ドールズフロントライン ~サムライ/ドライブ~   作:弱音御前

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新年が始まったと思ったらもう1ヵ月が過ぎ去った今日この頃、皆様、いかがお過ごしで
しょうか?
どうも、弱音御前です。

これもまた早いもので、今作サムライ/ドライブも8話までやってきました。
3チームそれぞれの行動が終わり、本日は帰還フェイズです。
みなさんも指揮官と一緒に戦術人形の娘達をお出迎えしていただけたら幸いに思います。
それでは、本日もごゆっくりとどうぞ~


サムライ/ドライブ 8話

 仮設キャンプ兼HQ

 

 

 対ELID特殊部隊による教導任務が開始されたのが午前のこと。

 ランチタイムを跨ぎ、午後のティータイムに差し掛かろうという時点で、指揮官は3チーム全ての任務完了報告を受けることができた。

 当基地では初となるELIDとの戦闘ということで、僅かながらも不安が付き纏っていた指揮官であったが、負傷者を出すことなく終えられたようで一安心。

 収集したデータの解析をスタッフに任せ、指揮官は大切な部下の娘達をお出迎えすべく、HQの外で待機中である。

 

「こんなところでわざわざ待ち構えなくてもさ。あなたは指揮官なんだから、中でドンと構えてりゃいいじゃない」

 

「みんな、慣れない任務で大変だっただろうからさ。これくらいの事はしてあげたいなと思って。45は中で待ってていいよ」

 

「指揮官がここにいるのに、副官の私がのんびりしてるわけにもいかないじゃん。一緒に待って

ますよ~だ」

 

 言いつつも、45は指揮官が指示してもいないのに、みんなに渡すためのタオルや携行食料やらを大量に抱えてきている。

 普段からあまり表には出さないが、実に仲間想いな45に指揮官は苦笑を返す。

 

「お? 第一陣が戻ってきたみたいね」

 

 45が指さす方へと目を向ける。

 まっすぐに伸びたメインストリートの先から、こちらへと歩いてくる人影が指揮官にも視認できる。

 

「このタイミングだと、バートンのチームかな。一番早く完了報告をくれたから」

 

「そうね。一人だけやたらと背が高いのがここからでも分かるもの」

 

 向こうからも指揮官たちの姿が確認できたのだろう、バートンがブンブンと元気よく手を振っている。

 それに倣って手を振っている隣の娘はタボールか。

 

「あれ、端っこにいるのファマスよね? なんか元気なさそうだけど、ケガでもしたのかしら?」

 

「負傷者が出たって報告は聞いていないからな。慣れないELID戦で疲れたんじゃないのか?」

 

「あのストイックなファマスが? タボールがへこたれるのならわかるけど・・・」

 

 バートンとタボールが元気そうな半面、ファマスは肩を落として項垂れたままである。

 少し心配に思える様子だが、残りの2人は気にしている様子はないし、普通に歩いている。

 

「ただ~いま~! 無事に帰ってきたよ~!」

 

 バートンも大声でああ言っているので、問題はないのだろう。

 

「みんなお疲れ様。タオルと軽食を用意してるから、受け取ってしばらく休んでいて」

 

 普通に会話ができる距離までお互いが近づいた・・・その瞬間だった。

 

「じぎがんどのぉ~~~!」

 

 今まで元気なさそうに見えたファマスが突然に駆け出したかと思えば、指揮官に抱き着いてきたのだ。

 

「っとぉ! ど、どうしたんだ、ファマス!?」

 

 困惑しつつもファマスの身体を抱きとめる指揮官。

 そんな指揮官を間近で見上げつつ。

 

「わだじぃがんばりまぢだぁ~~。がんばっでゾンビをやっづけてぎだんでずぅぅ~」

 

 涙をボロボロとこぼしながら、ファマスはまるで泣きじゃくる子供のようである。

 

「そ、そうなんだ? よく頑張ったね、えらいえらい」

 

