ごちゃまぜメガテン レギュレーション<ロバ>   作:FD一枚ケルベロス

6 / 6

フツオ「気がついたら全身タイツマン」
カツオ「気がついたら自分はウラベで、ユダで、あとえっちなお姉さんだった」
ナホビノ「アッ゛ー!」
キョウジ「身体かえして」
人修羅「上着返せや!」


葛城「こいつらイカれてやがる・・・」
ノブ「そうだぞ、俺なんて椅子でガキを殴り殺したぐらいなんだし」


覚醒のすゝめ

 

 

「魔力の籠もった道具?」

 

「いわゆるマジックアイテムだね」

 

 一面に広がる蓮の華を見ながら玲衣はそう言った。

 不忍池。

 上野公園にある蓮の花が綺麗な池の前に二人はやってきていた。

 池の周りには同じような男女連れの人影はちらほらいるが、二人の周囲には人はいない。

 二人なりの盗聴警戒である。

 なにせ、ここからの話は人前では危険過ぎる話題だからだ。と思う。

 

「マジックアイテムって……もう今まであれこれ使ってねえか? ほら、どくや*1とかかえんびん*2とか」

 

「それって魔法(物理)アイテムじゃん? 言うなれば科学アイテムじゃん」

 

「お、そうだな」

 

「マジックアイテムっていうのはもっとちゃんとオカルトなアイテムのことなの。例えばアギストーンとか、パトラストーンとか、魔法が込められてる魔石とかね」

 

「そんなのあるのか……アギストーンって?」

 

「投げつけるとアギと同じ効果がある」

 

「かえんびんとなにがちがうんだ? あれもアギと同じ効果って前いってたぞ」

 

「何も変わらないです」

 

「マジックアイテムじゃないのか?」

 

「魔術は科学で置換可能なやつを示すからね」

 

「そんな定義が?!」

 

「魔法使いの夜でいってた」

 

「メガテンに戻れ」

 

「あいてっ」

 

 軽やかに頭頂部に叩き込まれた飛鳥のチョップ(痛くない)で、玲衣は正気に戻った。

 

「納得がいかないとは思うけど、とにかく科学アイテムはマジックアイテム判定はされないんだよ。これ前提ね?」

 

「まあそういうこと言い出したら学生運動してた親世代がみんな覚醒してねえもんな」

 

「そういえば時代はまだ昭和終わってそんなに経ってなかったわ」

 

 学生運動とか実感ないな~と思いつつ、話を切り直す。

 

「覚醒にはいくつか条件あるってのは言ったよね?」

 

「あーなんかそんなこと言ってたな」

 

「まず愚者から異能者、最初の覚醒のために必要な条件は9種類

 

 ・薬物によるトリップ

 ・悪魔の一時的憑依

 ・悪魔に襲われたショック

 ・魔力を秘めたアイテムに触れる

 ・事故

 ・祖先霊の出現

 ・導師との出会い

 ・前世の夢の暗示

 ・修行を体験する

 

 とこんな感じに基本システムだとなってた」

 

「なんか思ったより多いんだな、条件って」

 

「まあ最初の導入だからね」

 

 背負ったリュックサックから取り出したノートを見て確認する。

 転生してから書き溜めた、特に自分の世界の作品システム(レギュレーション)がどれかわからない以上、根幹共通してるだろう大司教設定の内容をまとめた一枚だ。

 新しい方な真・女神転生のTRPG、魔都200Xのほうだともっと緩くて有ってないようなスタートのキャラ作りにすぎないので除外。

 

(新世紀黙示録は把握してなかったのが悔やまれる、くぅ!)

 

 そこそこのメガテニストな自分の迂闊さを呪うしかない。いや呪ってたらなんか事故死しそうだから即座に取りやめた。

 

「ざっくりだけど一つずつ説明するね。まず薬物によるトリップ」

 

「初手からやべえのがきたな、覚醒剤で覚醒するってこと?」

 

「それもあるけど、ぶっちゃけアルコールでも覚醒チェック対象になるよ」

 

「マジで? そんなことしてたらうちの親父だってビール呑んでるから覚醒してないとおかしくねえか」

 

「トリップだよ? 前後不覚で意識ぶっ飛ぶぐらいの急性アル中とか、パワハラ一気飲みとかそれぐらいの段階がいると思うんだよね」

 

