気がつけば一月もブランクが空いてしまった…なおそのうち二週間くらいはいつもの締め方迷子でした
シャーレの増員と、現状本編とはあまり関係ないけど書くことにしたあの子の話
また書きため期に入りますかね…リアルが忙しくなりそうだけど…
問題が増える話
【ハリカ】
…ものすごく今更だけど、『私』の話をしようと思う。"稲梓玻璃花"じゃない、その中にいる『私』の話。
以前*1にも述べた通り、『私』はいわゆる転生者というやつだ。死んで気がついたら、愛読…していた魔法科の世界に生を
覚えてないといえば、『私』のプロフィールだってそうだ。なにぶん「稲梓玻璃花」として10年以上も、しかもノリノリで暮らしていたから忘れてしまった。というか、似ても似つかぬ新しい人生を送る上では邪魔にしかならないからしょうがない…あ、でも同性ではあったはず。その辺の戸惑いがあったら忘れてるとは思えないし。
でも、プロフィールを除けば『私』の知識は結構残ってるほうだと思う。比較対象がないからほうとか言うのはおかしいけど。だから魔法科の世界とわかったときは感動したし、記憶を頼りに使える魔法を増やしていったし*2、なんならもし突然忘れてしまったら、なんて律儀にメモだってしていた。四高を選んだから知ってるキャラにはあまり出会わなかったけど、スバルちゃんの先天性スキルに翻弄された九校戦や、存外普通にかわいい後輩になった亜夜子ちゃんのことは鮮明に覚えている。
まあ…残念ながら読破はできてなかったんだけど。多忙でどうしても。後ろ二巻は表紙しか把握してない。…どのみち、軽率な思い付きで行動した結果として途中退場することになったから、もう関係ないけど…
「ご主人様~!」
「何か、早速手伝えることはあるだろうか?」
「うん、ちょっと離れて…とりあえず、資料の整理を手伝ってくれる?この後追加で来るらしくて」
…あぁいけないいけない。暗い話になっちゃった。さて、どうして急にこんな話を始めたかというと現在、目の前、定位置のデスクにつく先生に構っている二人が原因だ。…というか、
「なぜここに…?」
「あ!
「ぶふっ!?」
唐突な身辺調査しました宣言*3に思わず吹き出してしまった。けど当の発言者…アスナさんはにぱーっと笑っているし。傍らのカリンさんはアスナさんにジト目を向けている。…今ここでこの二人が並んでるのを見てようやく、今私がいる世界の見当がついたんだ。…けど、うん。一旦あとにしよう。
「…いや、もしかしてシャーレ所属に?」
「そうだよ~先生が新しいご主人様になるの!よろしくね!」
「もちろんミレニアム所属は変わらないけど、ここでは先生がご主人様だ。…そういえば、私は自己紹介してなかった。私は
「あぁ…はい。稲梓ハリカです」
ちょっと先生の呼び方に戸惑ったけど、これはあくまでも二人がメイドであるからだろう…その服装が示す通りに。あとシャーレにはもう
「あ、それと…今日はまだ来てないけど、ヴェリタスのハレもお迎えしたからね」
「まだ来てないというか…二人がいるから避けたのでは?」
「あー…それもそうだね」
それもそうだねじゃなくて。えっと、つまり…これでシャーレに所属する生徒は、私も含めるなら…15人?
「順調にメンバーが増えていきますね…」
「正直、仲間はたくさんいてくれた方が嬉しいからね。忙しいのもあるし」
「まぁ確かに、先生がぶっ倒れることは減りましたね」
「え、前はよく倒れてたってこと?」
「私の他に数人程度じゃまだまだオーバーワーク気味だったので…」
そうなんだ~と言うアスナさんと……えっと、カリンさんはオフィスの外に出ていったのかな?ちょうど会話が途切れたから話を戻すと、この二人…どうも『私』には見覚えがある。
しかし生身で会った人ではなく、画面の中…絵で描かれていた人だと思う。となると、『私』は魔法科世界からまた別作品の世界に来てしまった、ということなのか?なんて言うっけ?トリップ?…ともかく、文字通り
「ハリカちゃーん?」
「…あ、はい。なんです?」
「気になったんだけど~ハリカちゃんって、なんか
「ぶふっ!?」
名前を呼ばれて顔を上げれば、唐突な核心を突く質問に思わず吹き出してしまった。けど当の質問者…アスナさんはにぱーっと笑っ
「なっ…!?え、ど」
「あれ?もしかして当たり?」
「っ……………」
確認をとられて言葉に詰まった。あぁダメだ…やっぱり私はこうして詰められると弱い。誤魔化しや言い逃れのタイミングを簡単に失ってしまう。思わず目配せすれば先生は唇をへの字にして首を振っていた。万事休す。…幸いなのは、カリンさんがすでに部屋を出ていたことか…
「あの…一体どうして」
「んー……なんとなく?」
「なん…っ、いや、でも…………えぇ……?」
そうだこの人相容れない直感型だった…言い返そうとした口からは間抜けな声が出るばかり。先生も苦笑いしてる。でも、アスナさんの口からは「あ、」と言葉が続いた。
「本当になんにもないってわけじゃないよ?あのとき、ハリカちゃんには何発打ち込んでも手応えがなかった。何か着込んでるのかと思ったけど、そうだとしてもずぅっと難しい顔して眉ひとつ動かさないなんておかしいでしょ?」
「う、それは…」
「それに、ハリカちゃんのほうからは銃声もぜーんぜん聞こえてこなかった。あのときハリカちゃんはそこのガンラックにかかってる拳銃(ハンドガン)を持ってたけど、あとから考えると射程も弾速も合わないんだよね」
「…参りました…けど、その観察眼がありながら
「そこは直感かな!」
「きゅう…」
ハリカ は しんでしまった!