 そんなファマスを指揮官は頭をナデナデしながら慰めてあげる。

 本来、こんな事を目の前でやろうものなら、45は一発で拗ねモードに入るところなのだが、

今回は目を丸くして立ち尽くしてしまっている。

 〝凛〟という言葉の体現みたいな立ち振る舞いで、戦術人形の娘達からの人気も密かに高い

ファマスがこれだけぐずぐずになってしまっているのだ。

 さしもの45も指揮官と同様に驚きを隠せていない。

 

「ファマス、ようやく元気が出てくれたみたいだな。これも、大好きな指揮官のおかげってことなのかな?」

 

「普段は強がりまくっているくせに、可愛いところもありますでしょう? ファマスさんのそんなところがマジでタマリマセンノ~」

 

「2人ともさ、ファマスに何かあった? 戦闘、上手くいかなかったとか?」

 

 依然、ファマスをなでなでしてあげつつ、後ろで傍観していたバートンとタボールに質問する

指揮官。

 

「いやいや、タボールもファマスもよくやってくれたよ。もう、単独でもそれなりの数のELIDを

相手に出来ると思う。でも・・・ちょっとだけ厳しくしすぎちゃったのならゴメンよ」

 

「それは気にしなくてもいいよ。任務なんだから、厳しいっていうのはうちの娘達は承知してるから」

 

「そうですわ。その代わりに、私の練度は確実に向上したのですから。ファマスさんだって、私と同様に頑張っていたのですよ? ・・・あ! ファマスさんの横にELIDの影が!」

 

 明らかにからかった様子でタボールが言う。

 仲良しな2人がよく見せる掛け合いだ。いつものファマスは、そんなタボールをさながら右から左へサラリと受け流すのである。

 しかし、今回は勝手が違ったようで、ファマスは涙で赤くなった目でタボールをキッと睨みつけると。

 

「こんなとこにELIDが居るわけないでしょ! この〝&#‘$8〟タボール!」

 

 さすがに伏せ字にしたくなってしまうほどのスラングを吐き出したのである。

 

「うわぁ・・・あのファマスがこんな口汚い言葉使うなんて」

 

 これには45もドン引き。

 

「ぅ・・・さすがに今の言われようはちょっと傷つきましたが、とにかく、覚えることも覚えましたし、私達のチームは大成功と言って差し支えなくってよ」

 

「んじゃあ、バートンチームはこれにて無事に任務完了ってことで。イェ~イ」

 

 パチン、と笑顔でハイタッチを交わすバートンとタボール。

 ファマスももう少し時間が経てば落ち着いてくれるだろう。それから、改めて感想を聞くことにした方が良さそうだ。

 45が支給品を渡すと、3人は休憩所へ。残りの2チームが戻るまでしばしの休憩である。

 

「さて、次に帰ってくるチームは・・・」

 

「報告の順だと、ウェスカーのところじゃないかしら?」

 

 ウェスカーのチームは3チームの中で、一番HQからの距離が遠いエリアでの任務に就いていた。最後に報告が来たクリスチームよりも遅くなる可能性も十分に考えられるのだが。

 

「ウェスカーチーム、無事に帰還した」

 

「うぉわぁ!!?」

 

「ちょ! い、いつの間に帰ってきてたの!?」

 

 声に驚いて振り向いてみると、そこにウェスカーチーム3人の姿。

 バートン達とのやりとりに気をとられている間に帰ってきていたのだろう。

 やり取りが落ち着くまで待っていてくれたのはありがたいが、それにしても、指揮官はともかく45まで気が付かないとは、流石の隠密能力である。

 

「そんな驚く事ないじゃない。失礼な奴ね」

 

「びっくりしたそのご様子もとても素敵でしたよ、指揮官」

 

 バートンの方特にファマスが大変そうな様子だったが、こちらは3人共相変わらずといった感じだ。

 ケガをしている様子も無ければ、服装に乱れなども見られないので任務は上出来だったのだろう。

 見て分かるようなことをあえて聞いてしまうと、ワルサーなんかはとても嫌な顔をするので、

聞くことはしない指揮官である。

 

「こほん・・・みんなお疲れ様。滞りなく任務をこなせたようで良かったよ。2人とは上手くやれたかな、ウェスカー?」

 

