Sword Art Online ~【道化の王冠】~   作:蘭丸・オブ・ザ・デッド

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14話はアニメで言うと、リズが2回、高所落下できる回数ですね


黒「だから何で嫌な数え方をするんだよ」
「そこは普通に、SAOがクリアされたとかでいいだろ……」


014 「リズリズ先生、ハンマー逆さだぜ?」

Side シロ

 

アルゴは仕事があるって事で別れて、

僕はユウキと《ウルバス》の町を歩いている。

 

ちなみにキリトからは呪詛のようなメッセが何通も来たので

当分関わりたくない。

 

 

ところで、《はじまりの町》のプレイヤーに渡すコルやアイテムは

ディアベルが中心となって、

【攻略組】全員で出し合うことになった。

 

何なのあのイケメン?なんか悪い物でも食った?

 

 

この件で特に働いてくれたのが、意外な事にキバオウで、

なんでも

「ワイはトッププレイヤーだけやのぉて、」

「SAOに生きる全員を助けたいんや!」みてぇな事を言ってた。

 

マジであのサボテンダー、何があった?

“モーニングスターごっこ”で、ユウキにぶん投げられすぎて

人格変わってンじゃねーか

 

 

そんなこんなでキバオウは、

早い攻略を目指すディアベル達と袂を分かって、

独自のグループを作っている。

 

まさかあんなに「ディアベルはん、ディアベルはん」言ってたアイツが

こんな事するなんて、

人は変わるモンだねぇ……

 

 

「つっても、言いだしっぺの僕が一番、金出すンだぞ?」

「オメー、マジで付いてくるつもりか?」

 

「ずっと言ってるじゃん? ボクはシロと一緒にいるよ、って?」

 

「…はぁ……めンどくせェ………」

 

「あっ、嬉しそうだね!ニヤけちゃってさ」

「ボク、だんだんシロの考えてること、分かってきたよ」

 

「ニヤけてんのはテメーだろーが」

「悩みがなさそうなバカ面しやがってよ」

 

「はいはい、ツンデレ乙」

 

だから誰がデレてんだっての

 

これからもバカの相手しなきゃいけねェのが

めんど臭せぇ、っつってんだよ

 

 

そんなこんなでバカの相手をしながら町を歩いていると、

 

「よう!【我らの剣】!今日はちっちゃい嬢ちゃんとデートかい?」

 

「ヌハハハハ!【我らの剣】よ!今日からは我らも2層で戦うぞ!!」

 

「【我らの剣】!今日は【キリにゃん】の兄ちゃんは一緒じゃねえのか!?」

 

変なあだ名が付いてました。

 

 

いや、何で朝についた【キリにゃん】の二つ名が

昼の今、もう広まってんだよ

 

恐るべし、アルゴの情報力

 

 

つーか【我らの剣】って、どこの異世界召喚された高校生?

 

ガンダールヴもらえるなら欲しいわ

こちとら曲刀1本ですら使いこなすのに難儀してんだぞ

 

 

さてさて、僕たちが…っつーか僕が用があるのは

NPCショップの武器屋。

 

いい加減、《トールバーナ》で買った曲刀(カトラス)だと、

Mobにマトモなダメージが入らなくなってきたのだ。

 

 

………なのだが……

 

 

「おッッッもッ!!!」

 

売ってる曲刀が軒並み重いです。

 

 

基本的に武器は強くなるほどゴツくなっていく。

例外こそあるが、

比較的軽い武器である短剣や細剣、爪も、

他の武器に比べ増加は緩やかだが、重量は上がっているのだ。

 

 

ゴツい物が多い曲刀なんて次の町や村、層に行くにつれ、

加速度的に重くなる。

だからこそ、軽くて切れ味のあるカトラスに出会ったときは

感動した物だ。

 

 

何で曲刀、すぐ重くなってしまうん?

 

結婚した当初は綺麗だった嫁さんが

醜く肥えていくのを見る夫の気分だよ

 

《はじまりの町》で売ってたヤツは

ちょっとデカいバタフライナイフみたいだったのに

今や、卍解する前の斬月みたいなの物まで並んでやがる。

 

 

リンドのシミターを持たせてもらったけど、

持ち上げはできても、とても振り回せたモンじゃない。

 

クラインの湾刀(タルワール)とか論外である。

あれの要求筋力値、僕の筋力(STR)の10倍あるからね?

 

なんなの?界王拳でも使えってか?

