この辺はまとめて投稿しようと思って
》半月が過ぎた!!《
ということでお待たせしました
やっぱセリフを削るの苦手だわ…
【 】
「ミカ…?」
「ミカ…様…?」
―――私が本当の、『トリニティの裏切り者』。眼前でそう言い放ったのは、ティーパーティーの一人…僕を補習授業部の顧問として呼んだ、
…コハルの声が震えてる。呆然とする僕らの前で、アリウスの兵を引き連れたミカは、屈託なく細めていた目をぱちりと開く。
「というわけで…ナギちゃんをどこに隠したか教えてくれる?私も時間がなくってさぁ。まあ、ここにいるみんなを消し飛ばしてからゆっくり探してもいいんだけど、それは面倒でしょ?」
「…ミカ、どうして…」
「んー?聞きたい?先生にそう言われたら仕方ないなぁ。それはね…
嫌い。そうはっきりと言い放っちながらミカは笑う…いや、目は笑ってない。僕らがあっけにとられて何も言えないでいる中…ハナコだけは落ち着いた声で問いかける。
「…だから、『エデン条約』を取り消そうと?そのために、ナギサさんを?」
「えっと…誰だっけ。ごめんね?私人の顔覚えるの苦手でさ…あ、思い出した、浦和ハナコじゃん!礼拝堂の授業に水着で参加さて追い出された!あはは!懐かしいねぇ」
「…」
「まあ、一応答えてあげるとその通りかな。ナギちゃんが『エデン条約』なんて変なことしようとするからさぁ…ゲヘナの、あんな角が生えた奴らと平和条約なんて。冗談にもほどがあると思わない?考えるだけでゾッとしちゃうよ」
「っ…」
「絶対裏切られるに決まってるじゃんね?背中を見せたらすぐに刺されるよ!…そんなこと、させるわけにはいかない。ナギちゃんもほんと優しいっていうか、優しすぎるっていうか…創作の中の明るい学園物語じゃないんだし。そんな都合のいい話、現実には存在しないのに。私たちはこういう、もっとドロドロした世界の住人だってこと、そろそろわかってくれてもいい頃なのにねぇ…そういうわけだから、ナギちゃんを返してくれる?大丈夫、痛いことはしないよ?まあ、残りの学園生活は全部檻の中だろうけど」
「…じゃあ、『エデン条約』はやっぱり、れっきとした平和条約…」
「あ、あのときは騙してごめんね先生?それは嘘。あれは本当に平和条約だよ?そもそも素直でおバカなナギちゃんに、エデン条約を武力同盟として活用なんてこと、できっこないからね?」
「…」
"その核心はゲヘナとトリニティの武力を合わせた『ETO』…『エデン条約機構』っていう、まったく新しい武力集団を作ること"…あのプールサイドでミカが語っていた、その懸念……僕も完全に、ミカの手のひらの上だったってことか………
「でも、あのとき話した全部が全部嘘ってわけじゃないよ?私がアリウスと和解したかった、っていうのは本当。この子達は、同じゲヘナを恨む仲間。アリウスだって元々はトリニティの一員だからね。先生にも言った通り、この子達のゲヘナに対する憎しみはすごいよ?むしろ私たちより純度の高い憎しみを持ってると言えるかもしれない…だから、手を差し出したの。志を共にして、ゲヘナと平和条約を結ぼうとする悪党たちをやっつけない?って」
慌てたように補足するミカ。アリウスと和解したいのは事実、でもその理由は、やっぱりゲヘナ嫌い…ミカは、そんなに。ゲヘナが大嫌いだなんて、そんな素振りは少しも…
…いや、そうだ。思い出した。あのプールサイドでの会話の中で、気になったことはあった。ハリカに言及したときの「どうしてゲヘナなんかに」…片鱗は見えていたんだ。でもまさか、ここまでだなんて。
