観客の数、おおよそ数千数万人が金色のコンサートホールに、ステージを囲むように集う。老若男女、歳も身分も関係なく、皆が笑っている。
『IT'S SHOWTIME!!』
会場の照明が消える。暗闇の中、ガヤガヤと観客達の声だけがこの空間に響き渡る。
そして時は訪れた。
スポットライトが一筋の光を放ち、舞台の中央を照らす。
するとそこには先程までそこには居なかったであろう女性が立っていた。
その周りで各国でも有名なバンド達が演奏を始め、派手な踊り子衣装を身につけた美女達が音楽に合わせて踊り始める。
女が笑う。たおやかな金髪、見るもの全てを引きずり込む美しい瞳、そして金色の光をも呑み込む漆黒のドレスに身を包んでいる。
彼女の名はステラ。このGRAN・GOLDで『歌姫』と呼ばれている。
彼女は静かに、ゆっくりと歌い始める。
段々とリズムが軽快なものに変化していく。
そして曲に合わせて軽快に踊り始めた。
そんな彼女に男女問わず魅了され、その美しさに見惚れ羨む。
『GRAN・GOLD』
彼女がステージ中央に腕を伸ばすと同時に床から金色の煙幕が巻き起こり、1つの人影が姿を現した。
それは身を金色のスーツに包み、星型のサングラスを掛けた偉丈夫の男。
名はギルド・テゾーロ。このGRAN・GOLDの管理人にしてトップエンターテイナーだ。またの名を『黄金卿』。
彼は彼女の腕を掴み、2人で踊り始める。
彼達が一挙一動する度に観客たちから歓声が上がる。
腕を広げるだけで、彼らが向かい会うだけで、彼らが歌うだけで会場が湧き上がる。気分は既に最高潮、爆発せんくらいに既に熱が高まっている。
そんな最高潮な中で1曲目は終わり、黄金卿はマイクを片手に観客たちへと語り掛ける。
『皆様、黄金の国ドラゴルドへようこそおいで下さいました!今日は一生忘れられないような一日をお過ごしください!』
「「「うぉぉぉおおおおおおおッ!!」」」
爆発するような歓声が会場に響き渡る。
『いい返事だ。ここでもう一曲…と言いたいところですが…先にスペシャルゲストです。ご登場ください!』
先程黄金卿が登場した時のように金色の煙幕がステージを包み込む。数多のスポットライトがグルグルとそれを囲むように縦横無尽に駆け回り、観客たちのボルテージはさらに高まっていく。
『黄金の国、ドラゴルドは、元は非加盟国の貧しい国だった…!だがこの御方はそんなこの国をたった1人で作り変えた!!その御方の名は…ドラゴルド聖!!』
全てのスポットライトたった一人の男に注がれる。
そこに立っていたのは気品を感じさせる黒い髪。上半身は前が大きく露出する服を着用しており、鍛えられた筋肉を見せびらかすような構造になっている。金色の服に身を包んだその男は、ここに来る観客達誰もが知る天竜人の姿だった。
いつもと違うのは、結っていた長髪を切り、髪が変わっているのと、いつも着用していたヘルメットを付けていないところだろうか。
黄金卿の言葉にあれだけ騒がしかった音が消える。
そして少しだけ間が空いて…
「「「えええええええええ!!?」」」
という驚愕の声が響き渡った。
誰が発したのだろうか。唐突の天竜人の登場に会場の観客達は動揺し混乱し始める。すぐさま観客達が狭い空間で頭を深く深く下げ始める。そんな中、ドラゴルド聖はマイクを片手に叫んだ。
『ミュージック…スタートだえ!!』
その声とともにまたしても演奏が始まる。先程とはテンポが変わり、心が弾むような愉快な音楽が流れ始めた。
その曲に合わせてドラゴルド聖が歌って踊る。その後ろでは歌姫と黄金卿がバックダンサーを務める。今まででは絶対に見られない超豪華な一幕。
最初は恐る恐る見ていた観客達も、次第に活気が戻ってくる。
『もっともっと盛り上がるえ〜ッ!』
その言葉が引き金となり、観客達は爆発したかのように歓声を鳴らす。そこにはもう既に天竜人への恐れはなく、ただただ今ここで音楽を楽しむ純然な感情だけが渦巻いている。
『この国に来たからには楽しまなけりゃあ奴隷だえ〜』
ドラゴルド聖が歌姫の手を取り優雅に踊る。
ドラゴルド聖が黄金卿と向かい合って激しく踊る。
黄金卿のゴルゴルの実の能力で、金を惜しみなく使われた舞台がうねるように動き出し、ドラゴルド聖をさらに際立たせる。
『ここは黄金の国〜、ドラゴルド〜!!』
ここは黄金の国、ドラゴルド。またの名は…
喜劇の国、ドラゴルド。
歌って踊るえから髪が邪魔だえ。切るえ。
服もいつものじゃ踊りづらいしヘルメットも声が遠くまで響かないえ。着替えるえ。
実は名前はドラゴルド聖じゃなくてドラシルやユーグラッドみたいなユグドラシルを意識した名前を考えてたえ。
けど感想蘭ではドラゴルド聖として認識されていたのでもうこの名前でいいかとなったえ。国の名を考えてゴルドルフ聖なんて候補もあったえ。
次回は要望も多いえから他者視点だえ。