鈍色の銃は射抜かない   作:諸喰梟夜

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ちょっとwiki眺めただけで沼る癖をいい加減治すべきなんだけど何科だかわかんないね
とりあえず魔法科じゃないことは明らk((殴



prologue:迷子は奇妙な銃を持って
銃声響く、見知らぬ街


 

「委員長!!」

「…どうしたの?」

 パトロール中、息せききってやって来た同級の風紀委員。突然の大声に内心驚いたのはさておき。委員長が先を促すと、息を整えた彼女が伝えてきたのは「街中でチンピラが乱闘を繰り広げていた」という過去形の報告でした。

「…既に解決済み、ですか?」

「いえ、解決済みというか…乱入してきた生徒が鎮圧したのか…」

 ヒナ委員長の気迫に押され気味とはいえ、いくらなんでも歯切れが悪いように思えます……一度落ち着かせて聞いた話をまとめると、鎮圧に入ろうとしたところで突如「ケンカはやめなさぁーい!」という声とともにチンピラたちが吹き飛ばされ、声の方を見ると見慣れない制服を身にまとった生徒が走り去っていったとのこと。

「白いロングガウンにグレーのブラウス…確かに、この辺りの学校ではありませんね」

「どこへ行ったかはわかる?」

「それが、後を追った面々が…イオリさんまで吹き飛ばされてしまい、撒かれてしまったと」

「…何だって?」

 

 

【チナツ⇒ハリカ】

 

「んっとになんなのここ…」

 どうも。お初にお目にかかります私、稲梓(いなずさ)玻璃花(ハリカ)という者です。ちょっと特殊な高校に通う女子高生でした…が現在、見覚えもないよくわからない街中の路地裏に身を潜めております…。

「幸いなのは魔法が使えることか…学校騒ぎになってるかなぁ~…」

 右手で鈍色に光る小銃…形態の特化型CADを見つつ、ほうっとため息をついた。

 

 前述の"ちょっと特殊な高校"、その名は「国立魔法大学附属第四高校」。魔法とは事象に付随する情報体エイドスを書き換える……簡単に言うならば()()()()()()()()技術。私はそれを身に付け使いこなす魔法技能師のタマゴということです。

 まだ勉強中の身の上、ホントは(みだ)りに使いまくるものではないんですが…なにぶん今は非常事態なので…。

 

「こんな女の子達がドンパチしてる場所が当たり前みたいにあるわけないし……というかいつの間に眠ったのか記憶ないし………これ、まさかトリップって奴では…?」

 …もっともそれ以前に、私はいわゆる転生者。第四高校なんてモブもいいとこだけど、これが…本で読んでた魔法…!ってものすごく感動した。いやもう理論は割と理解できてた方だから色々試したよね。振動系がからっきしで色々ダメだったのが残念だけど。…それがふと目を醒ましたらこんにちは見知らぬ世紀末☆とは?なんなのこれ??

「あぁ~…探されてる…探されてるよぉ……」

 表から聞こえてくる、どたばたという慌ただしい足音と怒鳴り声。探しているのは「白とグレーの制服」を身にまとい、「黒髪を白いリボンでポニーテールにした」生徒…やっぱり私だ…!ひとまず髪はほどいてリボンも仕舞ったけど、このままここにいたら見つかるのは時間の問題。あまりにもドンパチが怖すぎたとはいえ、介入しちゃうのはいくらなんでも浅慮が過ぎた、と反省してももう遅い。

 …なんか追いかけ回されて怖くて魔法使いまくったけど、皆様無事だろうか?どうしよう今更不安になってきた。

「殺傷性ランク信じるしかないなぁ…」

 数を相手取るために規模を大きくしたけど、あの魔法…『偏倚(へんい)解放』は記憶が正しければCランクだったはず。傷害性しかないやつ。だからたぶん大丈夫…だと信じたい。

 人通りがなくなった瞬間を見計らって、息の詰まる路地裏を抜け出すことにした。…もっとも、どこに向かえばいいのかなんてわからないんだけど。

 

 

【ハリカ⇒ヒナ】

 

「手も足も出なかった…面目ない…」

 合流したイオリは砂埃にまみれたまま悔しげな顔でポツリと呟いた。

「面目ないのはいいから。状況を詳しく聞かせてくれる?」

「あ、あぁ…向こうは追手を片っ端から全員吹っ飛ばす勢いだったから、あたしが出ることにしたんだけどな」

「イオリのことですから、おおかたいつも通り大声で呼び掛けて警戒させたんでしょう」

う…

「チナツ」

「失礼しました。…それにしても、イオリが手も足も出ないなんて珍しいのでは?」

 チナツの言葉に、うつむいて「確かに"止まれ!"とは言ったけど…」とこぼしていたイオリが顔を上げた。…らしくない神妙な顔で。

「それがさぁ…何をされたのか、よくわからないんだよ」

「…どういうこと?」

「あいつの銃は妙に薄っぺらいピストルだった。それを向けられて身構えたけど、引き金の音だけして弾は出なかった。それで弾切れかと思ったら…ものすごい風で吹っ飛ばされたんだ」