「えー……ゲロ吐くぐらい呑んだらなんかイケそうなの嫌なんだけど、というかアルコールで超パワーはなんか納得がいかねえっていうか」

 

「お酒は古来から神事に使われていたものだよ。古くは縄文時代から弥生時代だったかな、口噛み酒とか造られてるし、ヒミコとかの巫女、神官の神事にはアルコールによるトリップ、陶酔はつきもの。ギリシャ神話のディオニュソスとか有名だし」

 

「ディオニュソス?」

 

「バッカスっていえば聞いたことあるでしょ」

 

「あーお酒のあれか」

 

「そ。正確にはバッカスはギリシャ神話のディオニューソスがローマ神話で変えられた名前だし、その前はザグレウスという神だったんだけど。これはギリシャ神話における人類の祖になる神だし、めちゃくちゃ重要なんだけどマイナーなんだよなぁ」

 

「???」

 

「話がずれたね。えーというわけでお酒はとても大事です。でも他にも薬物、いわゆる幻覚剤とか、覚醒剤とかLSDとか、今は全然聞かないけど脱法ドラッグとかそういうのは覚醒するチャンスがあるのでとても危険って、なんで飛鳥距離取ってるの?」

 

「そういうこと詳しい幼馴染だとは知りたくなかった」

 

「シャドウランとか、COCのキーパーやってたら載ってるんだもん! 知ってるじゃん!」

 

「それはそうな」

 

「口噛み酒とかすごいパワーありそうだよね。飛鳥は呑んじゃだめだよ?」

 

「飲まねえよ! そもそも口で噛んだ酒とかなんか嫌だわ!!」

 

「そして十年後、JKの口噛み酒を求めて違法行為を」

 

「なんでだよ!?」

 

 などという他愛もないバカ話をしつつ、ゴホンと玲衣は咳払い。

 

「次、悪魔の一時的憑依」

 

「悪魔のパワー借りたら、内なる力に目覚めるっていう奴か。よくありそうだ」

 

「うん、よくあるよ。そのまま乗っ取られて人生終了することもね」

 

「おい」

 

「いやこれって一時的っていうけど、大体悪魔に憑依されて操られてたけどなんとか助けてもらったとか。追い払ったけど、覚醒しちゃって悪魔の姿が見えたり、声が聞こえるようになっていて人生病んじゃったとかそういうキャラのパターンだよ? 一時的憑依、ただしギリギリ助かったでの想定です」

 

「本当に一時取り憑かれてましたっていう意味かよ」

 

「うん。きちんと悪魔のコントロール、使役してる魔術師とかサマナーとかの管理下じゃないと危なくて無理! 悪魔はおっかないからね、はい次!」

 

「悪魔に襲われたショックだっけ? もうクリアしてない? というかこれ憑依と何が違うの?」

 

「食い殺さかけたとか、そのギリギリで殴り返したとか。心霊スポットいったら悪魔に襲われて、そのまま憑依とかされて、ダブル覚醒チェックコンボがいけます」

 

「そんなお得みてえな言い回しやめろ」

 

「うっかりバイクで事故って、悪魔とかが封印されていた祠を破壊して、そこで悪魔に襲われて、奇跡の生還! ただし悪魔が実は身体の中で巣食っていて、みたいなトリプルコンボもあるあるだよ!」

 

「役満じゃねえか!」

 

「悪魔召喚プログラムがあればなぁ、四連コンボ*3も狙えるんだけど」

 

「もっとひどいことなんて普通ある??」

 

「デビルサバイバーの主人公の前世の兄なんて、五連覚醒コンボ*4を初手から仕掛けてくるからね。無差別で」

 

「うん、そいつが邪悪の極みだということだけがわかった」

 

「メガテンだとまだマシなほうの黒幕だよ?」

 

「人の心なさすぎる奴多すぎない?」

 

「だってメガテンだし……」

 

 嫌だそんな世界! いやこの世界だった! うごごごごと頭を抱えている飛鳥の苦悩に、もはや麻痺して何の痛痒も覚えていない顔で玲衣は話を再開する。

 

「次、事故で起こります」

 

「事故とは?」

 

