時系列反復横飛びでほんと大変でしたわ…
「アリスが連れていかれちゃった…!」
「落ち着いてモモイ、計画通りだよ」
「とりあえず、一つ目の仕掛けはうまくいった感じかな…」
セミナーの猛攻に倒れたアリスが身柄を確保されるのを、私たちは遠目に見ていた。
お姉ちゃんがユズになだめられている横で、なにやら話し込んでる先生とハレ先輩を見る。…大丈夫、あの二人が主導する作戦だ。きっとうまく行く。
私たちはこれから、
そのための作戦として私たちはバラバラに動くことになって、突撃するのは私とお姉ちゃん、それに先生と…ものすごく嫌そうな顔をしつつも、万が一のためについていくというハリカ先輩。
「エンジニア部から連絡は?」
「ちょうど来てたよ~"トロイの木馬を侵入させることに成功した"って」
「それはひと安心!もし失敗してたら、アリスが意味もなく監禁されただけ…ってなるところだった!」
「じゃあ、次のステップに移ろうか」
ハレの言葉を合図に、一旦解散。次のステップのためにまた調整とか準備が必要らしいから。待っててねアリス、そしてG.Bible…!
「はあ…緊張する…」
すっかり日も暮れた頃、私はミドリ、先生、ハリカ先輩の三人とミレニアムタワーの下に戻ってきた。こんなに緊張するのは、古代史研究会の建物を襲撃したとき以来かも。
「気が重い…」
「ハリカ、大丈夫?」
「…やりますよ。乗りかかった船からは飛び降りないことにしてますから」
「ヒビキとウタハ先輩は?」
『もう「お客さん」を出迎える準備はできてるって』
「良いね、さすが!」
「やってるのは決していいことじゃないけどね…」
…エンジニア部の二人からのメッセージ。要するに、少なくともセキュリティですぐに追い出されることはないってことだ。
「マキとコトリの方は?」
『こっちも準備OK、完璧だよ~』
『お任せください!理論上、この作戦が成功する確率は
「うぇ!?ほぼ間違いなく失敗じゃん!なんで自信満々なの!?」
『えっへへ、場を和ませる冗談ですよ!逆です、
し、心臓に悪い…とにかく、二人も準備万端ってことか。
「コトリちゃんとマキちゃんの準備も終わったなら…」
「第2段階、だね!」
「こんばんは。いい夜ですね。お二人のここまでの行動は、監視カメラですべて見せていただきました。うすうすお察しかと思いますが、あなた方の作戦は既に失敗しています。早いうちに投降することをおすすめしますよ?」
「「!」」
「改めまして、私はC&Cのコールサイン・ゼロスリー。本名は秘密ですので、謎の美女メイドとでもお呼びください」
「あ、アカネ先輩!」
「えっ、"特技が暗殺"で有名なあのアカネ先輩!?」
「うーん…一応秘密のエージェントのはずなのですが、いつの間にそんな知られ方を…正体を明かさない系ヒロインは、もう時代遅れなのでしょうか…」
「色々知ってるよ~?コタマ先輩いわく、最近体重が」
「待ってください?その情報漏洩はさすがに問題がありますよね!?その情報に関しては永久に黙っていていただきます…さあ、そろそろ姿を見せていただきましょうか、モモイちゃん、ミドリちゃん!」
「ふっふっふ…まだ気づいてない感じかな?失敗してるのはそっちの計画の方だよ?」
「………!?あなたたちは…!」
「そろそろ録画だってことがバレた頃合いかなぁ」
隣で、お姉ちゃんが天井を見上げながらぽつりと呟いた。後ろには先生とハリカ先輩。私たちは、まだエレベーターホールにいる。向こうのモニターに録画映像を流して、それに合わせてコトリちゃんとマキちゃんが先行していたのだ。
「…今さらだけど、平和な状態の映像を流しておいた方がよかったんじゃ?」
「人の出入りが頻繁なところだったし、何もない方がむしろ不自然かもしれないでしょ?それに、こうやって…C&Cの先輩たちを分散させておいた方が、最終的にミッションの成功率は高くなるはず!」
「ずいぶん考えてるね…」
「やるからには本気だからね!…あ、エレベーター来た。それじゃ、
「あ、待って…先生、はぐれないように手を繋いでおきましょう。ハリカ先輩も…」
「あ、私は大丈夫。先生の後ろにちゃんとついてくから覚えててくれれば」
