Sword Art Online ~【道化の王冠】~   作:蘭丸・オブ・ザ・デッド

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黒「9話の次回予告と、内容がリンクしてる……だと…?」

白「次回予告がこんなに仕事してンのなんか初めてみたぜ………!」


010 「バカな事しか考えてない者達だ面構えが違う」

Side シロ

 

突如として飛来した、21世紀のネズミ型美少女によって、

ボケの大渋滞を起こしていた攻略会議が再び動きだす。

 

 

「オレっちはアルゴ」

「気持ち的にというか、実際に【情報屋】をやっていル」

 

「ちなみに、こんなミニマルボディの癖に自称オネーサンな、痛いヤツだ。仲良くしてやってくれ」

 

「シロちゃんっ!?」

 

ごめん、渋滞まだ治まってなかったわ

 

 

そんな1月3日の中央道のような大渋滞を起こした会議場に、

1つの爆弾が投下される。

 

 

「気付いてるヤツも多いかも知れねーガ、オレっちは『攻略本』を作ったβテスター、ダ」

 

「お前ッ!?何言って!」

 

「どうせすぐバレる事だからナ」

 

そう言ってアルゴは『攻略本』の最後のほうのページを見せる。

 

 

そこにはボスの情報が書いてあり途中に、

 

『※ここから先はβテスト時代の物になります』

 

の表記が。

 

 

「オメー…こんなこと書いたら、βテストに関わってンのがバレて……」

 

「オレっちも、何でこんなこと書いたか分かんねーんダ」

「……シロちゃんのバカが伝染っちまったかナ?」

 

はにかんでから、アルゴは一歩前に出る。

 

 

「オレっち達は、ここ数日、迷宮区でボスの情報を集めていタ」

「だけど削れたボスのHPは1ゲージだけ、それ以降はβテストの情報ダ」

「最後に、今までもβテスト時代と製品版とでは違ってる物も多イ」

「βテストの情報を過信しすぎると、返って危険な場合もあるだろウ」

「だかラ、これからもβテストやテスターに関する情報は、滅多な事では売れなイ」

 

震えながらも、ハッキリと喋り、

最後にペコリとお辞儀すると、

 

 

プレイヤーたちが「情報屋が情報を出し渋るな!」「βテスターの出した情報なんて信じられるか!」と、

口汚いヤジを吐き、ゴミを投げつける。

 

コイツら、アルゴがどんな気持ちで出て来たと思ってやがる……!

 

 

僕は、アルゴに当たりそうになったコップを、

居合切りの要領で、腰から曲刀を抜き放ち一閃。

 

コップは耐久値がなくなり砕け散った。

 

 

「僕は『仲良くしろ』っつったよなァ………?」

「テメェらが、どこで自分ルール振りかざして、野垂れ死のーが構わねーよ…」

「だが僕のこの剣、……こいつが届く範囲は、僕の国だ」

「無粋に入って僕のモンに手ェ出す奴ァ……」

「…フロアボスだろーが【攻略組】だろーが………ぶった斬るッ!!」

 

イタタタタぁ

 

何で僕がキリトみてぇな厨二発言しねーといけねーんだよ……

 

 

もう死ぬ程ハズい

 

エギルがちょっとボケただけで赤面してたけど、

その百倍はハズいね

 

生まれ変わったら、

カップ焼きそばの蓋にくっついてるキャベツになりたい

 

 

まぁ、僕の羞恥心と引き換えに、多少の脅しにはなったようで

 

「何で、さっきのヤツとネズミが……」ザワザワ

「まさか、一緒にいたヤツらもコイツらの仲間で、βテスターなのか?」ザワザワ

「《はじまりの町》の兵隊と、ネズミの情報力があったら俺たちなんて……」ザワザワ

「何度もボスに挑めるくらい、アイツらのLvも高いんだよな………」ザワザワ

 

客席のプレイヤーの表情が引きつる。

 

 

「さっ、…長々とシリアスやってンだ、とっとと決めちまおうぜ?」

 