「バイクで事故ったり、車に跳ねられたり、転落事故起こすとか、そういうまあ事故だね」

 

「重傷じゃない? どう考えても?」

 

「頭ぶつけたりして、うっかり覚醒とか定番だから本当に定番だから……ガチャガチャ振れば、なんかパワーが出てくることもあるんだよ」

 

「そこらへんに不発弾が多すぎる件について」

 

「青色のハスキー犬連れて、腕にかっちょいいアームターミナル付けて散歩してるやつとかがいるかもしれないからね」

 

「誰だそれ」

 

「カタギなのに、ナイフ片手でチンピラを刺殺出来るやつだよ」

 

「怖すぎる」

 

「メガテンの主人公だけど」

 

「もうおうちかえりたい」

 

 飛鳥がお腹抑えちゃった……!

 だけど、強く生きて欲しい。もっとひどいことはたくさん玲衣は知っちゃっているから!

 お前もこの苦しみを共有するんだよ! とちょっとだけ思っている、本当にちょっとだけ、本当だよ?

 

「次、祖先霊の出現だね」

 

「お墓参りでもすればいいのか?」

 

「割と定番イベントだね」

 

「軽く言ったつもりだけど、ありなのか」

 

「うん。よくある導入としては主人公が子供なら両親とか、行ったこともなかった田舎の実家とかにいってそこで先祖のお墓参りとか、蔵の道具とか触れたり、そこからマジックアイテムチェックとか、先祖とか前世とかが夢枕に出てくるとかが定番だよ」

 

「これリアルなんだよな? 定番とか、テンプレとか言われて、現実感が喪失しそうなんだけど」

 

「飛鳥さぁ、ご先祖に偉い武将とか、英雄とか、昔妖怪を退治したお偉いお坊様とかいない? ご両親に挨拶したいなぁ」

 

「やめろよ!! 明らかに打算しかねえ両親への紹介イベントとかしたくねえよ、おれ!」

 

「うちのパパとママ、典型的なシティー系だから聞いたことないんだよねぇ。だから紹介できなくてごめんね」

 

「そんな理由で振られることある? というかお互い顔見知りやん、今更過ぎるわ」

 

「幼馴染だから多分来るイベントもセットなんだよねぇ、運命を感じる」

 

「ゲームイベントみてえに言われるせいでちっともときめかない悲しみ」

 

「きゅん、しない?」

 

「がぁん、なんだよ?」

 

 打ったら響く会話だった。

 

「……あれ? 祖先霊って、先祖のオバケだけじゃねえの? なんか前世って言ってたけど」

 

「あーと、前世が先祖とかってよくあるんだよ。例えば先祖に宮本武蔵とかがいて、現世だとその剣技を覚醒して思い出したとかそういうあるある系」

 

「自分の子孫が、自分の来世か。なんか納得するような、そんなもんか? みてえな気分になるが」

 

「メガテンだとめっちゃ根幹設定が、人類全部アダムとイブの末裔だから、人間誰かしらアダムの要素が濃くて強かったり、その魂を宿してるって言われてるからね」

 

「そうなのか」

 

「あ、さっき言った散歩してる人ってアダムの面影めっちゃあるらしくて、聖書時代の前妻さんに未練たらたらされてるよ」

 

「さすがチンピラを刺し殺す奴だ。知恵の実だって食うわな」

 

「あと確かインタビューからだったかな。人間は四文字の複製品だから理論上ちゃんと鍛え上げれば全員LV100になるって設定だし」

 

「そうなの?」

 

「うん、真1ぐらいの時の話だけどねー。大司教*5の設定だとそうなってる、はず? まあそこまで強くなるのには

めちゃくちゃ何度も何度も転生とか、レベル上げがいるから理論上は、だけど」

 

「いきなり来世とか転生したらとか言われても困るんだけどな」

 

「私もさすがに死んで蘇って、覚醒トライアルはしたくないよ。メガテン主人公なら出来るけどさ」

 

「出来るの!? してるの?!」

 

「うん、真1とか偽典とかね。特に偽典だと一度黄泉に落ちて、そこでイケメン公の人にぶっ飛ばされた堕天使が黄泉の支配合戦してるところを生き返るために殴りつけてたりするし」

 

「超人墓場かな?」

 