 

 

「つーワケで、なんか軽い武器つくってくンね?」

 

「いや、STR上げればいいじゃない」

 

「そんなこと言わずに頼むよ、リズリズさん」

 

「誰が、工作が得意そうな丸メガネのおじさん?」

 

「アスナのレイピアは強化してやったクセに……」

「やっぱ、凶暴生物(ゴリラ)のお願いじゃないとダメなのか………」

 

 

「もしもしアスナ? 今、シロがアンタのこと「この通りです!お願いします!武器作って下さい!!お代はイロ付けるンでぇ!!」…まぁ別にいいけどさ」

 

そんな訳で、

刀匠、ロン・リズベットに快く武器を作ってもらえる事になった僕たちは、

さっそく2層のフィールドに出ることにした。

 

 

「アスナが『あとで詳しく話しに来てね』だってさ」

 

武器ができても僕は死ぬかもしれない…

 

 

「つーか何?オメーも来んの?」

 

「当たり前でしょ?私が作る武器よ?」

「素材ゲットする所からやらせなさい」

「最前線は厳しくても、私だって戦闘(メイス)鍛えてるんだから」

 

そう、このリズベット、推定15歳・独身、

仕事は真面目でそつなくこなすが、

今ひとつ特徴のない女は、戦う鍛冶屋さんなのだ。

 

 

ちなみに使う武器は、まさかの棍棒(メイス)

可愛らしい見た目と裏腹に、

エギルと同じくらいのSTR型ビルド(ゴリラ)なのである。

 

「ごぶぉッ! いきなり何すンだテメー!?」

 

「アンタなんか失礼なこと考えたでしょ」

 

「考えてませんけど!?アスナと友達だなって思っただけですけどォ!?」

 

「それ、ゴリラって思ったんでしょうが!!」

 

「それで分かるってことは、オメーもアイツの事、ゴリラ扱いしてンじゃねーか!!」

 

 

「ボクたちAGI型だから、いっしょに来てくれて頼もしいよ!」

「よろしくね!リズっ!!」

 

「ユウキはいい子ね~」

「それに比べて、この白いのと来たら」

 

 

「うるせー、ボストローrぐぼァッ!」

 

「もう喋り出す前に殴ろうかしら……」

 

「シロ、今はトロルくらいにしとかないと」

「後々リズが強くなった時にネタ切れになるよ?」

 

「ユウキはなんの心配してるのよ!?」

 

 

そんなこんなでトロル女ことリズと来たのは

《ウルバス》近くの草原。

 

 

「そンで、武器の素材は何狩ったらいいと思う?」

 

「そうね……スピード系なら《ウインド・ワスプ》かしら」

 

「1層にもいた蜂のモンスターだね」

 

「げぇっ……蜂かぁ…」

 

 

「なによ?まさか虫ダメだった?」

 

「別にダメって程でもねーけどよ……好き好むヤツもあんまし、いねーだろーよ…」

「アイツら、素手で殴ると思うと気が重めェな………」

 

「は……素手…?」

「あんた、武器はどうしたのよ?」

 

「シロは今、《体術スキル》を上げてるんだよ」

 

「《体術》?ソードアートオンラインなんだから、剣、使いなさいよ」

 

「メイスに言われたくねえよっ!!」

 

「メイスだって素手に比べたら立派な剣よ!」

 

「「どこがっ!?」」

 

 

そんな話をしながら“ワスプ”を数十分ほど狩り続けて、

ユウキが27匹、リズが18匹、僕は14匹倒した。

……《体術》って、育てたらほんとに強くなるんだろーな………?

 

 

「あ゛―ァ゛!スデゴロとか性に合わねェんだよ!」

 

「それで、あんなに倒せるアンタも凄いと思うけどね?」

 

「メイスの一振りで、ワスプ4匹も倒したオメーに言われ……て………も…」

 

しかし乱入者の羽音によって、僕のセリフは途切れた。

 

乱入者の名前は《グラップラー・マンティス》。

デカいカマキリの化け物だった。

 

 

 

 

 

Side リズベット

 

「なによ……アレ………」

 

カーソルはレッド。格上のモンスター。

しかも『攻略本』の情報になかった未知のMobだ。

 

 

「ユウキ!リズのこと守ってろ!」

 

「了解!」

 

シロが曲刀を持って“マンティス”に向かって飛び出す。

 

 

「ユウキ、……あの敵のカーソル、何色に見える…?」

 

「ボクはオレンジだよ。………リズは?」

 

