僕のヒーローアカデミア Legend of Chimera 作:夢野飛羽真
仮面ライダーシーカーは僕好みのキャラでしたね。
ジュウガの活躍も見れて満足です。
『2236m...』
「2000m越えってマジかよ…」
「4桁ってエグイな!」
入学早々、雄英高校1年A組の担任である相澤によって突如開始を宣言された個性把握テスト。
そのデモンストレーションに指名された龍也の好記録に一同興奮を隠せない。
それと共にこのテストが個性を使ってスポーツテストを行い、自分の実力を示すというこのテストの内容をこの場に居る生徒たち全員が把握した。
「何これ!面白そう!」
「個性思いっきり使えんだ!流石ヒーロー科!」
「面白そう…か…」
喜んでいる生徒達の発言に対して相澤がポツリと呟く。
それを聞いて生徒たちはまた彼の方に注目する。
「ヒーローになるための3年間、そんな腹積もりで過ごす気かい?」
とある生徒の浮かれた発言を指摘し、未だ気が引き締まっていない様子の生徒達に彼は残酷な条件を突き付ける。
「8種目トータル成績の者は見込みナシとして除籍処分としよう…」
「「「ハァー!?」」」
「生徒の移管は俺達の自由!ようこそ!これが雄英高校ヒーロー科だ!」
入学早々誰かが退学になってしまう。
そんな条件を突き付けられて多くの者が困惑するが、実力のある生徒達の目には既に闘志の炎が灯っていた。それは龍也も例外ではなかった。
(なるほど、僕は恐らく最下位の心配はない。良い実験の機会だ。仮面ライダーキマイラの得意分野と足りない部分をここで見極める。)
入試でのヴィランポイント最多である茶髪の生徒、爆豪勝己や推薦入学者で赤と白で髪色が左右に分かれている轟焦凍とポニテ女子の八百万百は個性把握テストにおける成績トータルのランキングで1位になろうと考えているのに対して、龍也はあくまで仮面ライダーキマイラの状態で様々な種目をこなすことでどういう機能が不足しているのかを探し出そうとしていた。
(個性使用しにくい環境だったり、中学時代はずっと個性禁止のスポーツテストなんてしてたからこういう性能テストの機会が中々無かったからね。僕が仮面ライダーキマイラの力を改めて理解する良いテストになりそうだ。)
広大な屋外という環境で仮面ライダーキマイラの性能を調べる機会はこれまであまり無かった。
勿論、ラボラトリーで行き来できる研究室空間は機材が大量に置いてあるのでド派手に動くことは出来なかった。
相澤により行われる個性把握テストは龍也にとって非常に合理的なものとなるだろう…
第1種目 50m走
「さて、この競技は…」
最初の種目は50m走。
自分の個性を使って如何にこの短距離を速く走るかが肝になる。
丁度先程ふくらはぎに個性でエンジンブースターの様なマフラーが付いているメガネの生徒はブースターから炎を吹き出しながらその推進力で加速して走っていた。
「よーい、スタート」
それに対して龍也は変身した状態で50mを普通に走り抜けていった。
『記録、3.0秒!』
(うーん、思ってたよりは遅いかな…)
一応現時点で出ている記録よりもいい数字ではあるが、キマイラ変身時の速度には少し不満気味であった。
仮面ライダーのカタログスペックでは走力が100mを1秒~4秒で走ることができ、50mを3秒と言うのはそういったライダー達のカタログスペックに比べれば少し物足りなかった。
第2種目 握力測定
続いての種目は握力測定だ。
背中から生える手を何本も伸ばして握力系を一気に握りしめる障子や、万力を使って圧力をかけている者もいる八百万等各々記録を残していく中、龍也が変身した仮面ライダーキマイラがその手で握力系を握りしめる。
「あっ…」
その時、バネが押し潰れて金属が破断する音が彼の手元から鳴り響いた。
「どうした…?」
「こ、壊しちゃいました…」
仮面ライダーに変身することで筋力等もかなり強化され、握力も勿論かなり強くなっている。
恐らくt単位の握力を発揮するキマイラだが、そのパワーに握力計が耐えきれなかった。
「許容荷重をオーバーしたのか…仕方がない記録は無限だな。」
「ありがとうございます。」
本来数t程の力が加わっても壊れない様に設計されているが、それを超える力で握りしめられてしまい限界を迎えた握力計はただの鉄塊と化す。
測定不能なその握力に相澤は無限と記録する。
「私の記録が…」
あっという間に自身の記録を超えられてしまった八百万は驚きを隠せない。
第3種目 立ち幅跳び
「ハアッ…!」
キマイラが勢いよく地面を蹴って飛ぶと10m以上飛び上がる。
『記録36.6m』
「嘘だろッ…!」
爆破の推進力で高く飛んでいた爆豪は自分以上の好記録を叩き出した龍也の存在に驚きを隠せない。
(ライダーシステムのスペック的にはこんなもんかな…)
第4種目 反復横跳び
(機動力はまだまだかな…)
反復横跳びをしながら龍也は考えていた。
周囲よりは良い記録こそ出せているがこれは変身による筋力強化の恩恵だ。
シンプルな機動力では一部の生徒に劣るだろう。
『記録、176回!』
(ここは技術で補うしかないか。)
スピードに関しては物足りなさを感じつつもここは己の格闘技技術で補うしかないと考える龍也であった。
第5種目 ボール投げ
(今度は蹴りでッ…!)
