もはや恒例の締め方迷子でした
チサキ:把握したわ
チサキ:破壊的テロリストどもがやけに静
かだと思ったら、まさか両方とも
そこにいただなんて…
チサキ:思い至っていれば警告はできた。
情けないわ
そこまで抱え込まれても困る >
結局は現場の私たちが判断して動 >
かなきゃいけないわけだし
本当に貢献したきゃ入部しろ >
チサキ:それは御免ね
チサキ:とりあえず、委員長休業のお知ら
せを垂れ流したやつを探し出して
シメてやろうかしら
チサキ:ハレに掛け合ってみるわ
終わったな 誰だか知らんが >
チサキ:内部犯じゃないことだけ祈っとき
なさい
笑えないジョークをどうも >
「…はぁ」
モモトークを閉じて、スマホの電源を落とす。…へとへとになってしまったという口実で退避したあと、とりあえずチサキには知らせておくことにした。いちおう向こうは向こうで、美食研や温泉開発部が妙に静かなことを気にかけてはいたらしい。
…変に責任を感じてくるのはあいつなりの親切心なんだろうけど、あいにくこっちからすれば余計なお世話としか言えない。まったく…物理的にはあんなに器用なのにな。
「すみませんでした、委員長!…ただ、その…なんとか事態を大きくしないように、解決しようとしていたといいますか…!」
「それなりに大きくなってたと思うけど?」
それはさておき。今現在私がいる部屋――臨時オペレーションルームには、今回の特務の中心だったメンツが集まっている。
なお私はバテているので、隅っこで見学状態…あくまでシャーレにも所属してるメンバーとして、話が通ってて協力してるだけだったし。
…何、ズルい?失礼な。元気なのが悪い。
「…その…委員長にバレないように解決すれば、万事OKかなと」
「はぁ…そもそも、どうしてバレないようにしようとしてたのかが全然理解できない。こういうのは、私に言ってくれればすぐに解決したはず。違う?」
違うんだよなぁ~そういうわけじゃないんだよなぁ~~と思いはするものの。言える空気感じゃないし、言ってわかってもらえるならそもそもこうなってないわけで……そのうえ委員長ガチ勢でもある行政官は、すっかり萎縮してしまって――
「そうしたら、委員長はまた頑張ってお仕事をされちゃうじゃないですかぁ!!」
「…え?」
「私はただ、
……あーいや、そうだ。この人は爆発するタイプだった。けど泣くほどかとは………いや、泣くほどか。委員長すごい困惑気味だけど。
「ちょっ…ちょっと待って?何の話?お休み?」
「えっと、委員長…アコちゃんが言うには、その…」
「委員長のストレスが凄いことになっているから、と…」
「ストレス?私が?…どうして?」
「この前、私が淹れたコーヒーを委員長が『美味しい』って…!委員長、そんなこと滅多に仰らないのに!」
企画者一同*1が、口々に並べる言葉にも、委員長は困惑しきり。…こんな言い方はアレなんだけど……憐れ我らが委員長は、本当に自覚をお持ちでないらしい―――そう考えていた。しかし。
「コーヒー?…あの、シャーレとの共同作戦について話してたときの?えっと……アコ、それは誤解よ」
「…ほぇ?」
…ん?行政官そんな声も出せたんでs、いや違う。確かに、いかにもここは5階……そんな話なわけないわな。
しょうもないボケをかましてしまった。失礼。それはさておき…ヒナ委員長ご本人の口から新証言。
今日イチかもしれない想定外にポカンとしている私たちの一方で、委員長は……なんか、そわそわしていらっしゃる。チラチラと視線を向けている先は……先生、か…?
「あのとき美味しいって言ったのは、ストレスのせいとかじゃなくて…その、逆に気分がよかったというか…」
「逆に…?」
「…"海辺で食べるとうもろこしは美味しいよね"、みたいなことかい?」
「せ、先生はちょっと静かにしてて…!」
「あ、うん」
…唐突におどけたようなことを言って、ぴしゃりと怒られる大人の姿がそこにはあった。というか先生だった。あとそれ美食研究会の奴らが言ってたやつ……いやまあ、先生の前ではみな等しく"生徒"なのか…。
「その、何て言うか、えっと…こ、細かいことは気にしないで!とにかく、私を気遣っての行動だったのはわかったけれど…他にもやりようはあったでしょう?」
「はい、すみません…」
「まあでも…この一泊二日、けっこうゆっくりできたのは確かだし……うん。色々と、悪くなかった」
やや挙動不審なのを無理やり自己完結させてから……ヒナ委員長は、ちょっと照れたような感じでそう言った。
…悪くなかった、か。厳しめの評価だけど、この場の雰囲気が弛緩するのを感じる。さっきまでだいぶ渾沌気味だったけどな
「…でもそれはそれ、これはこれ。私はやっぱり何もせずじっとしてるより、仕事をしてる方が落ち着くってこともわかったし」
「完全なワーカホリックだ…」
「何か言った?」
「ナンデモナイヨ」
もっとも、あくまで
「はぁ…とにかく、今回の夏の合宿訓練はメチャクチャになったみたいだし…このまま帰ったら、
…委員長が口にした漢字3文字・カナ12文字の単語に、風紀委員会に所属する全員が顔をしかめる。あまりよろしくないタイプの一体感かもしれないけど、ほんと同じ自治区を運営する側としての内憂がデカすぎる。アレでも権力はしっかりあるから、顔色を
「…仕方ない、決めた。
「エッ」
――ピシッ、と場の空気が凍りついた。…委員長?今なんと…?