「命は軽いよ、覚醒者なら上位の魔法で死んでも蘇生も出来るから」

 

「うわあ~~」

 

 飛鳥がドン引きしているのを見つつ、ふと玲衣は気がついた。

 

(そういえばあの堕天使オセ、レベル軽く40超えてたはず。あちこちで見かけるデビバスらしい人でもあいつが出てきたら、油断出来ない強さなんだよね)

 

 レベル差10以上は、単体だとゲロきつい強さだ。

 そもそも同じレベルでも相性が悪ければパトるし、ステータスにも差があることも珍しくない。

 

(まあ相性がいい仲魔を2~3体揃えて、腕のあるサマナー*6なら弱点直撃事故しなければ勝てるもんだけど)

 

 確かデビサマだとまだ弱い方だったけど*7、幾つもの作品で中ボスになってるだけあって人間界に詳しく、陰謀も巡らせられる。あとえっちなサバトだってやらせてくる*8

 

(この世界がデビサマルートなら量産型しかいないはずだけど、真ラインだったらどっかにいる? 偽典への分岐考えると、イケメンさんが倒してる?)

 

 イケメンとは覚えているが、さすがに古すぎてぱっと思い出せない。

 なんとなくストーリーぐらいで、確かCVもめっちゃイケボだったような……

 

「あと次は、どうしとの出会いだっけか? どうしって、なんだ? 同志諸君とかってやつ?」

 

「アカいのは違うからね!?」

 

 考え事をしている最中に危険な発想に(玲衣)がなりかけたのを遮る。

 

「導師ってのは、導く師匠と書いて導師。いわゆるメンターだね」

 

「メンター?」

 

「ほら、スター・ウォーズのちびっこいのとかぶおんぶぉんしてるイケメンおじさん」

 

「あ~~……? あ、ヨーグルト!」

 

「ヨーダだよ! 男の子なんだからそっち間違えちゃだめでしょ!」

 

「いや俺すたーうぉーずとかみてないし、どっちかというとバック・トゥ・ザ・フューチャーとかのほうがすきだし」

 

「多分飛鳥のお父さんが泣いてると思うよ」

 

「デロリアンのかっこいいよねって再放送の時に盛り上がったけど……」

 

「仲良し! よかったね」

 

「お、おう? ありがとう。ともかくつまり師匠ってことだな?」

 

「うん、ざっくりいうとそうだね」

 

「師匠がいれば伸びるのはわかるけど、それが覚醒条件なのか? どっちかというとちゃんと指導されたりしたら覚醒とかってするみてえな気がするんだけど」

 

「ちゃんとそれもあるよ、【覚醒者への覚醒条件】っていう上位覚醒チェックでね」

 

「……上位覚醒?」

 

「そこらへんはあとでまたするけど、ともかく導師ってのは少し特殊でね。上位の覚醒した人間のことを指すんだ」

 

「覚醒した人間に上位とか下位とかあるってことか?」

 

「うん。覚醒した覚醒段階……まあいわゆるランク、上位ジョブとかそういう奴ね。それにも色々あってね、愚者・異能者・覚醒者・達人か~ら~の()()()又は超人又は導師みたいに分かれてる。基本システムだと愚者、異能者、覚醒者、超人、導師、神人、神とかってなってるけど」

 

「??? すまねえ、ワンモアプリーズ」

 

「だいじょうぶだいじょうぶ、そういうのがあるってだけ今は覚えておいて貰えればいいから」

 

 正直ここらへんは説明すると、面倒くさくなる。

 こんなデートスポットの前じゃなくて、ホワイトボートの前で説明が必要だ。

 いや、別にまだデートでもなんでもないんだけど。と、玲衣は心の中で付け加えた。

 

「その中で導師っていうのはざっくりいうと、LV30以上でかつ特別な覚醒をしている覚醒した人間のことなんだよ。いわゆる最上級ジョブについてる人間っていえば通じる?」

 

「パラディンとか、アークメイジとか、グレートなんとかみたいな感じか?」

 

「そそ。大体合ってる、いわゆる指導者(マスター)ランクだね、こういう人はもう存在感からして特別で、才能さえあればその人と話しただけでビビーンって来るんだ」

 

「ビビーンか」

 

