一部の男性陣が精神的なダメージを受けたりもしていた夜の衛宮家に侵入者であるサーヴァントが現れた。
紅い槍を持っていることからランサーである可能性が高いが、断言するには情報が足りていない。
サーヴァントに対して有効な戦力として期待できるのはセイバーとライダーに、変態に慣れていて精神的なダメージが少なかった僕だけだろう。
アーチャーは、ちょっと休ませてあげた方が良い。
好戦的なセイバーが槍を持つサーヴァントに突っ込んでいく。
槍を振るい、セイバーの透明な剣と打ち合うサーヴァントの槍の腕前は並みではない。
持っている槍が見かけ倒しではないことを証明してくれたサーヴァントが、ランサーである確率は非常に高いだろう。
サーヴァントの槍撃とセイバーの剣撃が火花を散らし合い、互いの武器と武器がぶつかり合って金属音をかき鳴らす。
ある程度までセイバーと打ち合ってから離れたサーヴァントが「今日は、この辺で終わりにしねぇか?」と言い出した。
「逃がすつもりはない!」
そう答えて突撃したセイバーにサーヴァントは「悪いが此方は予定が詰まってんでな!」とだけ言うと槍を構える。
恐らくサーヴァントはセイバーを相手に宝具を使おうとしたようだが「そこまでです」と割り込んだライダーによってサーヴァントは迷わず撤退を選び、宝具を使うことなく立ち去っていった。
「何故邪魔をしたライダー!」
「助けてあげたのですが」
「貴女が余計な真似をしなければ、あのサーヴァントを討ち取ることができたかもしれない!」
「それはそうかもしれませんし、そうじゃないかもしれません。あのサーヴァントは宝具を使う気でしたよ。宝具の効果によっては逆転される可能性もありました」
「使わせる前に倒せば!」
「とりあえず言い争いは、そこまでにして、衛宮家に侵入してきたサーヴァントについての情報を全員に共有しておいた方が良いと思うよ僕は」
僕がセイバーとライダーの言い争いを止めたところで、侵入者であるサーヴァントについての情報を共有することになった。
「慎二は、どう思う?残りの枠はランサーとキャスターとアサシンだけど」
そう聞いてきた衛宮に僕は正直に思ったことを話す。
「まず間違いなく、侵入者はランサーのサーヴァントだと思う。本気のセイバーと打ち合っていたけど、ランサーは本気ではない感じがしたよ。不本意そうな感じもしたからマスターに戦力偵察でも命じられていたのかもしれないね」
「そうか、慎二がそう言うならそうかもな」
「ランサー以外のサーヴァントであるアサシンやキャスターが何処に居るのかも確かめておきたいんですが、使い魔に関してはどうなっていますかお祖父様」
「キャスターが根城にしている場所は特定できておるが、慎二には近付いてほしくないから教えておらんかった。慎二はキャスターに狙われる可能性があるからのう」
「まあ、魔術師にとって興味深い身体なんでしょうね。普通とは違う僕の身体は」
「そうじゃよ、だから慎二のことが心配なんじゃ」
「心配してくれて、ありがとうございますお祖父様。それでも僕は戦いますよ」
「慎二なら、そう言うじゃろうと思ったからのう、わしも一緒に着いていくぞい」
「慎二が行くなら俺も一緒に行くぞ」
そんなことを言いながら僕の左右を陣取る、お祖父様と衛宮に挟まれていた僕を、羨ましそうな目で見つめていた桜と目があった。
「その場所私とチェンジしてください兄さん」と言いたげな目で此方を見る桜を「寝言は寝て言え」という目で見ておく。
「キィィィィ!兄さんは、いつもそうです!いつもいつもショタっ子の目線を釘付けにして!」
しまいには声に出してそんなことを言い出した桜。
「お前は煩悩にまみれ過ぎてて近寄りたくないってギルくんも言ってたぞ」
とりあえず僕は、知り合いの聡明な金髪少年が言っていたことを桜に伝えておいた。
「そんなことはあるかもしれないけど、もっと私に近付いてきてショタっ子達!えっちなお姉さんの需要はある筈だから!」
「冬木のちびっこはギルくんに統率されてるから、お前には近寄らないと思うよ」
「ああ、世界は、どうしてこんなに私に厳しいんですか。私は薄幸の美少女です」
「発酵の美少女の間違いじゃないかな。何らかの菌が反応してそうだし」
「ちょっと!それは酷くないですか兄さん!」
「いやだって、完全に冬木のちびっこから危険人物扱いされてるからね、お前は」
「私が何をしたっていうんですか!ちょっと半ズボンの少年の膝を舐め回したり、少年の股間に顔を押し付けて深呼吸しただけじゃないですか!」
「お前は本当に何やってるんだ」
こんなのが義理でも妹とか嫌なんだけど、遠坂に返してしまいたいよ本当に。
クーリングオフしたいよ。