃん……!
『こんにちは、アビドスの皆様。私はゲヘナ学園所属の行政官、アコと申します』
…戦況が落ち着いたと思ったら、向こうの通信と繋がったらしく…アコさんの声が聞こえてきた。久方ぶりの。
そして、今は武装解除して話し合い中。…どうしよう。独断で通信も無しに出ちゃったから戻るに戻れないけど今出ても大丈夫か…?同じく出てきていた先生に頼ろうにも、なんか先生最前線あたりまで出ちゃっててどうにも…近寄れない…!
「…このまま大人しく引き渡すわけにはいかない」
「そうですね、彼女たちの背後にいる方の正体もまだわかっていませんし、先にお話を聞かせてもらいませんと」
…悩んでたらいたら交渉が決裂したらしいねえ嘘でしょ。便利屋の処遇について揉めに揉めている。あー…でもそうか、襲撃の背後関係は知りたいよなぁ…ノノミちゃんの言う通りだ。でも、それってまたドンパチ始まる?それはちょっとさすがに勘弁願いたい…
「っ!?」
若干遠くで聞こえる爆発音と悲鳴。風紀委員が倒されてる?ふとみると、イオリちゃんが連射をくらって倒れるところだった。…あれ、便利屋!?紫髪の子だ…!
「嘘をつかないで、天雨アコ。偶然なんかじゃないでしょ」
そう言って現れたのは同じく便利屋の…なんか白黒の子。ラーメン屋で見たときはとても寡黙だった記憶がある。それが今は、風紀委員相手に…。
「こんな非効率的な運用、風紀委員長のやり方じゃない。だからアコ、これはあんたの独断に違いない」
え、そんなことする人だったの…?確かにアコさんにはどことなく言い知れぬやばみを感じてはいたけど。服装を抜きにしても。…それなら、"偶然なんかじゃない"って…
「私たちを相手取るにしてはあまりにも多すぎるこの兵力。他の集団との戦闘を想定していたとすれば説明がつく。…とはいえこのアビドスは全校生徒集めても5人しかいない。なら結論は一つ…
「…」
どうする? ▶️かおをおおう ためいきをつく
一瞬、ゲリラ豪雨かと思って顔を上げたら、どうやらそれは大勢の足音…風紀委員の増援!?なんだこの人数アコさん吹っ切れたか!?
「先生を連れていくって!?それであたしたちがはいそうですかって言うと思う!?」
セリカちゃんがまたキレて…えっ何、連れていくって何!?あ、え?便利屋と手を組んで…???
…全くついていけないまま、戦闘が再開されてしまった。
「にゃーん」
わたしはことばをうしないました。さすが便利屋、さすが問題児集団として名を馳せるだけある。第一中隊がどうの、第三中隊がどうの、壊滅報告が飛び交っているようだ。わたしこんどはなにもしてない。戦場戦場しすぎてて気圧されてるもの…。
冒頭の発言はことばをうしなった末の絞り滓。ほらよく言うじゃん、"追い詰められたら「にゃーん」とでも言っておきなさい"って。…え?言わない?そう……冗談はさておきまあ、これでアコさんが懲りてくれたら…
『第八中隊、後方待機をやめて、突入してください!』
「なっ…!?」
「ま、まだいるの!?」
またぞろぞろとやって来る風紀委員。どんだけ人員投入してるの!?いくらゴーストタウン化してきているアビドスとはいえ、この辺りは無人街というわけではないのに…さしものアビドスも、便利屋68の面々にも顔に疲労の色が出てる。セリカちゃんやノノミちゃん、ムツキちゃんというらしい鞄を投げる子も肩で息をしてるし、ハルカちゃんという紫髪の子はもうしゃがみこんでる。
…でも何より、こんな望まぬ形で争いの火種になってしまった先生の顔が、本当につらそうで…でも、風紀委員はお構いなしに銃を構えて―――
「…いい加減にしろぉーっ!!」
矢も盾もたまらず引き金を引いた。
私史上最速だったと思う。
【ハリカ⇒セリカ】
「っ!!?」
後ろから聞こえた叫び声。それとほとんど同時に、ボンッ!とか、そんな感じの音がしたように思う。…何が起きたかはよくわからない。ただ前方、向こうの隊列の場所にものすごい砂煙が立って、何人もの悲鳴が上がった。…そして煙が晴れると、風紀委員の陣形は完全に崩れていて、どうやら射撃姿勢を保てた生徒は一人もいなかったらしい。
『な…なんですか今のはっ!?いったい誰が…』
ゲヘナのアコ行政官もものすごく困惑してるみたい。…でも、私たちの方にもまったく心当たりがない。…先生なら何か知ってるかしら?