「電撃的な予感ってやつだね。ティンと来た、みたいな?」

 

「後半はわからんが、なんとなく……わかったきがする? つまりそういうすごいやつがいると」

 

「うん。大きな組織、そうだね……ガイア連合ていうかガイア教団? とかメシア教とか、フリーメイソンとかこいつらはメシアかロウ勢力だし、あとイルミナティとか、薔薇十字団とか、ジプスとか、葛葉一族とか、ファ……例の組織*9とか、まあそういうでっかいところだと大体抱えてるね」

 

「多い多い、胡散臭さもでかいが多くね?」

 

「世界中に似たりよったりあるからね。大体ガイア教団とメシア教団は近寄らないほうがいい、特にメシアはカス。下っ端はまともなこともあるけど洗脳されてるか、上にいくと全方位カスしかいないからアウト、ガイア教団は力ないと利用されるし、そもそもメシアにろくに勝てないし、うん、付き合い方次第かな!」

 

「酷評がひどくね?」

 

「メガテニストならみんなそう思ってるよ……」

 

 秩序と書いて圧政! と読む世界を目指すメシア勢力よりもマシだが、ガイア教団はなんかもうダメだ。

 大体世界滅ぼすし、最後まで勝つことはないし、ばらばらだし。

 あんなところの名前掲げてるガイア連合ってのは間違いなくやばいやつだ。

 正気じゃない。*10

 

「ともかく。その抱えている導師は何人もいてね、その人のおかげで入信者を覚醒させることが出来るんだよ。<導師との出会い>と<導師の導き>の2つのチェックでね」

 

「出会って、指導させてもらって、ということか?」

 

「うん。まあそこまで経験積んでるんならなんとなく才能がある人も見抜けるんじゃないかな、霊視というかアナライズ系のカルトマジックも幾つかあるし」

 

「はえー、つまり凄腕コーチってことだな」

 

「大体あってる」

 

 とはいえその2つだけだと修行も含めれば精々覚醒チャレンジは三回。

 それ以外にも幾つものルートは把握してるだろうから、覚醒する人間をポコポコ増やせる組織としては必須の実力者だ。

 

(絶対どこの組織とかでも紐付きだろうから出会いたいけど出会いたくない。今のあたしたちじゃあうっかり戦ったらぼこぼこにされる、せめてCOMPでプログラム持ちで、ヴィクトルへの紹介状もってて、仲魔揃えてとか、ペルソナ仲間揃えてないときついって)

 

 リアルな分、メガテンでのゲームバランスで考えすぎるのは危険だけど、最低でもそれぐらいのメンツはいる。

 上野駅周辺でサーチしたうろうろDBたちだけでも、エンカウントしたら命の危機が危ないっていうのに、考えれば考えるほど鬱になりそうだ。

 まあそれでも前に進まず蹲ってたら100どころか1000%、東京を滅ぼすついでに消し飛ぶアトラスクオリティにされるのだが。

 

「よし、あと2つ。前世の夢の暗示というのがあるんだけど、これは気にしなくていいよ」

 

「なんでだ?」

 

「これ転生してる人じゃないと意味ないから。前世のことを夢で見たとか、危険が迫ってるとかそういう覚醒の兆候なんだよね」

 

「転生した人って、転生者ってやつか?」

 

「うん。小説とかアニメでよくあるじゃん、前世からの因縁がーとか、そういうのでいやあぼーん! するやつのことです」

 

「大体わかった」

 

「ところでなんかそれっぽい夢とか見たりしてる? 夢見る度に首刎ねられたとか、誰かに抱えられて水の中ドボンとか、むさ苦しいおっさんに馬投げつけられてひきこもったりとか」

 

「いやないわ。あと最後なんだよ、妙に具体的だけど」

 

「前世の、メガテンのこと思い出した時のついでに見た夢。多分お馬さんとかで負けた馬券の夢じゃないかなって」

 

「おい、女子高生」

 

「大丈夫大丈夫、今生だとまだ行ってないから!」

 

「これからもいくなよ。よくわからねえけど、ギャンブルはダメだと思うんだ、俺」

 

「はい」

 

 まあまだウマ娘とかもでてないしね、この世界。

 

「で、最後。修行を体験するですが、これは忘れていいです」

 