「ティーパーティーのホスト『桐藤ナギサ』に正義実現委員会がつくなら、時期ティーパーティーのホスト『聖園ミカ』にはアリウスがつく。これはそういう取引。和解へのステップアップ的な?…共通の敵のために、一時的に敵同士が手を取り合う。そういうことだよ。それで私は、アリウスを密かに支援してたの」
「…アリウスは最初から、トリニティのクーデターの道具だった…?」
「うん?…うん、確かに、これはクーデターと言えるかもね。最終的にはナギちゃんを失脚させて、私がティーパーティーのホストになるんだから。あ、あなたのことはわかるよ。ありがとう、白洲アズサ。あなたのことはあまり知らないけれど、私にとって大事な存在であることは変わらない。今までもこれからも…だって今からあなたには、ナギちゃんを襲った犯人になってもらわなきゃいけないからね☆」
「「「「!?」」」」
「
笑顔でとんでもないことを口にするミカ…なんか、こういう画はナギサの時にもあったな…に対して、アズサは目をすうっと細めていた。きっと、怒っている。当たり前だ。でも、ミカは。
「でもびっくりしたね~ナギちゃんが何者かに襲撃されたって聞いて、計画が崩れるかもって少し焦ってみたら、まさかそれが補習授業部なんてね!これは予想外だったよぉ」
「ミカ…すべては、ティーパーティーのホストになるため?」
「うん、そうだよ。あぁでも誤解してほしくないな先生、別に権力が欲しいわけじゃないの。ゲヘナをキヴォトスから消し去りたい…本当にただ、それだけだから」
…どうしてそこまで、と思うけれど、きっと教えてはもらえなさそうだ。確かなのは根本的に部外者である僕が、ゲヘナとトリニティの対立の根深さを見くびっていたことだろう。きっとエデン条約推進派のヒナや、シャーレではゲヘナ生ともうまくやっているハスミを見慣れてしまっていたから。
「トリニティの穏健派を追いやって、その空席をアリウスで埋める。もしかしたら新しい連合になるかもね?必要なら新しい公会議でも開いて…うん、それもいいかも!それで、新たな武力集団を編成したトリニティがゲヘナに全面戦争を仕掛けるの!それが私の計画!」
「………っ」
「わ、びっくりした!先生、そんな怖い眼もできるんだね…先生がすごく怒ってることはよくわかった。説明も急いじゃったし、雑だったよね?もっと丁寧にお話ししたいところだけど…まずは色々と邪魔なのを片付けてからにしよっか?」
ぐっと袖を引っ張られて、見るとアズサが険しい目つきでミカを睨み付けていた。
「…アズサ」
「…気を付けて、先生…こうして見ただけでわかる。すごく強い」
「ふふっ☆そうだよ。先生には前言ったけど、私結構強いんだから!…じゃあ、補習授業部を片付けてくれる?」
…事態を飲み込みきれないまま、ミカの号令で新たな戦端が開かれた。
「はぁ…はぁ……はぁぁぁ…」
「ふぅ…っ、さすがに、焦った…」
「い…今だけはペロロに感謝するわ…」
…辛勝。その二文字に尽きる。
3挺のARと1挺のSR、手榴弾にペロロ様*1、各々が持つ技術。…全員が発揮できる全てをフル稼働して、なんとかアリウスの増員を退けることはできた。
アズサはまだ落ち着きがあるけど、ヒフミとコハルは九死に一生みたいな顔をしてる…みたいなというか、実際そうだったか…。
「なるほどねー。そっかそっかぁ…そりゃみんな『シャーレ』『シャーレ』って言うわけだ。厄介だね、大人って」
ミカは倒れなかったけど、他のアリウス生が全員倒れたのを見ると、はぁ、と息をついて銃を下ろした。…来ない?ついさっきまで、単騎で突っ込んできそうな勢いだったのに…?