「?あ、はい…では、行きましょう」
エレベーターにも指紋認証がついてたりするけど、今は問題ない。けたたましく鳴り響く警報も、今だけは気にしなくていい。
「ハレ先輩から連絡。アカネ先輩を閉じ込めるのに成功したって」
「よし!指紋認証システムも
外の光が差し込む廊下で、お姉ちゃんと笑い合う。本来ならもうセキュリティに弾かれているところ、私たちは何事もなくミレニアムタワーの中を早足で駆け抜けていた。
「生徒会役員も全員隔離できたはずだし、これで今タワーの中を自由に動き回れるのは私たちだけ…本来のエンジニア部製よりほんの少しだけ弱そうに見える最新型のセキュリティ、うまくいったみたいだね」
「名前を隠してたし、まさかあれもエンジニア部製だとは思わなかっただろうね~」
…そう、最初にアリスが大暴れしたのはこのためだ。セキュリティシステムを壊して、新品と入れ換えさせるため。エンジニア部はセミナーが自分たちを怪しんで避けることまで考えた上で、名前を隠した下位互換のシステムを用意して、それを採用させたんだ。…ほんとよく思い付くよね…。
「さすがはエンジニア部。じゃ、堂々と行くとしよっか~」
「どうせならアスナ先輩も封じ込めておきたかったところだけど…」
「居場所がわかってないんだっけ?」
「うん、ハレ先輩ができるだけミレニアム全域を調べてくれたけど、見つからなかったって。ミレニアムの外にいるのかな…」
C&Cの四人のうち、ネル先輩は自治区外、アカネ先輩はさっき封じ込めたけど、あとの二人の居場所がわからない。カリン先輩は狙撃手だから直接対面する心配はないけど、問題はアスナ先輩…。
「いっつも神出鬼没の先輩だし、簡単には見つからないんじゃないかな~なんか任務中に急にパフェ食べに行ったりするらしいし。ま、今のところ順調なんだから気にしない気にしない…」
「誰!?」
前方から鋭い叫び声がして、見れば…見慣れた制服に身を包んだ、名前も知らない生徒会役員。慌てて警備ロボを呼び寄せてるみたい…
「ひゃ!?って生徒会じゃん!まだいたなんて!」
「ど、どうしよう先生!」
「ここまで来たら突破しよう、ここまで来て後戻りはできないよ」
「…そうですね。行こうお姉ちゃん!」
「うん!行くよミドリ!」
【ミドリ⇒ハリカ】
Q:今なにしてる?
A:ミレニアムの校舎に侵入していろいろ迎撃してる
「いや~なんとかなったね!」
「ありがとうございます先生、とても心強いです」
「どういたしまして。ハリカは大丈夫?」
「ええまあ…痛いのは良心だけです」
気が重い…でも、あんまり引きずってネガティブを感染させてしまうわけにもいかないから、ひとまず取り繕っておく。…ほんと、あとでユウカになんて言おう…
私たちは今、とても念入りに綿密に練られた作戦の中で動いている。今のところイレギュラーはない。タワーのセキュリティ側は、今ごろ
警備ロボットの一群を撃破したばかりの、きっと束の間だろう静寂の中で、パーカーのフードの紐を握りしめた。季節外れの装いだから少し暑いけど、これが一番効率的だから仕方ない。
…そうして、しばらく進んだ頃。
「最後のシャッターを解除…ふっふっふ、生徒会専用フロアも今や私の思うがまま!さてと、もう少しで『鏡』がある差押品保管所に『モモイ、伏せて!』…えっ!?」
突然通信に入ってきたハレちゃんの声。とっさに言われた通り伏せると、ドカンッ!!と轟音がした。
「ひょえ!?いっ今頭の上を、なんかすさまじい威力の弾丸が…壁に穴開いてるんだけど!?」
「対物狙撃用の13.97mm弾!?」
「狙撃…!?」
「…もう狙撃ポイントに入ってるってことだね…C&Cの狙撃手、カリン先輩の…」
狙撃手…そうか、言われてみればそういうポジションもいるよね。アビドスでは見たことがなくて、シャーレには…ハスミさんはそうかも?
っていうか、
「先生は私が!…ったくこんな命の危険にさらされることそうそうないよ…!」
「ミドリ伏せて!また来る!」
「いっそ駆け抜けたほうがいいんじゃない!?…うわぁ!?」
また轟音とともに壁に穴が…ほんと見えないものって怖いよね!