「弾が出ずに、突風だけ…ですか?」

 確認するような質問に無言の首肯を返されて、チナツはすっかり考え込む姿勢になってしまう。…私も人のことは言えないけれど。突風だけを起こす銃?安全性は高いかもしれないけれど、ここキヴォトスで銃に安全性を求める人間なんて数少ない。キヴォトス人は頑強なのだから。

「…何かしらの違法武器かもしれない…けど、今は行方を追うのが最優先。制服の特徴は聞いているけれど、もう少し情報が欲しい。例えば、ヘイローとか」

「ヘイローか……ヘイロー………」

「……あの、イオリ?」

 今度はイオリが沈黙してしまった。ようやく復帰したチナツの声にも全く反応がないので、

―――BANG!!

「ぅおっ!?」

 弾丸を抜いて空砲を鳴らしてやった。

「急に固まっちゃってどうしたの?」

「いや…なかったかもしれないって」

「なかった、って?」

「…ヘイローが」

「………は?」

 

 

【ヒナ⇒ハリカ】

 

 しばらく街を彷徨ってわかったことがある。なんか、見渡す限り女の子しか見当たらないのだ。まさか本当にいないなんてことはないと思うんだけど、居住区が別とかそんな感じなんだよね?なんだろう妙に不安。

 あとみんなが頭上に浮かべてる輪っかはなんですか?なんか黒い翼がついてる子もいるし……あ、仮装?ハロウィン?カボチャとか見当たらないけどハロウィンだな?なるほど、ここのハロウィンはずいぶんと過激なんだなぁ…

「…で納得できるわけないでしょ!

 いや、本当に治安が悪い。戦中っぽくはないのにここまで銃弾と爆発音が飛び交う風景、二次元でも見たことあるかどうか。

 …今気づいたけど、「風紀」の腕章をした子達が慌ただしく走り回ってる。たぶん治安部隊的な役割なんだろう…何人か吹っ飛ばしちゃったかも。ごめん。

 

「…あ」

 その時、一人の小さな女の子の姿がふと目についた。全体的に黒い出で立ちに白い髪。何事か騒ぐ集団に向かって歩いていく……気付いてない?いやまさか。じゃあどうして?と思案するうち、女の子に銃口が向けられて――

「危ないっ!!」

 考えるより先に足が動いて、女の子の前に飛び出した。ごうっと周囲の空気が動く音が早いか、背中を叩く弾丸の感覚。っ……やっぱり、急造の圧縮空気じゃ衝撃を抑えきれなかった…!

 ぐっ、と苦悶の声を漏らしてうつむいて……気がついた。女の子の左肩に「風紀」の腕章

「…え」

 それと、女の子が持つ厳つい機関銃

 言葉を失ったところで、横からぐいっと腕を引っ張られる。振り向けば女の子が機関銃を構え、騒いでいた集団を蹴散らしていくところ……ねえ嘘でしょめっちゃ強いじゃん。

「本当にヘイローがありませんね…薄いとかではなく」

「おい!あんた大丈夫か!?」

「…はっ!あ、大丈夫です失礼しましたぁ!!」

「あっ!?おい待て!!」

 

 妙に恥ずかしくなって逃げ出してから、行く宛がないことを思い出したけどもう足が止められない。プライドとかそういう問題じゃないけど、ああでもこの状況で身を寄せるならやっぱりあそこがいいのか…?

「見つけたぞ!あいつだ!撃てぇ!!」

うわあああもおおおお!!

 たくさんの銃口に出迎えられて細い路地裏に駆け込んだ。あのヘルメット、最初に吹っ飛ばした集団じゃないですかやだー!!ごめんなさーい!!でも正当防衛はさせてくださーい!!と背後に向けてCADの引き金を何度も引いて…

「っあ…はぁっ、やっ、ば……!」

 がくりと足の力が抜け、地面に手をついた。…想子(サイオン)枯渇。ゲームとかで言うMP(マジックポイント)0みたいなもの…しまった、考えてみれば半分無意識に防御をし続けていたから、その分消費が早かったのか。膝に手をついて体勢を立て直したけど、頭痛と眩暈(めまい)で足元がおぼつかない。どうしよう、追っ手が、まだ…

「――見つけました」

 …正面からやって来た誰かに抱き止められた。上げた視線の先には、とがった耳と薄桃色の髪。何か"後は任せて"的なことを言われた気がするけど……そこからの記憶はない。

 

 

 

 

 





・ハリカ
魔法科世界からこんにちはオリ主
そこそこ強め()な四高モブ
収束系カンスト防御に自信ネキ。振動系は家系的に苦手

・チナツ
ゲヘナ風紀委員
常識人枠と聞いて語り手&MVPに選出

・ヒナ
ゲヘナ風紀委員長
予想外の報告続きの末、当人が目の前に飛び出してくる展開に直面した
とりあえず面倒事が増えたことはわかった

・イオリ
ゲヘナ風紀委員
一回吹っ飛ばされた
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