「ああ、とても良い性能の2人でこちらも助かった。本人達にも話したのだが、ぜひ私達STARSに助力を願いたいものだ」

 

 雰囲気からして、ウェスカーは世辞を言うような娘ではない。本当に2人の腕を褒めてくれているというのは指揮官としても鼻が高いというものだ。

 

「そう言ってもらえるのは嬉しいね。グリフィンとSTARSの上層部で折り合いが付いたら、その時は喜んで協力させてもらうよ。もちろん、ワルサーと9A91がそのつもりなら、だけど」

 

「私は構わないわ。グリフィンの仰せのままにって感じ」

 

「私もです。ワルサーと組むのなら、きっと上手く任務をこなせると思います」

 

 2人の良い返答が聞けて安心したところで、ちょっとした異変に気が付く。

 基地ではこれまであまり関りになっていなかったはずの2人なのだが、どことなく仲が良さげに見えるのだ。

 いつもやたらと指揮官に絡んでくるはずの9A91はワルサーの横に並んだままだし、誰かが

近くにいると距離をとりたがるワルサーは、そんな9A91を気にした様子もない。

 

「そっか。じゃあ、その時は君たち仲良し2人組に任せるとするよ」

 

「はぁ? 誰が仲良し2人組だってのよ?」

 

「そう・・・ですね。任務を一つこなしただけですので、まだ仲が良いとは言えませんよね」

 

「いや、別に仲が良くはないって思ってるわけじゃないけどさ。アンタがそう思ってるんなら、私はそれでもいいんだけど。その・・・アンタが嫌じゃないなら。って、何でアンタは笑って見てるわけ!?」

 

「いやぁ、いつも通りのキミだなって思ってさ」

 

「なんでしたら、私の事を見て微笑んでいただいても構いませんよ、指揮官」

 

 グリフィン基地で割とよく見られる光景が展開される。

 もう慣れっこになっている45にとってはどうということはないものだが。

 

「仲間が多いキミ達が羨ましい」

 

 外部から見れば、それは少し珍しいもののようで、ウェスカーが45にそう呟いた。

 

「そっちにだって仲の良い姉妹がいるじゃない。それでも足りないっていうなら、私達がいるんだし」

 

「我々もキミたちの仲間になっていいのだろうか?」

 

「一緒に任務をこなしたんだもの。少なくとも、うちの娘達はもう仲間だと思ってるでしょうね」

 

「そうか・・・そういうものなのだろうな」

 

 どこか寂しげな響きの言葉を残して、ウェスカーが踵を返す。

 

「ウェスカーが行ってしまいますよ。私達も行きましょう、ワルサー」

 

「ちょ、分かってるから引っ張らないでよ!」

 

「残りのチームが帰ってくるまで、ゆっくり休んでてね~」

 

 HQへと戻っていくウェスカーチームを手を振って見送る指揮官。

 

「にしても、ワルサーと9A91が仲良さそうにしてるってのは意外だったかも」

 

「そう? 俺はけっこう上手くいきそうだなって思ってたけど」

 

 2人とも、相手に対して素直に気持ちを表現できない者同士だ。今回のようなちょっとした

きっかけがあれば気が合うのだろうという予想はできていた。

 

「ホントに~? 指揮官だからってカッコつけて言ってるんじゃないの?」

 

「そんな見栄っ張りじゃないっての」

 

 からかってくる45を右から左へと受け流しつつ、最後に残ったクリスチームの帰りを待つ。

 10分・・・

 30分・・・

 1時間・・・と、いくら待ってもクリスチームが姿を現す様子は無い。

 

「いやいや、流石に遅すぎるよな。クリスのチーム、一番初めに帰還報告してきたのに」

 

 初めは少しくらい遅かろうが落ち着いて構えていた指揮官だったが。

 

「何回やっても連絡とれないみたいね。どうする? 捜索隊を出そうか?」

 

「そうだな、もう待っているのも限界だろう。待機してる娘達とSTARSに協力を」

 

「待った、指揮官。あれ、クリスのチームじゃない?」

 

