僕のヒーローアカデミア Legend of Chimera   作:夢野飛羽真

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ようやく今回仮面ライダーが登場します。
大変お待たせいたしました。


第4話 超発明!キメラドライバー

さて、あのバスジャック事件から6年ぐらいが経ち、小学生生活も終わりを迎えようとしていた。

当時は警察から事情を聴かれたり父さんと母さんからめっちゃ心配されて大変だったがあの後すぐ2人にはヒーローになりたいという自分の気持ちを伝えた。

父さん達はそのことをすぐに了承してくれて、姉さん共々父さんや知り合いの人から格闘技を習うことになった。

僕と姉さんは父さんの勧めで空手を習い始めて小学校生活の間に黒帯を取得できた。

父さんはボクシングが得意らしいけどヒーローならキックも使えた方が良いからということで空手教室に通わせてくれた。

 

「今日は練習無しの日か…」

 

前世の僕の反省点は体を鍛えていなかったことだ。だから実験の際の負荷に耐えきれずに命を落としてしまっていたし、いざ変身できていても上手く戦えなかったかもしれない。空手を習ったのは自分にとって良い経験であった。寧ろ練習が無い日はどこか寂しさを感じてしまう。

 

「まあいいや、今日は研究をしよう!」

 

だが練習が無い日は個性:ラボラトリーによって作り出される研究室の空間に入って中で色々と研究をしている。週3で研究をして週4で空手の練習に行く。それがこの僕、大崎龍也の一週間だ。

勿論小学校にも通っているが興味深いのは社会の授業だけで後は寝てても何とかなる。

社会の時間は今自分が居る世界のことに関して色々と把握できるのでありがたい。

 

「今日はどのフロアで作業しようかな…」

 

ここで僕の個性ラボラトリーに付いて説明しよう。

個性を使えばどこからでも研究室空間と呼んでいる場所に行けるんだがこの研究室空間、実はかなり大きい。大学の校舎1棟分はあり、数えたところ1階~7階まである。

1階には大型の物を組み立てるだだっ広い空間があり、多分車やセスナぐらいだったらここで組み立てて保管できそうだ。2階と3階には一般的な工作機械が置かれており、ネジを作るときなんかはよくお世話になっている。

4階以降は大学の他研究室みたいな感じで様々な分野に特化した研究設備や機械がある。因みに自分の研究室と実験室があるのは7階でここをメインに使っている。

 

「今日の作業は…合金の生成だね。」

 

この空間はぶっちゃけ前世で僕が通っていた大学とほとんど同じだ。

例えば合金を作りたいときなんかは鋳造等に関しての研究を行っていた研究室の場所に赴いてそこの機械を使っている。因みにだけど自分の手で改良もしている。

特に今日作る金属はかなり重要だから、しっかり合金の生成作業を成功させておきたい…

 

「セット完了。生成開始っ…!」

 

機械を作る際の材料は近所の海岸に不法投棄された家電等の粗大ゴミだ。

その金属部分を回収して溶鉱炉に入れる。幾つかの金属を掛け合わせて合金を作り出していく。今作っているものは特殊合金・ニギウムと言いこれから作るライダーシステムのベルト、及びボディを形成するのに必要な金属だ。

バイスタンプ経由で悪魔の粒子を注ぎ込むことで溶けた金属は俺の望む性能の合金へと変化していく。

 

「完成だ…」

 

溶けた金属を型に流し込んで冷ませば作業は完了。

 

「待ってろよ。俺のライダーシステム…」

 

僕のゴールはこんなもんじゃない。

ライダーシステムを作り上げ、ヒーローとなるにはまだ小さな一歩だ。

さてと、気合を入れていこう…

 

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それからさらに時が経ち、桜の咲く季節がやって来た。

 

「それじゃあ始めよか。」

 

「押忍!よろしくお願いします!」

 

中学入学と同時期に龍也は父のボクシングジムに入門し、空手をベースにキックボクシングの腕を磨きつつ、総合格闘技の技術も身に付けていく。ヒーローとなって敵と戦うならどんな個性持ちであってもパンチやキック等が正確に打てた方が勝負をより自分優位に進めることが出来る。

 

「キックボクシングは俺に任しとき。柔術とかは彼が教えてくれるわ。」

 

「おいす~小谷です。龍也君頑張ろうな!」

 

「はい!」

 

