本作一応原作沿いですが、原作主人公との絡みはまだ先です(今更)
宙を舞うクナイに気を取られ、がら空きになった胴に渾身の一撃を打ち込む。手応えは確かだ。血相を変えて逃げていく姿を滑稽に思いつつ、落ちたクナイは咄嗟に拾えない位置まで蹴り飛ばした。
「勝負ありだ。残念だったな」
一騎討ちはネジの勝利に終わった。消耗が大きいのは仕掛けた側のアオイで、ネジの方はまだまだ余裕ある。
戦闘中にマシロが現れることはなく、拘束されているヒノメが自力で抜け出すこともなかった。苦しげに咳き込むアオイに声を掛けても返ってくるのは恨めしげな視線だけだ。 どうにか挽回出来ないかと思案しているようだが、力量差は歴然だった。
「やはり鈍った……いや、腑抜けたな。“忍者ごっこ”は楽しかったか?」
精神的に留めを刺そうとネジが揶揄うが、思ったよりもアオイは堪えていないらしい。怯むどころかこの期に及んで笑っている。
「チームの大切さとか、色々学んだよ」
「……まだ笛は鳴ってないけど」
「いいや。お前が降参すればそれで済む」
はっきり優劣がついた状態でネジがアオイの自己満足に付き合う義理はない。
「相手する価値も無いって言いたいの?」
納得いかないアオイがネジに詰め寄りしばらく睨み合いになるが、先に折れたのもアオイだった。ネジの冷ややかな目に譲る気が毛頭ないと分かり、呆れたように脱力する。
「殴りたいなら殴ってみるか?」
「もういい」
勢いを削がれて冷静になったのか、すっかり弱腰に戻っている。悔しそうにしつつ何も言わない。ネジはその無言を降参の合図と受け取った。
「賢明だな」
「……」
行き場のない不満をどうにも出来ず、アオイはそっぽを向いて傍らの木にもたれ掛かった。その当て付けのようなガキっぽい仕草にどこかヒノメの存在がちらついてしまい、ネジは苛立ち混じりに頭を振る。
「向こうはどうなってるの?」
しばらく沈黙が続いた後、今度はアオイの方からネジに問いかけた。
先程アオイが言った通り、笛の音が演習終了の合図だ。あの女上忍相手にリーとテンテンが苦戦しているのか、その音は中々聞こえてこない。
「オレに実況しろと?」
「好きに動いていいなら自分で見に行くよ」
「チッ……」
ネジは仕方なく白眼を四班側の本陣へと向ける。都合よく使われるのは癪だが、ネジとしても戦局は気になっていた。
確認ついでに見たヒノメは特に変わりなく不機嫌そうにこちらを睨んでいる。意識をさらにその先へ飛ばし、林を抜けた。そうして見えたのは──
ネジの想定と掛け離れた光景だった。
リーとテンテンが、マシロを前にして力無く倒れこんでいる。マシロはそんな二人を監視するように佇んでいた。人より体力で劣るマシロに二人が遅れを取るとは思えない。何らかの忍術で不意を突かれたか。
(お得意の影分身だ、な……!?)
顔を上げたマシロと白眼越しに目が合った。
違う、錯覚だ。しかしネジの直感は、自分が次の標的として狙われていると確信した。マシロの落ち着き払った態度が、既に行動を済ませた後だと物語っている。
心臓が嫌な鳴り方を始めた。救援として送られたマシロの分身がもう近くにいてもおかしくない。なのにネジの視界にはその姿はどこにも見当たらなかった。
(どこだ……どこに隠れている!)
ネジが躍起になってマシロを探す様子が、動揺が、アオイからはよく見えた。救援は間に合い、ネジの注意は自分から逸れている。今こそ好機。
「油断したね」
「!?」
アオイが隠し持っていた物を放った瞬間、派手な破裂音と強い光が辺りに広がった。光をまともに浴びてしまい、ネジの目が眩む。
「ッ、この!」
気配がヒノメの方へ駆けて行くのが分かる。阻止しようとネジが手を伸ばすも僅かに届かずすり抜けてしまった。その後を追おうとするあまり、ネジは自分に迫る影に気付かない。
──バチチチチチッ……!!!
