鈍色の銃は射抜かない   作:諸喰梟夜

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大変だ、輻輳点でモチベを収束させられている


救出作戦と大事なピース

 

「バイト先では定時に店を出たみたい」

「そこから家に帰ってないってことか…」

 …セリカちゃんが学校に来ない。電話も繋がらない中、柴関ラーメンまで向かってみたらしいシロコ先輩の言葉に不安がつのります…。

「こんな遅くまで帰らないなんてこと、これまでありませんでしたよね?」

「まさか…ヘルメット団の連中?」

「えっ、ヘルメット団がセリカちゃんを?」

「とりあえず待とう。ホシノ先輩と先生が調べてくれてるから」

 

 

「みんなお待たせ~」

 しばらくして、ホシノ先輩と先生が戻ってきました。ホシノ先輩いわく、シャーレの権限…でも始末書案件な方法でこっそりネットワークをたどり、セリカちゃんの端末の位置を割り出したそうで…。

「それはまた思いきったことを…」

「大切な生徒のためだよ、問題ないさ」

「それで…連絡が途絶える直前の位置、ここだったよ~」

「これは…砂漠化が進んでる、市街地の端の方ですね…」

「住民もいない、廃墟になってるエリア…治安が維持できなくてチンピラが集まってる場所だね」

「このエリア…以前、危険要素の分析をした際に、カタカタヘルメット団の主力が集まっていると確認できた場所です!」

「これは…答え出ちゃったかなぁ」

 ハリカ先輩の言葉に、自然と顔がこわばりました。セリカちゃんはバイトの帰りがけに拉致されて、カタカタヘルメット団のアジトまで連れていかれた…そういうことなのでしょう。

「学校を襲うだけじゃ物足りなくて、人質をとって脅迫しようってことかな」

「考えていても仕方ありません!すぐにセリカちゃんを助けに行きましょう!」

 …そんなノノミ先輩の鶴の一声で、救出作戦が始動しました。

 

 

「セリカちゃん発見!生存確認しました!」

 シロコ先輩が爆破したトラック。その荷台から探していた仲間が飛び出してくる姿を認めて叫びました。すぐに起き上がって辺りを見渡していて…無事なようです。それがわかって、ひとまず安堵のため息がこぼれました。

「こちらも、半泣きのセリカ発見」

「なにぃ~うちのかわいいセリカちゃんが泣いてただとぉ?そんなに寂しかったの?ママが悪かったわぁ、ごめんね~」

「ぅうわああぁ!?う、うるさい!泣いてなんか!!」

「嘘、この目でしっかり見た」

「泣かないでくださいセリカちゃん!私たちが、その涙を拭いて差し上げますから!」

「あぁもううるさいっての!違うったら違うから!黙れーっ!!」

「ふっふふ…めちゃくちゃ愛されてるね、セリカちゃん。…ほら」

「えっ?」

「心配してたんでしょ?そういうことは言ってやるべきだよ」

 にこりと笑うハリカ先輩。よく見てたんですね…背中を軽く叩いてきたのにうなずいて、先輩方につつき回されているセリカちゃんに駆け寄りました。

「っセリカちゃん!私、セリカちゃんに何かあったんじゃないかって…」

「アヤネちゃん…」

「…けど、まだ油断は禁物。トラックは制圧したけど、ここは敵陣のど真ん中だから」

「!…前方にカタカタヘルメット団の兵力、多数確認!」

 シロコ先輩の言葉に意識を引き戻されて、顔を上げると確かにヘルメット団が集まりつつありました。となれば、ここからはお仕事モードです。

 

 

【アヤネ⇒ハリカ】

 

「半端ないわ…」

 …はい。人生初、現場で肌で感じる銃撃戦なうです。魔法科世界も治安がいいかと言われれば微妙なところはあるけど、ここまでの体験はさすがにない。一生忘れらんないな…と、先生とともにアヤネちゃんのそばで待機しつつ思った。

 今回もこっち側で待機です。今回は砂漠なんか当然歩き慣れてないってのが大きいけど。アヤネちゃんは「私も戦えますから」と言うけれど、私としてはやっぱり不安なものは不安なので…先生は言わずもがな。

「…え?待ってあれ戦車!?」

「キヴォトスではよくあることですよ!」

「いやよくあっちゃ…あ、破壊しちゃった」

 

 

 …今回も、アビドス勢は見事勝利を収めましたとさ。ノノミちゃんの火力怖…

「皆さんお疲れさまです!セリカちゃん、怪我はない?」

「うん、私は大丈夫。見てよ、ピンピンして…あれ…」

「「セリカちゃん!?」」

どさりと倒れたセリカちゃんに、一気に肝が冷えた。…けど、

「Flak41の対空砲を食らったんだもん、歩ける方がおかしいって。ゆっくり休ませてあげよう」

「…そういうものですか…」

「そういうもんだよ~」

 ホシノ先輩の発言で肩の力が抜けた。ハリカちゃんも保健室行く?というノノミちゃんに断りを入れて、空いた椅子を見つけて座った。…というか、この状況でも保健室は機能してるんだ…。先生の株が爆上がりするのを微笑ましく眺めていると、アヤネちゃんが「あの」と手を挙げた。

「どうしたの?」

「これを見てください。戦闘中に回収した、散らばった戦車の部品を確認したところ、キヴォトスでは使用が禁じられている違法機種と判明しました。もう少し調べる必要はありますが…ヘルメット団は、自分達では入手できない武器まで入手しているようです」

「あれま…急にきな臭くなったね」

「この武器の流通ルートを分析すれば、ヘルメット団の裏にいる存在を探し出せますね!」

「はい。ただのチンピラが、なぜここまで執拗にこの学校を狙っているのかもわかるかもしれません」

 …アヤネちゃんみたいな子が「ただのチンピラ」って言うの、ギャップがすさまじいわ~まあそれはさておき、とりあえずもう少し調査を進めていこうということになった。

 とはいえ調べものに関しては先生やホシノさんに(かな)わないので、明日からも先生に言われた通り、四人についててあげることぐらいしかできないけれど。

 

 

 

「…さてと」

 寝泊まりしている部屋で一人、ポケットから取り出したチャック袋を膝に置く。

「やっぱりなぁ…後ろから眺めてるだけなんて柄じゃない。私だって…さ」

 誰が聞くでもない独り言をつぶやきながら、私は袋の中に集めた、火薬を燃やし尽くして軽くなった弾丸を眺めた。

 

 

 

 

 





・ハリカ
名目上は先生の護衛でもある傍観者。よく人を見てるタイプ(割と重要)
まだまだキヴォトスの常識に困惑中。当たり前のように出てくる戦車に目が点になった
おや?ハリカのようすが…

・アヤネ
今回の語り手チャレンジ。できる子な後方支援担当
なんか現場に出てる感じで書いちゃったけどたぶん違う、でも直すとなぁ…なので放置した。ごめんね
やっぱりキヴォトスの民なんだなぁとおもいました、まる

・セリカ
今回のヒロイン。完全にいじられキャラでほほえましいかぎりですね
この後めちゃくちゃ寝て回復した

・シロコ
寡黙かつアグレッシブ

・ノノミ
火力EX

・ホシノ
調査にも出張る先輩。ムードメーカーとして優秀

・先生
戦術指揮だけでなく調査も担当。少女として同じ立場に立てるのはハリカの特権だね…
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