間桐慎二は一人で暮らしたい   作:色々残念

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本日3回目の更新です


カルデア編その5、ギルくん来訪(おまけ付き)

カルデアには数多の英霊がサーヴァントとして存在するが、中でも王であったサーヴァントは基本的に気位が高い。

 

そんな王のサーヴァントと接することがあっても僕が物怖じすることなく自然体を崩さないでいられるのは、ギルくんのおかげかもしれないが、やはりギルくんも王だったのだろうか。

 

なんてことを思っていたら、カルデアにギルくんがやって来た。

 

しかも召喚された訳ではなく僕が居た平行世界から、世界を越えてやって来たようだ。

 

しかもギルくん1人だけではないらしく、衛宮とアーチャーは別に構わなかったが、桜達まで連れてきていたようである。

 

「変態を野放しにするとろくなことはしませんから」

 

そう言っていたギルくんは苦笑いをしていた。

 

確かに変態を野放しにするとろくなことはしないと思った僕は納得してしまったが、カルデア側にどう説明しようかと僕は頭を悩ませることになる。

 

どうしようかと僕が考えていると少年の姿をした英霊に突撃していく桜を見て、考えている場合ではないと判断して止めに入った。

 

襲われそうだったアンデルセンが思いきり罵倒していても「やだ渋い声のショタっ子、新感覚!」とまるで反省していない桜にはバックブリーカーで制裁。

 

「イッタイ!コシガァッ!」と悲鳴を上げる桜を羨ましそうな目で見つめる殺生院さんは、アンデルセンを見ながら何か葛藤しているようだった。

 

アンデルセンに迫れば僕に制裁されて痛めつけてもらえるかもしれないが、そのアンデルセンに迫ることに抵抗があるといった顔をしていたサーヴァントの殺生院さんは、結局実行に移すことはない。

 

それからカルデアに僕の世界の変態達が来たことを知った冬木に召喚されたことがあるサーヴァント達が全員、部屋から出てこなくなってしまった。

 

藤丸さんからの呼びかけにも応えることもない冬木組のサーヴァント達は、変態達とは関わりたくないみたいだ。

 

という訳で急遽厨房に立つことになった僕の世界のアーチャーは、見事に料理を作っていく。

 

日々のストレスを解消する為に料理に没頭することも多かった僕の世界のアーチャーは、カルデアに居るアーチャーよりも料理の腕前は上であったらしい。

 

カルデアの職員達とサーヴァント達に好評だったことを知り、満更でもない顔で喜んでいた僕の世界のアーチャーは、変態相手に磨り減っていた心が少し回復したようである。

 

冬木組の中で唯一食欲を抑えきれなかったのか、食堂に来たセイバーが衛宮の尻を狙っている平行世界の自分を見てしまい、死んだ目をしながらカルデア内で宝具を解放しようとしたので、他のサーヴァント達が必死に止めていた。

 

「離してください!あんな存在は消し去らなければいけない!」

 

変態を抹殺しようとしたまともなセイバーを見て目頭が熱くなったのか、目元を手で押さえて顔を上に向けていた僕の世界のアーチャーは、よほど変態のセイバーが嫌だったのだろう。

 

とりあえず衛宮の尻を狙っている僕の世界のセイバーを、僕は手早くチョークスリーパーで絞め落としておく。

 

かなり荒れていたカルデアのセイバーも美味しいご飯を食べたら機嫌が直ったようで、夢中で食事を続けながらおかわりを何杯もしていた。

 

カルデア内で宝具を解放されるような事態を防ぐことができて良かったと思う。

 

そんなことがありながらもカルデア内を歩き、ギルくん達を案内していると「慎二お兄さんに渡そうと思っていたものがあります」と言ったギルくんから、ラピスラズリの首飾りをプレゼントされた僕は、さっそく首にかけてみる。

 

「ありがとう、大事にするよ」

 

そう言って喜んでいた僕に満足そうに頷いたギルくんは、とても嬉しそうに笑った。

 

そのギルくんの笑顔は桜にとってかなりの破壊力があったようで、完全に理性が蒸発していた桜。

 

「ウエヒヒヒヒヒヒ!すんばらしい笑顔!その顔で私を見てくださいギルくん!ああ、もう食べちゃいたいぐらい可愛いですよ!辛抱堪りませんね!ギルくん!ギルくん!ギルくん!ハァハァ!」

 

完全にギルくんを狙っている桜がギルくんに飛びかかろうとした瞬間、桜の足を掴んで床に叩きつけた後にスピニングトゥーフォールドを極めておく。

 

「ぐわああああああ!イッタイ!アシガァ!」

 

悲鳴を上げる桜を見ていた静謐のハサンが羨ましそうな顔をしていたのは、気のせいだと思いたいよ本当に。

 

毒を撒き散らさないようにする為には、静謐のハサンに桜と同じ対応はしない方が良い。

 

それにしても、痛い目にあっても僕と触れ合えるなら構わないと考えているとしたら、どれだけ僕と触れ合いたいと思っているんだろうか。

 

うん、このことは、あまり考えないようにしよう。

 

「ハァハァ!早く衛宮くんの匂いを嗅がせてちょうだい!1日1回は嗅がないと禁断症状がでちゃうのよ!」

 

「士郎はお姉ちゃんと結ばれるのが当然のことなの!そうつまり私と結ばれることは確定事項!未来は私の手の中!そして士郎は私の夫となるのよ!」

 

よりにもよってカルデアのアーチャーの部屋の前で、そんなことを大きな声で宣った遠坂とアインツベルン。

 

カルデアのアーチャーの「何でさあああああああああああ!」という悲痛な声が聞こえた。

 

会いたくないと部屋に引きこもっていても、普通に聞きたくなかった言葉を聞かされてしまったカルデアのアーチャーは、かなり運が悪いと思う。

 

一応、変態2人は倒して糸で巻いておいたので衛宮は無事だが、カルデアのアーチャーは無事ではないかもしれない。

 

頑張れ、カルデアのアーチャー、いつもこんな変態の相手してる僕の世界のアーチャーは、きっともっと大変だから、それよりかはマシだよ多分。

 

ちなみに僕が冬木から居なくなってどれくらい日数が経過しているのかギルくんに聞いてみると、まだ冬木では1日も経過していないと言っていたギルくん。

 

ギルくんは僕が冬木に居ないという異常事態を察知して、直ぐに世界を越えて来たらしい。

 

カルデアで僕は、かなりの日数を過ごしているが、どうやら世界が違うと時間の経過も違うようだ。

 

なんとか大学を留年することは避けられそうで良かった。

 

それに久しぶりにギルくんや衛宮にアーチャーと会えて、元気そうな姿を見ることができたのも良かったと思う。

 

そろそろギルくんは元の世界に帰るらしい。

 

しばらく僕は帰れないみたいだから冬木の子供達を守るのは、アーチャーに頑張ってもらおうかな。

 

頑張れ、アーチャー、僕は応援しているよ。

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