 45の目線の先を追ってみると、こちらに向けて近づいてくる人影を確認できる。

 他の何者かということもなかろう、クリス達のようやくの帰還に安堵の息をつく指揮官。

 手を振る指揮官に、少し戸惑ったようにしながら返すのはクリスか。

 そんなクリスの後ろに続いている2人、ネゲヴと57は肩を落としたままで、まるでELIDかの

ようだ。

 

「な、なんか無事みたいだけど・・・ファマス以上に項垂れてるな、あの2人」

 

「ネゲヴはホントいい気味として、57まであんなに参ってるのは珍しいわね」

 

「確かに。それだけ疲れたんじゃないのか?」

 

 首をひねりながらも、3人が近づいてくるのを待つ指揮官と45。

 そうして、3人の姿をハッキリと視認できるようになって、指揮官たちは度肝を抜かれることになる。

 

「ちょぉ!? 2人とも血だらけじゃないか!?」

 

「すぐ医療班呼んでくるから、そこで大人しくしてなさい!」

 

 全身、頭から足元まであますところなく血まみれのネゲヴと57を見て、しかし、すぐに思考を切り替えて対応にうってでれたのは流石といったところか。

 

「いや、これ私達がケガしたわけじゃないから」

 

 すぐさま駆け出そうとした45を57が呼び止める。

 

「ケガしてないって、その見た目で? 本当に?」

 

「本当よ。これ、全部ELIDの血肉だから」

 

 もううんざり、といった様子のネゲヴがその場で地面に腰を降ろす。

 ネゲヴは長物の銃器を携えていることもあって、スプラッター映画さながらの見てくれである。

 

「少し無茶をさせてしまったようで申し訳ありませんでした。お2人の無事は私が保証しますので」

 

「いや、キミが責任を感じることはないよ。任務となれば自己責任がグリフィンの基本だから」

 

 困り顔のクリスを宥める指揮官。

 当のクリスはというと、ネゲヴ達と一緒にいたのだろうに服装に汚れ一つ見受けられない。

 スマートに戦う術を身に着けているのも、エキスパート部隊と呼ばれるが所以なのだろう。

 

「しかし、随分と帰りが遅いものだから何回か連絡したんだけど、どうして出れなかったの?」

 

「通信機がこのザマじゃあ当然だってのよ!」

 

 突然にキレだしたネゲヴが、ジャケットから取り出した通信機を地面に放り投げる。

 

「うえぇ・・・」

 

 ネゲヴ達の身体と同様に血まみれの通信機を見て、指揮官は思わず顔をしかめる。

 水に対してはもちろんの事、あらゆる耐性を持たせている通信機が故障したのを見たのは初めての事だ。

 もしかして、ELIDの体液にはなにかヤバい性質があるのではないかと考えてしまった指揮官だが、とりあえず、この場では言わない方がいいだろう。

 

「もうヤダ! 私、もう絶っっ対にELID退治なんてやらないから!」

 

「ちょっとネゲヴ、そこまで言わなくたって」

 

「だって、こんなになってもいい事これっぽっちもないんだもの! なのに、アンタはなんで平然としてられるのよ、アタマおかしいんじゃないの?」

 

「私だって任務だから我慢してやってるの! 私の気も知らないでぶつくさ文句ばっかり吐いて。いい加減にしなさいよ、このヘボスペシャリスト!」

 

「対ELIDのスペシャリストなんて私の知った事か! 最強部隊の二番手だからって図に乗るんじゃないわよ!」

 

「何よその言い方! ケンカ売ってんの!?」

 

「ええ、90%オフの大セールで売ってやるわ! ありがたく買いなさいよね!」

 

 そうして、取っ組み合いのケンカに発展する2人。

 日常的に基地で見かけるような戯れではなく、激しい罵声も飛び交うガチなやつだ。

 

「2人とも、こんなとこでケンカするなよ!」

 

 まるで、猫のケンカのように地面を転げまわる2人を追いかけながら制止を試みる指揮官だが、全く聞き入れる様子はない。

 

「あの・・・これもお2人が言っていたグリフィンの仲間同士の冗談というものなのでしょうか?」

 

「そ、そうそう! 大したことじゃないから、キミは気にしなくていいからね!」

 

