真剣でうつけに恋しなさい!   作:ごえもん

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良晴が夏休みどんなことをしてたのか少し書こうかと思いまして。
読み返していろいろ矛盾を発見したので、後付け設定で申し訳ないんですが、
主人公は小学生の時に何年か川神で過ごし、また京都に戻ったとのことで。
その時に最初にワン子、キャップと大和などと知り合いファミリー結成、転校などし1度離れるも高校で合流という事にいたします。

むちゃくちゃかもしれないですがご容赦を!


夏休み

皆で今日は山まで行ってキノコ狩りに来ていた。

ワン子は山といったら修行!と行ったきりクリスを引き連れてどっか行ったきり見ないし、キャップはキノコ狩りなのに釣りしてたり、ガクトはたまたま出くわした森ガールの尻を追ってモロとどっかいったりといった感じにいつも通り各々楽しんでいた。

 

俺は普通にキノコ狩りに勤しんでいて傍には、俺をひたすら見ているだけで何もしない京がいるだけでとくに普段と変わらなかった。

 

「京ー、見てるだけで楽しいか?」

 

「うん。私、良晴の観察してたら人生幸せなの」

 

「暇ならキノコ狩るの手伝えよ。結局キノコ狩りしてるの俺と大和と由紀江ちゃんだけだし、後でその場で焼いて食うには全員の分集めないといけないんだから。集めるの結構しんどいんだぞ」

 

「わかった手伝う。夫婦の共同作業ってやっぱり外せないよね。ってことで結婚しよ良晴」

 

「うん。全然話つながってないよな」

 

「うん!?やっと、やっと私の思いが良晴に届いたんだね!!」

 

何を勘違いしたのか一人で暴走していく京。いい加減落ち着かせる為に行動をおこそうと思ったのだが、なにかおかしい…。

 

身体が思うように動かないし、喋ることもできない。

 

別に人生初のキノコ狩りにテンションが上がってしまい。生のキノコを食べた理由でもないし、誤って毒キノコを食べたという線はない。

 

こう思考を巡らせている間も京の暴走は進んでいって、

 

「あ、そうだ!せっかくキノコ狩りに来てるんだから良晴のキノコも狩っちゃおう!」

 

「(いやいや!!その発想はおかしいぞ京!)」

 

必死に体を動かそうとしてみるも動かず、相変わらず喋ることもできない。

このまま京に俺の純潔が汚されるのか…と若干諦めたが次の京のセリフにとんでもない量の冷や汗が流れ出し、諦めるわけにはいかなくなった。

 

「良晴のキノコは立派だから。狩るには道具が必要だよね」

 

内心ではいつ見たんだよー。とか思いつつ、後からでた道具という言葉に引っかかっていると

 

なんとどっから取り出したのか巨大なハサミを両手で持ち、俺のジュニアを狩ろうとしだした。

 

いつの間に脱げたのかズボンとパンツはなくなっており、ジュニアも何故か臨戦態勢。

狩るには絶好の機会のようになっていた。

 

「(やめろ京!洒落にならない!!)」

 

しかし俺の言葉は届かない。

 

「いつ他の女においたしちゃうかわからないキノコなんて、…狩っちゃっても問題ないよね」

 

そう呟くとゆっくりとハサミをジュニアに添える京。

 

「大丈夫だよ良晴、良晴のキノコは後で私が美味しく頂くからね………えい!」

 

「やめろ京ぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

 

 

ガバッ

 

「はっ!?ここは…俺の…部屋か」

 

「きゃっ」

 

どうやらさっきのは夢だったようだ。

思わず飛び起きてしまった…

 

なんて夢を見てるんだ俺はと軽く自己嫌悪しつつ、一応息子が無事か確認しようと

布団をまくるとそこには、

 

「お、おはよう良晴。今日はお早いお目覚めだね」

 

なんと先程の夢で俺のジュニアを切り落とそうとしていた犯人が、布団の中で俺のズボンに手をかけていた。

 

 

 

その瞬間、良晴の脳内をよぎる先程の夢、

 