「なんで? どう考えても一番大事じゃねえ?」

 

時間コスパが最悪だから

 

「ナンテ?」

 

「こういうのはね、ぶっちゃけ始まる前に修行をして覚醒したとか、一般人だったけど修業を受けて戦えるようになった! みたいな理由付けなんだよ、今からやるのは大事だけどこれにだけ頼ってたら覚醒するのにめちゃくちゃタイムロスする」

 

「タイムロスって」

 

「修行って一日二日で終わるイメージある? 一週間で勇者になれる特別(スペシャル)ハードコースとかあるけど」

 

「それ成れるのドラゴンの騎士とかぐらいだと俺は思うんだ」

 

「私もそう思う、誰だってそう思う。普通に考えて三ヶ月とか、半年とか、一年とか、下手すればもっと長くやるよね」

 

「修行っていうんだから、まあそうだろうな。特訓とかパワーアップイベントだし」

 

「二段階ぐらい上の覚醒イベントとして【苛烈な修行の体験】ってのがあるから、もしかしたらもっと楽な修行かもしれないけどね。瞑想したり、寺に住み込みで働きさせられたり、精神修養とか」

 

「今から学校辞めろってことにならねえかそれ? 休学で済む気がしないんだが」

 

「うん、だからこのルートはない! あっても最後の手段! 個人ごとに合わせた修行とか、色々条件あるだろうしね。流派とか、()()()()()()()でマッチングしないこともあるだろうから」

 

 というか、この修行も怪しいものなのだ。

 導師との出会いで、異能者に目覚めることもあるし。

 この次の導師による導きで、覚醒者までの誘導をしてもらい。

 さらにそれでも届かない領域、覚醒段階つまり【超人】への苛烈な修行があるとしたら、間違いなくそれよりは楽ではあるが、その詳しい内容はただのゲーマーだった玲衣には検討ぐらいしか付かない。

 メガテンで仲間になってサクサクレベルが上がるような人間には不要なものだったし、ぶっちゃけ今現在悪魔を見つけてひたすら殴り殺してる戦いの繰り返しが、修行じゃなかったらなんなのか。怪しいもんである。

 だからこそ最後の手段にとっておく。

 

「なのでマジックアイテムチャレンジをするんですねぇ」

 

「そこに戻って来るのか。でもマジックアイテムってそんな見つかるか? 色々見て回ったけど、なんとかストーンってのはなかったぞ」

 

「うん。だからお手軽な覚醒チェックはダメだったけど、諦めるのにはまだ早い。見つかってないってことはまだチェックはしてないからね」

 

「チェック?」

 

「覚醒編でだったかな、魔力の宿るアイテムでの覚醒チャレンジは三回までだったし

 

「え゛」

 

「同じアイテムで何度も覚醒を試みることは出来ないから、最低でも違う種類の、別のマジックアイテムを三種見つけないとチェック埋められなかったんだよね」

 

「あの、三回までなんですか?」

 

「うん、まあこれリアルだからもっと多かったり、少ないかもだけど?」

 

「……覚醒できなかったらもう出来ない?」

 

「マジックアイテムとの接触だと無☆理」

 

「ほぁ、ほぁぁぁあああああ……」

 

「大丈夫、大丈夫! 確か覚醒編だと覚醒失敗してもその都度、次の成功率が累積で上がっていくから!」

 

「それで失敗したらどうすんだよ!?」

 

「そのための他のルートなんですねぇ」

 

「全部出来なかったら?」

 

「新しいキャラシートを……」

 

「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!」

 

 飛鳥が頭を抱えてしまった。

 

「だ、だだだ大丈夫! 大丈夫! これでいけなくても、上位の覚醒イベントで代用も出来るから! なんだったら命運判定とか工夫すれば高くなるから!」

 

(そもそも回数制限あるの確か覚醒編だけで、誕生編とか、基本システムだと回数制限はなかったはず? 命運判定成功しないとどうしょうもなかったけど)

 

 大体この世界がどのシステムなのか不明なのである。

 玲衣が上げているのも基礎設定であって細かい違いがあっても当然だ。

 

 この世界はリアルなのだから。

 

 玲衣は前世はメガテニストであっても、女神転生の制作陣でもなければ、アトラスのスタッフですらなかった。

 ただのそのゲームが好きなだけの詳しいオタクだ。

 

