ぼっち・ざ・ろっく!?(後藤ひとり強化型)   作:白ノ宮

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後藤ひとりの強化点
・コミュ障ではなく、軽い人見知り
・単純な学力上昇
・メンタルの回復が早い
劣化点
・一芸特化ではないため、ギターの腕前や情熱が原作より劣化している。(ランクで表すならS からA-)

ちなみに私の別のぼざろ二次創作から『暗城レン』というオリキャラが出張してきてますが、こちらの中身はおっさんではなく女の子です。
友達枠だね。


1話目 強化型ぼっち

「隠れんぼする人この指とーまれっ」

 

私という人格が覚醒した直後に聞いた言葉だ。周囲の状況や自分の体格を見てなんとなく察した。

 

私は転生(あるいは憑依)したのだと。

 

生前の記憶はというと、知識という面ではかけている点はなかったが、親や友達といった部分は抜け落ちているかのように欠けていた。

 

自分の髪色や顔の造形を鏡で見た際に冷静さを少し失っていた私でさえ「逆にそっちの次元にきてしまったのか」と呟いてしまった。

別にこの世界が平面とかそういうわけではない。前世と同じように立体的だ。

 

しかし人間の造形や動物の見た目、わかりやすくいうと作画だな。それが妙に整っている。それも不自然なほどに。

 

美醜というものは生きていく中で付きまとってくる問題の一つのはずだ。だが、これまで見てきた人間や生き物を見て『醜』の要素が見当たらないのだ。

 

そんな世界に転生...あるいは憑依してしまったわけだが、冒頭のある問題に戻ってみよう。

 

場所はおそらく幼稚園。そして他の園児が隠れんぼをするために人を集めている。

 

わぁ〜っと集まっていく自分以外の園児。

 

私も混ざるべきなのだろうが、精神的にクるものがある。

 

よく創作物で転生して幼少期からやり直す物語で幼児と同じように戯れている彼らは実は凄かったんだなと実感させられた。

 

どう考えても混ざる気概がなかったので友達ができるわけもなく一匹狼状態で卒園。

 

それから小学校に上がった。

 

ここならギリギリ交流はできるはずだと考えた私は自分の精神レベルを限界まで落とした。結果として友達が複数人できた。

 

しかし、途中からボロが出てきたのか話が合わなくなることが多くなり、五年生に差し掛かる頃には友達という存在は私の前からいなくなっていた。

 

小学生という生き物は私の予想していたものより、感情的で押し付けがましい一面を持っていたようだ。

 

何なのだろうか「やってみなければわからない」というのは。冷静に自分の身体能力を分析した結果出来ないと判断したという...、いや待て落ち着け。小学生相手に感情的になるなんてらしくないぞ。

 

もしかしてこれが『体に精神が引っ張られる』という事なのだろうか。

 

とりあえず中学卒業までは一層冷静でいることを意識したほうが良さそうだ。

とはいえ中学生にもなればある程度成熟の兆しは見られる筈だ。話が合わないなんてことはなくなる...多分。

 

目立った思い出がないまま小学校を卒業して、中学一年生になった。

 

やはり...といって良いのかわからないが、冷静に考えることを意識しすぎて友達作りのスタートダッシュに失敗した。気付けば周りはコロニーが形成されていて「またひとりか...後藤ひとりだけに、ふふっ」こんな独り言を小声で呟いたのは内緒の話だ。

 

ある日、いつも通りに知り合いレベルのクラスメイトに挨拶をして下校し、家に帰ってきた。部屋着に着替えてリビングのソファで横になっていると父親がこちらにきた。

 

「これ観てる?」

 

「ううん、観てないよ」

 

私は起き上がって父親の座るスペースを空ける。

 

父親はスッと座ってリモコンで他のチャンネルに回した。

 

音楽番組のようだ。

今世の我が父は音楽が趣味のようだ。自前のギター(黒と金でカラーリングされたかっこいいやつ)を持っている。

音楽活動をしていたかどうかは分からないがおそらく何かしていた筈だ。

 

