カルデアの食堂で、立香は一人の少女がカルデアキッチン勢の手料理に舌鼓を打っているのを少し離れた席から見守っていた。
「おーいしーい!!」
そう言いながらその細い体の何処に入っているのかと思う程の盛りを瞬く間に消費していくのは、夢原のぞみ。ルーラーのクラスで召喚されたサーヴァントの少女だ。アルトリアと同じ位の大食いである。
何でもマナちゃんと同じ世界の出身らしく、マナちゃんは彼女の事を尊敬しているらしい。普段ののぞみちゃんの行動は、はっきり言っておっちょこちょいで、あのしっかり者のマナちゃんが何故憧れているのか理解できなかった。
しかし戦場に立った彼女を見た途端、普段の彼女のイメージとは真逆の印象を得た。
彼女は個としての戦闘能力もさる事ながら、そのカリスマ性や指揮官としての能力は彼女の見た目からは想像もつかない程的確だった。その様たるや、あのエルメロイ二世が「彼女は生まれる時代を間違えたな。中世の時代ならば、間違いなく名君として名を残しただろう」と絶賛していたぐらいだ。その素質に目を付けたのか、ケイローン先生や項羽殿が度々彼女を追いかけまわしているのを目撃している。
しかしそんな彼女も、一度食事となるや一目散に食事に没頭してしまう。その様にアルトリアは対抗意識を燃やしているとか。
「ごちそう様でしたー!」
そう叫んで食事を終えた彼女はニコニコ顔で食事の盆を厨房へ返していく。
そんな彼女から視線を外し、立香は先程から彼女を見ていたもう一人の人物に声を掛ける。
「声掛けなくていいの? 一応あっちのあの子も貴女なんだよね?」
その視線の先には、もう一人の夢原のぞみがいた。
その姿と纏うオーラは似ても似つかないが、その顔は間違いなく夢原のぞみ本人だった。
彼女の第三再臨時の装いを更に豪奢にした様な服装と何対もの翼、腰まで伸びた何色ものメッシュが入った白い髪、そして左右非対称の色をその眼に宿した彼女は、まるで無関心な顔で口を開いた。
「今の私に、あの私は眩しすぎます。それに、あの私にとってもこの私を知らない方がいいですから」
そう言った彼女は、もう一人の自分と同じような大量のご飯を何事も無く消費していき「ごちそう様でした」と手を合わせて席を立つ。
「それで立香さん、この後の予定は?」
「えっと…午後からは種火周回かな。お願いできる?」
「今の私はアナタのサーヴァントですから。いくらでもお供しますよ」
そう言って彼女は食堂を後にしていった。
────────────────────────
夢原のぞみ/キュアドリーム
クラス:ルーラー
ここではない別の世界において、ある種の英雄、救世主の星の下に生まれた少女。生まれた時代が違えば、間違いなく歴史に名を残す名君だったと人は言う。
筋力 B 耐久 A-
敏捷 B+ 魔力 C++
幸運 A 宝具 A
身長/体重:不明
出典:Yes!プリキュア5/Yes!プリキュア5GoGo!
地域:日本
属性:中庸・善 性別:女性
クラススキル
対魔力:A+
魔術に対する抵抗力。元々彼女の生きた時代からはあり得ない程の高ランクであったが、クラス補正も相まって最高位まで達している。
騎乗:B-
同じ世界の戦士達に比べ、彼女は比較的騎乗に関するエピソードがある為、クラス補正もあって中々高め。
単独行動:B
魔力供給無しでどれだけ動けるかというスキル。クラス補正により上位のアーチャー並になっている。
陣地作成:C++
彼女の場合は魔術師の工房ではなく、自身の力が及ぶ領域を意味する。その力の恩恵は彼女だけでなく、その庇護下の者達にも影響を与える。
気配遮断:C
生前において、正体秘匿の決まりがあった彼女は、戦士として正体を悟らせる事無く戦い抜いた。それによりある程度の隠蔽スキルを持つ。
真名看破:B
ルーラーとして召喚される事で、直接遭遇した全てのサーヴァントの真名及びステータス情報が自動的に明かされる。但し、隠蔽能力を持つサーヴァントに対しては幸運判定が必要となる。
神明裁決:C
ルーラーとしての最高特権なのだが、彼女は人に強制する事が苦手である為ランクダウンしている。
領域外の生命:B
異なる世界の存在である彼女が自動的に獲得するスキル。彼女は神と接点を持つ為、同じ世界の者と比べて高いランクを有する。
マルチクラス:A
