僕のヒーローアカデミア Legend of Chimera 作:夢野飛羽真
とある日のヒーロー基礎学
本来の担当教諭はオールマイトだが、教室にやって来たのはA組の担任である相澤であった。
「今日のヒーロー基礎学だが…俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見ることになった。」
教壇に立つ相澤から伝達されたのは今日の授業は彼自身も担当教諭を務めるということでった。
「ハーイ!なにするんですか!?」
「災害水難なんでもござれ人命救助訓練だ!!」
3人体制で行われる特別な授業。
その内容は戦闘訓練ではなくヒーローの活動の一つである災害救助に向けた訓練である。
「レスキュー…今回も大変そうだな。」
「バカおめーこれこそヒーローの本分だぜ!?鳴るぜ!!腕が!!」
「水難なら私の独壇場、ケロケロ。」
「おいまだ途中。」
戦闘訓練とはまた一味違う訓練にクラス一同胸が躍りざわざわとし始めるが相澤がすぐに制止する。
(お、これは僕の発明品が役立つチャンスじゃん。)
勿論龍也も仮面ライダーキマイラ以外の自作アイテムを使う機会に内心ワクワクしていた。
「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗ってく。以上、準備開始。」
災害救助訓練は普段の演習場とは違う特別な場所で行われるため、生徒達はコスチュームに着替えた後、バスに乗り込んで移動を開始していく。
そのバスの中では各々の個性についての話が行われていた。
「派手で強えっつったらやっぱ轟と爆豪、それに大崎だな。」
その中でも特に名前が挙がったのが爆破の爆豪、半冷半燃の轟、そしてラボラトリーの龍也であった。
「けど、この前大崎の個性見たけどあれ、どうなってんだ?研究室みたいなとこに移動してたし。」
「んじゃあ、この機会に皆に僕の個性を改めて教えてあげるよ。今日の訓練でも活躍するだろうし…」
ここにいる多くの生徒は龍也の個性が仮面ライダーキマイラそのものだと思っているが尾白や食堂での騒動で研究室空間に入ったことのある上鳴と切島は実際の個性ラボラトリーについて認知していた。
「僕の個性はラボラトリー、研究室のような空間に移動してそこで物を作ったり、作ったアイテムをこっちに持ってきて使ったりできるんだ。」
「私の個性に少し似ていますわね。」
その個性に少し関心を示した八百万。
彼女の個性は創造、身体の脂質を分子レベルで変換して他の物を作り出すことが出来る。
「確かに近いかもだけど僕のはすごく時間がかかっちゃうんだ。材料も集めないといけないし…」
「材料集めってもしかしてあの時の…?」
「そう、このキメラドライバーなんかは海岸に放置されていた粗大ゴミから材料を抽出したんだ。」
緑谷は以前特訓のために海岸に放置された粗大ゴミの清掃を行っていた。
その際に材料集めのためにやって来た龍也と出会い友人になっていた。
「けど、自分で作ったアイテム使うってそれはどっちかつーとサポート課の方じゃね?」
「いいや、大崎の個性の場合"空間内で作ったモノを使う"って聞いてる。」
瀬呂が抱いた疑問に相澤が答える。
アイテムの開発となればサポートアイテム開発を主軸としているサポート課が行うことである。
勿論、龍也がサポート課に所属していてもおかしくない。
だが、彼の個性としては作ったモノを使って戦う所まで込みである。
「発明品は全部アイツの個性の一部。作れば作るほど大崎自身の個性が強化されてくってシステムだ。発明もお前にとっちゃ個性の鍛錬と一緒だろ?」
「ええ、おっしゃる通りです。」
それ故に仮面ライダーキマイラもこれから使うアイテム達も個性として扱われることが出来ているのだ。
(研究室みたいな空間って…確かウチも…)
龍也達の話に耳を傾けながら耳郎響香は過去のある出来事を追憶していた。
過去に巻き込まれた事件で助けてくれた少年が自分を研究室の様な場所に逃がしてくれた出来事を…
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「皆さん!待ってましたよ!」
「スペースヒーロー13号だ~災害救助で活躍してる紳士的なヒーローだよ~」
「あー!私好きなの!13号!」
目的地に到着すると宇宙服のようなものを着た13号先生が出迎えてくれた。
ファンである緑谷君や麗日さんも嬉しそうな表情を見せて興奮している。
「早速中に入りましょう。」
「「「よろしくお願いします!」」」
13号先生の誘導で僕達はドームの様な場所の中に入っていく。
「すっげぇ!USJかよ!?」
ドームの中には様々な災害を再現した建物やスペースが幾つもあるが、端から見ればUSJの様なテーマパークに見えなくもない。
「水難事故、土砂災害、火災、暴風雨、等々…僕が作った演習場です。その名も(U)嘘の(S)災害や(J)事故ルーム!略して!USJ!!!」
(((本当にUSJだった!)))