自分の身を守るのを一旦やめて、ブレスレットをフル稼働させる。わからない、これでも突破されて、誰も守りきれないかもしれない…万が一が来ちゃったか?いやでも、狙撃手の存在が割れてるんだから、誰も対策を考えないわけが…
『みんな大丈夫?』
「っ、ヒビキちゃん?」
「カリン先輩は私と部長で押さえ込むよ。任せて」
「押さえ込むって…」
ズドォン!という音が外から響いた。窓を見つけて覗き込むと、少し遠くに見える建物の屋上から煙が上がっている…まさか、狙撃手を狙撃?そんな馬鹿な。
「とにかく、今のうちに急ごう!」
「そうだね…うっ、わ!?」
走り出したところで、突然地響きとともに建物が揺れた。
「何!?地震!?」
「爆発だと思うけど、まさか…アカネ先輩?」
「無理矢理こじ開けたかも…ってこと!?それじゃあ――あっ」
「ん?」
ふと足を止めたのは、建物が真っ暗になったから…停電だ。きっと、作戦会議の時に言及があった「ハッキングの隙」だろう。
「…よし、走るよみんな。足元に気を付けて」
「了解!」
…ずいぶん奥まで来た。双子によると、目的地の差押品保管所はもう目と鼻の先らしい。
「お、やっと来たね!」
…なんだけど、そうスムーズにいくはずもなく。私たちの前に、亜麻色の髪のメイドが姿を…
「遅かったね~だいぶ待ってたよ?ようこそゲーム開発部!それに…えっと、せんぱい?だっけ?」
…ん~~~??なんかすごく引っ掛かるぞこの子…転生者としての『私』のセンサーに…なんだかすごく久しぶりな感覚。ユウカちゃん以来か…いや、ユウカちゃんよりもっと…
「あ、違う違う!思い出した、先生だ!ずうっと会えるのを楽しみにしてたんだよ~?あとあと、後ろの子もはじめましてだね!」
「バレてる!?」
【悲報】『拡散』、突破のお知らせ
…いやまあ、『極致拡散』じゃないから見破られるのはわかるけど!薄暗いっていう絶好の環境下で、しかも先生の後ろに隠れてたのに…!?
「あ…アスナ先輩!?どうしてここに!?」
「どうしてって言われても~…なんとなく?予感とか直感とか、そういうのってあるでしょ?ここで待ってたらなんとなく、あなたたちに会えるんじゃないかな~って!」
「難しい言葉じゃないのに何言ってるかわからない…!」
ミドリちゃんは口をぱくぱくさせている。私もわからない。だって理論型だもん…直感型は対極の存在だもん…!なんて誰に向けるでもない言い訳をしながら、フリーズしてるモモイちゃんを揺さぶる。この人がさっき言ってたアスナ先輩とやら…なるほど、これは確かに封じ込めておきたい。
「さて、じゃあ始めよっか?」
「えっと、念のために聞くのですが、何を…?」
頬をひきつらせるミドリちゃんに対して、アスナさんは満面の笑顔で。
「戦闘を!私、戦うのが大好きなの!」
…さ、最悪だー!!直感型でバトルジャンキーとか最悪でしかない!
「あ、自己紹介がまだだったね?…C&C、コールサイン・ゼロワン、アスナ。いくよ!!」
「やっぱりぃ!!?」
・ハリカ【ヘイロー装備中】
ユウカを敵に回すことになって気が重い。あとでなんて言おう…でも優先するのは先生のほう。
やっと『拡散』を出せた……ある空間の光や音を均一化する魔法。薄暗い周囲により溶け込むため、グレーのパーカーを持ち込んでいる。『極致』は完全に気配が消える上位互換
・ミドリ
語り手チャレンジ二度目
ゲーム開発部の中では一番書きやすい気がする。慎重派なので
・モモイ
軽薄なようでちゃんと考えてるお姉ちゃん
一回モモイ視点で書こうとして挫折しますた
・アリス
▼アリスはつかまってしまった!><
・ユズ
どこにいるんだろうね…?
・先生
ちゃんと同行してると思うんだけど何度か立ち位置がわからなくなることに定評がある
・ヴェリタス・エンジニア部
心強い協力者
・アカネ
03。おっとり爆弾魔系メイド(意味不明な日本語)
騙されて閉じ込められた
・カリン
02。必殺仕事人系スナイパー…兼メイド
たぶん先生を撃ち抜いてはまずいことぐらい知ってるだろうし、もう一人いるのに気づいたけどあまりにも先生に近すぎて撃てない
ウタハとヒビキの二人がかりで足止めされる
・アスナ
01。直感型大型犬系バトルジャンキーメイド(意味不明な日ry)
ハリカの(転生者としての)センサーが反応する理由は言わずもがな
・ユウカ
省略してるけどずっと裏で翻弄されてる
カメラ越しには『拡散』が効いていて、まだハリカに気づけていない
…仮に気づいたとしても…