間桐慎二は一人で暮らしたい   作:色々残念

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カルデア編その6、お正月

カルデアもお正月を迎えることになったが、俵藤太さんのおかげで食材には余裕があるので、豪華なおせちを作ることができた。

 

カルデアのサーヴァント達や職員達にもおせちは好評であり、特に子供系サーヴァントは伊達巻や黒豆に栗きんとんを喜んで食べていたかな。

 

参加したいサーヴァント達や職員を募って、餅つきも行うことになったようだが、得意不得意もあれど概ね全員が楽しめたらしい。

 

できあがったお餅は参加していなかったサーヴァントや職員にも配られたようで、厨房で大宴会用のつまみを作っていて餅つきに参加できなかった僕にも子供系サーヴァント達が、餅つきで作った餅を沢山持ってきてくれた。

 

しっかりと子供系サーヴァント達に、お礼を言って餅を1つだけ食べた僕は正月の大宴会用のつまみ作りを続けていく。

 

量があればいいというサーヴァントもいれば、質を求めるサーヴァントもいて、それぞれの好みがわかれていることは確かだ。

 

完成したつまみを持っていくと既に酒を飲み始めていたサーヴァント達がつまみを求めて一斉に群がってくる。

 

それぞれの注文通りのつまみを渡していき、酒飲みばかりが集まる宴会場を後にした僕は、羽子板で遊んでいるサーヴァント達に混ざって遊んでいる藤丸さんに飲み物を渡しにいった。

 

「ありがとう慎二さん、いやー皆強くて負けっぱなしですよ」

 

そう言いながら笑っている藤丸さんの顔には墨で丸や、やたらリアルなモナリザが書かれていたりしたが、多分モナリザは、ダ・ヴィンチが書いたんだろう。

 

「皆楽しんでるみたいだね」

 

羽子板に熱狂しているサーヴァント達を見ながら言った僕から飲み物を受け取った藤丸さんは、飲み物を飲んでから楽しそうな顔でサーヴァント達を見る。

 

「まさかカルデアでお正月を迎えることになるとは思いませんでしたけど、こうして皆が楽しめてるなら良かったです」

 

「そうだね、それじゃあ僕は厨房で雑煮とお汁粉を作ってるから、食べたくなったら食堂に来てくれるかな」

 

「ありがとうございます。あとで皆と食堂に行きますね」

 

藤丸さんとの会話を終えて食堂に戻り、雑煮とお汁粉を作っていると匂いにつられたのか、カルデアのサーヴァント達や職員達が食堂に現れた。

 

子供系サーヴァント達が持ってきてくれた沢山の餅を入れた雑煮とお汁粉を食堂に来た面々に振る舞っていると、藤丸さん達もやってきて雑煮とお汁粉を食べていく。

 

こうしてのんびりと正月を過ごすことになったカルデアの面々だったが、藤丸さんの為に日本のサーヴァント達がおみくじを用意していたようだ。

 

神社までは流石に用意できなかったみたいだが、新年の運勢を占うおみくじくらいなら作ることは簡単だったらしい。

 

さっそく藤丸さんが引いてみると出たのは大吉だったようで、笑いの絶えない年になるでしょうと書かれていたようである。

 

大吉以外も入っていたおみくじから、見事に大吉を引いた藤丸さんの運が悪くはないことは確かだ。

 

面白がった他のサーヴァント達もおみくじを引いてみたようで、良いくじを引いて喜んでいるサーヴァントもいれば、悪いくじを引いて落ち込んでいるサーヴァントもいた。

 

ちなみに冬木組のサーヴァント達が凶を引いていたりもしたが、本人達は納得した様子で、基本的に目が死んでいたのは、少し痛々しかったかもしれない。

 

そんなこともありながらカルデアの正月は過ぎていき、夜が近付いてくる。

 

「日本には古来より姫始めというものがあります!これはもうますたあと行うしかない行為!待っていてくださいますたあ!貴女の清姫が姫始めに参ります!」

 

「母というものは我が子と共にあるものです!それが正月というめでたい日であるならなおのこと当然のこと!愛する我が子を愛するのは母としてなんら恥じることのない行為です!うふふ、今行きますからね!母を待っていてください我が子よ!」

 

「はい、そう来ると思ってたんで藤丸さんには別の部屋に避難してもらってますよ」

 

やっぱり正月もカルデアの変態達は大人しくしている筈もなかったので、事前にマシュや子供系サーヴァント達に協力してもらって、藤丸さんをちょっといつもと違う部屋に避難させておいた。

 

今頃藤丸さんは子供系サーヴァント達やマシュと一緒に大部屋で寝ているだろう。

 

入り口には真面目なサーヴァント達を配置しておき、見張りも頼んでおいたので、別の部屋が狙われた場合も直ぐに僕に連絡がくるようになっているから問題はない。

 

「そんな、ますたあの部屋からは確かにますたあの匂いがした筈です!」

 

「母も確かに我が子をこの部屋から感じました!」

 

「特別にキャスター達に頼んで作ってもらった高性能な囮を部屋に置いてあるからね、良い仕事をしてくれたみたいだよ」

 

彼女達が欲望に身を任せて行動したせいかは知らないが、藤丸さんの囮に見事に引っ掛かった清姫と源頼光。

 

正月くらいはマスターを安全に過ごさせてあげたいと思ったキャスター達の力作は、確かに成果をあげたようだ。

 

2体の変態サーヴァントを倒してから糸で一纏めにして、彼女達の部屋に押し込む作業も随分と手慣れた。

 

後はもう1体、変態が残っているが多分彼女は僕の部屋の前に居るような気がする。

 

僕が部屋に戻ると予想通りに部屋の前に立っていた静謐のハサンが弾けるような笑顔で言った。

 

「慎二!勝手に寝床に潜りこまなかった偉い私にご褒美が必要だと思うのですが、そう具体的にはぎゅっと抱き締めながら頭を撫でて誉め言葉を言ってもらいたいですね!そしてもうそのまま接吻をしてくれたら、言うことはありません!ああ、勿論それ以上をお望みでも此方としては構いませんよ!むしろばっちこいです!」

 

「何もしませんよ、とりあえず落ち着きましょうか」

 

やたらテンションが高い静謐のハサンを糸でぐるぐる巻きにしていくと「あーれー」とか言っているが嫌がってはいない。

 

むしろ喜んでいるような気がするのは、気のせいでは無さそうだ。

 

糸でぐるぐる巻きにした静謐のハサンを俵担ぎで運んでいくと、こうして僕と触れ合えていること自体が嬉しいらしい静謐のハサンが口を開いた。

 

「慎二に触れられていると思うだけで、滾るものがありますね!」

 

そう言っていた静謐のハサンは嬉しそうに笑っている。

 

この子は本当にどうすればいいんだろうかと思わなくもない。

 

まあ、これからも僕が対処するしかないんだろうな。

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