「会議の8割くらいはギャグだったけどナ?」

 

うん、僕もそう思う

 

 

僕は、まだ少し震えるアルゴの隣に立って、手を握る。

 

「ほらよ、……これでちったァ、マシになンだろ…」

 

その際聞こえたアルゴらしからぬ可愛らしい悲鳴は、幻聴の類だと思う。

 

 

「うぅっ…、……シロちゃんって意外と大胆なんだナ………」

 

大胆じゃなきゃ、こんなとこに立ってねえよ

 

 

「手が震えてるゾ」

「…シロちゃんも怖かったんだナ……」

 

「誰が怖がって………まァな……地雷原でタップダンスしてる気分だったぜ…」

 

「そうカ………なら、ここからはオネーサンがリードしてやるヨ」

 

 

僕たちの震えは止まり、

「にゃははは」と笑ったアルゴが続ける。

 

 

「誰がβテスターか言うことは出来ないが、既に40%の人数が死亡していル」

「この『攻略本』はそんな無念の中死んでいったテスターやその仲間、」

「そして、シロちゃんたち初心者が情報をかき集めてくれたからこそ作成できた物ダ」

「βテスターに思うところはあるかも知れないが、今はオレっちの本をボス攻略に活かしてほしイ」

 

さっきの事もあり、激しいブーイングこそ飛ばないが、

既にβテスターの半数ほどが死亡していると言う情報に

会場がざわつく。

 

そして中にはキリトたちを見て、

「あいつら全員βテスターなんじゃないか」

「『攻略本』作りに関わってるんじゃないか」と疑いを持つ物も。

 

 

「テメーらなぁ……あいつらの顔、見てみろよ」

 

「そうだナ、あの顔を見たら分かるだロ」

 

「「あのバカ面で、そんな難しい事ができる訳ねー(ない)だろ(ロ)!!」」

 

僕とアルゴがそう言いきると、

 

 

「そうだな……4人とも、いかにもバカそうな顔だ…」ザワザワ

「おう、見れば見るほどバカっぽいな」ザワザワ

「特に【隊長】なんて、格好からもうバカ丸出しだ」ザワザワ

「おそらくバカな事しか考えてない者たちだ、面構えが違う」ザワザワ

 

どうやら【攻略組】のみんなも納得がいったようだ。

 

 

「アイツらは何の関係もねェ」

 

「と言うか関わりたくなイ」

 

「「だってバカなんだもん(ン)」」

 

僕たちがせっかく、疑われないようにしてやったのに、

 

 

「「「「ちょぉ待たんかい!!!!」」」」

 

バカがばかばか降って来やがった。

 

 

「シロにバカって言われたくないよ!!」ゲシゲシ

 

「よくも人をバカバカ言ってくれたな!」ゲシゲシ

 

「何で私がこんなにバカ扱いされなきゃいけないのよっ!」ゲシゲシ

 

「もう【隊長】呼びが定着しちゃったじゃない!!」ゲシゲシ

 

 

「蹴るんじゃねーよ!」

「つーかミトが【隊長】なのは、僕関係ねェし!!」

 

「ちょっ!痛イ!痛いかラっ!?」

 

バカにリンチされる僕とアルゴ。

 

 

たっぷり30秒ほど蹴られた後で、

僕たちはヨロヨロと立ち上がる。

 

「おいバカ共、なんで出てきやがった」

 

「このままシロとアルゴだけ悪者になんて出来ないでしょ?」

 

そう言ったユウキが客席に向き直り、

 

 

「みんなを代表して、ボクが名乗らせてもらうね」

「ボクはユウキ!気分的に【賢者】をやってるよ!!」

 

お前のどこが【賢者】だ

【賢者】から一番遠いとこにいんだろ

 

【狂戦士】(バーサーカー)、略して【バカ】か何かだろお前は

 

 

「そして、この5人は【ミト特戦隊】だよっ!!!」

 

 

「ふざっっっっけンなぁぁぁァァアアアアア!!」

 

