真剣でうつけに恋しなさい!   作:ごえもん

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さて前回何故主人公があっけなく倒れたかを説明します。ま、あっけないんだけどね


お家流

モモ先輩と戦った翌日、島津寮には俺を含め風間ファミリー全員が集まっていた。理由は言うまでもなく昨日の俺が使った技のことだ。

 

皆聞きたくてうずうずしているようだが、とりあえずワン子の俺を見る目が眩しい。こうも純粋にキラキラした目で見つめられてしまうと照れてしまうじゃないか!

とうとう我慢できなくなったのかワン子が皆の意見を代表して聞いてきた。

 

「昨日の良晴が使ってた技ってどういう技なの!?」

 

「ひゃー凄かったよな!何もない空間から刀がバーっと出てきてさ!俺もう興奮しまくりだったぜ!」

 

「確かにキャップの興奮具合が凄かったな。でもあれには俺様もびっくりしたぜ。どうやったんだよ良晴」

 

「あー、三千世界ね」

 

「三千世界か。なんかカッコいい名前してるな。でも良晴、戦ってるとき足利将軍がなんかとか言ってなかったか?」

 

「よく覚えてんなモモ先輩。そう足利将軍が使ってたお家流・三千世界」

 

「お家流?」

 

「あぁ悪い。お家流のことから説明するわ」

 

「ではでは、むかーしむかしあr」

 

「なんで絵本の冒頭みたいなのさ!普通に説明してよ!」

 

「モロがツッコミで俺の話を遮る…」

 

「えぇ!?今の僕が悪いの!?」

 

「まぁまぁ落ち着けモロロ」

 

「じゃあモロを弄ったことだし話を進めるか」

 

「いままでそんな進め方したことないじゃない!?」

 

「さっきから話進んでないよ良晴」

 

「おっとそうだな。モロのせいでうっかりしてたわ。ありがとな京」

 

「ううん。夫の補佐が妻の役目だもん」

 

キャーっと頬に手を当てて腰をくねらせている京を視界から外し、今度こそ話をすることにした。

 

「…えっと、どこまで話したっけ?」

 

「まだ何にも話してもらってないわ」

 

あまりに焦らしてしまったことでワン子の元気が若干なくなってしまっている!これはいかんですよ!

 

「ごほんっ!じゃあ話すぞ?」

 

「まずお家流の話をするには、時代を戦国時代まで遡らなくちゃいけない。その頃がお家流が一番使われていた時期だからだ。お家流とは文字通りお家の技のことで、例えば皆も知ってるとおり俺の織田家にもお家流がある。お家流は修行すれば誰にでも使えるものもあれば、その家の当主のみが使えるお家流ってのもある」

 

「とりあえずここまでで質問は?」

 

するとワン子が珍しく手を挙げたので

 

「はい、ワン子さん質問をどうぞ」

 

「う、うん。今の話を聞いてるとさ、三千世界ってアシガカ家?の技なんでしょ?どうして良晴は使えるの?あ、修行すれば使える技なのかな?」

 

「ワン子!」

 

「ひゃ、はい!」

 

「めちゃくちゃいい質問だったぞ!」ヨシヨシ

 

「あぁ褒められたのね。怒られるかと思っちゃったわ。ワタシってやればできる子なのねきっと!」

 

「ただし!アシガカじゃなくて足利な?後で一緒にお勉強だ」

 

「ひぃぃぃい。お勉強はいやぁー」

 

ワン子俺はお前の学力が心配でならないぞ…

 

「とりあえずワン子の質問に答えると足利将軍、当時は足利義輝が使っていたお家流・三千世界。この技は足利家の当主にしか使えない技で足利の名を慕う力を集めるって技。でもなんでそれを俺が使えるかといえば、それが俺の、いや織田家のお家流だからだ」

 

「つまりどういうことだ?」

 

「うーん、なんて言えばいいのかなー。噛み砕いて言えばだよ?友達になった人の技を使えるお家流ってこと。えっへん!」

 

ビシッ

 

「痛いっ!?」

 

「すまん、ドヤ顔があまりにうざくてつい」

 

「痛たた。油断したー」

 

指で弾いて空気弾とか凄すぎでしょ!?

