「君がソラ君ですか。私は生物担当で、君のクラスの担任でもあるジニアといいます。」
クラベル校長に案内されたソラは職員室で薄い紫色の髪をしたジニアと話していた。
「はじめまして、ソラです。これからよろしくお願いします。」
「こちらこそ、君のレポートはとても興味深いものばかりでした。メガシンカ・・・話には聞いていましたが、いやはや、やはりポケモンの生態は面白いです。」
かなりほんわかしており、どこか頼りなさを感じるが、このジニアという教師はなんと、パルデア地方に普及しているポケモン図鑑を作った人物である。
元々は研究所で働いていたらしいが、何故か今はこの学園で教師を務めているそうだ。
他にもこの学園の新しい教師の中には元ジムトレーナーや、現四天王もいるそうだ。
ソラがカロスに渡る前にいた教師陣も優秀な人材ばかりであったが、現在の教師陣と比べると、見劣りしてしまうだろう。
「それでは、私が入ってきてくださいといったら、入ってきてくださいね。」
「わかりました。」
「おはようございます皆さん。本日は新しい仲間、いや、仲間が帰ってきたというべきでしょうか。なにはともあれ、このクラスに新しい仲間が増えます。それでは、入ってきてください。」
ジニア先生の言葉に教室にいた生徒たちがざわつきだす。
「カロス地方に留学していたソラです。二年ぶりにこちらに戻ってきました。またこの学園で過ごせることを嬉しく思っています。」
「ソラ君は二年前まで、この学園で過ごしていたらしいね。僕は去年から赴任してきたから、みんなの方が知っているだろう。」
「ソラっ!」
「あれ、ネモもこのクラスなのか。」
「うん、そっか、ソラと一緒に勉強できるのか。楽しみ!」
「おや、そういいえばネモさんとは幼馴染でしたね。ネモさんのななえめ後ろの席が空いていますので、そちらに座ってください。」
それから授業は進み、あっという間に放課後になった。
「ねぇねぇ、ソラ。放課後時間ある?」
放課後になり、寮に帰る用意をしていたソラにネモが話しかける。
「まぁ、特に予定はないな。どうかしたのか?」
「えっとね、ついて来てほしいというか、お願いというか・・・」
「なんだよ、はっきりいってくれよ。」
ネモが珍しくはっきりと言い出せないでいる。
「その、私って生徒会長な訳じゃん。」
「そうらしいな。」
「それで、生徒会のメンバーもいるわけで・・・」
「ふむふむ、そうだな。書記とか会計とか、副会長とかだろ。」
この時点で察しの良いソラはなんとなくネモのいいたいことが分かってきた。
「そう! そこでね、私、生徒会長になったときからソラを生徒会のメンバーに入れようと思ってたの!」
「なるほど、まぁ、いいか。」
「いいの!! ほんと!」
ソラという少年は、かなり面倒見の良い性格である。旅の道中で困っている人物がいれば必ず助けるし、空飛ぶタクシーで席に座れない高齢者の方がいれば、必ず席を譲る。そんな好青年である上に、ここ二年は一人旅をしていたため、こういった学生のイベントや役職というものに軽く飢えていた。
とどめには、幼馴染であるネモの頼みだ。断るはずがなかった。
そしてソラはネモに連れられ生徒会室へ向かった。
「ようこそ、生徒会室へ。」
生徒会室という部屋は特にこれといって他の教室とは変わらない造りであった、違うところといえば、あちことに文房具の棚があったり、段ボールが積み重ねられていたことくらいだろう。まして、この学園は別に生徒会が教師より強い権限を持っているなんてことはない、ごく普通の学園である。これが当たり前であろう。
「他のメンバーは、今日は来ないみたい。また今度紹介するね。」
「あぁ、それで、俺は何をすればいいんだ?」
「えっとね、風紀委員長になってもらいたいの。」
「風紀委員っていうと、身だしなみの確認とかか?」
「そう、あとは校則違反をしていないかとか、困っている人がいたら助けてあげたりする委員会。」
「わかった。任せろ。」
「それとね、この学園では風紀委員長が生徒会副会長に就くっていう伝統があるらしいから、自動的にソラは副会長になって、私の手伝いをしてもらうことになります!」
嬉しそうに話すネモの姿にソラは少し頬を緩ませる。
なんだかんだいって、幼馴染に会えなかったのが寂しいのはソラも同じだった。
「わかった。つまり俺は、ネモのライバルであり、部下であるってことだな。」
「うぅ~ん、部下っていうより仲間というか、相棒というか、この学園風にいうなら、宝かな!」
「そっか。」
こうして、生徒会副会長兼風紀委員長に就任したソラは他の生徒会メンバーとも顔合わせをし、充実した学園生活を送っていた・・・
「なぁ、ネモ。」
「どうしたの?」
「メロコって何組か知ってるか?」
「メロコ? ごめん、分からない。」
