僕は基本的に子供系サーヴァント達とよく交流しているが、それ以外のサーヴァントと交流することもあり、バーサーカーでも普通に会話ができる坂田金時さんとは、よく話したりもする。
そんな坂田金時さんも源頼光が藤丸さんを狙っていることを知っているので「頼光の大将がいつもすまねえ」と僕に謝ってくることも結構多かった。
坂田金時さんも源頼光を止めようとしているようだが、異様な力を発揮する源頼光を彼1人だけでは、いつも止めることができなかったらしい。
他のサーヴァント達と協力してようやく止められる源頼光という存在を、たった1人で止められる僕に感謝しているが、それ以上に申し訳ない気持ちがあり、思わず謝罪してしまうようだ。
基本的に快活な坂田金時さんでも思い悩むことがあるということだろう。
まあ、かつての主が年下の女子を我が子扱いして性的に狙っていると知ってしまったら、誰でも思い悩みそうな気はするかな。
少し落ち込み気味な坂田金時さんと会話しながら「僕は慣れてるんで、そんなに謝らなくていいですし、あんまり気にしなくてもいいですよ」と伝えていたりもしていると別のサーヴァントが近寄ってきた。
そのサーヴァントはライダーのサーヴァントであり、真名はイスカンダル。
以前特異点と化した冬木での僕とバーサーカーであるヘラクレスの戦いの記録を見たイスカンダルさんは、ヘラクレスを圧倒した僕を気に入ったらしく、そんな僕を臣下に加えようと勧誘してくることが多々あった。
「慎二よ、余の臣下に加わり新たな友となることを考えてみんか」
「断らせてもらいますよイスカンダルさん」
「まあ、そう言わんでもよいではないか。余はお主を気に入っておるのだ、あのヘラクレスを倒したお主をな」
「流石に生前のヘラクレスには勝てていたかはわかりませんので、サーヴァントのヘラクレスに勝てたとしても、そう自慢になることではないと思いますが」
「何を言う慎二。あの戦いは、とても素晴らしいものであったと余は思うぞ。友と力を合わせてヘラクレスという敵に挑み、見事に勝利したのだからな。ヘラクレスを倒した、お主ら3人に確かな絆が感じられたのも、また良い」
「そうですか」
「うむ、あの戦いの記録は確かに余の胸を熱くさせた。なればこそ誇るが良い慎二。この征服王イスカンダルが認めよう、お主を英雄としてな」
「名高い征服王イスカンダルさんに認められたことは、とても栄誉に思いますが、臣下にはなりませんよ」
「そこはこう、喜んで臣下になるところではないのかのう」
「そう言われても僕は貴方の臣下にはなりませんからね」
きっぱりと断っておかないと駄目そうな感じがしたので、僕はイスカンダルさんからの勧誘に断りを入れておく。
諦めていないイスカンダルさんが立ち去ってから、再び坂田金時さんと話していると、今度はアレキサンダーくんが話しかけてきた。
「僕の友になってくれる決心はついたかな」
そう言ってきたアレキサンダーくんからも、僕が勧誘されていることは確かだろう。
イスカンダルさんが少年だった頃の姿で呼び出されたのがアレキサンダーくんであり、年齢の違う同一人物から連続で勧誘されるという事態になっていた僕。
アレキサンダーくんから勧誘されることになった原因は、彼に模擬戦を頼まれた時に相手をしてから僕が手早く作った軽食を一緒に食べていた時に、会話したことがきっかけとなるのかな。
話した内容は、様々な内容だったが、それがアレキサンダーくんに気に入られた原因になるのかもしれない。
なんてことがあった日からアレキサンダーくんにも、勧誘されるようになってしまった。
「友と書いて臣下と読みそうな感じだから、断らせてもらうよアレキサンダーくん」
とりあえず今日も僕はアレキサンダーくんにも、しっかりと断りを入れておく。
曖昧な返事を返すことは失礼な気がしたからだ。
「慎二には、僕の友になってほしいんだけどね」
「そう言われても、断らせてもらうことは変わりないよ」
「僕は諦めないよ、慎二」
僕のことを全く諦めていない様子で立ち去っていくアレキサンダーくん。
年齢の違う同一人物から、それぞれ別の理由で友になってほしいと言われるという事態が発生するカルデアは、とんでもない場所な気がした。
そろそろ食事にするらしい坂田金時さんが食堂に向かうようなので会話を終わらせて、僕も立ち去ろうかとしようとしたところで、呼び止められることになる。
「マスターに聴かせる為の余の美しい歌声を試しに聴くことを許すぞ慎二!」
そんなことを言ってきたのはセイバーのネロさんだった。
「遠慮します」
ネロさんの歌声には問題があるというか、ジャイ○ンリサイタルという感じなので、断りを入れて僕は素早く逃げ出す。
「何故逃げる慎二!余が嫌いなのか!それはとても悲しいぞ!余は泣いてしまうかもしれんぞ!」
泣きそうになりながらも僕に着いてこようとするネロさんに悪気はないのだろう。
まあ、着いてきてほしくはないので僕はネロさんから全力で逃げ切った。
ジャイ○ンリサイタルから逃げ切ることに成功した僕は、自分の部屋に戻ろうと歩いていたが、シールダーのマシュに話しかけて辛辣な言葉を返され、落ち込んでいるセイバーのランスロットを発見。
でもまあ普通に面倒くさそうだから、ランスロットはスルーしておき、部屋に戻った僕を待っていたのは、サーヴァントの殺生院さんで「お風呂にしますか?食事にしますか?それとも私にしますか?おすすめは私ですね!」と言いながらにじり寄ってくる。
うん、今日もサーヴァントの殺生院さんは相変わらず面倒だな、と思いながらもサーヴァントの殺生院さんを糸で巻いておき、彼女の部屋まで運んでいった。
そんな僕の姿を、他のサーヴァント達も見慣れたのか、特に反応したりはしない。
ただ、可哀想なものを見るような視線で見られるのは結構悲しかったりする。
一部を除くサーヴァント達のあの視線から察するに、サーヴァントの殺生院さんに狙われてるのは、僕だけということになるからだ。
まあ、マスターである藤丸さんがサーヴァントの殺生院さんに狙われてなくて良かったと思うしかないね。
せめて僕だけは、そう思っておくとしよう。