耳障りな音と同時に衝撃が全身に回り、思わず膝から崩れ落ちた。起き上がろうにも四肢の筋肉にまるで力が入らない。そんなネジの目の前に、小さな生き物が着地した。一見ではただの鳥だ。しかし……
──ボフン!
変化の解除で発生した煙の中から黒い瞳に覗き込まれる。今度は本物だった。
「やあネジ」
どこにも見当たらなかった筈のマシロがそこにいた。何の感傷も無さそうな冷めた目に気を取られる。その雰囲気が、閃光玉を構えたアオイとよく似通っていた。
『アイツに何が出来るって?』
『あなたに思い付かないこと』
あの会話が頭で蘇った瞬間、ネジの中で四班……特にアオイへの認識が大きく揺らいだ。そうして抱いた感情が、また一つ自分の中にあった
──
「お待たせ!」
後方で起きた騒ぎには目もくれず、アオイがヒノメのもとへ駆け寄った。表情はすっきりとして、先程までのむくれた様子が嘘のようだ。
「アオイ! さっきの怪我は……」
「平気、ちょっと当たっちゃっただけ! あ、クナイ借りるね」
ヒノメへの返事もそこそこに、アオイはホルダーから手早くクナイを取り出し、すいすいとワイヤーを外していく。まるで痛みも疲労も感じていないような素振りだが、血の匂いは誤魔化せるものではない。
「……ごめん、もう少し無理させる」
言いたいことが渋滞して胸が詰まった。今はとにかくこの演習を終わらせたい。
「大歓迎だよ! ここまで来たら、とことんやらないとね」
「それは心強いな」
ヒノメの言葉でにっこりと頷くアオイはいつになく強気な口調だ。そしてヒノメを覗き込み、誘うように笑いかける。その笑顔でヒノメは本当に心が軽くなったような気がした。
「これで……よし」
絡まっていた分銅鎖が緩み、じゃらじゃらと地面に滑り落ちていく。ヒノメは咄嗟にそれを鷲掴んで引き寄せ、手の中の物を確認するように目を凝らした。
「こっから先は罠だらけだ。まともに行ったら間に合わない」
何かをなぞるように、低い声で断言する。
「だからアオイ」
「?」
くい、と目を合わせるようにアオイの頬に手を添え、ヒノメは白眼を発動したまま向き直った。
「抵抗しないで」
アオイが有無を伝える間もなく、チャクラを流し込まれる感覚とともにヒノメの姿がかき消える。
(これって……)
そして見えたのは今いる演習場の景色そのものだ。だが、アオイはその見え方を知らない。飛ぶようなスピードで周辺の木々が手前に流れていき、開けた場所に出たところで視点の移動がピタッと止まった。
「……ガイ先生が凄いところにいる」
「見えたみたいだな」
姿は見えないものの、ヒノメの声は同じ位置から変わらず聞こえる。また視界が切り替わったかと思えば、目の前にヒノメが現れた。アオイの中でチャクラの感覚も正常に戻っている。
この妙な体験は、紛れもなく幻術の作用によるものだ。
「今のがヒノメの見ている景色……なんだよね?」
「そ。罠を踏まずに済む最短経路」
幻術による情報共有など初めてだ。というより、ヒノメが幻術使いであることをアオイは今知った。ヒノメ本人は悪びれもせず先に駆け出し、アオイは面食らいつつも黙ってそれに続く。
(なんだか……ヒノメ
すぐ先ではマシロがネジへ拘束術を仕掛けていた。念入りに体重まで乗せて容赦が無い。
「助かったぜマシロ、良かったらこれ使え!」
ヒノメは回収した分銅鎖をヒョイと放り、脇を走り抜ける。
「来てくれてありがとう!」
アオイも颯爽とそれに続き、マシロは離れていく背中二つを見送った。
「後は任せたよ!」
受け取った鎖をすぐさま活用してくるマシロを、ネジがギロリと睨む。一度は強制的に解除させられた白眼をいつの間にか再び発動し直していた。
「お前、まさか本体か? ……どういう風の吹き回しだ」