「誰が【特戦隊】ダっ!?」

 

「違う……俺はチートスキルで…」

 

「ちょっと!【隊長】のミトと一緒にしないでよっ!?」

 

「アスナぁっ!?」

 

ミトは親友からの、まさかの裏切りにより、

 

 

「アスナ………強く……なったわね…」

 

膝から崩れ落ち、orzの体勢を描いた。

 

 

「やっぱり、あの戦闘服の女が【隊長】なのか」ザワザワ

「【特戦隊】ってことは、あの5人でスペシャルファイティングポーズを」ザワザワ

「じゃあ、あの【賢者】は何者なんだ……?」ザワザワ

「紫色のチビだぞ……フ〇ーザ様に決まってるだろ…!」ザワザワ

 

 

「ねぇシロ!ボク、フリー〇様だってさ!!」

 

なにドヤ顔してんだコイツ

 

あくまでポジショニングだけの話で、

お前が〇リーザ様なのは、

戦闘力でもカリスマ性でも何でもないからね?

 

 

バカの帝王(ユウキ)の自己紹介により、

再びカオスと化してた会議場で、ミトが口を開く。

 

 

「私はミト」

「気分的に………ううん…、……私は【βテスター】です」

 

糾弾されるのを覚悟の上で、ミトが語りだす。

 

 

「キバオウさんの話の通り、私は多くの初心者を見捨てて《はじまりの町》をすぐに出ました」

「私が守れたのは初心者の親友1人。」

「……いえ、…それも今の仲間たちが助けに来てくれなければ、私は見捨てて逃げていたかも知れません………」

「それでも私は生きたかった…!……βテスターだって命懸けなのは同じなんです!!」

「勝手ばかりですみません……」

「『攻略本』作りが償いになったとも思ってません………」

「だけどそれでも!…こんな私と、一緒に戦ってくれませんか……ッ!?」

 

少女の涙ながらの訴えにより、

 

 

「当たり前だ!【隊長】ぉぉぉォォオオオオ!!!」

「【隊長】!俺たちが間違ってた!!」

「【隊長】!俺もβテスターだ!」

「俺たちは仲間だ!【隊長】ッ!!!」

「あるよぉ!絆があるよぉ!?」

 

【攻略組】の心が1つになった。

 

 

「お前のお陰だぜ!【隊長】!!」

 

「すごいよ!【隊長】!!」

 

「【隊長】ありがとナ!」

 

「【隊長】……お前はすごい奴だよ…!」

 

「私、感動しちゃった!………ありがとねミt…ううん、【隊長】…!」

 

「なんか釈然としないわっ!?」

 

なに言ってんだ、【隊長】はすげェよ………

 

 

バラバラだった【攻略組】の心が1つになった所で、

空気と化していたイケメン(ディアベル)が、手をパンパンと鳴らして、

 

「今はβテスターも初心者も、力を合わせてボスに挑もう!」

「ボスの情報だが「なんでや!?」」

 

しかし、キバオウに話を遮られる。

 

 

「おい白いの……」

「ジブンが『攻略本』の話、しとったら」

「ワイの立つ瀬なんか、なかったんとちゃうんかい………」

 

 

「まァな………」

「けど、《はじまりの町》の話もしなきゃいけなかったし、」

「こう言うのは、作るのに関わった人間より、」

「『攻略本』に助けられたヤツのほうが、観客たちの心に響くだろ?」

「悪りィが、利用させてもらったぜ」

 

僕が答えると、

 

 

「さよか……」

「それについては、ジブンらも立場があったんやろ…別にどうも思わん。」

「……けど…!」

「………それでもワイは死んでもうたアイツの為に、」

「…βテスターと馴れ合う事はできへんねん!!」

 

キバオウは右腕を振り、僕にデュエルの申請をした。

 

 

「いいぜ………やってやらァ……」

 

僕も受諾する。

 

 

デュエル開始まで、残り60秒。

 

 