一体どれほどの恐怖を味わったのだろう。

そこからの記憶は俺にはなく、京が言うには土下座し泣きなながら息子を守っていたそうだ。

 

 

 

さていろいろあったが今日から夏休みだ。

俺は片手で持てるくらいの量の荷物を持って、島津寮の前にいた。

 

しかしファミリーの皆が俺を足止めしてくるのでなかなか旅立てなかった。

とくに邪魔してくるのが京に、そしてワン子。

ワン子は直接何か言ってくるわけではないが、目をウルウルさせ捨てられた子犬のような目でこちらを見てくる。

 

 

「京、いい加減離れろよ…」

 

未だ良晴の腕にしがみついて離れない京に良晴は溜め息をつきながら言うが、

 

「ダメ。まだ良晴成分のチャージが終わってないの」

 

「お前な、それ一時間前にも聞いたかんな!」

 

そう、良晴が島津寮を出ようとしたのが一時間前。

そこで玄関を出ようとしたところ京に見つかり、遊びに行くにしては大荷物と何処に行くのか勘ぐられ素直に話したのが間違いだった。

そこで京を相手しているとファミリーのメンツが集まり始め今に至る。

 

もう予約していたはずの電車は行ってしまった。

アイツとの待ち合わせ時間に遅れてしまう。

そう思った良晴は言霊の力を使うことにした。

 

「悪いけどまじ時間やばいからさ。《皆動くな》」

 

こうして良晴以外、皆動けないようになった。

…はずなんだけど。

普通にモモ先輩は動いて俺の首に腕を回し背中から抱きついてきた。

 

「なんで動けるんですかモモ先輩」

 

確かに力をめちゃくちゃ抑えたが、こうも簡単に動かれては少しショックだ。

だがそこはモモ先輩だからで納得するしかない。

 

「今のは京極の言霊か良晴?」

 

川神学園の3年には京極先輩といって言霊を操る先輩がいるのでモモ先輩はそう思っているようだ。

 

「違いますよ。あんな紛い物の言霊と一緒にしないでください。俺の言霊は格が違うんですよ」

 

少しドヤ顔の良晴。それが面白くなかったのか腕の力を込め、首を締めようとした百代だったが、

 

「モモ先輩、《動くな》」

 

先程の言霊の時とは違いモモ先輩は動かなくなってしまった。

これに驚いたのは百代自身。

 

「(くそっ、本当に動けない。さっきは簡単に動けたのに…確かに京極の言霊とは違うようだ)」

 

 

「蒼燕瞬歩(そうえんしゅんぽ)」

 

百代が首に回してる手を解いた良晴は、蒼燕瞬歩(そうえんしゅんぽ)、織田の家臣の滝川一益が使っていたお家流。本来は縮地のような移動術だったが良晴はこれをアレンジし、どこでも移動できるようにできる技に昇華させた。

 

この技を使い、なんと空中を歩き始めた。

 

「よーし、障害物はなし!これでダッシュで向かえば何とか時間には間に合うかな?」

 

そう言って走り出そうとした良晴だったが、未だに固まっているファミリーの面々の方に顔を向けると、

 

「この暑ーい中、後一時間くらいそうしてるんだな」

 

意地の悪い顔をしてニヤリと笑った良晴。

これを聞いた皆はこれから待ち受けている灼熱地獄に顔を青くした。

 

「あ、ワン子に由紀江ちゃん、クリスは技を解除しとくわ。それじゃ皆!熱中症には気をつけろよ?」

 

そう笑って今度こそ良晴は空中を走っていってしまった。

 

 

 

 

 

午後1時、良晴は京都である人物と待ち合わせしていた。

待ち合わせ場所に着いたのはいいものの、探している人物がなかなか見つからない。仕方ないので気による探知をすると意外にもすぐ近く、というよりもすぐ後ろに

 

良晴が後ろを向くよりも早くに視界は後ろから手で遮られた。

 

「だーれだ?」

 

「はぁ、燕だろ」

 

そう良晴が待ち合わせしていたのはこの人、松永燕である。

 