「仲間がピンチだから援軍に来たんだ。何もおかしくはないだろ」
マシロは敬語が剥がれているのも気にせず言い捨てる。情報を与える気はないようだが、それでも垣間見た状況から大方は推測できた。
四班の作戦の肝はマシロが身に着けた二つ目の性質変化である雷遁と、何より特殊な移動方法の併せ技だ。
(文字通り
変化して飛び立つ瞬間を目撃しない限り、こんな演習で上空を警戒しようとはまず思わない。アオイの陽動は大成功だった。
「余計なことは考えないように」
分銅鎖が隙無く締まる。抵抗しようにも背後ではいつでも抑え込めると言いたげにバチバチと火花が飛んでいた。チャクラの出し惜しみがない。マシロはネジさえ完封できればそれで良いらしい。
(リー達ならまだ可能性がある)
威嚇で済ませようとするあたり、根本的に甘ちゃんだ。ネジでも痺れは多少薄れている。同じように電撃を食らっていたなら、向こうの二人は先に回復してきた筈。
「フッ……」
ちょうど意識を向けた先で、良いものが見れた。
「何がおかし、い──ああ!?」
「お前の影分身じゃ大した時間稼ぎにならなかったらしいな」
分身が消失したことでフィードバックが起こり、マシロが酷く狼狽えた。それでも腕に込めた力は健在だが、もはやネジにはどうでも良い。
(このまま決めてくれれば十分だ……!)
ネジとマシロでは今更どうすることも出来ない。結末はチームメイト達に委ねるしかないようだった。
──
「よっし……いくわよ、リー!」
落ちた巻物を拾い上げ、テンテンが気合いを入れるように声を上げる。体はぬかるみのせいで泥に塗れていたが、その表情はどこか晴れやかだ。
「押忍! スバル先生、どうか覚悟してください!」
同じく泥だらけのリーが対岸のスバルに向き直った。体にはまだ痺れが残るものの、その闘志には一片の陰りもない。
「……分かった。いつでもおいで」
書類をしまったスバルが挑発するように手招きした。相変わらずの無表情の中で、その目が品定めをするように細められる。
「お望み通り全力よ。悔いのないようにね」
──
ヒノメが示した最短経路を直走りながら、四班の二人はこの先にいるガイとどう当たるかを思案していた。とは言え既に結論は出ているのと変わらない。
「時間も無いし……正面突破かな」
「それだとオレは援護しか出来ねェな」
アオイの呟きにヒノメが苦笑いする。自分が言うよりも先に、いわゆる脳筋の選択肢が出てくるとは思わなかった。色々と吹っ切れて遠慮がなくなった結果がコレなのだろう。悪い気はしない。
「ううん、援護が大事。ヒノメには後ろから手裏剣投げてほしい」
「先生を追い込むように?」
「そう!」
言いたい事を先回りして口にするヒノメに、アオイは嬉しそうに頷いた。だがその提案に対しヒノメは乗り気な訳では無い。
「そん時にどんな動きするか読めねェよ。先生は避けても、最悪アオイに──」
「それでもいいよ」
「あ?」
思わず耳を疑った。並走するアオイの表情が分からないのがもどかしい。
「“腕試し”なんでしょ? ヒノメの手裏剣術、頼りにしてるから」
「……」
何でもないような口振りでそう言ったアオイの真意は分からない。しかし、その言葉は確かにヒノメを煽るものだった。こちらの小心を見透かした上で上手く転がす方法も心得ている。
ヒノメは、自分がとんでもない猫被りと組んでいたのだと理解した。これなら腹黒だと思っていたマシロの方がまだ可愛げがある。
「──フー……いいぜ、そのクソバカ根性に免じて一肌脱いでやる」
「本当? ありがとう!」
ヒノメの内心を知ってか知らずか、アオイはふわふわと笑っている。後で頬くらいはつねっても許されるだろう。そのためにも早急に演習を終える必要があった。
(虚勢で結構)