「シロ!これ【完全決着モード】じゃん!」

「ボクたちがやる、お遊びとは違うんだよ!?」

 

「しゃーねーだろ、『売られたケンカは買え』が白菜(しろな)家の家訓だ」

 

「お前と10年以上、幼馴染してるけど」

「そんな家訓、初めて聞いたぞ」

 

「うん、僕も初めて聞いた」

 

 

残り30秒。

 

 

「なんで受けたんや……」

「ワイかて死にたない。負ける気はないぞ………」

 

「おう、ケンカで手ェ抜かれちまったら、つまんねーからな」

 

 

「アホかっ!【完全決着モード】は、どっちかが死ぬか降参するまでデュエルが続くんやぞ!?これはただの殺し合いや!!」

「ワイは……ワイはデュエルを断られて、ここを出てくつもりやったのに…!」

 

「だから受けたンだろーが」

「ただでさえ人数が少ねェのに、オメーに出てかれるワケにはいかねーンだよ」

 

 

10秒。

 

 

「2人ともデュエルを取り消すんだ!」

 

叫び駆け寄ろうとするディアベルやキリトたち

それにキバオウの仲間を、手と視線で制して、

 

 

「テメーら手ェ出すんじゃねーぞ………」

「そんな理屈じゃコイツは止まンねーんだよ…」

「なァ、そーだろキバオウ?」

 

「ワイからも頼む……降参してくれ…」

「ワイはジブンを斬りとぉない………」

 

「ハッ、やなこった」

「ケンカする前に、負け認めて謝るヤツがどこにいンだよ」

 

 

「ワイは負けれへんねん!」

「仲間の為に、βテスターに負ける訳にはいかんのや!!」

 

キバオウの両手剣と、僕の曲刀が交錯した。

 

 

 

 

 

何度もぶつかる剣と剣。

 

激しく金属が衝突する度に、キリトたちの悲鳴が上がる。

 

 

キバオウが両手剣で放つ攻撃を、僕は曲刀で逸らし続ける。

 

僕のHPはついにイエローゾーンに達し、

キバオウは9割以上を残している。

 

 

「なんでや!?」

 

キバオウが困惑したように声を荒げる。

 

「なんでジブンは攻撃せぇへんねん!?」

「ジブンの速さがあったら、ワイの攻撃よけて斬りつけれるやろ!!」

 

「言ったろ?…このデスゲームをクリアする為に、誰も死なせらンねーんだよ……」

「2層に………いや、現実に帰る為に、テメーの強さが必要だ」

「戦ってる僕だから分かンだよ」

「オメーは、ここを出て行っていいヤツじゃねェ」

 

 

「イカれとんのか!?ジブン、もう少しで死ぬんやぞ!?」

 

「ケンカなんて、イカれてるほうが勝つモンだろ…?」

 

「ふざけんな!」

「頼む…!誰かワイを……ワイを殺してくれぇぇェェェエエエエ!!!」

 

キバオウが涙と共に、剣を上段に振りかぶり赤く光らせ、

《両手剣スキル》【アバンラシュ】を発動させようとする。

 

 

「甘めェこと言ってンじゃ!」

 

しかしそこで、僕の投げた曲刀が

キバオウの左手首にクリーンヒットし、

片手が離れた事により、ソードスキルが中断される。

 

「ねェェェェェエエエエエエエエッ!!!」

 

そして僕の渾身のアッパーカットがキバオウの顎を捉え、殴り飛ばした。

 

 

僕は仰向けに倒れたままのキバオウに歩み寄り、

 

 

「美しく最後を飾りつける暇があるなら」

「最後まで美しく生きようじゃねーか」

 

「何でそんな事できるんや……」

「ワイは武器持っとって、ジブンは丸腰なんやぞ………」

 

「あァ?元々テメーを斬る気がねェンだから」

「丸腰だろーがなンだろーが変わンねーだろーが」

「ほれ、さっさと現実戻って、テメーのダチの分まで茅場のヤロー殴りに行くぞ」

 

