ぼっち・ざ・ろっく!?(後藤ひとり強化型)   作:白ノ宮

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土日は投稿したとしても文字数少なめです。


3話目

そろそろ休憩を終わりにして帰ろうと立ち上がるために足に力を入れた瞬間、向こうから声が聞こえた。

 

「あーーーーっ!!ギター!!!」

 

声のした方を見れば金髪赤目でロングサイドテールの少女がタタタタッと擬音がつきそうな勢いで接近してきていた。

 

ブランコの囲いをまたいで私の目の前で止まるとその口が再び開く。

 

「それギターだよね、弾けるの?」

 

出会い頭にギターが弾けるのか聞いてくる少女。絶対只者ではないな。

 

「一応弾けますが...貴女は?」

 

名を聞くときは自分からというのは知っているが今回は向こうから来たのだ。向こうのを先に聞いても悪くはないだろう。

 

「あっ、急にごめんね〜。あたし下北沢高校二年の伊地知虹夏!」

 

答えてもらったからにはこちらも返さねば無礼だな。

 

「秀華高校一年の後藤ひとりです。それで伊地知さんは何故私に声をかけたんですか?」

 

「えっと...ね。実は今ちょっと困ってて...無理だったら大丈夫なんだけど、大丈夫なんだけどぉ....」

 

(すっごいチラチラみてくる!?これ絶対大丈ばないパターンだ...)

 

「あー...よしっ!思い切って言っちゃおう!」

 

(ギターを弾けるか聞いてきて現在進行形で困ってるとなると、バンドのギターが蒸発したとか...?いやいや、そんな訳ない)

 

「お願いっ!私のバンドでサポートギターをしてくれないかなっ!...今日ライブなのにギターの子が突然辞めちゃって。ある程度出来る人なら弾ける曲なのでぇ〜...何卒っ!何卒お願いしますぅ....!」

 

パンッと手を合わせて頭を下げる伊地知さん。なんでだろう、お願いされてるだけなのになんか私が悪い事をしているような錯覚に陥りそうになるな。

 

まぁ、別にバンドをやってみたいっていうのもあったしサポートギターで体験してみるのもいいかもしれないな。

 

「わかりました。サポートギターの件、お受けします」

 

「っ!...ありがとうっ!じゃあ早速ライブハウスに案内するね!」

 

私の返答を聞いた瞬間、眩い笑顔を浮かべて私の手を取ってグイグイとライブハウスへ引っ張られることになった。

 

手を繋ぐ必要ってあるんですかね...?

 

───

 

というわけで普段寄ることのない下北沢の方を歩いている。

 

「ひとりちゃんはこの辺にはよく来るの?」

 

「来たこと無いですね...特に興味をそそられるものがないので」

 

「そっ、そうなんだ...」

 

おしゃれタウンっていうのはわかるんだけどそれ以外になんかあるのかな?

興味がないから調べたことすらなかったけど今日の帰り道にでも調べてみようかな。

 

「あっ、そうそう。ライブハウスまでもう少しだから」

 

「了解です。伊地知先輩のバンドが演奏するライブハウスってどんなところなんですか?」

 

「んー?えっとねー、【STARRY】ていう名前のライブハウスでね?あたしのお姉ちゃんが経営しているお店なんだよ。スタッフの人達とかみんな優しくていい人達だから見た目が怖くてもあんまり気にしないでね?」

 

「はい、留意しておきます」

 

それにしても、前を歩く伊地知先輩の髪からくるこのフローラルな香りは一体...?少し前のめりになって嗅いでみたけどどこの会社のシャンプー使っているんだろうな。少なくともスーパーで売られている激安シャンプーでないのは確かだな。

 

「ん?歩くの速かった?」

 

前のめりになっている私に気づいたのか伊地知先輩が振り返る。

 

「いえ、腕が攣りそうだったので姿勢を崩していただけですのでお気になさらず...」

 

「そっか.......ひとりちゃんって運動できる?」

 

「え?あぁ...そうですね、人並みには出来ると思いますよ」

(カナヅチなところを除けば、ね)

 

そんな感じでワイワイと会話を続けていた。

 

 

 

「あっ!着いた、ここだよ〜」

 

ここがライブハウス【STARRY】、地下一階に位置するタイプのライブハウスか。

丁度物陰のようになっているのか暗い雰囲気が漂っている。私がプライベートで好んで立ち寄るような場所ではないな。

 

「おはようございまーっす!!!」

 

伊地知さんが元気よく挨拶しながらライブハウスの扉をあけて入っていく。

この業界での挨拶は『おはようございます』なのね。

 

ライブハウス内はとても広いわけではないが狭いわけでもない。

薄暗くて閉鎖的な空間だが、不思議とリラックス出来る。

 

「なんか落ち着きますね、ここ」

 

「えっ?そう...なの?」

 

なぜかドン引きされた。ひとりんショック...。

 

「ひとりちゃん、スタッフさんの紹介するね。あっちにいるのがPAさん、音響を担当する人ね。で、向こうにいるのが照明アシスタントさん、役職名の通り照明関係を担当している人だよ。あと、奥の方で機材をチェックしているのがメンテナンススタッフさんね。他にも色々な人たちがいるんだけど割愛するね」

 

ピアスしている人多いなぁ...。私には理解の及ばない領域だ。




後藤ひとりはコミュ障でなくなっても変な子である事は変わらんのです。

本人は冷静を意識しているつもりですが、元が変人なので変なことを口走ってしまうという...。

では次回、第4話。
アディオス!
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