龍也の父である隆弘のジムは5年間の間にボクシングだけでなく他の格闘技の技術を学べる体制を整えていた。隆弘自身もキックボクシングを習得し、アマチュアの大会で優勝していた。それだけでなく総合格闘技の練習設備やインストラクターをジムに招き入れていた。

 

「じゃあ早速柔術の練習から始めよっか。」

 

「押忍!」

 

総合格闘技とは、ボクシングやキックボクシングの打撃系技術だけでなくレスリングや柔道の固め技系技術も必要とする格闘技であり、ヒーローがヴィランを制圧するのに必要な技術を得るには総合格闘技のスキルを身に付けるのが得策だろう。

因みに桃香もこのジムで龍也に先んじて練習に打ち込んでいる。

 

「おっと、中々センスがあるんじゃないかな…」

 

因みに龍也は初練習よりも前に本や動画で予習済みで張り切って練習に打ち込んでいる。

他の同級生が部活に打ち込んでいる時間、龍也は格闘技の練習に打ち込んだ。

さらにそれと並行して…

 

「形とシステムは完成したな…」

 

生成した合金からライダーベルトを作り上げていた。

嘗て悪の組織から抜き取ったデータを基に設計し、自身が過去に研究で生み出したベルトの開発ノウハウで作り上げたそのベルトの名はキメラドライバー。

これと共に開発した複数の生物の遺伝子データが内包されたキメラバイスタンプに対応するベルトであり、悪魔の力を必要としないベルトとして作り上げられていたが…

 

「問題は副作用だよな…」

 

龍也は前世でこのキメラドライバーの存在を知っていたし、このベルトを使うライダー達の物語も見ていたからこそ副作用の心配があった。ベルトに適合出来なかった者や何度も変身した者は悪魔に変異してしまっていた。その要因は彼の研究室にもあるギフの瞳を埋め込んだことである。しかし、埋め込まずに使おうとしたジョージ・狩崎と言う男がいたが、結果的に彼の中にいる悪魔を分離させてしまっただけで変身は出来なかった。

 

「かと言ってこれを使うのは危ないよな…」

 

ギフの瞳を使うのは自分が悪魔になってしまうデメリットもあるので使わないと判断した。

代わりの手段を考えることに舵を切って研究に勤しむのであった。

 

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「おっす!尾白君よろしくね!」

 

「こちらこそよろしく!」

 

前世から数えて35年間、勉強や研究、ライダーシステムの開発に勤しみ続けてまともに友達を作って来なかった龍也にとって初めての友達ができた。

彼の名前は尾白猿夫、龍也と同じヒーロー志望の少年で個性は尻尾。元々武闘に興味がある彼はヒーローを目指すために龍也の父である隆弘のジムに入門したのだった。

 

「じゃあ、スパーリングの時間は1分で…始め!」

 

2人は共にヒーロー科最高峰と言われている雄英高校を目指しており、同じ目標を持つ者同士切磋琢磨している。因みに桃香も雄英目指して日々鍛錬と勉強に勤しんでいる。

自分と同じ目標を持つ人と高め合うことで更なる強さを身に付けていける。以前の人生では学べなかったことを尾白との関係性から理解し始めていた。

 

「他のシステムかあ…」

 

その経験は彼の研究を進める糧にもなっていた。

パソコンの画面に示されているのはキメラドライバーを使って変身するライダーではなく"仮面ライダーオーバーデモンズ"のデータだった。1つのベルトのデータだけでは分からないことも多かった。だが、他のライダーのデータを取り入れることで、新たな技術を得ようとしていた。

 

「O.V.E.R.か、このシステムは使えそうだ。」

 

キメラドライバーを副作用無しで動かすために彼が着目したのはオーバーデモンズが使用するデモンズドライバーに搭載された人体強化エンジン"O.V.E.R."である。内部に悪魔を内包してシステムの中枢として稼働させていたデモンズドライバーを使用者に潜む悪魔の力のみを抽出させることで、汎用性を高くさせたものである。

 

「よし、どう改造するかまずはしっかり設計しよう。」

 

ライダーシステムを少しでも安全なものにしたい。その彼の思いは嘗てベルトのデメリットを度外視して使用してしまい命を落としたからこそ生まれたのだろう。

 

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紅葉の季節、龍也は個性使用禁止のアマチュアキックボクシングの大会デビューを果たしていた。

 

「そこや!右!右!」

 

中学生を対象とした大会で2年生や3年生もいるトーナメントの中、中学1年生である龍也は健闘して決勝戦まで駒を進めていた。セコンドに付く父の指示で相手選手のガードを大振りの右フックで崩せば、左ストレートを顔面に打ち込む。

 

「頑張って!龍也…」

 

客席からは母と姉、それにジムの仲間達が声援を送っていた。

相手は3年生であるが龍也の攻勢に対して少し後退していた。父譲りのパンチ力を持つ龍也は蹴りと殴りを上手く使って確実にダメージを与えていた。

そしてお互い距離を取って向き合う…

 

(そこだッ…!)