「えっ、と…委員長あの、訓練はある程度っていうか、もうボロボロっていうか…」
「現時点をもって、海への出入りは禁止。元々私が準備していたスケジュールの通りに、これから36時間の訓練を始める」
「ヒエッ」
「自由時間は無し、このくらいの長さだから当然徹夜ね。この2日間みんな夏を満喫したみたいだし、少しくらい辛くても耐えられるはず。これくらいなら、万魔殿のタヌキ共も文句は言えないでしょう」
「ウッッソだろ……」
「私たちはもう、疲労困憊なのですが…こうなっては、何を言っても言い訳ですね……」
「うぅ…承知しました…」
…絶望的な宣言に、しかし異を唱えられる者はなく……異を唱えられるほどの気力が残っている者もなく。…これ、なんとかすれば除外してもらえたり……しないだろうな。委員長は厳格なので。だからこの自由と混沌の自治区で、風紀委員長を務めていられるわけで…
…はぁ。私の自宅療養は確定だ。今年こそは回避できるかと思ったんだけどなぁ………もう全部、ゲヘナの問題児ども*2のせいってことで。
「ふぅ…先生は?何か言いたいことある?」
「アリマセン」
「うん、いい返事」
―――長いものには巻かれる大人の姿がそこにはあった。…しばらく当番サボってやろう。たまには私もゲヘナの生徒なんだってとこを見せてやる。
【フユコ⇒ハリカ】
「あっはは!そうだったんだぁ」
「そらまた大変やったなぁ…」
「…なんか、聞いちゃってよかったのかな」
「ゲヘナがグダグダなのはいつもの事よ」
「あと、ハレちゃんがそんな謙虚なこと言うの意外だったね」
――昼下がりのシャーレカフェにて。そういえば今日の当番、
あの緊急特務&その後の地獄を終えて、戻ってきた通常業務。厳密に言えば、私はシャーレの能率を考えてひと足先に戻ってきたわけだけど。…正直、スパルタ指導の現場を見るのは苦手なほうなのもあって…。
…ヒナさんと話す時間は、当初考えていたほどは取れなかったな……でも、いつにもまして調子が良さそうだったからよかったと思う。ひょっとすると、先生がいるから張り切ってたとかかも。アコさんとかは張り切りすぎて空回りするタイプだけど、ヒナさんはその辺シンプルにモチベーション上がってくタイプっぽいので。
………正直、ちょっと他人には話しづらいけどヒナさん、先生にそれ以上の感情を持ってる可能性あるかも、とは思う。死屍累々の阿鼻叫喚をよそに言ってた『すっぽかした約束の穴埋めは、また訓練のあとでね』とか。すみませんね聞こえちゃいまして……まあそんな繊細な話題はいいや。
「…昨日、先生が『フユコがグレちゃった…』って落ち込んでたの、それ関連なんだね」
「え何事?グレたん??」
「『筋肉痛』とだけ言って来ないんだってさ。チナツいわく『回復はしてるはず』らしいんだけど」
「あいつ根に持つことはしっかり根に持つから…まあ、そろそろ罪悪感に負けて来るでしょ」
「なんだかんだ真面目だよね~」
あれからすでに数日は経ってるから、死屍累々だった風紀委員会の面々も割といつも通りになってはいる。チナツちゃんは昨日の当番で来てたし。しばらく顔を見てないフユコさんも、通話してみればいつも通り…だったと思う。普段からダウナーな感じだからわかりにくいけど、まあモモトークは通常運転だしな…。
「しっかし、まさか早とちりとはなぁ」
「第三者の私たちからすると、"コーヒーを飲んで美味しいって言った、つまり精神的に限界を迎えてる"なんて、突拍子もない論理だと思うけど…そんなになんだ」
「そんなにだね…『仕事してないと落ち着かない』って言ってたし…」
「風紀委員会の方もね…後手に回らされがちなせいか、そそっかしいヤツが多いから」
「こういう感じなんだよねぇ。ゲヘナってさ」
「あんたらも一因でしょうが」
部外者な2人に対し、当事者の私は肩をすくめて、半当事者*3のチサキちゃんはため息をついて、ニコニコ笑ってるムツキちゃんを小突いていた*4。
いかんせんキヴォトスは広いもので、この手のカルチャーショック的なことがよく起きる。…治安その他の環境ってグラデーションみたいな感じで移り変わっていくものじゃないかと思うんだけど、
「けどまあ、それだけ大切に思われてるってことやんな」
「そうだね…なんなら私、本人に言ったよ。それ」
「おお、さすがハリカちゃん」
「さすがって何?…まあ、言ってもいつも通りな感じだったけどね」
――それだけ大切に思われてるってことだと思いますよ。そう伝えたら、ヒナさんは一言「そう」とだけ言った。…でも、ちょっと嬉しそうだった気はする。夏季合宿延長戦は結局スパルタのままでしたが。
