間桐慎二は一人で暮らしたい   作:色々残念

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番外編、慎二と士郎の温泉旅行

福引きで2泊3日の温泉旅行のペアチケットが当たった僕は、度重なる変態の襲撃で疲れている衛宮を誘ってみることにした。

 

変態の巣窟である冬木から離れた場所でゆっくりと温泉に浸かれば、衛宮の日々の疲れが少しは取れるかもしれない。

 

僕の提案に頷いた衛宮を連れて温泉旅行に向かった先で、辿り着いた温泉旅館は意外と豪華な場所だった。

 

福引きの賞品にしては、かなり奮発してくれたようで、これは温泉も期待できると喜んだ僕と衛宮。

 

部屋に荷物を置いて実際に温泉に入ってみようと、露天風呂に向かった僕達は、浴場で身体を洗ってから湯に浸かる。

 

様々な効能があるらしい温泉の湯に浸かりながら一息ついていた僕と衛宮だったが、安息の時間は長くは続かなかった。

 

何故なら僕と衛宮が入っていた露天風呂に、見知らぬ外国人の女性が入ってきたからだ。

 

「日本の温泉は良い湯ですわね、そう思いませんこと?」

 

日本語で、そう話しかけてきた女性はタオルで身体を隠しているだけで、平然としている。

 

というか今のこの露天風呂は、男性の使用時間だった筈だ。

 

しかし、いきなり変態だと決めつけるのは良くない。

 

「あの、今は男性の使用時間ですけど」

 

もしかしたらこの女性が普通に間違えたのかもしれないので、とりあえず使用時間を間違えていることを教えてみることにした。

 

「まあ、そうだったのですか。でも温泉には既に入ってしまっていますので、満足するまで入ってからにしますわ。今日は私と貴方達以外の客はいないようですし」

 

確かに今日は僕達以外の客の姿は見なかったので、この露天風呂にこれ以上の人が来ることはないだろう。

 

「嫌じゃないんですか?見知らぬ相手と一緒で」

 

「見られて困るような身体は、しておりませんわ。存分に見てもらって結構ですわよ」

 

「いや見ませんよ」

 

「ちなみに私は殿方との混浴は初めてになりますわ。初体験ということになりますわね」

 

「そうですか」

 

「互いの股間が浸かる湯に入っているということはもうこれは、交わっていると言っても過言ではありませんわね!そう考えると昂ってくるものがありますわ!」

 

いきなりヤベーことを言い出した外国人の女性は、身体を隠していたタオルを取ると、此方に向かって突撃してくる。

 

「日本には裸の付き合いというものがあるらしいですわね!ちょっとお2人とも、私と裸の付き合いを行ってみてもよろしいのではなくて!」

 

そう言いながら僕と衛宮に向かって飛びかかってきた全裸の女性を迎撃した僕は、とりあえず女性を気絶させておく。

 

気絶した女性を浴場に寝かせてタオルを被せておいた僕は衛宮を連れて素早く露天風呂を出た。

 

冬木から出てもヤベー奴と遭遇してしまったことを衛宮に謝っていると「慎二のせいじゃないって」と言ってくれた衛宮。

 

それはそれとしてあの外国人の女性も泊まっている温泉旅館に、あと1泊しなければいけないことについてどう思うか衛宮に聞いてみると「うん、次あの人と会ったら逃げよう慎二」と迷わず答えたあたり、やっぱりあの女性も変態だと判断したらしい。

 

まあ、そりゃあそうなるよね。

 

翌日は露天風呂に行くことは止めておいた僕達は、食事を終えて部屋に戻ると、それぞれ携帯をチェックしてみることにした。

 

着信履歴が凄まじいことになっていた僕の携帯と衛宮の携帯。

 

御三家の面々には黙って衛宮を連れ出して温泉旅館に来ていたからだろう。

 

冬木に帰った後が大変そうな気がするが、今は旅行中なので気にしないことにして携帯を閉じる。

 

僕達は何も見なかった。

 

そういうことにしておこう。

 

お祖父様やギルくんにアーチャーやランサーなどに土産を買うのも悪くはないと思ったので、僕達は温泉旅館を出て、近くの土産物屋に向かっていく。

 

店内で様々な土産物を購入していると「昨日ぶりですわね」と話しかけてきた昨日の女性。

 

「私は、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと申しますわ」

 

僕と衛宮は逃げようかと思っていたけれど、落ち着いた様子で自己紹介してきた女性が、今は襲ってこないと判断して足を止めた。

 

基本的に礼儀正しい衛宮は自己紹介されたなら自己紹介を返す。

 

「俺は、衛宮士郎」

 

衛宮だけを自己紹介させるのも悪いので、僕も自己紹介をしておくことにしておいた。

 

「僕は、間桐慎二」

 

「お2人は随分と仲がよろしいようですわね」

 

僕達のそんな様子を見て、そう言ったエーデルフェルトは微笑ましいものを見るかのような視線を僕達に向ける。

 

「衆道も日本の男子の嗜みということですわね!」

 

「僕と衛宮は、そういう関係じゃないからな!」

 

その後、冬木の変態とは別のベクトルに突き抜けた変態であるエーデルフェルトとの誤解を解くことには成功したが、凄く疲れた。

 

疲れを取る為の温泉旅行で何で疲れてるんだ僕、と思った僕は悪くないだろう。

 

気分転換にはなったが、疲れは取れなかった温泉旅行が終わり、冬木に戻ってきた僕達を待っていたのは、冬木に訪れたエーデルフェルトだった。

 

「シェロとシンジは、私が貰っていきますわね!」

 

冬木の変態達に宣戦布告したエーデルフェルトによって、変態達の争いが始まっていく。

 

とりあえず全員、ぶちのめして黙らせようと思った僕は、拳を鳴らして争いに参戦。

 

全ての変態を倒して平和をもたらした僕が、何故か冬木のご当地ヒーロー扱いされていることを、目を輝かせた衛宮から聞かされて初めて知った。

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