「あたしはレッド。……あんた達でも格上なのね…」

 

 

曲刀がカマキリの銅を叩くと金属みたいな音が。

 

攻撃を入れたのはシロなのに、

シロのほうが大きくノックバックし、鎌が首に迫る。

 

 

「ダメぇぇぇええええッ!!」

 

そこにユウキが飛び込み、鎌を剣ではじいて

シロを助け出す。

 

 

「………オイオイ、こりゃ、やべーな……」

 

「どうしよっか…?……ボクが前衛やる?」

 

「んーにゃ、相手はかなりのスピードタイプだ」

「僕がなんとかして隙作るから、」

「そしたらリズにスイッチして、一撃決めてくれ」

「そんでユウキが大技だ」

 

「えっ!?あたし!?」

 

「こン中で、一番パワーがあんのがリズだからな」

「……ムリにたァ言わねェけど………やってくれるか…?」

 

「…分かったわ!タイミングはそっちに任せる!」

 

絶対に生き残ってやるんだから!

 

 

「よしッ、んじゃァやるか!」

 

シロが曲刀を仕舞って駆け出す。

 

 

「ちょっとアンタ!武器は!?」

 

「鎌2つに曲刀1つだと、処理が間に合わねェんだよ!素手のほうがマシだ!」

 

めちゃくちゃな理屈だ……

 

《体術》だって覚えたてだって言ってたのに

ほんとに大丈夫なの…?

 

 

鎌を躱して逸らして弾く。

2分は続けてたと思う。

 

それは突然来た。

 

 

シロの足が青く輝き、

《体術スキル》の蹴り技【弦月】(ゲンゲツ)がカマキリの顎を捉える。

 

スピード、タイミング、文句なしのジャストヒット。

 

 

―――K.O.(ナックアウト)の予感―――

 

 

しかし直後、シロが投げ飛ばされて

私の後ろまで地面をバウンドして飛んできた。

 

 

「ちょっとアンタ!大丈夫!?」

 

「ッ!ユウキ!時間稼ぎ頼む!!」

 

シロのHPを見てみると

8割ほどに削れていた。

 

 

「……見かけほどダメージはない…?」

 

「おう、カマキリの鎌ってのは切るためのモンじゃなくって、捕まえる為のモンだ」

「捕まったり、あのクソ速えェパンチに当たったりしなきゃ問題ねェ」

「それよりも、スピードと耐久力が問題だな」

 

 

耐久力……?

 

 

「そっか、…“蹴り”が当たったのに、ダメージがほとんどない……」

 

「あァ、……それに、悪い予感が当たった………」

 

「悪い予感?」

 

「……カマキリの頭部(アタマ)には、脳がないに等しい…」

「だから、頭を蹴っても、脳震盪もスタンも起こンねーんだ」

 

硬い装甲に、スタンが効かないなんて……!そんなの無敵じゃないッ!!

 

 

「そんな相手……一体どうしたら…!」

 

「なーんか弱点はあると思うんだよなぁ…」

 

「弱点ってそんなゲームみたいに!「ゲームだよ」」

 

シロが笑って続ける。

 

 

「あの茅場晶彦が作ったゲームなんだ」

「……なんか攻略法を用意してるハズ………」

「………まッ、とりあえず、やってみますか!」

 

シロは駆け出すと、

 

 

「ユウキ!スイッチだ!」

 

ユウキを飛び越えて、

カマキリの背後から首に腕を回し、アームロックを仕掛ける。

 

 

さらに、もう片方の腕で、鎌を押さえて

足を使ってカマキリの首を拘束して地面に抑えつけた。

 

 

―――()った……カマキリの逆関節………人間がッッ

 

 

今ならッ!!

 

 

「はぁぁぁぁあああああああああ!!!」

 

私はメイスを桃色に光らせ、

《メイススキル》【スタンニングブロウ】で

カマキリの腹を殴りつけようとする。

 

 

「バカ!来るンじゃねェ!!」

 

しかし、カマキリは身をよじって甲殻で受けると

組み付いていたシロごと投げ飛ばされた。

 

 

「痛ってて……」 「痛たた………」

 

うわー…まつ毛、長……

肌も白くてきめ細かくて

そばかすなんて全然なくて羨ましい………じゃなくて!!

 

「ちょっと!近いわよ!」

 

「おっと!悪りィ、見とれてた」

 

は…?あんたが私に?

ウソでしょ?