良晴が燕と最後に会ったのは川神学園に通う前だったので、二年ぶりくらいの再会になるが二人は別に妙な緊張などすることもなくごく自然な感じに会話を楽しんでいた。

 

「久しぶりだな燕!元気だったか?」

 

「もちろん!毎日納豆食べてるからねん。それにしても向こうに行ったきり一回も会いに来ないのはどうかと思うんだけど?」

 

顔は笑っているが目は笑ってないので、これは相当にお冠のようだ。

しかし良晴は燕の機嫌をとる方法を熟知している。

 

「まぁまぁこうして会いに来たんだから許してくれよ。こっちにいる間はなんでも言うこと聞くからさ」

 

これで大抵の事は許してもらえる、尚克ご機嫌も取れるし一石二鳥だ。

 

「ふふっ、なんでもって言ったね。じゃあ取り敢えず荷物置いた後にショッピングだね。良晴はこっちにいる間何処に泊まるの?実家、それとも私の家?」

 

織田家と松永家は昔から家族ぐるみの付き合いで家もすぐ近くなのだ。

今回帰ってきたのは燕に頼みがあったからだしできるだけ近いほうがいいだろう。

 

「そうだな…燕の家でいいか?迷惑じゃなかったらだけど」

 

その瞬間燕が小さくガッツポーズをしたのに良晴は気付かなかった。

 

「遠慮しなくていいよん。水臭いなーもう」

 

「そうか?じゃあ親に挨拶してから燕んとこ行くわ」

 

「私も一緒にいくよ。おばさまにも挨拶しときたいしね」

 

そういうことど行き先は決まり。

 

 

 

ガラガラ

 

ようやく家にたどり着きドアを開けると

 

「ただいm」

 

「お帰り良晴!」

 

ガバッ

 

まだただいまと言い切る前に良晴はある人物に抱擁されていた。

 

「母さん、苦しいから離れてくれ」

 

良晴の母親、織田詩織である。

俺が生まれてからいつまでも見た目が変わらない、我が母ながら謎の人物。

 

「おう、帰ったか良晴」

 

そして次に俺の父さんである、織田時宗。

 

「お邪魔します」

 

するとタイミングを見計らって燕が顔をひょっこりと覗かせた。

 

「あら、燕ちゃん!いらっしゃい」

 

 

俺はすぐに燕の家に行くつもりだったんだが母さんが、

 

「まぁ!2年ぶりに帰ってきたと思ったら一言二言話してもう行っちゃうの?お母さんヨシ君をそんな風に育てた覚えはないわ!」

 

そう言うと泣き出してしまった。

 

「だってさ…。ほとんど毎晩電話してきて話してたらな、そりゃ会って話すことなんてなくなるって!」

 

「いい加減子供離れしようぜ母さん…」

 

実は母さん俺が地元を離れ川神学園に行くのに猛反対し、挙句の果てには自分も行くとか言い出す始末。

そこは父さんと頑張って説き伏せたが、条件として電話に絶対出ることだった。

 

「まぁまぁ良晴もそんなに急ぐことないじゃないか。時間はまだあるんだろう?少しくらい実家でのんびりするのもいいもんだぞ?」

 

確かに父さんの言うとおり、燕と買い物に行くにしても時間はまだある。

 

「わかったわかった。じゃあ少しだけのんびりするわ」

 

 

 

 

 

かぽーん

 

俺は今風呂に入っている。

 

「んー、久しぶりに此処で風呂入るとやっぱすげぇなー」

 

やっぱり家は金持ちじゃないだろうか?