…冗談はさておき、ともかくバレてしまった(……と言っていいのかわからないけど)のは事実。仕方なく、アスナさんにも魔法について最低限だけ明かすことにした。私のこれは体質に基づくもので、詳しいメカニズムは難解だから省くけど万能ではない…まあ、ハスミさんにしたのと同レベルの説明だ。めちゃくちゃお目目キラキラさせて聞いてくれるのがとても複雑。
…大っぴらにしたくはないとずっと思ってはいるけれど今回の件といい、アリスちゃんも魔法を視認できた件*4といい、我ながら本当に先が思いやられてしまう。
…それにしても本当、この体たらくでよく前世のことを隠しおおせたよ…いや、それはむしろオーバーテクノロジーなあの世界だからか。
「ハリカちゃんは魔法使いなんだ~!素敵だね!」
「あの…本当に、誰にも言わないでくださいね?」
「誰にもって、リーダーにも?」
「ネルさんにも、ミレニアム上層部にもです…ほんと、ややこしいことになるのは目に見えてるので」
「一応僕からもお願いしておくよ。実のところ、詳しいところは僕も明かされてないから」
「んー…そうだね、ご主人様もそう言うなら、秘密にしててあげる!」
少し考える様子を見せたアスナさんは、また満面の笑顔に戻ってそう言った。…なんだか先生の助け船がなかったらダメだったみたいな言い方に聞こえるんですけど?不安を隠せないまま目を合わせてもアスナさんは微笑むばかり。私やっぱりこの人苦手だ…。
「…ハリカ、お疲れみたいだしちょっと休んだら?」
「そうします…先生もちゃんと休憩はしてくださいね」
そんな私のゲンナリははっきりと
「…あ」
「ん?どうかした?」
「ああいや…私今から休憩入るから、よろしくね」
…ちょうどユウカがやってくるところ。思わずこぼれていた間抜けな声をごまかして、横を通り抜けて仮眠室に向かった。何も話さなかったのは長くなりそうだったからだけど、まあどのみちこのあとオフィスでユウカ・アスナ・先生の間で紛糾するんだろうな…。
「…いいや、目覚めたあとの自分に丸投げしよう。絶対後悔するだろうけど」
ドアを開けて仮眠室に入り、なんとなく廊下から一番遠い簡易ベッドに倒れ伏す。
…そういえば、アビドスの件といいゲーム開発部の件といいずいぶんと濃い経験をしてきたからか、この世界の夢も見るようになってきた。就寝中の自分なんてオカルチックな幽体離脱でもしないと見れないわけで自覚はあまり持てていないけど、うなされる回数は少し減ってきているらしい。ユウカが笑顔で教えてくれた。
…まあ、いい傾向なんだろうな……外から見れば。
程なく訪れた眠気に呑まれてとりとめもない思考の中、深くなる呼吸にまぎれて言葉がこぼれた……気がする。
「………忘れたくないな…」
問題児を語る話
【ハリカ⇒カリン】
『一旦シャーレに戻る?じゃあ今いる場所教えて。迎えに行くから』
そんな通信からわずか2分足らず。建物を下りた私の前に一台のバンが停まった。運転席の窓から先ほどの通話相手…ゲヘナ学園のフユコが顔を出す。
「お待たせ。右後ろが空いてるから」
「わ…わかった」
…そこそこ混んでいる時間帯のはずなのに、ずいぶんと早い到着だ。少し面食らいながら
「本当になんなのアイツは!!」
車内から響いてきた叫び声に思わず固まった。
「ユウカ、声が大きい。驚かせちゃってるよ」
「っ…失礼。だけど、叫びたくもなるじゃない」
助手席のハリカから注意され、ユウカはおとなしくなった…が、苦虫を噛み潰したような表情はあまり変わらない。…今回の任務は暴動を起こしていたヘルメット団の鎮圧で、メンバーはたまたまシャーレに所属している二年生ばかりになった。先生の補助に入ったハレも含めて。それが現在、ハリカ、ユウカ、スズミ、ノノミ、私と、運転席のフユコ…一人足りない。
「チサキか…」
「強かったから助かったけど…ハリカに通信機器投げ渡して、勝手にどっか行っちゃったのよ!」
「止める暇もありませんでしたね~」
