お祖父様や雁夜叔父さんまでもが加わって大所帯となった衛宮家では、僕と遠坂が料理をしていた。
和食と洋食が得意な僕と中華が得意な遠坂でそれぞれ料理を作っていき、まるで競い合うかのように品々を作成していくと、衛宮家にいる面々の腹の中に料理が消えていく。
特にセイバーが1番多く食べていたことは間違いない。
「素晴らしい、シンジとリンは料理もできるのですね。とても美味しい料理でした」
幸せそうな顔で言ったセイバーは僕達の作った料理で満足していたようだ。
食事を終えたところで、今後どうしていくかを話すことになるが、とりあえず衛宮の魔術回路の使い方が危険だと判断して、正しいやり方をお祖父様が教えることになったらしい。
1番年長で実力のある魔術師ということでお祖父様が選ばれて良かったと思う。
桜は論外で、雁夜叔父さんは、衛宮が相手だと全くやる気なし、遠坂に任せるのも、うっかり何かやらかしそうで不安が残るので、お祖父様が安全だ。
衛宮の27本の魔術回路にしっかりと魔力が通り、セイバーへと衛宮の魔力がしっかりと流れた。
衛宮の魔術属性が特殊であることと、衛宮の投影魔術が異常だということにも気付いたお祖父様は衛宮に忠告をしていたな。
「お主の投影魔術は通常の投影魔術とは違うのう。恐らくお主の本当の魔術は固有結界じゃろうな。希少な才能じゃからのう、他の魔術師に狙われてもおかしくはあるまい。信頼できぬ相手には投影魔術を見せぬように気を付けておくのじゃぞ」
「わかったよ臓硯さん」
そんな衛宮とお祖父様を見ながら桜が「これはもう次代の間桐に固有結界の才能を引き込む為に、先輩と私が結婚するしかありませんね!私がママになるんですよ!」とか言って涎を垂らしていたので強めのデコピンを叩き込んでおいた僕は悪くないと思う。
「イッタイ!デコガァ!」とのたうちまわる桜を見ていたアーチャーが遠い目をしていたのが印象的だったかな。
その後、結局衛宮家に泊まることになった全員は、衛宮の側を離れないセイバー以外、男女に別れて部屋を分けることになった。
風呂も男女に別れて入ることになったが、アーチャーだけは「私は霊体化して敵が来ないか見張りをしておこう」と言うと屋根に飛び乗って霊体化していく。
風呂場にまでついて来ようとしたセイバーを何とか説得した衛宮が遅れて風呂に入ってきたところで、お祖父様の背中を洗っていた僕の背中を衛宮が洗ってくれることになった。
「どうせなら桜ちゃんと一緒にお風呂に入りたかった」とか言ってる雁夜叔父さんは無視して、お祖父様や衛宮と一緒に身体を洗ってから湯船に入る。
しっかりと温まってから湯船を出た僕は、脱衣所に気配を察知したので風呂場から出て、気配の元へと向かう。
そこに居たのは、桜でもセイバーでもなく遠坂だった。
しかも衛宮の使用済みの下着の匂いを嗅いでいる真っ最中。
「何やってんだお前!」
「スーハー!スーハー!いや、これは違うのよ間桐くん!スーハー!スーハー!」
「まず衛宮の下着の匂いを嗅ぐのを止めろよ!」
「いや1度嗅いだら止まらなくて、スーハー!スーハー!」
「桜がおかしくなったとか言いながら、お前も普通に頭おかしいじゃないか!」
「何ですって、それは聞き捨てならないわ間桐くん!スーハー!スーハー!」
「とりあえず下着から離れろ遠坂家の変態2号!」
遠坂から衛宮の使用済み下着を取り返しておき、衛宮本人に状況を説明して、下着を捨てるかどうか聞いてみたが「ま、まあ、破かれたりした訳じゃないから洗えば大丈夫だと思う」と答えた衛宮。
「もし捨てる時が来たら私にちょうだいね!」と言ってきた遠坂に僕も衛宮もドン引きしていたが、1番ダメージが大きそうだったのはアーチャーだ。
アーチャーは詳細を聞いて普通に頭を抱えていたからね。
そりゃそうなるよねと僕は思ったが、どう足掻いてもアーチャーのマスターが遠坂だということに変わりはない。
頑張れとしか言いようがないね本当に。