まだやれる、大丈夫。そうやって自らを奮い立たせるべく、ヒノメはニィと口の端を吊り上げる。
(精々ハッタリ咬ましてやるよ)
──
「……来たか」
下忍と思しき気配が近付くの察知し、ガイが重々しい顔で振り返る。片手の腕力で岩壁にしがみつき、延々と壁登りに勤しんでいる最中のことであった。
ヒラリと体勢を変えたガイは、地上に目を向け不適に笑う。
三班の本陣は切り立った岩山の、その壁面に設定されている。傾斜はきつく、そこに仁王立ちで構えるガイは地面からほとんど垂直でいるのも同然だった。
元々はリーが「頂上に本陣を置いてはどうか」と提案していたのだが、よりインパクトを求めたガイが少しずらして今の位置に落ち着いた。イメージは頂き前にそびえ立つ最後の関門である。
最初こそ賛否あったものの、ガイに近付くためにはチャクラコントロールが必須なこともあり最終的には皆がこの配置に納得した。まともな足場の無い岩壁は生半可な挑戦者を容赦なく振るい落とすだろう。何より、自分達が相手を寄せ付けないように動けばいい。そんな思惑もあった。
(スバルの教え子達も中々やるようになったという訳だな)
どんな手を使って妨害を掻い潜ってきたのやら。三班と比較すれば体力と積極性で劣るとされる四班だが、三班にはない強みもきっとあるのだろう。でなければ、スバルがこの演習ルールを快諾する筈はない。
『そう言えば、こういった形式は初めてだな。そっちは問題無いのか?』
『心配ご無用……フフ、
『!』
子供の頃を思わせる笑みと口振りに込められた思いとは何だったか。はっきりとしたことは分からないが、スバルがこの演習を特別視していることは知っている。
(お前達はどうだ?)
自分の師から向けられる期待に気付いているだろうか? それに見合う意気込みでこの演習に臨んでいるのだろうか?
その問いに対する答えは、間もなく現れた。
茂みの方向から飛んで来た手裏剣が、ガイの足元に一つ二つと突き刺さる。
「標的確認! お願いヒノメ!」
「そこ動くなよ、ガイ先生ェ!」
鋭い声が飛び、演習前とは雰囲気の違う二人が真っ直ぐにガイを見据えた。その射抜くような視線に、ガイは表情を綻ばせる。疑う余地もないほどの熱だ。
「その挑戦、受けて立つ!」
下忍らの熱に呼応するように、ガイもまた気持ちが沸き立つのを感じる。こうやって若人の奮闘を間近で見れるのだから、挑まれる側というのも悪くない。
──
そびえ立つ岩肌は荒々しく、いざ目にした標的は想定よりも遠くに見えた。ガイのいる位置が高過ぎて地面からの援護は届きそうにない。ヒノメも壁登りで接近しなければ話にならないだろう。
(多分チャンスは一回きり)
こんな足場では、時間を掛けてもガイが有利になるだけだ。そもそもスバルの鈴がいつまで無事かも分からない。この一回をものに出来なければ、きっと負けてしまう。
この一回に全てを掛ける。
「行くよ」
「ん」
アオイが足にチャクラを纏わせ思い切り踏み込んだ。最早ヒノメの応答は耳に入っていない。そんなアオイに遅れないよう、ヒノメも自分に出来る最速で後に続いた。それでも尚、アオイは速かった。無防備な背中はあっという間に離れていく。
アオイとガイとの距離が縮まる度に、この瞬間が鮮明になっていった。手裏剣を構える指先は今か今かとその時を待っている。
ガイは目前のアオイを警戒していた。その注意を引くべく、ヒノメが一投目を放つ。
「!」
狙いは上々。ここでヒノメはアオイの背から逸れ、はっきりと自分の位置を意識させる。そして二投目、アオイの狙いとは逆になる位置へ牽制を打つ。そして──
ヒノメの体が、弾かれるように岩壁から離れていく。それが自分で足場を蹴り付けて離脱だと知れたのは、その両手にまだ手裏剣が握られているのが見えたからだ。
(こいつ……!!)