俺こんな人と戦ったんだってしみじみ思う…

 

「そんなこと可能なのか良晴?」

 

「えぇ!モモ先輩信じてくれないの!?直に体験したのに?」

 

「だってそんな昔のやつが使ってた技なんて確認できないじゃないか」

 

「じゃあ確認できる技なら大丈夫か」

 

「うーんと。誰か切れるもの持ってる?ナイフとかハサミ」

 

「あ、ナイフなら持ってるよ」

 

いやいやナイフは持ってちゃダメじゃないの京さん…

 

「京…お前まさか!そのナイフの使い道って…」

 

「もちろん良晴が浮気した時にね?」

 

「いやいやいや!ね?じゃないって京さん!?まじで洒落にならないことになりますから!皆も止めろよな!なんでしょうがないって顔してんだよ!」

 

すでに京の瞳からハイライトが消えてるのが余計に怖い!

それを当然のように眺めている皆も怖いぞ!

 

「ウソウソ、ナイフなんて持ってないよ良晴。はい、ハサミ」

 

今の俺にはこのハサミですら凶器にみえるんですが京さん…

 

とりあえずハサミを京から受け取り、自分の腕に刃を当ててゆっくりと引く。

 

「「「良晴!?」」」

 

これには皆驚いたようで俺のことを心配してくれた。

こういう咄嗟の時にでる感情が嬉しいよなー。

 

「うー痛そうだわ」

 

ワン子が目を覆いながらこちらを見ているのを微笑ましく思いながらワン子に切った後を見せた。

 

「ワン子、よーく見てみろ。傷なんてないだろ?」

 

何言ってるの?とでもいいたげな表情でこちらを見た後、傷口を見ると

 

「ほんとに傷がないわ!」

 

「すっげぇな良晴!さっきまで血まで出てたのによ!どんな手品だよ!」

 

「皆この技を何回も見てるはずだけど?」

 

答えを言ったようなもんだが、皆まだわからないようだ。

するとさっきまで黙っていたモモ先輩は気付いたみたいだな。

てかこの人が気付かないとダメでしょ。

 

「そうか私の瞬間回復か…」

 

「正解です」

 

すると皆納得したようで俺のお家流が本物とわかってくれたみたいだ。

 

「モモ先輩と戦ってる時に驚かそうと思って使ったんですけど、使うタイミングは悪いし気はめちゃくちゃ減るわで。それで魂まで消耗する三千世界を使ったらそりゃ倒れますってね?」

 

「ね?って魂の消耗って大丈夫なの良晴!!」

 

すると京が血相をかえて近寄ってきたので驚いてしまった。

 

「お、おう大丈夫だから心配すんなって京。使っても一日経てば何ともなくなるから」

 

「そっか……よかった」グス

 

京はそのまま俺に抱きついたまま離れようとしない。

 

するといつの間にか京の目に涙が溢れていて自分がどれだけ心配させたのか理解した。軽はずみな発言は少し控えよう…

 

「あー、京。ごめんな心配かけて」

 

「ほんとだよ…。今日は一日中抱き締めてもらうから」

 

「さすがに一日中はちょっと…」

 

「じゃあ今だけでいいから」

 

「わかりましたよっと」

 

俺は言う通りに抱きついている京をギュッと抱きしめてやった。

その時、京がニヤリと笑ったのにも気付かずに…

 

「(計画通り…ククク。最初は焦ったけど良晴に害がないなら、このチャンスいかさないと損だよね。あーん良晴!もっと強く抱きしめて!)」

 

 

「で、モモ先輩の技っていつ使ったんだよ。タイミング悪いってどういうことだ?」

 

さっきまでのシリアスを何とも思わず発言してくるガクトさん!そこに痺れる憧れるぅ!

 

「モモ先輩が爆発した時あるじゃん?」

 

「その発言だけ聞くと凄い発言よねー」

 

「その後すぐに使っちゃったんだよねー。まじタイミングミスったわー」

 

「あの場面で使ったの!?見せる気ゼロじゃん!」

 

「いや、返す言葉もありません」

 

「三千世界の前にもう一つ技使ってなかったか良晴?」

 

「モモ先輩ってバトルの時の記憶力すごいですね。バトルする時勉強したらどうですか?それくらいモモ先輩ならできそうでしょ」

 

「Zzz…Zzz」

 

「あ、都合が悪くなったから寝たね姉さん」

 

