早朝に起きて、僕が真っ先にすることは桜が衛宮の家に行っていないか確認することだ。
明らかに衛宮を狙っている桜を野放しにしておくと、衛宮が狙われてしまう。
具体的には桜によって衛宮が様々な被害を受けることになる。
先週、外見が少年の衛宮に息を荒げて近寄りながら「先輩に似合う半ズボン用意したんではいてください先輩!そして私のことをお姉ちゃんと呼んでください先輩!その後は、めくるめく世界へと一緒に行きましょう」と少年サイズの半ズボンを片手に、だらだらと鼻血を出しながら大きな声で言っていた桜は、間違いなくヤベーヤツだった。
迷わず桜にバックブリーカーした僕は悪くないと思う。
「イッタイ!コシガァ!」と言う桜に容赦なくバックブリーカーを続けていると衛宮に止められたので解放してやった。
すると傷んだ腰を押さえて逃げ去っていく桜が「こんなことで先輩へと迸る私の愛は消え去りはしませんが、戦略的な撤退はさせてもらいます!先輩への愛で生まれ変わった私を楽しみにしているといいですよ兄さん!」と捨て台詞を吐いていったりもしたかな。
とりあえず桜が間違いなく反省していないことは確かだ。
そんな訳で今日の朝も桜が部屋に居るか確認してみるとベッドが膨らんではいたが、いつもの寝言が聞こえてきていないことから中身がクッションであることがわかり、桜が部屋に居ないことに気付いた僕は飛蝗の脚力を使って間桐家を飛び出す。
辿り着いた衛宮の家の玄関では竹刀を折られて気を失った藤村先生が倒れており、命に別状は無い様子だがしばらく起きることはないだろう。
衛宮家の中に突入すると、服を脱ぎ捨てて全裸になった桜にズボンを脱がされそうになっている衛宮を発見。
僕は、とりあえず桜の顔面にパンチを叩き込んでおく。
吹き飛んだ桜が、「イッタイ!カオガァ!」と言いながら顔面を押さえているところでマウントをとって顔面に連続でパンチを叩き込んでいった。
「もう止めろ慎二!死ぬから!桜が死ぬから!」
衛宮に止められて正気に戻った僕の前には気絶した桜の姿があったが、可哀想だと思う気持ちは全くない。
間桐家から性犯罪者が誕生していたかもしれなかったからだ。
男だろうが、女だろうが、強引にそういうことをするのは良くないことだと僕は思う。
その後は気絶している桜に服を着せて、俵担ぎで帰ろうとした僕に「ありがとう、今日も慎二に助けられた」と感謝をしてきた衛宮。
「気にしなくていいよ、僕と衛宮は友達だろう」
そう言った僕に、衛宮は嬉しそうに笑った。
「ああ!俺と慎二は友達だ!」
衛宮と友達になったのは、今日みたいな桜の暴走が原因だが、僕は衛宮と友達になったことを後悔してはいない。
桜が居たからこそ衛宮と接点ができた。
その点に関しては桜に感謝を、する必要はないか。
桜と知り合いにならなかった方が衛宮にとっては幸せだった筈だからね。
さて、そろそろ聖杯戦争が始まるのに、こんな行動をした桜はお祖父様に叱ってもらうとしよう。
義理の妹の桜に令呪が出てるから間桐家は桜が聖杯戦争に参加するんだろう。
お祖父様と雁夜叔父さんは、その手伝いってところかな。
どんな英霊が召喚されるのかはわからないけど、まともな英霊が来てほしいね。いや本当に。
桜の同類が来たら、多分僕はぶん殴ると思うよ。
確実にね。