「…予想外ではあったけど、うん、まあ問題ないかな。ちょっと時間はかかりそうだけど…セイアちゃんもナギちゃんもいなくなるんだし、これでようやく始められるっていうのに。変に邪魔しないでほしいなぁ」
「
「…!あはっ、ハナコもそんな目するんだね?…そうだよ。私の指示。セイアちゃんってばいっつも変なことばっかり言って。楽園だのなんだの、難しいことばっかり…」
アズサにも見せなかった剣幕で詰め寄るハナコに対し、破顔して認めるミカ…けれどだんだんと眉が下がって、その表情は曇っていった。
「……でも、ヘイローを破壊しろとまでは言ってない。ただ卒業するまで、檻に閉じ込めておいたほうがいいなぁって思っただけ。それが、あんなことになっちゃって…」
あんなこと。プールサイドで話していた、『ヘイローを壊された』…正直なところ理屈はまだよくわからないけれど、つまるところセイアは、もう…
「…これ以上は当事者に聞いた方がいいんじゃないかな……ねえ、
「っ…」
「セイアちゃんがあんなことになっちゃったのが、ここまで事態が大きくなったきっかけなんだよ?そこからもう、いろんなことがどうしようもなくなっちゃったわけだし。その辺り、どう思う?」
「それ、は…」
ミカから急に話題を振られたアズサは、激しく動揺した様子で目を泳がせて、俯いた。今この状況でアズサに話させるなんて、と思ったけど……今のアズサはどこか、それだけじゃない何かを抱えているような気がした。
「あ、アズサちゃん…それは、なんのお話ですか…?」
「ち、違う…あれは…」
「…ん?」
静まり返った体育館にその時、慌ただしい足音が響いてきた。…アリウスの生徒が一人。急いでいる様子でまっすぐミカに向かって駆け寄ってくる。
「どうかした?そんなに焦って」
「トリニティの生徒が一部、こちらに向かってきています!」
「…なんで?ティーパーティーの戒厳令に背くような人たちは、もう…」
「いいえ、いますよ?ティーパーティーにも命令できない、独立した集団が」
ミカの疑問符に答えたのは、にっこりと笑みを浮かべるハナコ。…そして、なにがしか連絡をとっていたアリウス生から追加情報が出る…向かってきている生徒たちは皆、
「大聖堂…ってことは、シスターフッド?っ…浦和ハナコ……!」
「まあ、ちょっとした約束をしましたので」
「約束…?」
「あなたは知らなくてもいいことですよ。ミカさん」
ハナコがそうきっぱりと言い放つが早いか、ひとつ大きめの爆発でアリウスのの増援のひとつが蹴散らされ…
「けほっ、けほ…今日も平和と安寧が、あなたと共にありますように…」
「すみません…お邪魔します…」
「シスターフッド、これまでの慣習に反することではありますが…ティーパーティーの内紛に、介入させていただきます」
その煙の向こうから、修道服に身を包んだ…シスターフッドの生徒たちが現れた。
・先生
僕はミカに踊らされていた…?
・ミカ
つよつよお姫様。ゲヘナ大嫌い
フルネーム入れるときに予測変換の「味噌のみか」でかなり笑ってしまいました(土下懺悔)
・アズサ
さすがに焦った仕事人
セイア襲撃に深く関与しているようだが…?
・ハナコ
補習授業部側の主軸たる策士
さすがに余裕が崩れる一幕があったが、さて
・ヒフミ
結局台詞1回のみの登場になってしまった…困惑しきり
・コハル
リアクション担当は現在絶句のため休業中です
・シスターフッド
最後の最後で派手に登場
・ナギサ
いまだ失神中
…?
補習授業部の面々が桐藤ナギサを連れて立てこもった、トリニティ別館の体育館。その横合いの茂みに身を潜めるアリウスの小隊がひとつ。
彼女たちの傍らの壁に、ひとつのドアがある。体育館の舞台袖、そのさらに奥に位置する非常口…なのだが、今では鍵がかかっているうえ、跳び箱やピアノといった道具類の陰に埋もれてしまっており、もはやただの壁と見ても構わない状態であるという。
そう聞いていたから―――そのドアが音もなく開いたとき、誰もが反応に遅れた。
一人が気づいて、逃がしてはならないと素早く銃を構える。その動きに反応して気づいた周囲も、おのおのが携えていた銃を、
―――――
倒れたアリウス生たちの間を歩いていく影がひとつ。ふらふらと、覚束ない足取りで、しかし足元に倒れる少女たちには我関せずといったふうに………どこかへ、姿を消した。