マジで名前USJにしたらあかんやん!
絶対関西の方から怒られてまうで…
「さて、訓練を始める前に、ボクから君達に小言が~一言、二言、三言…………」
(((増えてる)))
この13号先生、中々ユニークなお方だ…
「超人社会は『個性』の使用を資格制にし、厳しく管理する事で一見成り立っているように見えます。しかし、その実一歩間違えれば簡単に人を殺傷できる力を個々人が持っている事を忘れないで下さい。」
仮面ライダーキマイラやガンデフォン50は一歩間違えれば人を殺めかねない力を持っている。
だからこそ加減もしっかりと出来るようにならなくてはいけない。
「相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘訓練でそれを人に向ける危うさを体験したと思います。この授業では心機一転!救命のために個性をどう使用するか学んでいきましょう。君達の力は人を傷つける為にあるのではない。助ける為にあるのだと心得て帰って下さいな。以上!ご静聴有り難うございました!」
13号先生の素晴らしい話に僕達は思わず拍手する。
戦うのも、災害の状況から誰かを助け出すのも、誰かを守るための行動。
その誰かを守るために僕達は個性の使い方をより深く理解していかねばならない…
「ようし、そんじゃまずは…」
相澤先生が授業の行程を進めようとしたその時だった。
USJ内部を照らす明かりが消え、噴水の水が止まってしまう。
もしや電気系統がやられてしまったのか?停電の訓練…
「何だよあの渦…」
ではなさそうだ、黒い靄がUSJの中心に現れて一気に広がっていく。
その中からは手の様なものがいっぱいついた男、黒い筋肉ムキムキの怪人、紳士服を着た男と彼らに率いられた多数のチンピラが次々と出てくる。
「一塊になって動くな!13号!生徒を守れ!」
「また入試みたいな…もう始まってるパターン!?」
いいや、この状況はマジのヴィラン出現かも知れない…
先生方の様子もただことではなさそうだ…
「これは…マジのヴィランだ…」
『ツインキメラ!』
少しでも皆を守れるように前に出てツインキメラバイスタンプを起動する。
『キング!ダイル! Come on! キメラ!キメラ!キメラ!』
「変身!」
『スクランブル!キングクラブ!クロコダイル!仮面ライダーキマイラ!キマイラ!』
「さあ…起つ時だ!」
僕はすぐに仮面ライダーキマイラに変身していつヴィランが襲い掛かってきても良い様に臨戦態勢を整える。
「おやおや、こんなところに仮面ライダーが居るとは…驚きましたねえ……」
紳士服を着た男が僕を指さして軽快に語り出す。
ていうかこの男なんで仮面ライダーを知っているんだ?
「まあ、良いでしょう…作戦通り生徒は散らして殺すとしましょう…黒霧さん…」
「ええ…」
その時だった、僕を含めクラスメイト達が黒い靄の様に包まれて一瞬で吸い込まれてしまった。
「マジかッ…!」
紳士服の男に気を取られてしまっている隙に一瞬でどこかに転移されてしまっていた。
「ここって…」
僕達が転移させられた場所は山岳地帯の様な場所であった。
「皆さん!ご無事ですか?」
「おいおい、いきなり何が起きてんだよ!」
「ねえ、あれって…!」
この場に僕と共に転移してしまったのは、八百万さん、上鳴君、そして耳郎さんだ。
そして、僕達の視界には今にも襲い掛かってこようとしているヴィラン達と先程の紳士服姿の男が映っていた。
「アンタは…」
「あなたには私の正体を教えておきましょうかね…私は内海、以後お見知りおきを…」
『シャーク!』『エレファント!』
内海と名乗ったその男は2つのバイスタンプを起動して自身に押印し、2体のデッドマンを召喚する。
「アイツらもバイスタンプ使いか…」
「では皆さん…やってしまいなさい!」
その男の指示で2体のデッドマンとヴィラン達が襲い掛かってくる。
「皆!怪人は僕が抑えるから他のヴィランを!」
「ええ、分かりましたわ!」
「ヴィランはウチらに任せてよ!」
一先ずはここに居る4人でこの場に居る敵達を片付けるとしよう…
あのデッドマンを召喚した男の正体は分からないけど、今はまずこの状況を打破しよう。