『アコ?』
そう振り向いたとき。向こうの通信に別の声が入って。
『えっ…ひ、ひひヒナ委員長!?』
「委員長?ってことは…」
「風紀委員のトップ…!?」
私たちも風紀委員も一斉にざわついた。後ろから悲痛な叫びが聞こえるけど気にしない。
『アコ、今どこ?』
『わ、私ですか?私は…そ、その…ゲヘナ近郊の市内の通りです!風紀委員のメンバーとパトロールを…!』
「思いっきり嘘じゃん!」
「やっぱり独断だったんですね…」
…さっきまでの司令塔としての威厳はどこへやら、行政官はいっそ面白いくらいに慌てふためいている様子。
『それより委員長なぜこんな時間に?出張中だったのでは?』
『今帰ってきた』
『そ、そうですか…その、私、今すぐ迅速に処理しなければいけない用事がありまして!後程またご連絡いたします!今はちょっと立て込んでいまして…!』
『立て込んでる…?パトロール中に珍しい。何があったの?』
『そ、それは…』
『
…え?…今、通信と同じ声が、別の場所から……
「え、あれっ!?」
「い、いい委員長!?いつの間に!?」
『え…えええええっ!?』
…見上げたビルの上、身の丈ほどもある機関銃を抱えたゲヘナ生がそこにいた。
「…アコ。この状況、きっちり説明してもらう」
『ゲヘナの風紀委員長…空崎ヒナ。外見情報も一致します。間違いなく本人のようです…ですが…』
「…っ」
今回は行政官の独断とはいえ、委員長がどう判断するかはわからない。相手はゲヘナでもトップの戦闘力を持つ生徒。もし戦闘になるなら…勝ち目がない。いつの間にか便利屋は逃げ出してるし!
行政官との通信が切れ、現場の私たち(+アヤネ)だけになった。風紀委員長と向かい合う。
「じゃあ、改めてやろうか」
『なっ!?ま、待ってください!ゲヘナの風紀委員長といったら、キヴォトスの中でも匹敵する人を見つけるのが難しいくらい強者中の強者ですよ!?ここは下手に動かず交渉するのが吉です!』
…血の気の多いシロコ先輩を引き留めて、アヤネちゃんが交渉に乗り出した。
・ハリカ
とっさに隠れてしまってドツボにはまるも、泥沼化していく戦況に業を煮やして偏倚解放をぶちかました
偏倚解放は空気を圧縮して一方向に放つもの(今更解説)。今回は地面へ斜めに向けたので、前例と結果が異なる
勝手に飛び出してきたので通信が繋がっていなかった。そのためアヤネの発言は現場の三人経由でしか聞いていない
地味に名前一文字違いが二人という憂き目(?)に遭っている
・セリカ
!?
今回の語り手チャレンジ
・シロコ
!?
それはそうと日頃の行い…
・アヤネ
!?
・ノノミ
!?
・先生
偏倚解放については聞いたことしかなかったので、頭の中では繋がってない。でももしやハリカ?とは思った
・便利屋68
今の何!?とは思うものの、風紀委員長来訪のためやむを得ず逐電
カヨコまじMVP
・イオリ・チナツ
同じような現象を見たことがある二人。また次回
・アコ
先生争奪戦を勃発させた策士。以前(第二話)自分で言った通り実戦でわからされたことを、謹慎になった本人はまだ知らない
・ヒナ
来ちゃった