父さんに1度聞いてみたら普通と言われたので今まであまり気にしなかったが…

 

「どうみてもおかしいだろ…。なんで家にサウナとか露天とかその他色々あるんだよ」

 

外にでて気付くことというのはあるもので、やっぱり家はおかしい。九鬼のような派手さはないが、改めて考えると家は大きいし、部屋の数もたくさん有り、お手伝いさんの部屋も用意されている。

これは俗に言う金持ちだと今改めて思った。

 

 

その頃、風呂の脱衣所では良晴の母である詩織と燕がこそこそと話し合っていた。

以前から二人はこんなふうに話あったりしていてどうやって良晴を落とすか話し合っていたのだ。

 

「今は良晴とどんな感じなの燕ちゃん?」

 

「うーん、意識してくれてるとは思うんですけどやっぱりまだお姉ちゃん的ポジションですかね」

 

「ヨシ君は他人の事は鋭いクセに自分の事となるとニブチンさんよねー。ってことでお風呂でお色気アピールよ燕ちゃん!」

 

「いや、その…それは流石にちょっと恥ずかしいというか」

 

いくら良晴が好きでも燕もいきなりの事で恥ずかしさが勝ってしまっていたが、

 

「大丈夫よ、これを付けて行ってらっしゃい!」

 

 

 

 

ガラガラ

 

どうやら誰か入ってくるようだ。

父さんかな?

 

「良晴ー?入ってる?」

 

どうやら燕だったらしい。ドアを開けて会話してくるので用事か何かかもしれない

 

「おーういい湯だぜ」

 

「そ、そう」

 

「ん?どうしたんだー?」

 

燕としては良晴が風呂に入っていることなど百も承知だったが思わず恥ずかしさからか確認してしまった

 

良晴の呼びかけに何の返答もしないで、未だドアの付近に佇んでるようだったが意を決して

 

 

「よ、良晴!入るね!」

 

そういうや燕は良晴の返事を待たずにスタスタと浴場へと入っていった。

 

「どうしたんだいきなり?まぁいいや燕もこっちこいよ。いい湯だぜー」

 

 

相変わらずの良晴に思わず溜息を付きたくなった燕。

 

「(なんで女の子がお風呂に入ってきてそんな反応なの!恥ずかしがってた私が馬鹿みたいに思えてくるよ。……もしかして、私って女として見られてないとか?)」

 

そんな筈ないと思いながらも何の恥ずかし気も感じさせない良晴に、

 

「良晴、年頃の女の子がバスタオル一枚で入ってきたんだよ?何も思わないのかな?」

 

これで何も思っていなかったら良晴のことを思いっきり殴ろうと決めていた燕だったが、

 

「それを言うか…、意識しないようにしてたのによ。まぁ本当にバスタオル一枚だったら俺もやばかったけど、下に水着着てるだろ?だから大丈夫だった」

 

「なーんだ、バレちゃってたのか(意識しないようにしてたって事はやっぱりドキドキはしてくれてるんだね)」

 

お風呂に一緒に入るというシチュエーションのせいで水着になることすら恥ずかしいと感じていたが、よく考えると場所がプールや海じゃないだけでそこまで恥ずかしがることはないと開き直った燕。

そこから燕の猛攻が始まり、背中の流し合いに露天風呂で腕に抱きついたりなどいろいろな方法で良晴にアピールしていた。

 

ただ一つ燕のミスは良晴が、色々な意味でのぼせてしまった事だった。

よって本日の買い物はなくなってしまい、そのまま燕の家へ行くことに。

 

 

 

 

トントントン

 

さっきから燕が使う包丁の音がリズミカルに鳴り響いている。

 

「なぁー本当に何もしなくていいのか?言ってくれたら手伝うけど」

 

「いいっていいって!良晴はお客様なんだからくつろいでくれてたらいいの」

 

取り敢えず邪魔にならないところで燕が料理している後ろ姿を見ているんだが、

いい!非常にいい眺めだ!!

エプロンを着て料理をしている女の子の後ろ姿って……こんなにも素晴らしいものだったのか

 

俺がじっと見ている事に気付いたのか、最初は気にしていなかった燕も段々そわそわしてきた。

 

「そんなに見られてると緊張するんだけど…」

 

やっぱり見すぎていたらしい…自覚はあったがしょうがない。

 

「いやぁ水着の時も思ったけどエプロンも似合ってるなって」

 

「ふふっありがとねん。もうすぐできるからお皿だけ出してもらえる?」

 

さっき聞けなかった似合ってるの言葉に頬が緩むのを感じた燕は良晴に気づかれないようにしながら内心喜んでいた。

 

 

「了解。場所変わってないよな?」

 

「うん、変わってないよ」

 

昔からお互いの家に泊まったりすることが多かったので、何処になにがあるかなどは理解しているのだ。

 

「さぁどうぞ!召し上がれ!」

 

出てきた料理は、納豆、納豆、納豆!!!