降旗チサキ。ゲヘナ学園に籍を置く、赤髪の一匹狼。シャーレに来ることも少ないそうで、私だけでなくユウカとノノミも作戦行動を共にするのは初めてのことらしい。
ユウカは怒り心頭というふうだった。普段リーダーと揉めているときと違うのは、怒りを向ける相手がここにいないということくらいだろう。…しかし……
「確かに、強かったな…」
「落ち着いてカリン、あれはチサキが異常だから。スナイパーライフルは移動しながら撃つものでも片手で撃つものでも棍棒にするものでもないから。本来」
「それはわかってる。まず私の銃でできる芸当じゃない。…けど」
同じ
…最初のうちは、特に問題は起きなかった。前衛にユウカ、中衛にスズミ、後衛にノノミとチサキ、最後方に私という布陣*5で臨んだ私たちは、ヘルメット団を順調に掃討していた。一介の不良集団が巡航戦車を持ち出してくることに少し驚きはしたけど、私にとってはたいした相手ではない。すぐさま行動不能に追い込み、前線部隊がヘルメット団を制圧。任務は無事に完了した。
…かと思われたそんな折、ハレから通信が入って。
『みんな気を付けて。4時の方向から15人ほど、向こうの増援が来てる』
『えっもう倒しちゃったけど!?延長戦ってこと!?』
『ずいぶんお寝坊さんみたいですね~』
「…目標を捉えた。一発で、っ!?」
確認すれば、確かに前線部隊から見て後方に十数人ほど。遮蔽物は少ない、ならばここは私が――そう考えて構えたスコープの視界に飛び込んでくる人影を見て、思わず絶句した。
『えっちょっ、チサキ!?』
『任せて、この程度3分で終わる』
通信も混乱する中、さらりと言い放ったチサキはその時点ですでに一人倒していて。
『仕方ない。カリンは一旦待機』
「…了解」
先生からの通信を受けて引き金から指を離したあとも、しばらく私はスコープから目を離せないでいた。思い返せばはしたない体勢をしていたかもしれないが、…チサキの制圧が、あまりにも鮮やかな手際だったからだ。
後衛向きのSRを相棒にしておきながら近接戦なんて、と思いはしたものの、本人は高い瞬発力と軽い身のこなしで難なく懐に飛び込んでは相手を一撃で気絶させていた。今考えると、
…そうして、最後の一人が顎を蹴りあげられて倒れるのを見届けた辺りでふと我に返り、スコープから目を離した。だからそのあとチサキがどのような行動をとったのかは知らなかったんだ。ちなみに通信から漏れ聞こえてきていたけれど、3分どころか2分半もかからなかったらしい。
「一応、先生の側にはゲヘナに帰る旨が報告されていたそうですが…」
「私たちには無しでしたね~」
「本っ当に意味がわからない…なんであれで後衛なの…」
話を現在に戻すと、ユウカはぐぬぬ…とうなりながら頭を抱えていた。合理的、効率的に重きを置くタイプの彼女にとってはやはり度しがたいことなのだろう。
「少しでも射程圏でアドバンテージを得たいんだってさ」
そして、そんなユウカの独り言のようなうめき声には、運転席から回答が提示された。
「フユコちゃん、よく知ってるみたいな言い方ですね?」
「みたいも何も実際よく知ってる。付き合いは長いから」
「…そういえば、シャーレに推薦したのはフユコだったわね」
「いい加減羽を休める場所くらい作っとくべきだって説き伏せたんだよ。たまに出動要請が入るくらいなら苦じゃないでしょって」
言われてみれば二人は同じ学園に通う同級生…しかし、どうもそれだけの関係性ではないらしい。
「…チサキは、フユコから見てどういう生徒なんだ?」
「私も聞きたいわね。あそこまでつかみどころのない奴だとヒントがほしい」
純粋に湧いた興味から問えばユウカが乗っかってきた。少し視線が交錯したけど、特にそれ以上のことは起きない。…想定外の返事に起こせなかったとも言う。
「んー…一口に言うなら、『まだまともな会話が成立するバーサーカー』かな」
「…へ?」
「バ…」
「…その言い方は、ちょっと酷いんじゃないか?」
「大丈夫大丈夫、公認だから」
「公認だった…」
恐る恐る確認したら公認だった…そんな困惑する車内には見向きもせず*6、フユコはチサキについて語りだす。
