「霊夢様が……」
「偽物…?」
「も、も〜何言ってるんですか。めだかさ〜ん! 私はわ た し! 正真正銘の博麗霊夢ですよぉ〜だ」
「冷や汗タラタラで言われてもねぇ〜」
「うっ…」
「はぁ…あながち間違ってないようですね。もしかしてバレたくない秘密とやらに関係あるとか?」
「………」
無言で首肯する霊夢。
ひたすら気まずそうにする霊夢を見て、再び大きな溜息を吐くめだか。
「別に無理に聞き出そうとなんかしませんよ」
「え?」
「それより今は、篠ノ之束の動向及びその目的を知ることの方が大事です。違いますか?」
「ま、今更、秘密の一つや二つ出てきたところでなんてことないわな」
「そもそも霊夢様の存在意義からして謎だもんね」
「み、皆さん……だいぶ酷いけどありがとうございます…! 私…私……ッ!」
「……まぁ、別に貴女のためではないですが、篠ノ之束はきっちりしっかり! 懲らしめてやらないと、ね……」
「あ、あれれぇ〜…? めだかさ〜ん……?」
「まぁ結局のところ、ウチの頭が攫われたことには違いねぇしな…」
「大工のゲンさん…?」
「今こそ虎眼流の真価を発揮する時と見つけたり!」
「牛股さんまで…な〜んか皆さん、恐いなぁ〜…なんて……」
「だまらっしゃい! このパチ霊夢が‼︎」
「傷付いたーーーーッ‼︎ 私、今確実に傷付きましたよ〜⁉︎ やっぱりめだかさん怒ってるでしょーーーー⁉︎」
とにかくこれで次回の温泉旅館におけるジュエルシード騒ぎには、博麗領より精鋭達が駆り出されることとなったのだった。
「シカトですか…そうですか……」
本番当日がやって来た。
「ようこそおいで下さいました。ご予約の御名前はーーー」
「「「「博麗組です」」」」
「ひっ⁉︎」
今の霊夢を除いた博麗領のメンバーは皆、黒いタイトなスーツに黒いサングラスという出で立ちだった。
どう見てもカタギには思えなかった。
「ほう……いい部屋じゃないか……」
「あのめどかさんのキャラクターはいつになったら元に戻るんですか…? 最近やたらと安定してないですよね…?」
「……仕方ないでしょ。それもこれも現地の人たちに迷惑をかけないためなのですから」
「だからってこの服装はないでしょ〜。悪印象ですよぉ……」
「仕方ないですね。アルフやフェイトに変に警戒されてはなんですから…とりあえず浴衣に着替えますよ」
「…なんか凹んでません?」
「うっさい……」
「リアルなトーンでそういうこと言うの止めてくださいよ〜!」
夕飯を各自部屋で済まし、後は風呂に入って夜を待つだけだった。
(あっ。あれは、なのはにアリサ。そしてすずか嬢か…
それにしても原作ヒロイン勢は可愛いな〜。
っていけないいけない! 今夜が勝負なんだ……!
絶対に失敗するわけにはいかないんだ。皆のたもにも……そしてなにより私の秘密(尊厳)を護るためにも!)
決意新たに三人の横を通り過ぎて「あれ? もしかして霊夢さんじゃないですか?」…行くことは出来なかった。
「え、あ、あぁ〜! 誰かと思えばなのはちゃんじゃないの〜!」
(なになに〜⁉︎ こっちの私は主人公と接触しちゃってるわけ〜?)
自分のことながら警戒心を疑う霊夢だった。
「霊夢さんもこの旅館に泊りに?」
「うん。そだよ〜」
「ねぇ、ちょっとなのは。私たちも早いとこ紹介してもらいたいんだけど?」
「あ! ゴメンねアリサちゃん! すずかちゃんもゴメンなさいなの!」
「うぅん。私は全然大丈夫だよ。はじめましてお姉さん。私は月村すずか。なのはちゃんとは同じ学校に通う同級生です」
「私はアリサ。アリサ=バニングスよ。よろしくね! 霊夢」
「フフ。二人共、大人なのね。なのはちゃんも見習わなきゃね〜」
「も、もう! お姉さんの意地悪!」
頬をハムスターみたくプックリと膨らませたなのはが、ポカポカと霊夢を叩く。
「あははは。ゴメンって。あはははーーー「気楽なもんだねぇ〜。それとも私らのこと、ナメてんのかい?」ッ‼︎」
(来たか!)
「あっ!」
(なのはも気が付いた。フェイトは……よし。いないな)
『油断してるとカブッといくよ?』
アルフは念話で威嚇した後にその場を去って行った。
「なによ あの酔っ払い! いきなり絡んできたりして」
「なのはちゃんも気にしないほうがいいよ…?」
「うん…二人共ありがとうなの……あの霊夢さん。後で少しだけいいですか?」
「え? 別に大丈夫だけど……ここじゃダメなの?」
「はい…」
アリサとすずかにチラリと目を向けるなのは。
アリサは友人からなにか秘密にされることを嫌っているためか、かなり不機嫌そうにしており、すずかは怒ってはいないとは言え、どこか悲しげな様子だ。
「…わかったわ。じゃあ中庭でいいかな?」
同意したなのはと二人連れ立って、霊夢は中庭に降りた。
「で、話ってなにかな?」
「実は私………」
「言い難いこと?」
「いえ。そういうわけじゃなくて……実は私、どうしても仲良くなりたい子がいるんです!
でもその子は、私と同じ魔法少女で…ジュエルシードを探していて……ねぇ、 霊夢さん‼︎ 私どうすればいいのかな⁉︎ どうすれば仲良くなって一緒にジュエルシードを探せるようになるのかな⁉︎」
そういうことか……
「大丈夫だよ、なのはちゃん。なのはちゃんもそのフェイトちゃんも、ちゃんと話し合えれば分かり合えるようなる。だからまずは話すことから始めないと、ね?」
「お…はな…し……?」
「そう。お話。出来るよね?」
なのはの瞳に次第次第に覚悟の光が宿っていく。
それから両の拳をギュッと握り締め力強く頷くと「うん! ありがとう霊夢さん‼︎ ちゃんとお話して私のことフェイトちゃんに知ってもらうの!」と言ってその場を後にするのだった。
「ふぅ…行ったか」
「ありがとうございます」
「ん? 君は……「ユーノです」お、お〜! なんだよ〜黙って見てるなんて悪趣味だぞぉ〜?」
「そんなつもりはなかったんですけど……最近、ますます存在感がなくて………」
陰鬱なオーラむんむんのユーノ。
(うわぁ……病んでるなぁ……ま、フォローはしないけどね。メンドいし)
意外と非道な霊夢であった。
「ところで今夜、あの犬の使い魔に加えてもう一人の魔法少女とも戦うんだよね? よかったら私と私の同業者数人で見学しに行っていいかな?」
「大丈夫ですけど…助けてはくれないんですか?」
「それはまずないよ。馬に蹴られたくはないしね。もし万が一の事が起きれば話は変わってくるけど」
どうにかユーノを納得させた霊夢は無事、現場に合流する約束を取り付けることに成功した。
そして問題の夜がやってきた……
こんにちは。あずき@です。
次回とうとうめだかさんが参戦します。
荒れそうですね〜。大変ですね〜。
まぁ悪いのは全てあのイタズラ兎のせいなんですけど(ニヤリ