ガイと目が合ったことで、したり顔で笑うヒノメが最後の手裏剣を放つ。放った内の一方はガイの頭すれすれに、そしてもう一枚はアオイの方へ向かっていた。
「悪いね先生」
ガイがその一枚……チャクラで作った幻に気を取られたのを見届け、ヒノメは勝ちを確信した。そして受け身の為に一度地面に向き直る。
「何ィ!?」
後ろで驚愕の声が上がった次の瞬間。
──ピィ────!
─ピィ────!
笛の音が終わりを報せる。間近で聞こえたものと、遠くで鳴る同じものがもう一つ。奇しくも同じタイミングで四班の鈴も奪われてしまったらしい。
(惜しいな……)
引き分けかと残念に思いつつ、ヒノメは一番の功労者であるアオイの方を振り返る。しかし、視線を向けた頂上にアオイはいない。
アオイは頂上から少し逸れた場所、空中にいた。
「……え?」
途中でチャクラコントロールを誤まって体ごと弾かれてしまったのだ。アオイが咄嗟に伸ばした腕は何も掴めず、集中が途切れたヒノメではこの状況で取るべき行動が思い付かない。このままではアオイが真下の岩壁に頭から叩き付けられてしまう。
呆然と固まるヒノメの前を、残像めいた緑色が横切った。
「全く、無茶しよってからに……」
呆れつつも可笑しそうに笑う声でふっと我に返る。気が付けばガイがすぐ隣にいて、担いでいたアオイを地面に降ろすところだった。
「怪我は無いか? アオイ」
「……ハイ!」
胸の前で両手を握り込んだアオイがコクコクと頷く。その元気な様子に満足そうにしたガイが、今度はヒノメに向き直って殊更にニヤリと笑い掛ける。
「油断ならないとは聞いていたが……想像以上だったぞ、ヒノメ! 立ち回りもそうだが、特に術の応用が上手い。まんまと一本取られたよ」
「……ホント?」
「嘘を言ってどうする!」
手放しに誉められても未だに実感の沸かないヒノメだが、アオイが横から抱き付いたことで途端にいつもの調子を取り戻した。
「やったねヒノメ!」
「やったね、じゃねーよこの馬鹿アオイ! 心臓止まるかと思ったわ!」
「ごめんね……でも鈴は取れたからさ」
「反省の色無しか!」
得意げに鈴を掲げて見せるアオイと、その頬を無遠慮につねり上げるヒノメ。和気あいあいとする二人は、いつの間にか気の置けない間柄になっていたらしい。勝敗そのものよりも仲間と成果を共有できることが嬉しいようだ。
「青春してるなァお前達!!」
「どこが!?」
突っ込みに次ぐ突っ込みで心なしか真面目に見えるヒノメが、自分を思い出したようにその場にしゃがみこむ。ようやっと気持ちが落ち着いてきたらしい。
「もう疲れた一歩も歩きたくない!」
「これから片付けもしないとだね……」
岩壁に刺さる手裏剣を見上げながら、アオイも力無く同意した。
「なに、後始末なら心配要らないさ。今日は助っ人を呼んでいるからな」
「助っ人?」
「後は頼んだ!」
ガイがどこかに向けて声を掛けたかと思えば、そのまま流れるようにクラウチングスタートの姿勢を取り、足にグッと力を入れる。
「オレは先に行って待っているとしよう」
「まさか」
「お先に失礼!」
とんでもない勢いで飛び出していったガイを、二人は呆気に取られながら見送った。
「クソ、置いてかれた」
「私達も戻ろっか」
「……だな」
どちらからともなく顔を見合せ、笑い合う。そうして二人はマシロとスバルの元へと足を向けたのだった。
経験値ゲットだぜ。
次回打ち上げ回……のハズ。誰か代わりに書いてくれねぇかな。