 

 

「カマキリって格闘技の天才なンだなァ……」

 

見とれてたってカマキリにか…

 

違ったら違ったで、何か腹立つわね………

 

 

「こんな時に何言ってんのよ……?」

 

「ほんとなー………どーしたモンかな?」

 

へらへらと笑いながら答えるシロ。

 

 

「……でも、さっきの一撃で敵のHPも半分くらいになったわね…」

 

「あぁ、体力はマジで少ないんだろーな」

 

 

「じゃあ、このまま行けば!」

 

「いや、このままだと、動きを覚えられて僕たちのほうが負ける」

 

そうだった、SAOのモンスターは

プレイヤーの動きを学習して、戦い方を変えてくるんだった……

 

 

「何か手はあるの………?」

 

「そうだな……今の僕たちでダメなら、進化するしかねェな…」

 

「進化って、そんな都合よく!」

 

「いや、ジョーカーはまだ残ってンだよ」

「言ったろ?《体術スキル》上げてるって」

「もうちょいで50行きそうなンだ」

 

「50?……そっか、《装備条件緩和》なら……!」

 

スキルMod《装備条件緩和》を取れば

今までより複雑な戦い方ができる。

 

例えば私のメイスなら、

多少ムリな体勢からでもソードスキルを発動できるようになった。

 

ポーションを飲み終えたシロは再び走りだして、

 

 

「ユウキ!そろそろ下がっとけ!カマキリに対応されだしてる!」

 

「分かった!……シロは大丈夫なの!?」

 

「任せとけ!今回は無茶する気はねェ!!」

 

「……ッ!…信じるからね!」

 

それだけユウキとやり取りしたシロは、

また1人でカマキリと戦う。

 

 

 

 

 

私はSAOがデスゲームだって分かってから

怖くて《はじまりの町》に引きこもってた。

 

意を決してフィールドに出たのは3週間後。

だけどその時はマトモに戦えずに、

最弱のモンスター、《グリーン・ワーム》に

HPを半分にされて、武器を捨てて逃げ出した。

 

 

お金も武器もなくなって、どうしようもなくなった私は

ゲームオーバーになったら現実に帰れるんじゃないかって思って

アインクラッドの外周から飛び降りようとして

町の宿屋を出た。

 

そんな時だった、アイツが町にやって来たのは。

 

 

『この剣でお前らを上まで導く、曲刀使いのシロだ!!!』

 

初めは何を言ってるんだろうと思った。

 

そこらにいるモンスターでも簡単に人を殺せるのに

フロアボスなんて倒せる訳がない。

 

倒せたからって、それより強いボスが99体も残ってるんだ。

途中でプレイヤー側が全滅するのがオチじゃないの?

 

 

きっと私みたいに恐怖で頭がおかしくなってるんだって思った。

 

 

『みんなには、僕たちを助けて欲しいんだ!!』

 

でも違った。

 

アイツはこの世界で生き残るために、どうすればいいか考えて

町から動けなくなった私たちをもう一度、立ち上がらせようとした。

 

自分だって命懸けのデスゲームの中にいるのに

お金やアイテムを出して。

 

震える声で、涙を流して、小さな体で

必死に私たちに呼びかけてた。

 

 

あぁ…、トッププレイヤーもみんな怖いんだな……

 

だから私は、周りの人たちと一緒に

アイツに乗せてやられる事にした。

 

 

私は1週間後のボス討伐なんて待ってあげないけどね!

 

 

きっとこの世界を諦めた誰かの物であろう

町に転がっていたメイスを握りしめて

私は走りだした。

 

 

フィールドで最初に出会ったのは

またしても《グリーン・ワーム》。

 

なけなしの勇気を振り絞ってメイスを振るうと

最弱のモンスターの名にふさわしく、

あっけなくモンスターは砕け散った。

 

 

【鍛冶屋】が必要ですって?

なら私が、アンタたち【攻略組】みんなの武器を作ってやるわ!!

 

武器はこの全てがあやふやな仮想世界で

唯一、確かに握り締められる

どんな時でもそばにいてくれる物だ。

 

 

だから私は今日も武器(メイス)を握って

この世界で生きる。

 

 

 

 

 

「シギャァァァァアアアッ!!!」

 

カマキリが叫び声を上げると

いつの間にかシロは片手に曲刀を持ってて、

空いた手で【閃打】をモンスターの首の少し下に放っていた。

 

 

「リズ!スイッチ!弱点は首の下のとこ!!」

 

私が弱点にメイスを思いっきり振るうと

初めて《グリーン・ワーム》を倒したあの時のように

カマキリは、あっけなく砕けた。

 

 

「やったなリズ!」

 

「凄いパワーだったよ!」

 

「そっ、そうかな?…えへへ」

 

もし、この世界でもう一つ確かな物があるとすれば

それは友達かな?