彼女は現界に際し、どの様なクラスで召喚されても他の適性クラスの補正を受ける事が出来る。その補正具合はその時召喚されたクラスへの適性に左右され、今回は最も適性のあるルーラーとして召喚された為に補正も大きくかかっている。
軍略:C+
多人数を動員した戦場における戦術的直感能力。指揮官としても才覚を発揮する。
天性の肉体:B
生まれながらに生物として完全な肉体を持つ。一時的に筋力のパラメーターをアップさせる事が可能となる。更に、どれだけカロリーを摂取しても基本体型は変化しない。
女神の寵愛:B+
女神の後継として選ばれた彼女は、神の血を引かぬ身でありながら高い神性を有する。
聖なる戦乙女:EX
彼女の世界の戦士が持つ共通スキル。このスキルのランクは力への適性を示し、彼女のそれは規格外の領域にある。
固有スキル
大いなる希望の力:A
カリスマの類似スキル。大いなる力に選ばれた彼女は、希望の体現者として人々を魅了する。彼女と共に戦う者は、皆が勝利という希望を確信するという。Aランクまで達したカリスマ性は、最早魔術や呪いの類だと言われる。
希望の赤い薔薇:A+++
大いなる希望の力が変化したもので、星の開拓者に似て非なるスキル。近現代の出身でありながら神域を託された彼女は、時代が違えば正しく世界に轟く大英雄になり得ただろう。
心眼:C
平穏の世にありながら戦の才を持って生まれた彼女は、世界の脅威との戦いの中でその才覚と戦術眼を研ぎ澄ませた。
天賦の見識:A++
心眼が変化したスキル。普段は暢気でどこか抜けたところのある彼女だが、こと戦場や悪意に対しては誰よりも速く鋭くその真実を見抜く眼を持っていたという。その眼力はある種の千里眼に至っていたとも。
想いを咲かせる奇跡の光:EX
世界を無に帰さんとする脅威に対して振るわれる、神の代理たる彼女が持つ奇跡の行使。発動すればあらゆるクラス相性を無視した、正に神の裁きと言える猛威を発揮する。
『夢見る乙女の底力』
ランク:D+ 種別:対悪宝具
レンジ:1~10 最大補足:1人
クリスタル・ドリーム・アタック。
第一再臨時宝具。彼女の象徴たる光の蝶を模した光速のエネルギー弾。混沌・悪・魔性への特攻を持つ。
宝具としては驚く程に魔力消費が軽く、その燃費の良さから、一度の戦闘で何度も連発出来るらしい。
『薔薇の翔舞、流星の晶撃』
ランク:B 種別:対悪宝具
レンジ:1~100 最大補足:5000人
クリスタル・シューティングスター。
第二再臨時宝具。女神から象徴である薔薇の力を与えられた彼女は、己の身体を輝く流星へと変え縦横無尽に戦場を駆ける。
この宝具の発動中、彼女の身体は光そのものへと変化するのだという。
『五星を束ねし極虹の天翼』
ランク:A+++ 種別:対悪宝具
レンジ:1~3000 最大補足:12000人
スターライト・ソリューション。
第三再臨時宝具。女神より授けられた力を最大解放し、一時的に半神人に至った彼女の渾身の一撃。その威力は神造兵装に比肩すると言われ、放たれる光は咲き誇る薔薇の如く宙を彩る流星群の様に美しいと語られる。
神域の管理者でありながら人の道を選んだ彼女は、とある妖精の王と恋仲であった言われる。その穏やかな日々は、未だ彼女の中で輝かしい思い出となっている。
英雄の素質を持って生まれた彼女は、同時に優れた教育者であったという。彼女の教えを受けた者達は、いずれも歴史に名を残す偉業を成し遂げたと言われる。
カルデアにおいては、その素質に目を付けた項羽やケイローンに追いかけられ目を回す姿が目撃されている。
────────────────────────
イシス=フローラ
クラス:アルターエゴ
本来は存在し得ない筈の可能性の存在。とある異界の魔王に見初められ、真の神へと至った夢原のぞみであり、そんな彼女の『外敵を排除する為の絶対神』としての側面が強く出た状態。
筋力 A 耐久 A++
敏捷 A+++ 魔力 EX
幸運 EX 宝具 EX
身長/体重:不明
出典:真歴・逢魔時王伝『常磐真王太平記』
地域:逢魔国(旧日本)
属性:秩序・中立 性別:女性
クラススキル
対魔力:EX
数多の神性を取り込み、神ですら生半可な術では害せない程の抵抗力を持つ。人間の場合、如何なる手段を以てしても彼女を害する事は不可能である。
従属化神:EX
騎乗の発展スキル。神の化身たる獣すら使役する彼女に乗りこなせないものは無いという。