 

相手選手のガードが少し下がった隙を突いて右足を振り上げて放ったハイキックが顎を撃ち抜いた。

脳が揺れて相手選手が倒れたのを見てレフェリーが試合を止める。これ以上の戦闘は続行不能と判断し龍也のKO勝利が宣告された。

 

「よっしゃ!」

 

「ようやったで…!」

 

リングの上で龍也は父と喜びを分かち合い、客席で応援していた者達は手を叩いて喜んでいる。

 

「流石龍也…俺も頑張らないと…」

 

「私も負けてられないわね…」

 

その戦いに尾白と桃香も喜びつつ、自分の中の闘志と向上心を刺激されていた。

そして、勝者である龍也にとって嬉しいことは大会の優勝だけではなかった。

 

「完成した!」

 

大会の一週間後、彼の手の中には目玉の様な球状の機械が収められていた。

以前思いついたO.V.E.R.システムを生かしたキメラドライバーの新たな動力源であり、その名もBEYOND。

ギフの瞳を解析し、因子を少し取り出して機械と融合させて作りだした小型のリアクターでクリーンなエネルギーを作り出してキメラドライバーの動力にすることだけでなく余剰なエネルギーを抑えて変身者の負担を減らす。勿論他の副作用も抑えれる代物だ。

 

「後は調整とテストだ。」

 

BEYONDをキメラドライバーの内部に搭載して後はどのようなエネルギーが流れるかの解析や調整を行う。

実験までもしっかり慎重かつ丁寧に行うのは以前の二の舞を起こさない為である。

 

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そして、少し雪も降り始め年を跨いだこの時期、一年かけて開発されたキメラドライバーは遂に完成した。

以前に龍也が使ったベルトと違い安全な動力が内部で生成され、かつ適切に使われることで変身者の肉体に負担を一切かけない様に設計、製作されていた。

そして、実験や調整の末に完全に安全であることが保障された。

 

「さあ、実験を始めようか。」

 

誰もいない廃工場の中で、龍也は嘗て愛した仮面ライダービルドと同じ言葉を口にしてキメラドライバーを腰に巻き付ける。

 

『ツインキメラ!』

 

以前手に入れたキングクラブバイスタンプとクロコダイルバイスタンプの2種の生物遺伝子データを掛け合わせて作られたツインキメラバイスタンプ。その上部にあるアクティベートノックを押して起動させるとベルト右側に装填する。

 

『キング!ダイル!Come on!キメラ!キメラ!キメラ!』

 

そして龍也は20年以上憧れて、10年以上口にするのを待ちわびたあの言葉を己の口から発する。

 

「変身!」

 

『スクランブル!キングクラブ!クロコダイル!仮面ライダーキマイラ!キマイラ!』

 

ベルトに付いたバイスタンプを一度押し倒すとキングクラブとクロコダイルのエフェクトが現れ、鋏と顎が龍也の身を挟むように閉じる。

蟹と鰐、2種類の生物の意匠が所々に見られるオレンジ色の装甲が彼の身を包む。

そうして彼は、重厚な装甲を持つ戦士、仮面ライダーキマイラへの変身を完了させる。

 

「うおおおおおぉぉぉ!!!」

 

この瞬間を彼はどれだけ待ちわびていたのか。

二度目の人生にしてようやく訪れた歓喜の瞬間を、彼は雄叫びを上げて味わうのであった…

 




解説
大崎隆弘
龍也の父親で元格闘家
現在はジムを経営している。
以前はボクシングを中心に教えていたが子供達の影響を受けてキックボクシングや総合格闘技も学べる様にジムをアップデートしていったスーパーお父さん。
自分もキックボクシングの大会に出て優勝しておく行動派

尾白猿夫
龍也の初めての友人
少ない出番ではあるが彼と切磋琢磨した結果キメラドライバーに搭載されたBEYONDが生まれた。
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