「そっか、あいつにも会いたいと思ってたんだけど、そのうち会えるか。」
メロコとはソラが留学する前に過ごしていたクラスの友人である。燃える炎のような髪をした肌の白いそばかすのある少女で、男口調を使う美少女であった。
彼女との出会いはクラス替えで隣の席になってしばらくしたときに、偶然、彼女がいじめられているところを見たソラが、彼女を助けたところから始まった。
いじめられていた理由は、メロコが可愛かったからというもの、もしかしたら他にもあったのかもしれないが、一番の理由はそれであった。
そのときはいじめの根本的なことを解決するには至らなかったが、いじめを解消することに成功したため、メロコがそれからいじめられるようなことは無かった。
また、ソラが留学すると知った時に軽く喧嘩(ポケモンバトル)をしたが、ソラが勝利し、笑顔で見送ってくれた親友でもある。
カロスを旅しながらネモと同様に連絡をしていたが、一年半ほど前から、連絡が途絶えてしまい、心配していたが、一年前に一度だけ連絡が届き、それ以来、再び連絡が途絶えてしまった。
「おぉ、来たかソラ。待っていたよ。」
「こんにちはレホール先生。」
学園に復学して一週間が経過する頃には、ソラも新しい教師陣と交友を深めていた。特にソラのレポートに興味を持ったジニアとレホールは特に交友を深めていた。
「うむ、実はだな。君の提出したレポートの中でメガシンカの歴史が書かれたところがあっただろう。」
「えぇ、そうですね。それが、何かありましたか?」
「君のレポートの中で、メガシンカというものはトレーナーの持つキーストーンと、ポケモンの持つメガストーン。それらを介して絆を高めることでポケモンを新たな可能性に進化させるメガシンカが可能になると書いていただろう。」
「はい、その通りです。」
「その石についてはあまり深く書かれていなかったのでな。私の方でも少し考察をしてみたのだ。」
「といいますと?」
するとレホール先生はメガネをクイッとあげる。
「そう、メガシンカに必要なこれらの石も、実はパルデアの大穴から生まれたのではないか!という考察だ。君も知っているだろうが、パルデアの大穴には昔から財宝が眠っていると信じられてきた。君の資料に載せられていたキーストーンも、メガストーンもどこか宝石を連想させる美しさを持つ石だ。また、これらの石はテラスタルオーブも連想させる。」
「そうですね。俺も、カロスを旅しながら時々、その考察は頭の隅にありました。」
「やはりか!」
「ですが、その考察はどうやら、違ったみたいなんですよ。」
「ほう、それはどういうことなのだ?」
メガシンカの聖地はカロスとされている。その理由もカロスで発見された現象であるあからだ。しかし、正確にはカロス発祥ではないらしい。他の地方でもメガシンカはあった。どうやら、ホウエン地方が発祥なのでは?という話も出ている。そして、メガシンカの起源は伝説ポケモンの一体であるレックウザなのではないか?という説もある。そのあたりを調べようとしていたソラだが、なんだかんだあって二年ではそこまで調べることはできなかった。
「ということらしいです。ホウエン地方のとある一族がカロスに渡ったという説もあるので、おそらくパルデアの大穴とは関係はないのかと、思われます。」
「うむ、そうなのか。いやはや、なかなかどうして興味深い。そうか、メガシンカとはポケモンの秘めた可能性を引き出すものであると、つまり本来の姿になるものも、いれば、可能性の姿になるポケモンもいると・・・」
「はい、ですが、メガシンカは強力であると同時に危険でもあります。俺のヘルガーもメガシンカさせてみたことがあります、ですが、どうやらヘルガーにとってメガシンカは苦痛を伴うものであったらしいです。そちらのレポートに載せた写真のメガヘルガーを見てください。」
「あぁ、いかにも強そうな見た目をしている。だが、これがヘルガーにとっては苦痛であると?」
「はい、尻尾の先は二つに分かれ、爪は赤くなっていますよね。」
「あぁ、そうだな。」
「爪に関しては、通常時よりも高温になっていることで赤くなっています。尻尾の先に至っては、自分の発する熱により解けてしまった状態なのです。つまり、メガシンカで強力な力を得られる一方でポケモンはかなりの負担を抱えることになるのです。」
「なんと! 自分の熱で尻尾が解けてしまう。それは、ポケモンにとってはかなり辛いだろうな。」
「はい、他にもアブソルなどは、メガシンカすることはかなり嫌っていました。」
「そうか・・・ありがとう。また面白い歴史を聞けた。」
「それでは、俺は生徒会の仕事がありますので・・・」
メガシンカの考察は気にしないでください。今作ではほとんどメガシンカがでてきませんので。