 心配そうに見ているクリスを宥めるように指揮官。

 いくら素直そうなクリスとはいえ信じてくれるかは分からないが、その時は彼女が上手く察してくれる娘であることを祈ろう。

 

「45、さっきから眺めてばかりいないで2人を止めてくれよ」

 

「指揮官が言ってダメなら私じゃあ無理よ」

 

「それなら、力づくで止めるとかさぁ」

 

「指揮官、あの2人に触りたいと思う?」

 

「・・・・・・コーラップス液が人間に及ぼす影響は計り知れなくてな」

 

「自分に出来ない事を他人に要求するのはどうかと思う」

 

 結局、45が2人の間に割って入ることでようやくバトルが終結する。

 決着がつかずに終わったことでまだ不満げな両者ではあるが、指揮官の言葉に耳を貸せるようになればこっちのものである。

 

「2人とも、クリーニングルームで身体を洗ってついでに頭を冷やしてくること。いいね?」

 

 再び再燃しないよう、45にネゲヴと57の付き添いを頼んで送り出す。

 これで全チームが無事に戻り、さしあたっての問題も片付いたことになる。

 事実上の任務完了を迎え、指揮官も一安心というものだ。

 

「あの~、さっきのは本当に私が悪い事をしてしまったのではないのでしょうか?」

 

「大丈夫だよ、放っとけばすぐに元通りだから。それよりも、キミの方が大変だったんじゃないか? あの2人の性格、扱いづらくて仕方なっただろう」

 

「そのような事はありません! お2人とも素晴らしい戦闘技術をお持ちでしたし、私の事を

気遣って色々なお話もしてくれました。私としても、とても有意義な時間を過ごせましたよ」

 

「おぉ~、あの2人がねぇ」

 

 特にネゲヴにおいては、クリスに対してかなり偉ぶるだろうと予想していたのだが、さすがに、初体面の部隊が相手だったので借りてきた猫状態だったのか?

 クリスに悪い印象を与えなかったのなら、上出来である。

 

「さぁ、私達も戻りましょう」

 

「ん、そうだね」

 

 そうして、2人して歩き出した矢先だった。横に並ぶクリスの手が指揮官の手に触れた。

 恐る恐る、指揮官の手を探るように何度も触れては離れて、宙を彷徨うクリスの手。偶然に触れてしまった、というわけではなさそうな様子だ。

 突然のことで内心驚き、視線を下げる指揮官。

 

「す、すすすすみません! ご不快な思いをさせてしまいましたか!?」

 

 指揮官の様子に気づき、飛び上がって距離をとるクリス。

 耳まで赤くしているそのあまりの驚きように、なんだか指揮官の方が悪い事をしてしまったような気になってしまう。

 

「不快だなんて、そんな事は無いよ。手、繋ぎたかったの?」

 

「あぅ~・・・その~・・・」

 

 コクリ、と視線を下げたまま頷くクリス。

 これまで指揮官という存在と顔を合わせたことが無いと言っていた娘だ、ネゲヴと57がきっと指揮官の事を話していて、何か思う事があったのだろう。

 ここであまり話を掘り下げすぎて彼女に恥をかかせては、指揮官失格である。

 

「45に見つかるとウルサイから、こっそりとね」

 

 クリスの手を拾い、優しく握ってあげる。

 指揮官がクリスの指を覆うようなその握り方は、男女間のそれというよりは、親子間のような

繋ぎ方である。

 

「ありがとうございます、指揮官さん。・・・えへへ」

 

 ただ、本人はこうして子供のように嬉しそうにしているので、その表現はあながち間違いではないだろう。

 嫉妬深いお姫様に見つかってしまわぬよう、距離を保ちつつ指揮官達も本部テントへと戻って

いくのであった。




各々大変なところはありましたが、一応は無事に帰還と相成りました。
しかし・・・まぁ、バイオの原作でもそうであるようにそう易々と終わらないのがホラーゲームというもの。
次回はもうひと頑張りしてもらうようになる、かもしれませんね。

毎度のことながら、定期更新となりますのでお時間があったら是非ともお越しください。
以上、弱音御前でした~
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