「……ジブン、ホンマに100層まで行けると思っとんのかい…?」

「もう1ヶ月やぞ!?1ヶ月経ってまだ、1層も突破できてへんねん!!」

「せやのに何で………!?」

 

「だからだろーが」

「そンだけの地獄だから、テメーのバカみてェな強さが必要なンだよ」

 

「『ケンカはイカれとる方が勝つ』か……、…ホンマにその通りやな……」

「ジブン以上のアホはおらんわ…」

「参った、…ワイの負けや………」

 

キバオウが僕の手を取り、

僕のHPが全損ギリギリのところで、

キバオウが降参した事で、僕はデュエルに勝利した。

 

 

ポーションを飲み回復する僕にユウキが飛びつく。

 

「待てぇぇえええ!!死にかけてるから!!」

「シロさん、ほとんど瀕死だからァ!!!」

 

「心配したんだよ!」

「なんでシロは、人のために無茶ばっかするのさ!?」

 

「悪かったって……」

「もうこんな事、やンねーから……な?」

 

「今回だけだよ………?」

「今回だけ許してあげる…」

 

「はは…、ソイツはありがとな……」

「つーか僕だって、こんなん何回もやりたくねェよ」

 

 

こうしてキバオウを含めたみんなの心が1つとなり、

いよいよボス攻略についての話が始まる。

 

とは言っても内容は、ボスの情報を共有して、

この場にいるみんなでパーティ作って、その中で隊長決めてねってだけだ。

 

パーティの上限は6人なので……

 

 

「僕たちは一瞬で決まったな」

 

「俺『はーい、グループ作ってー』で、こんなに気が楽なの初めてだよ」

 

「あぁそれボクも」

 

「という訳でよろしくね【隊長】」

 

「頼んだゾ【隊長】」

 

「もう何でもいいわよ……」

 

ちなみに僕たち“F隊”は、キバオウ隊が討ち漏らした

ボスの取り巻きを担当するそうな

 

いやー、楽ができそうでよかったね

 

 

そんなこんなで3話も使ったせいで、

攻略会議は夕方までかかり、

僕・ユウキ・【隊長】・アルゴ・マダオは酒場で他プレイヤーたちと飲み、

キリト・アスナのコミュ障ズは、

路地裏のほうでパンをもぐもぐしていた。

 

 

酔った勢いで“モーニングスターごっこ”とか言って、

キバオウを思いっきり壁にぶつけたのは本当に悪かったと思う。

 

またデュエル申し込まれなくてよかったよ

 

 

思う存分、飲み食いしたところで

僕はユウキとマダオを引き連れて民家に戻ったのだが、

 

 

 

 

 

「キリト!風呂貸せ!!」

 

マダオが借りてる民家の風呂、壊しやがりました。

 

 

なんなのアイツ?どんだけ不幸なの?

どうやったら仮想世界の風呂、壊せんだよ

 

 

「え……?…シロとユウキか………どうしたんだ?」

 

僕たちはキリトに事情を説明して、

快く、っつーか半ば強引に部屋に押し入った。

 

ちなみにマダオは、しっかりひとっ風呂浴びてから壊したので、

お留守番している。

 

 

「ボクは1日くらい入らなくてもよかったんだけどね」

 

「あンだけ暴れて風呂入らねーとかねェから」

「つーか、そんな女と一緒に歩きたくねえ」

 

「………暴れた…?……お前ら何やってたんだよ」

 

「何って“モーニングスターごっこ”に決まってンだろ」

 

「“モーニングスターごっこ”だね」

 

「…いや、“モーニングスターごっこ”って言われても……」

 

“モーニングスターごっこ”は“モーニングスターごっこ”だ

それ以上でもそれ以下でもない

 

 

僕が先に風呂を頂き、

未だに「ボクはどっちでも」とかぬかす汚染物質(ユウキ)をバスルームに蹴り飛ばしてから、ミルクをグビグビ飲む。

 

 