「そりゃねぇ……だてに堅物じゃなきゃ、ゲヘナで風紀委員長なんて務まらないでしょう」
「それもそうだ…これ以上は先生の領分だね。おとなのちからってすげー!に期待ってことで」
…まあ、私も一応中身だけならいい大人ではあるんだけどね。ただ少なからず肉体に引っ張られてるところがあると思うから、自信を持っては言えない。そもそもわけわかんないだろこんなの…。
「お…噂をすれば」
ふと、ハレちゃんがつぶやいた…のとほぼ同時に、全員がカフェの自動ドアのほうに顔を向ける。外からノノミちゃんの弾んだ声が聞こえてきたから。時間的にそろそろ来るかなぁとは思ってたけど、どうやらちょうど鉢合わせたらしい。少しして、すりガラスの向こうに予想通りの人影が2つ。
「やあ、ただいま。やっぱりみんなこっちにいるんだね…」
「おかえり先生~!なんかお疲れだね?」
「キヴォトスは本当に広いんだなぁって実感させられてね…」
ゆったり開いた自動ドアから、ノノミちゃんと先生が入ってくる…んだけど……先生は、なんだか足取りが重くて、くたびれた感じだった。
「大丈夫ですか…?」
「まあ平気平気。疲れたけど怪我とかはしてないし、一応丸く収まりはしたし」
「一応なんですか…報告書とかできてます?」
「あぁ…ごめん、いろいろあってまだ途中なんだ。いろいろあって…」
…なんだか、ここまでゲッソリしてる先生も珍しいな。喉を潤して「生き返る…」とか言ってる声がガチ。控えめに言ってもバケモンみたいな能率で動けてしまうこの人でもそんなにか…?
今日は、確か…レッドウィンターとかいう学校の自治区に行っていたはず。温暖な地域で生まれ育った結果として寒さに弱い私は、苛烈な環境と聞くそこへは行ったことがない*5んだけど……相当な何かがあったらしい。たぶん気候以外で。
「ソウデスカ…じゃあとりあえず、ゆっくり休憩がてら仕上げててください。今はまあ見ての通りですし…一応、私は上*6に戻っておきますけど」
「あ、でしたら私もオフィスに戻ってますね☆」
「うちはちょっと聞きたいかな~。レッドウィンターってとこやっけ?確か、いっちゃん広いとこ」
「私も気になる!なーんかヘンなウワサなら聞くんだよねぇ」
「あはは、お手柔らかにね…」
「あんまり先生困らせちゃダメだよ。とりあえず、私も戻「ちょっと待ってねハレちゃん」
軽い足取り*7で出ていったノノミちゃんに続くように、私とハレちゃんもカフェをあとにし…ようとしたんだけど、ちょっとストップ。
「な、何」
「いや大したことじゃないけど、その手に持ってるものは何かな」
「何って…仕事始めにこれは欠かせないから」
「うんまあ、それはまだいいけど…なんだかんだ上にも置いてるよね?」
「ぎくっ」
「口で言うんだ…とにかく、しれっと増やそうとしない。ね?」
「はい…」
…やれやれ…。おとなしく『妖怪MAX』とやらを冷蔵庫に戻しに行くハレちゃんを尻目に、私は………デスクで女子二人に挟まれながら作業中な先生のほうへと、
また何か妙なことを二つ返事で引き受けてないかも確認しておかなきゃいけないな、と思い立ったので。
・ハリカ
見届けたし言うこと言いはした
温暖なので、極寒の地はちょっと……なタイプ。ゔぇりキャン▲は書きたいなと思ってるけどちょっと心配
nmmn作られてそうな気がするけど本人はしばらく知る機会がほぼ絶対的にないのちょっとおもろい
・フユコ
元々ダウナー兵站部
後方腕組み勢で居続け…たかった。そしてグレた
・ヒナ
真面目でスパルタでワーカホリックで乙女(!?)な委員長
好感度が青天井 なお代わりに下がっていくのが万○殿
・アコ
ボロボロ空回り気味行政官
・イオリ
ボロボロ切り込み隊長
・チナツ
ボロボロ医療班
・チサキ
半分当事者
シメたやつが実際にいたかどうかは黙秘
・ムツキ
後半のみ。現地民
・ミオ
後半のみ。葦之原の平穏を守る側
・ハレ
ほぼ後半のみ。電子戦&ドローン専門
探し出したやつが実際にいたかは黙秘
・ノノミ
後半のみ。砂漠の面制圧担当
・先生
長いものに巻かれたり時間差でボロボロになったりしてた
しばらくプリンはいいかな…
ちょうど投稿予約しようというタイミングでクラウドフリァのアレだった…
お廂更新かつこれにてヒナ夏は幕となりますが 閑話が仕上がっておりません(添付画像:ムンク画『叫び』) 完オリに弱いところが甚大に響いています ので、気長にお待ちいただければ………