番組では司会があるバンドのメンバーにマイクを向けていた。

どうやら若者に絶大の人気を誇るバンドらしい。私は知らないが。

 

「自分、教室の隅で本を読んでいるような奴だったんすけど、バンドを始めてここまで上り詰めることができました。陰キャでも輝くことは出来るんです」

 

一部の陰キャがキレそうな内容だな。忘れてはいけないのだが、陰キャでも友達は作れるし行動力さえあればバンドだってできる。出来ないのは陰キャの中でもコミュ障を患っている人達だ。今回はそんな人たちがキレそうな内容だったなと感じた。それだけだ。

 

「そうですか〜、では演奏していただきましょう!」

 

気の無い司会の返答の後に、バンドの演奏が始まる。

 

バンドの演奏自体にときめくものは感じないが、今世でも前世と同じような暇の潰し方は打製的で意味がないかなと感じた。いっそのこと何か楽器を始めて見るのも良いかもしれないと考えついた。

 

そうと決まれば私は急に立ち上がった。

 

「おぉっ!?どうしたのひとり?」

 

「お父さん、ギター借りていい?」

 

「え?うん、いいよ」

 

「ありがとう」

 

急だったが父は快諾してくれた。

私が父親の部屋を目指して移動を始めて廊下に出たあたりでリビングで父親が何か感慨深そうに言葉を発していたが何をいっていたんだろうか。

少なくとも悪いことではないことを祈りたい。

 

階段を登って父親の部屋に入る。

 

部屋の片隅に大事に立てかけてあるギターを慎重に持ち上げ、本棚にあったギター入門というものを取り出す。

 

自分の部屋に戻って姿見の前でギターのベルトを肩にかけて、一丁前に構えてみる。似合っているとは言い難いがカッコよく見えた。

 

その時の私の目の輝きは今世の中で一番だったのかもしれない。

 

それから平日は三時間、休日は4〜8時間練習に励んだ。とはいえ学生の本分は勉強だ。幸いなことに私が前世の頃の知識と同じような授業範囲だったため、一部の教科は復習という形に収まっているので、その分前世で苦手だった教科に集中して勉強ができた。前世は勉強に対して集中力ややる気というものがあまりなくて最終的に痛い目を見たため、今回はしっかり勉強しておこうという算段である。

相変わらず取り組んだ分だけ実力がつくという前世からの能力(ある程度まで成長する器用貧乏)は変わっていないようなので成績自体は上の中あたりにいた。

 

将来の夢は定まっていないが、前世と同じく会社員で良いのではないだろうか。

 

そんな中学校生活も早く終わりを告げて卒業式を迎えた。

ギターも結構上達してきたし、父親に進められてギターヒーロー名義で動画サイトに弾いてみた動画をあげたりして登録者数を順調に伸ばしていた。

 

次に通うことになる高校は趣向を変えて東京にある学校にして見ることにした。

長時間の通学や自分の住んでいる地域とは全く別の場所での文化の違いなど得られるものは色々あると考えた。

 

少し恥ずかしいのだがソロで路上演奏をやってみるのもいいのではないだろうか。

 

 

高校の入学を無事終えて、少ないが友達もできた。

同じ一年の女子で暗城レンという子だ。

 

元々容姿が整っているこの世界だがその中でも更に整っていてスタイルが良い。何か芸能人か何かなのかと質問してみたが芸能活動とは無縁の一般人だった。

 

聞けばそんな彼女はこの秀華高校の特待生らしく成績がすこぶる良いらしい。分からないことがあれば何でも聞いて欲しいそうだ。私はその優しさに感動した。

 

容姿が整っていて頭も良くて性格もいいとか天は物を与えすぎではないかと答えたが、まず暗城レンという存在が天使なのではないかそんなことまで考えかけた。

 

何か危ない考えに至っている気がしてこれ以上考えないことにした。

 




「やってみなければわからない」
いい言葉ですよね、私は嫌いですけど。

この作品は『ひとりちゃんは最高にかわいい』と比べて時間の進みが早いです。(後藤ひとりの面倒な部分を相当オミットしているから)
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