「っぷはぁっ!美味ェ!」

「これが80コルで飲み放題とは、いいとこ見つけたモンだな!」

 

「だろ?ここ、β時代から人気の民家だったんだぜ?」

 

得意気になるキリト。

 

しかし、しばらく話してるとキリトが暗い表情をする

 

 

「俺……あの時、名乗り出られなかった………」

 

「あの時ってェと、お前が脳内でチートスキルもらってた時か?」

 

「そうだけど、そうじゃない!!」

 

おぉ、元気になった

 

 

「攻略会議の時さ……」

「アルゴやミトは自分がβテスターだって名乗ったのに、」

「…俺は怖くて出来なかった………」

 

「それが普通だから気にすンなよ」

「むしろアイツらがおかしいから」

「アイツらが頭のネジ、10本くらい外れてるだけだから」

 

「それでも俺は……!」

 

「何なら、今から酒場行ってきてβテスターだって言ってみるか?」

「もう、表立って不満ぶつけるヤツもいねーだろーよ」

 

「それじゃ意味がないだろ!」

「あの時……俺は…!」

 

「あのなァ………もう少し気楽にやれって」

「ユウキくらいバカになってみてもいいンじゃねーか?」

 

僕はバスルームのほうを指さし、

 

 

『お~やつ~は“パ~フェの上のほ~う”でッ決~まりなんだよ~♪』

『シロに~分けてなど、あ~げないか~らね~♪』

 

バカ丸出しの替え歌を、

バスルームの遮音性を貫通する声量で歌うユウキを示した。

 

つーか、なにその歌?なんでギニュー特〇隊のキャラソン?

クッソ腹立つんだけど

 

 

「いや……俺、あれは嫌だわ…」

 

「うん、僕の例えが悪かった………」

 

ユウキはネジが何本以前に

そもそも付いてないくらいのバカだから……

 

 

ユウキのバカさ加減に辟易としていると

ドアから独特なリズムのノックが響き、

 

「キー坊、今いいカ?」

 

「珍しいな、あんたが直接部屋にくるなんて」

 

頭のネジが10本外れてるヤツ(アルゴ)がやってきた。

 

 

「さっきぶりだな」

 

「ようシロちゃん、“モーニングスターごっこ”は楽しかったナ」

 

「だから“モーニングスターごっこ”って何……?」

 

“モーニングスターごっこ”は“モーニングスターごっこ”だ

それ以上でもそれ以下でもない

 

 

という訳で、僕はユウキのふざけた歌をBGMに

2人の話を聞くことに。

 

 

なんでもキリトの剣を買いたいと、

しつこく交渉してくるヤツがいるんだとさ

 

「3万9千800コル出すそーダ」

 

「サンキュッパと来たか……」

 

ちなみにキリトの武器、“アニールブレード”の強化なしの相場は1万5000コルだ。

 

しかも前回の交渉からさらに1万コル吊り上げたらしい。

って事は急ぎなのか……?

 

 

キリトは依頼相手の情報を買おうとして、

アルゴは依頼主に許可を取る。

 

依頼主の反応を待つ間に、

僕はいくつかキリトとアルゴに聞いてみる事にする。

 

 

「キリト、内容はいらねーから、何回強化したか教えてくれるか?」

 

「あぁ、それくらいなら教えて構わないぞ 6回だ」

 

残り2万5000使っても余裕で

キリトと同じくらいの強化値にできるな……

 

 

「アルゴ、キリトの剣の強化内容は売ったか?」

 

「いや、そもそも俺はアルゴに教えてないぞ」

 

「バーカ、そーゆーのは、ある程度なら戦ってるとこ見たら分かンだよ」

 

「シロちゃん、その情報は500コルだナ」

 

守銭奴に金を渡すと、売ってないそうだ。

 

アルゴくらい情報収集の腕があって、

キリトの近くにいた情報屋でも売ってないって事は、

依頼主はキリトの剣の内容を知らないと考えるほうが妥当か…?