 

 

今、ハイタッチしてる2人や

アスナとミトの事を考えてそう思った。

 

 

「「やっぱゴリラは違うな(ね)っ!」」

 

「誰がゴリラよッ!!」

 

訂正。こんなやつら友達じゃない。

ただのバカだ。

 

 

……でも、このバカたちと話してる時は、

リアルみたいに“良い子”でいなくてもいいから楽かな…?

 

 

 

 

 

そんな事があって《ウルバス》への帰り道。

 

疲れた……ただの素材集めのはずが

まさか、あんなモンスターと戦うことになるなんて…

 

 

「ねぇ、リズ」

 

「どうしたのよ?ユウキ?」

 

「……まさかリズまでシロの事が好きになったりしないよね?」

 

「はぁ!?いきなり何よ!?」

 

ないない!あんなバカ!!

 

 

「ほんとに?……ほんとに違う…?」

 

「いや、ないから」

「第一、年離れすぎだし」

 

まぁ、もうちょっと年が近かったら危なかったかも……?

 

………いや、ないか

年以前にバカすぎるわ

 

 

「って言うユウキは、シロのこと好きなの?」

 

「………………………多分……………」

 

おぉ、ユウキがこんなに可愛い表情するとは

 

 

「よし!だったらお姉さんが、ユウキの恋の相談に乗るわよ!」

 

「ほんとに何とも思ってないんだよね!?」

「前もお姉さんぶってた人が、最初は何ともないって雰囲気だったのに」

「シロといい感じになってるんだよ!?」

 

「そ……そうなの……、…その人、中々の策士ね………」

 

「どうせボクなんか、タグだけのメインヒロインなんだ……」

「“ネギま”で言ったら、“神楽坂明日奈”みたいなキャラなんだ…」

 

「あんまりメタなこと言ってると、本当にネタキャラになるわよ?」

「主人公に告白までしたのに、」

「気づいたら裏表紙で変な看板持ってる事だってありえるんだから……」

 

 

 

 

 

ユウキから聞いてはいけないメタな事を聞いてしまってから

《ウルバス》の、私の露店に戻って

 

「ねえ……本当に私でいいの………?」

 

「リズに作ってほしくて来たンだから、いいに決まってンだろ」

 

「でもこれ、絶対レアアイテムよ!?」

「私より腕がいい鍛冶屋だっているのに!」

 

カマキリからドロップした《マンティス・サイズ》。

これだけでも充分強い曲刀として使えるのに、失敗したらどうするのよ!?

 

 

「まァ、鎌の他にも甲殻もドロップしたし、気楽に行こうぜ?」

「どんなンが出来ても僕は使うからさ?」

 

「それじゃあ私が困るの!」

 

 

「あァそうだ、あと今まで使ってきた」

「この思い出が詰まったカトラスもインゴットにして使ってくれ」

 

「何でこれ以上、プレッシャーかけるのよ!?」

 

 

「じゃじゃじゃじゃ、じゃあ行くわよ?」

「リズベット大先生に任せなさい!?」

 

「リズリズ先生、ハンマー逆さだぜ?」

 

「えっ!?」

 

「ちょっと落ち着けっての」

「それじゃ、上手くいくモンも行かねェから。な?」

 

 

「………今度こそ行くわよ?」

「いい武器作ってあげるから見てなさい!」

 

「おォ、よろしく頼まァ」

 

 

インゴット化した曲刀と、素材を重ねて槌を振る。

 

……使い込まれてるハズなのに、耐久値が全然へってない………

大切にメンテしてきたのね…

 

 

「綺麗だね……」

 

「だろ?こんだけ真剣にやってくれる鍛冶屋も中々いねェからな」

「リズのところで作ってもらいたかったンだよ」

 

今大事なとこなんだから、気が散ること言わないでよっ!