単独顕現:EX
単独行動の究極形としてのスキル。最高神の神格すらも複数取り込んだ彼女は、マスター無しでも現界する事が可能。
浸食神域:A+++
陣地作成の最終形。彼女が見て、降り立った瞬間からその場所は彼女の神殿に変わり、徐々にその領域を広げていく。
神器作成:A++
ヘファイストスの権能に由来する、道具作成の発展形。即席で作った物であろうと、彼女の造った武器は神造兵装になる。
気配遮断:A++
戦士であった頃より正体の秘匿を完遂した彼女は、神になった事で完全な神秘の隠匿が可能であるという。
神明裁決:A+++
統治者として現界した彼女は外敵を排する非情な神としての性質が強く、裁定者として召喚された彼女よりも適性が高い。
領域外の生命:EX
彼女は異世界の神そのものであり、使者である他の者とは比べ物にならないランクを有する。
神殺し:A++
かつて存在した神々を斃して神に至った彼女は、神でありながら神性への特攻を持つ。
覇者の神核:EX
数多の神々を取り込み、複数の神話体系の頂点になった彼女の完全性を表すスキル。精神と肉体の絶対性を維持する効果を有する。あらゆる精神系の干渉を弾き、肉体成長もなく、どれだけカロリー摂取しても体型が変化しない。
ハイ・サーヴァント:EX
複合神性を持つ神霊の王者としての証。ギリシャ神話から十三柱、北欧神話から二柱、エジプト神話から七柱、インド神話から六柱、日本神話から五柱、その他異界の神話から十一柱の神格を取り込んだ規格外の大神性。そのあまりの強大さに、神性特攻を持つサーヴァントの攻撃ですら傷をつけるのは容易ではない。
変身:A++
ゼウスの権能を持つ彼女は、牛や白鳥、雷や雨、石など神羅万象あらゆるものに化ける事が出来る。
保有スキル
神華のカリスマ:EX
彼女の神域たる命の花園に由来するカリスマスキル。命ある者は皆、生まれた時から無意識に彼女の支配下に置かれているという。
大魔王の寵愛:EX
神華のカリスマが変化したスキル。永遠の時を生きる魔王がただ一人、妻として迎えたという逸話から。生まれながらの王を自称する彼に寄り添った事により、より人を率いる者としてのカリスマ性が高まったという。また、玉座を司るイシスの権能により王の特性を持つ者の能力を大幅に引き上げる。
星覇六道:A+++→EX
イデスに定義される、彼女のアルターエゴとしての特殊スキル。都合六つの神話体系を取り込んだ事により、彼女独自の六道輪廻が生み出された。彼女の持つ法則は、自分が存在している世界の外側にも作用する。
千里眼(超越):EX
人間としての限界を超越した、神の視点による千里眼。元々素質のあった彼女は、時を司る魔王との出会いによって未来視の開眼を果たした。そこから更に神へと至った彼女の眼は、遠く離れた別世界をも見通すという。
『絶解天導・界理編纂転換遡星』
ランク:EX 種別:対銀河宝具
レンジ:1~99999 最大補足:全生命
スーパーノヴァ・エクスティンクション。
別名「ぜっかいてんどう・かいりへんさんてんかんそせい」。彼女の持つ全ての神性を解放して放つ、銀河全体の改竄。一瞬にして自身を中心に銀河一帯を隅々まで見通し、全てを虚無に帰した後に彼女、延いては国にとって害となる存在を排除した状態で作り直す。また、その度に世界法則が彼女にとって都合がいい様に書き換えられていく。
神として不死性を獲得した彼女は、本来死という概念から外れた存在である為サーヴァントとして召喚される事は無い。カルデアにいる彼女は、マーリンの様に本体ではない分御霊の様なもの。
彼女の在り方は、ある意味アルジュナ・オルタのそれに近いかもしれない。神としての側面が強く出た彼女は、本来の優しさを強力なマインドセットによって心の奥底に押しやり、非情で冷徹なる絶対神としてただ敵を排除するのみである。彼と違う点があるとするならば、彼女は如何なる方法を用いても狂化スキルを得る事は無いという事である。その為、ふとした拍子に彼女の優しい穏やかな人間性が漏れ出る事もある。
また、彼女はルーラーとして現界しているあちらの彼女を認識しているが、その逆にあちらの彼女はこの彼女を認識できないらしい。曰く、こちらの彼女が意図的にそうしているとの事。因みにオルタではないらしい。
前者は原作、後者は作者オリジナルの設定