 

 

「ならやっぱり、剣ってより、目的はキリトそのものにあるって感じだな」

 

「あぁ、俺もそう思う……」

 

「おっと、クライアントは教えても構わないそーダ」

 

 

それからアルゴは一呼吸置いて、

 

「クライアントの名前は“ディアベル”ダ」

 

 

「ケツは洗っとけよ?」ポン

 

「イケメンに好かれてよかったナ、キー坊」ポン

 

「そういう事じゃないだろ!?」

「憐みを込めて肩に手を乗せるのをやめろ!!」

 

今年の夏は“ディア×キリ”が熱いね

 

 

「コホンっ……冗談は置いといてだ」

「キリトの弱体化を狙ってンのは確実だろォな」

「それも急ぎでだ………多分、ボス戦に合わせてだろーな」

 

「隊の割り振りにも悪意があるしナ」

 

「あぁ、……DPSが高い俺たちを、取り巻きに当てるのはおかしいよな…」

 

キリトは剣を売る気はなく、取引は不成立となった。

 

 

「そんじゃシロちゃんは、《はじまりの町》での用を済ませて来てくれたカ?」

 

「おう、“隠しログアウトスポット”のデマ情報を流した犯人の特徴だがな……」

 

僕はアルゴから頼まれてた調査報告をする。

 

 

「……ってな感じで、僕が町に着いた時には、もうどっか行ってたのかもな」

 

「そうカ………《トールバーナ》でも目撃証言はなかっタ…」

 

なーんか色々とキナ臭せェ事が起こってンなぁ…

 

 

「βテスターとのわだかまりだって何とかしなきゃいけねーのによォ」

「……ハァ…めんどくせェ…」

 

「ん?それは【攻略組】の中でならもう解消されたんじゃないのか?」

 

キリトの疑問に、僕はわざとらしく大きな溜息をついて

 

 

「聞いたかよアルゴ、これだからコミュ障は…」

 

「キー坊はもうちょっと人間関係を勉強しないとナ」

 

「なっ……何だよ!あれはもう解決じゃないのかっ!?」

 

 

「いいか?理屈で抑え込めンのは、頭のいいヤツだけだ」

「バカはバカでもキバオウくらい真正面からぶつかってくれりゃァ、やりようもあるンだけどよ……」

 

「けど、ほとんどのヤツは今でも不満をため込んだままだろーナ」

 

「そういう物なのか……」

 

「そーゆーモンだ」

「これでボス戦でなんかあったら、不満がイッキに爆発すンぞ…」

 

 

思考の海に沈む僕をよそに、

キリトの部屋を調べる事にしたアルゴ。

 

βテスト時代との相違点があるか知りたいんだとさ

 

 

アルゴはほっといて、僕はキリトに声をかける。

 

「なぁキリト、もしかしたらオメーが一番危ねェかも知れねェンだ」

「明日のボス戦は気ィ付けろよ……?」

 

「あぁ、ディアベルの動きもよく見ておく事にするよ」

 

 

そこでアルゴが1つの設備に気づく。

 

「バス…ルーム……?」

「これは高く売れるナ!特に女性プレイヤーに!」

「よっこラ失礼……って…」

 

アルゴがバスルームのドアを開けると、

素っ裸のユウキが

 

 

「ディアベルの件もそうだけど、オメーはβテスターでもあるンだ」

「それがバレたら、何で攻略会議で名乗り出なかったってなるしな……」

 

「いや!この状況で話し続けるのかっ!?」

 

なんかキリトが赤面して狼狽えてるけど、一体どうした?

 

 

「あァ?ユウキの裸がなんだってンだよ」

「こんなン見るくらいならアルゴの見るわ」

 

「ふぇっ!?それはオネーサン、いきなりは恥ずかしいって言うカ……///」

 

いいねぇ、この初々しい反応

ユウキやミトだと、このくらいのボケは軽く受け流しやがるからな

 

え?アスナ?