「チサキはなんというか、変なところでゲヘナらしいんだよね」
「ゲヘナらしい?」
「そう…あ、ちょっと揺れるからどこか掴まってて。目も閉じた方が」
「えちょ、まさか」
「何…うわ、わあっちょっっと!!?」
「っっ!?」
脈絡なく入った注意に身構えれば、バンが大きく上下左右に揺さぶられた。ユウカがひときわ大きな悲鳴を上げる中、慌てて愛銃を強く抱き締める。この感じ…何かでこぼこしたものの上を走っている?まるで岩場のようだが、ここはビルの立ち並ぶD.U.の街中のはず…
車体の振動は割とすぐに…体感10秒くらいで収まった。…本当に、事前に知らされていなければどこかに頭を強打していただろうとは思うけれど…体をめちゃくちゃに揺さぶられた感覚は、体からなかなか抜けてくれない。
「な、何!?」
「チンピラが変なバリケードみたいなの作ってたから踏み越えた。それで話を戻すけど、『自由と混沌』…ゲヘナの校風。チサキは誰にも縛られない自由と、好きなように暴れまわれる混沌を欲する。そういうタイプってこと。だから無所属の帰宅部」
「話戻されたっ!?…というか、それだけ聞くと普通に危険人物なんだけど??」
「確かに、バーサーカーの部分には納得できましたが…」
そんな中でも、話は平然と続いている…助手席のハリカは放心状態、隣のノノミはまだ目を回しているというのにどうしてこの二人は平気なんだ…ポジションの違いか?…まあいいか。
実際、チサキとまともに会話は成立するし、フユコの表現が間違いではないことがわかったものの…
「だから
「な、なるほど…」
「安心していいのか悪いのか…」
「安心しなよ、戦闘以外は壊滅的だけど悪いやつじゃないから」
「いい人とは言わない辺りが問題だと思うんですよね…」
「ははは」
「…」
「まあ、私から言えるのはこのくらいかな。あとそろそろ着くから起こしてあげて」
気がつけばもうシャーレビルの目の前まで来ていた。結局言いようのない不安感は拭いきれないけど…フユコがチサキをひいき目なしに高く評価していることは察した。放心状態から復帰したハリカの指摘は笑ってごまかしていたけど。
「…一度、面と向かって話してみたいかも」
隣で脱力しているノノミを起こしながらふと考えた。興味が湧いたのは、やっぱりうちのリーダーを連想したからだろう。内面は似ても似つかないし、気難しそうではあるけれど。
・ハリカ
悩みの種がとどまるところを知らずため息をつく。
悪夢にうなされることは少し減ってきたものの………
・アスナ
好戦的直感型アタッカー兼大型犬系メイド(属性渋滞事故)
脳内で別の某ゲームの論外ウツボと≒で結ばれつつある。おやおや(困惑)
この度シャーレ加入に加えて、"知ってる側"にも仲間入りした
・カリン
スナイパー兼メイド。この度シャーレに加入。ハリカにいろいろ勉強を教えてもらう未来はあるし、チサキと打ち解ける未来もある…かも?
登場即語り手チャレンジで難航したけど悔いはない。文字通り現場の空気を俯瞰できる立場がいいと思ったんだ…
・ユウカ
ハリカの予想通りあのあとアスナとひと悶着あった
2話連続で登場。…結局つかみどころがないまんまなんだけど?
・チサキ
性格に
持ってるSRは軽量級。使い方が使い方なので銃架が仕事してない
本格的な活躍まではもうちょっとかかるかも
・フユコ
現場の後方支援を担当する、背丈(カリンに匹敵する)以外は地味な(はずの)オリキャラ
いろいろ見て見ぬふりをしながらチサキの説明役に徹した
・スズミ
任務に同行。見せ場のない初登場でごめんな…
・ノノミ
任務に同行。おめめぐるぐる
・ハレ
この度シャーレに加入
よく考えたらドローン飛ばす子だったわ…
・先生
とんだ能天気野郎(じっくり二回言う)。まあ生徒を信じる大人だからね
・『私』
ハリカの
やらかした転生者
ブルアカのことは興味がなかったのでよく知らない
追記:2023/6/28→8/28→1/12
タイトル変更しました。よく考えたら同じ一日とは限ry