ソフトボール投げは2回投げる機会を与えられており、デモンストレーションを行った龍也ももう一度投げることになっていた。
『クロコダイルエッジ!』
2投目では先程の1投目とは違い、足にワニのエフェクトを纏わせて野球のバットのように振るい、ソフトボールを蹴り飛ばす。ホームランの様な弾道でボールはより高く、より遠くへ飛んでいく。
『記録…2456m』
「さっきより伸びた!」
蹴りで先程以上の好記録を叩き出して思わず龍也自身もガッツポーズをする。
だが、彼にとって喜ばしくない事態も起きようとしていた。
「緑谷君、大丈夫かな…?」
他のクラスメイト達は大記録を出せているのに対して龍也の友人である緑谷出久は未だ平凡な記録しか出せていない。
なんなら個性を使っている様子を見せておらず最下位の3文字が自然と思い起こされていた。
「緑谷君はこのままだとまずいぞ。」
眼鏡をかけた男子生徒、飯田も彼のことを気にしている。
「ああ?たりめーだ!無個性の雑魚だぞ!」
「無個性!?彼が入試で何を成したのか知らないのか!?」
緑谷と幼馴染の爆豪からすれば、緑谷は無個性の少年だった。自分とかかわってきた間個性があるという様子を見せることは無かった。だが、飯田や麗日は入試の際この目でしっかりと見ていた。
"緑谷出久が超パワーで0Pヴィランを撃破する様子を"
(緑谷君、無個性なの?けど、無個性なら合格なんてできない筈だ…爆豪君は一体何を言ってるんだ…)
龍也からしても無個性で雄英入試に受かるというのは信じ難い話であった。
そもそも、知り合った際には緑谷は彼に個性を使うための体力トレーニングとしか言っていなかったので、個性があるという方の意見を信じて見守るしかなかった。
『記録…46m』
(このままじゃまずい…)
また出てしまったのは平凡な記録。
その後緑谷に詰め寄っていく相澤の様子を見て龍也も心配で心臓の心拍数が徐々に上がっていく。
(頼む…決めてくれ…!)
「指導を受けていた様だが…」
「除籍宣告だろ。」
皆が緑谷出久の2投目に注目している。
そして龍也も友人の大記録を心の中で祈っていた。
「スマーーーーーッシュ!!」
その時出久の指に押し出されて手から離れたボールは勢いよく飛んでいく。
恐らく彼の手からかなりの威力で押し出されたのだろうか、かなり遠くの方へと飛んでいくボールにクラスメイト達は驚きの表情を隠せない。
(なるほどね、あんだけのパワーにまだ体が耐えきれていないのか…トレーニングもきっとパワーに耐えるための体作りのためにやってたんだね。)
だが、龍也はふと気付いていた。
内出血して赤黒くなってしまっていた緑谷の右手人差し指に…
そこから緑谷の持つ個性が超パワーではあるが体が耐えきれないほどのパワーであると龍也なりに分析していた。
『記録…705m』
「先生…!まだ、動けます!」
第6種目上体起こし&第7種目長座体前屈
「いやー変身したままやるもんじゃなかったな…」
「そうだね、ベルトが邪魔そうだったよ。」
この2種目において龍也は変身した状態での記録を測ろうとしたところ、ベルトが邪魔をしていい記録が出せなかった。
残念そうにしている仮面ライダーキマイラの肩をポンポンと叩いて慰めてくれる尾白にサムズアップして彼らは最後の種目に挑む。
第8種目 持久走
「バイク乗るってアリなの!?」
持久走で圧倒的な記録を残したのは推薦入学者の八百万であった。
彼女の個性創造で作り出されたスーパーカブに乗ってエンジンの飯田や爆破の推進力で進む爆豪、足元を凍らせて滑る轟はもちろん、普通に走っている龍也も追い抜かれていく。
(絶対、バイク作ろう。)
その様子を羨ましそうに見ながら龍也は自分のマシンが欲しくなってしまっていた。
やはり、仮面ライダーになったのだから専用マシーンがあった方が良いなと思いながらゴールしていくのだった。
そして、8つの種目を終えて相澤によって個性把握テストで行われた種目の合計スコアのランキングが示される。
(ふむふむ、3位か)
龍也の順位は3位であった。
幾つかの大記録を出すことは出来たが全種目で記録を残し続けた推薦入学者の八百万や轟には敵わなかった。
(緑谷君…)
だが、龍也にとっては自分が1位を取れなかったことよりも友人である緑谷出久が最下位になってしまったことの方が悲しかった。このままでは相澤の言う通り除籍処分になってしまう。
「あ、因みに除籍ってのは嘘な」
「「「え?」」」
だがその時、相澤の口から驚くべき一言が発された。
「君達の全力を量るための合理的虚偽」
「「「え~~!?」」」
「完全に騙された…」
まさかの除籍処分の話は嘘であったということに生徒一同驚きを隠せなかった。
「とりあえず資料とか机の上に置いといたからしっかり目通しとけ。今日はこれで終わりだ。」
龍也達にとって波乱の幕開けとなったヒーロー科初日がようやく終わった。
クラスメイト全員が無事に初日を終えることができて、龍也は安心しながら帰路に就くのだった…
次回はいよいよ対人戦
書くのが楽しみです。