 

 

SAOの鍛冶は、決められた回数、素材を叩くだけで

そこに真剣さは関係ない。

 

だけど私は、ちゃんと叩くからこそ、いい武器が作れると思う

 

 

できあがった曲刀は《ダンシング・カトラス》。

薄緑色の透き通るような刃の、ガラス細工のような美しい武器だった。

 

 

「おぉ!これ凄い軽い!!」

 

生まれ変わったカトラスを試すシロの姿は

武器の名前の通り、踊る妖精のようで

 

「ありがとな!リズ!!」

 

無邪気に笑う顔は、年相応の少年のようだった。

 

あんた普段からそうしてたら可愛いのにね

 

 

「って、強化上限試行回数、14回!?」

「なんだこの反則武器!?」

 

「我ながら、会心の出来ね!」

「でも強化って言ったら、気を付けなさいよ?」

「強化の失敗で、武器が壊れる事があるみたいだから」

 

「…強化で武器が壊れる…、ねェ………」

 

 

「あっ、そうだ!ユウキの“アニールブレード”もちょっと貸してよ」

 

「…?いいよ」

 

ユウキの剣に少し細工を加える。

 

 

「どうかしら?」

「真っ黒の剣って言うのも何だから、ちょっと白いラインを入れてみたんだけど」

 

「うん!すっごく綺麗だよ!ありがとう!」

 

「ステータスは変わらないけど、“おまじない”ってとこかしらね」

 

「おまじない?」

 

(恋のおまじないよ)ボソボソ

 

(えっ!?恋って………///)ボソボソ

 

(ちなみに効果は、その剣が最前線で使えるまでだから、頑張りなさい)ボソボソ

 

(ええっ!?それって3層までじゃんっ!)ボソボソ

 

いいのよ!

恋はガンガン押せ押せよ!

 

……私も恋なんてした事ないから、分かんないけど…

 

 

「ねぇ!写真撮りましょうよ!いい武器が作れた記念に!」

 

「いいよ!撮ろ撮ろ!ほら、シロもこっち来て!」

 

「へいへい」

 

 

 

 

 

カンカンと、心地いい音を響かせ

私は今日も槌を振るう。

 

露店の片隅に、友達(バカ)との写真を飾って

 

 

「いらっしゃいませ!鍛冶屋リズベットにようこそ!」

 




おしえてっ!奈っ代せんせ~い!!


白「オメー………”やりやがった”な……」

絶「なっ!何もやってないからね!?」

白「ウソつけ。作者おどしてラブコメ書かせただろ」

絶「違うよっ!!」
「ボクがちょっとヒロインムーブしただけでこの扱いは、あんまりじゃないかなっ!?」


白「作者の安否はこの際忘れるとして、」
「……今回は武器を更新する回だったな」

絶「これがメインヒロインの扱いだなんて、何て酷いssだろう……」
「……前回と合わせて、シロの強化月間になってるね」

白「そのついでに、篠崎を出してみましたって感じだな」


絶「新しい武器だけど、強化上限14回って滅茶苦茶すぎない?」

白「武器更新の話なんて、何度も書いたらつまんねェんだから、ちょっとチートなくれェでいいンだよ」
「それに結城の《シバルリック・レイピア》みてェなトンデモ性能はしてねェからな?」


白「僕の新武器はカマキリの鎌と一緒で、軽くて丈夫だけど、その分威力は低いから」
「《速さ》とか《鋭さ》強化しまくって、やっと使い物になるって感じだな」

絶「そんなんだったらもう短剣でも使えばいいのに……」

白「そうすると、武器で防御したりする描写が書きにくくなるから曲刀にしたンだとさ」


絶「シロの微妙な武器について解説してくれたところで、質問ね。」
「……まさか、リズまでヒロイン入りするって事はないよね………?」

白「マジでそれはねェから大丈夫だ。」
「篠崎は『心の温度』をやってこそだからな」
「桐ケ谷にしっかり告ってもらう予定だそォだ」

絶「ポニョ並みに純粋な『好きーーー!』は名シーンだよねぇ…」

白「今回出したのは僕の武器の為と、」
「リーテン絡みで何かの話を作る時のワンクッションとしてだから、色恋うんぬんはマジでねェよ」
「とっとと家帰って『心の温度』見返してェから、次回予告だ」



~次回予告~

ついにコルが貯まり、
48層《リンダ―ス》に武具店をオープンしたリズベット。

しかし客足は伸びず、友人たちに相談したところ、
接客に問題があるんじゃないか?となり、
リズの魔改造計画が始まった………


次回、ソードアートオンライン【道化の王冠】第15話

『野リズをプロデュース』



絶「いや、それやるとしても、だいぶ後の話だよね……?」
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