 

 

「って!どんだけ納豆好きなんだよ!!」

 

「大丈夫だって!ほら物は試しに、あーん」

 

差し出される納豆料理…、恐る恐る口を開ける良晴。

そして一口、

 

「うめぇー!!」

 

「でしょ!納豆は松永家の料理では必需品だよ」

 

良晴が美味しそうに自分の料理を頬張っていくのを燕は嬉しそうに眺めていた。

 

「はぁー、ご馳走様!めちゃくちゃ美味かったぞ燕!」

 

「お粗末様でした。ちょっと張り切って作り過ぎちゃったと思ったけど良晴が全部食べてくれて助かったね」

 

「流石にもう食べれないけどなー」

 

「あれれ、本当にもう食べれないの?せっかくデザートもあるのに」

 

「食べれ……るに決まってんだろ!燕が用意したデザート美味しく頂かせてもらうぜ!」

 

とは言ったものの少々お腹がきついのは事実だったがせっかく用意してくれたのだから食べさせてもらおう。

 

そして燕が持ってきたのはプリンだった。

見たところお手製だが、とても綺麗に盛り付けられている。

これは味も期待できそうだ。

 

「はーいお待たせー。納豆プリンだよん!」

 

「はぁ!?納豆プリンとか正気ですか燕さん!?」

 

いやいや待て良晴!さっきもその先入観で燕の料理を食べたが美味しかったじゃないか!同じ人物が作ってるんだし…大丈夫だよな?

 

そして食べようとした時に良晴はあることに気が付いた。

 

「これって燕の分は?」

 

「ないよ?良晴の分だけ。一生懸命作ったんだよ?食べてくれるよね?」

 

「わかった。いただきます」

 

作った時に味見で食べたりしたから自分の分は作ってないと良晴はその時思っていた。

 

パクっ

 

「(なんだこれ!?プリンなのに納豆特有のネバネバが口の中に広がり風味も納豆そのもの。くっそマズイぞこれ…)」

 

良晴の顔を見て察したのか、

 

「無理に食べなくてもいいよ良晴!全然残しちゃっていいから!」

 

口ではそう言っても悲しそうな顔をする燕。

良晴の男として負けられない戦いが始まった。

 

 

何とか時間を掛け完食した良晴。正直すぐにでもトイレで吐きたい気分だったが燕に伝えなくてはならないことがあった。

 

「燕…う、うp、ウマカッタゾ」

 

一瞬吐きそうになったのを気合で堪え、感想を待ってるだろう燕に答えたのだが、

 

「別に試作品だから残してくれても全然よかったのに良晴。ま、全部食べてくれたのは嬉しかったよん」

 

さらっと言った試作品という言葉を良晴は聞き漏らさなかった。

 

「試作品だと!?もしかして燕の分が最初からなかったのもそのためか!」

 

「良晴に一番に食べて欲しくて味見もしてないよ」

 

「さっきの悲しそうな顔は?」

 

「ん、なんのことかな?」

 

とてもいい表情でニッコリ笑ってくる燕に、

 

「(コイツさっきのは演技だったのか!?)」

 

 

女の演技力まじパネェっす…

一気に気が遠くなる感覚…

気付いた時には良晴は限界を迎えていた。

 

「味見もしないとか……鬼…だろ…」

 

バタン

 

そして言いたいことをいって良晴はとうとう気絶してしまったのだった。

 

気絶した良晴の頭をさりげなく自分の膝に乗せた燕は頭を撫でながら呟くのだった。

 

「鬼って酷いなぁ。でも良晴の為に一生懸命作ったのはホントだよ」

 

気絶して眠っている良晴にそう微笑むのだった。




何か気付いたら燕が既に攻略されてた。
無意識って恐い…。
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