「モモ先輩が言ってるのは闇夜灯明(あんやとうみょう)って言って、織田信長の家臣の丹羽長秀が使ってたらしい」

 

「それってどんな技なの?」

 

「そうだな…言葉で言ってもな。実際にやってみせるか。じゃあワン子!」

 

「んー?なあに?」

 

「拳を作って前に出してくれ」

 

「えっと、こう?」

 

ワン子は俺の言ったとおりに、言われるまま手を握り、指の側が俺に見えるように軽く持ち上げた。

俺も同じように、握った拳をワン子に見えるように持ち上げる。

 

「じゃあ俺が『せーの』って合図したら、指を一本立ててくれ」

 

「指を?うん、わかったわ」

 

「じゃ、いくぞ?」

 

「………闇夜灯明(あんやとうみょう)」

 

「せーの」

 

声に合わせてワン子は人差し指を持ち上げる。

それと同時に俺も人差し指を上げていた。

 

「つまりどういうこと?」

 

モモ先輩は実際に相手したからわかってるけど、まだ他の連中が理解できていないみたいなのでもう一度することにした。

 

「じゃ、もう一度だワン子」

 

今度はワン子は小指を持ち上げる。

俺も同時に小指を持ち上げていた。

 

「あ!」

 

「お、気付いたかワン子」

 

「今、私が指を上げるよりも先に良晴は上げてた」

 

ワン子の言葉に未だ半信半疑の連中も、一人一人相手をしていくと全員納得してくれたみたいだ。

でも技を使っていた俺は妙なことに気付いた。

 

本来、この闇夜灯明(あんやとうみょう)は相手の動こうとする気配のようなもの

を感じて、少し先を読むといった技なのだが…

 

なんで相手の心が読めるんだ?

 

そう今の俺は相手の思考まで読めるようになっている。昨日の時点ではこんなことはなかったはずだ。

 

技が進化した?いやいやまさかな…

 

「どうしたの良晴?」

 

俺が難しそうな顔で考え事をしていたのを心配してくれたのか京が顔を覗き込んできた。

俺はこの現象を皆に言うか迷ったけど意見は多い方がいいので相談してみることにした。

 

「闇夜灯明(あんやとうみょう)は思考とか考えを読む技じゃなかったんだけど、今できるようになっててさ何でかなーって」

 

「思考が読めるって凄すぎ!」

 

「いやいや、モロまだ読めるかわかんねーぜ?ほんとに読めんのかよ良晴?」

 

とりあえず論より証拠として今皆が考えてることを言っていくことにした。

 

「じゃ、皆が今考えてること言っていくけどいいよな?」

 

「もちろん構わないぞ?」

 

「それじゃ、一番手にモモ先輩を…」

 

いきなり俺が言葉を無くしたのを皆が不思議そうに見ているが、そりゃ固まるって。

 

「あの…モモ先輩。心の中だからってそんなに、呪文のように金くれ金くれって言わないでもらえます?」

 

「おぉ!ほんとに読めるのか!?」

 

どうやらモモ先輩も疑っていたみたいだ。そりゃそうか、同じ技を使って一日でできることが増えるってありえないもんな…

 

「それじゃ次はキャップね。ってワン子とキャップ同じこと考えてるからいっぺんに言うから。今のところ二人が使えそうなお家流はない」

 

「ちっ無いのかよー。てかほんとにわかんだなー」

 

「うー、もっと強くなれるチャンスと思ったのに…」

 

「大和は…、お前らしいなー。確かにこれ使うとより人脈を広げられるだろうな。モロは…、うん!本人が可哀想だから言わないでおこう。しいて言うならムッツリだな」

 

「ちょ!変なこといわないでよ良晴!皆もそれで納得しないで!」

 

「ガクトは…、お前も相変わらずだな。そもそも俺はナンパしないし、いかない」

 

「くそー!せっかくうまくいきゃナンパの成功率が上がると思ったのによー!」

 

「0%が1%に増えたってほとんど0だぞガクト」

 

「その1%を掴むのが俺様よ」

 

「最後は京、はい。結婚はしない以上」

 

「そっけない…。でもそこも好き」

 

結局なんで思考まで読めるようになったかはわからなかったが、まぁいっかと言うことでこの話はおしまいになった。




今回長かったなー。でも書いてて楽しかったです。主人公は楽しい感じにしたいなーと思います
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