アイツは恐ろしくて、こんな真似できるか

 

 

「だいたい見てみろよ、なんだあの地平線みてェなおっぱいは」

「少年みてェな真ったいらな胸しやがっtごぶるぁッ!?」

 

あぁ、圏内ってダメージ喰らわないだけで衝撃はあるんだ……

 

そんな事を思いながら、

ユウキが放った渾身の【ホリゾンタル・アーク】に

僕の意識は刈り取られた

 




おしえてっ!奈っ代せんせ~い!!


白「まーた〇魂ネタ持って来やがったよ、あのバカ…」
「なにパクリ漫画のネタ、パクってンの?作者はどこのコンフィデン〇マン?」

鼠「こんなバカなコン〇ィデンスマンはいねーヨ」

白「オメーこそ、そんなバカなアルゴはいねーよ」
「紺野の風呂覗くイベントの時のオメー何なの?ただのチョロインだったからね?」
「みんな大好きなアルゴオネーサンなら、あれくらい受け流すから」

鼠「あのナぁ…シロちゃん…、女の子がいきなりあんなこと言われたら恥ずかしいもんなんだヨ?」

白「じゃァ、女の子には言わねェよーにするわ、女の子には。」
「問題は、このssには”女の子”なんていねー事だけどな。バカばっかだよ、この世界は……」


鼠「オレっちがボス戦に参加する小説も珍しいよナ」

白「プログレの2層,5層辺りで戦ってンだし、言うほど違和感もねーだろ?」
「一応解説っぽいこと付け加えとくと、原作と違って桐ケ谷たちと一緒に、情報集めやら迷宮区の探索もしてたからな」
「そしたらLvも上がるだろ?」
「ある程度、安全にフロアボス見に行けるから、自分の目でボス戦の確認に行ったンだよ……多分」


鼠「何で最後に自信なくなってるんだヨ………」
「じゃぁ解説コーナーらしく、質問するゾ。」
「原作だと、キー坊の剣を買おうとしたのはキバ坊だよネ?何でこの世界はディア坊になってんダ?」

白「”モーニングスターごっこ”してたら西野が気絶したンで、代理で交渉させるどころじゃなくなりました。」
「そンで時間もねーからディアベルは自分自身で剣を買おうとしたワケだ」

鼠「エぇ……そんなくだらない理由デ…」

白「まァあと、ディア×キリならまだネタとして見れるけど、キバ×キリはもう、吐き気しかねーからだな」


鼠「どっちにしろ理由が酷い件についテ………」
「それにしても、まさかオレっちがヒロインになるとはネ」
「この作者がヒロイン3人なんテ、扱いきれるのカ…?」

白「ぜってェ、無理。」
「アレだよ?最初のほうの計画では、」
「紺野が友達、兎沢が年上の大人、帆坂は悪友みてーな感じのヒロインにする予定だったらしいぞ」
「……フタを開けてみたらバカしかいなかったけどな…」


鼠「悪友っテ…オレっちのほうが大人っぽく描けるんじゃないカ?」

白「テメーの見た目考えろよ、合法ロリに片足突っ込んでるクセしやがって」
「…僕が裏でコソコソなんかやる事が多いから、帆坂は悪友ポジのほうが書きやすいンだってよ」

鼠「悪友ヒロインって人気ないからナぁ………」

白「何言ってンだよ、アマガミのワカメ可愛いだろーが」
「悪友キャラでも正ヒロインは、ちゃんといンだよ」

鼠「ハ?アマガミのメインヒロインは森島先輩だかラ」

白「……ダメだこいつ…」
「バカのネズミとは一生分かり合える気がしねェから、次回予告だ」



~次回予告~

フロアボス討伐のため、迷宮区へ向かう【攻略組】。

しかしその時キバオウが泉に落ちて、
水に濡れると身体が変化する体質になってしまった……


次回、ソードアートオンライン【道化の王冠】第11話

『キバオウはん1/2』



牙「今さらやけど、原作のワイの武器、片手剣やで……?」

白「盾なし片手剣は桐ケ谷・紺野と被るから却下だ」
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