「…………命運判定って?」

 

 だけど、この世界では、今の人生ではこれにすがるしかない。

 使えるものがあると信じて、知識を活用する。

 

「いわゆる一つの運命力のことだよ。幸運とか、リアルラックとか、そういう判定のこと。メガテンではこれを使って、特殊な判定は上手くいくかどうか判定するの。ほら、カードゲームのさ、デスティニードロー! みたいなのあるじゃん、あれが出来るパワー」

 

「遊戯王いいよな」

 

「ガイア連合のだっけ? 私は真・女神転生TCG出してくれれば嬉しかったんだけど、そしたらカードサマナーとか、あるいはそのゲート使って悪魔変身もいけたのに」*11

 

「つくるな! そんなカードゲーム!!」

 

「ええ~。当たりさえ引ければお手軽に装備とか、デビルシフト出来るのに」

 

「もっと人間性を大事にしようぜ!」

 

「……そこまでいう?」

 

 少しショックを受けたが、しばし考えて。

 

(いや、うん、そのとおりだわ)

 

 と玲衣は考え直した。

 

「確かに人体実験もするソリティアみたいな組織がいたら頑張って潰さないといけないしね」

 

「……また悪の組織候補が出てきたよ、まだ覚醒してないのに」

 

「力をつけていこう! というわけで、命運判定上げる方法説明するよー」

 

「お~」

 

「といってもこれうちの前世のGMというか原作からの拡大解釈なんだけどね」

 

「どゆこと?」

 

「汎用的なマジックアイテムで覚醒はあるんだけど、もっと有効な方法があるんだよ。説得力もあってね」

 

 

 くるりと玲衣が廻る。

 周りを軽く見渡して、誰も近寄っていないことを確認してから言った。

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 そう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえ、なんか面白いこと喋ってるわね」

 

 

 そんな声が、遠くで呟かれたのを二人は気づかなかった。

 

*1
真1消費アイテム 敵単体に衝撃小ダメージ+POISON付与 

*2
真1消費アイテム 敵単体にアギ(火炎小ダメージ)効果

*3
覚醒編などにおける覚醒チェックの条件

「悪魔召喚(プログラム)」→「特殊な儀式(悪魔召喚)」→「悪魔との遭遇(呼び出したやつが目の前に)」→「本人の臨死体験(悪魔にボコられる)」

というTRPGユーザーの定番覚醒コンボ

これで目覚めないなら新しいキャラシートを用意しよう

目覚めなかったやつ? 悲しい事故だったね・・・

*4
※真・女神転生異聞録デビルサバイバー

ここからさらにハーモナイザーもあるから

呼び出された悪魔を殴り倒して従えよう!(覚醒イベント:悪魔の使役のクリア)

*5
鈴木一也氏の通称 デミアン鈴木、鈴木大司教の異名で有名

ゲーム版のデジタル・デビル・ストーリー1・2に関わり、悪魔設定や魔法の設定などを担当

真2からシナリオを担当し、その後の真・女神転生シリーズの基礎設定を築いた

真・女神転生TRPGシリーズの監修と製作でもある

*6
SH1のウラベ、ユダぐらい

*7
デビルサマナーでは堕天使オセ LV30

*8
OVA 真・女神転生東京黙示録でばっちりある

*9
ファントムソサエティのこと デビルサマナー時代では名前を口にすることすら危険であり、ソウルハッカーズにおいて名称が判明、ソウルハッカーズ2時代においては秘密結社としては公然の存在となっている

*10
安価は絶対

*11
※真・女神転生カードサマナー

真・女神転生TCGを題材にしたゲームボーイカラーのゲーム

対象年齢が低いことを意識して、凄惨な展開はない

真・女神転生TCGを題材にしたダンテの門という作品もあるが

こちらはカードを触媒に悪魔を呼び出し、魔法などを駆使した凄惨な戦いに

主人公が巻き込まれていき、人体実験、児童虐待、悪魔による衰弱死、ヒロインの死亡、

最終的に魔界と現世の接続が行われた女神転生らしいストーリーとなった





息を吸うように殺されかけて、覚醒するのはメガテン主人公の嗜み
※決して真似しないでください
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