三つの惑星の適当な話   作:あずき@

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混戦

「私とお友達になってほしいの!」

 

なのはがフェイトに訴えかける。

 

片やフェイトはそんななのはの言葉を受け流す。

 

「ジュエルシードを渡しなさい。渡さないなら力尽くでも奪い取ります!」

 

「そ、そんな! なんでなの⁉︎ ちゃんとお話すればきっとわかり合えるのに!」

 

「はんっ! そんな必要はないね! 友達ごっこならアンタ等だけで勝手にやってな」

 

ラルフが吠える。

 

「…行きます」

 

フェイトがなのはに向かって突進してきた。

 

「ダメだ! なのは、避けて!」

 

ユーノの目の前にはアルフが立ち塞がっており助けに迎えそうにない。

 

「はぁ〜〜〜……ハッ‼︎」

 

フェイトの放った斬撃が、なのはの頭部を狙う。

 

「この…分からず屋ーーー‼︎」

 

「くぅっ!」

 

デバイスの柄の部分で斬撃を受け止め、そのまま一気に弾き飛ばすなのは。

 

その様子をこっそり見ていた霊夢を始めとする博麗組一行は、感嘆の声を上げた。

 

「彼女、思ったよりもやりますね」

 

「凄いよね〜。流石、主人公って感じだよ〜」

 

「感心してる場合ですか。私たちの目的を忘れちゃいないでしょうね?」

 

「え? あっ、あぁ! うん。もちろん、忘れるわけないじゃない!」

 

((((((忘れてたな)))))

 

「ボケるのも大概にして下さいよ? 霊夢さん。でないと天海領に売り飛ばしますから」

 

「うわぁ〜ん! それだけはご勘弁をーーー‼︎」

 

「わかったら他から横槍が入らないように見張る! わかりましたね?」

 

「イエス マム‼︎」

 

パラレル世界だろうがなんだろうが、霊夢は霊夢だった。

 

 

 

 

 

「ディバインシュート!」

 

「くっ! フェトンランサー!」

 

互いに放った光線が勢いよく相殺し合う。

 

「フェイト! 助太刀するよ!」

 

今度はアルフがフェトンランサーを放つ。

 

「なのは!」

 

すると今度はユーノがなのはの前に立ち塞がりバリアを張った。

 

「ユーノ君!」

 

攻防は一進一退。このままでは永遠に決着が付かないのではないか? そう思われたその時。

 

突然、四人の頭上に大きな穴が空いた。

 

「な、なに?」

 

「穴…?」

 

思わず四人の動きが止まる。

 

しばらくすると穴の中からなにか黒くて大きな物体が落ちてきた。

 

その物体は、そのまま地面に吸い込まれていきドーンという激突音だけを我々の耳に残していった。

 

「なんだったんだい? ありゃあ…」

 

「さぁ…?」

 

「ユーノ君、わかる?」

 

「い、いやぁ流石にちょっとわからないかな」

 

もうもうと漂う土煙りが、段々と晴れていくうちに、先程の黒いシルエットがもぞもぞと動く様子がわかった。

 

気が付けば四人は、そのシルエットから少し離れたところに等間隔で立っていた。

 

「『あいたたたたた……まったく突然、突き落とすなんて酷いぜ』」

 

それはどこか鼻に付く喋り方をする学ラン姿の優男だった。

 

当然、四人は彼のことを知らなかったが、隠れて見ていた博麗組は誰しもが知っていた。

 

それ故に博麗組は全員が全員、苦虫を噛み潰した様な表情を見せていたのだ。

 

「球磨川…禊……ッ!」

 

「ちょっ、めだかさん⁈ 今出ちゃマズイですって!」

 

我を失いかけているめだかを必死に押さえ込もうとする霊夢。

 

「離せ…! 早くしないとあの子達が危ない!」

 

「『やだなぁ。君のお兄さんじゃないんだから人を幼女趣味の変態みたいに言わないでよ。僕のストライクゾーンはあくまで裸エプロンが似合う年頃から手ブラジーンズが似合う年頃までだぜ?』」

 

「! いつの間に⁉︎ ていうかなんで球磨川君が来てるのよ?」

 

「『なんでって決まってるじゃないか。霊夢ちゃんがいつまで経っても帰って来ないから迎えに来たんだよ。ほら。僕ってフェミニストだし』」

 

「え、そうだったんだ。なんかわざわざゴメンね?」

 

「『別に謝らなくても大丈夫だよ。代わりに裸エプロンになってくれさえすればそれだけで十分だから!』」

 

「とんだフェミニストだよ!」

 

「おい……球磨川。貴様、何を企んでいる?」

 

「『あっれ〜? 誰かと思えばめだかちゃんじゃないか! いやぁ懐かしいなぁ! もしかして中学の時以来かな? 元気してた? 因みに僕は元気じゃなかったよ!』」

 

ヘラヘラと軽薄な調子でペラペラと喋りまくる球磨川に対し、めだかを始めとするその他の人間は皆、一様に激しい嫌悪感とイラ立ちを隠せずにいた。

 

「お、おい! アンタらさっきからいったいなんなんだい⁉︎」

 

アルフが警戒心ムキ出しで尋ねる。

 

「『あれ? 言ってなかったっけ? 実は僕、君たちとお友達になりたいんだ! だからお話しようよ! 』」

 

「え⁉︎ お、お兄さんもフェイトちゃん達と…?」

 

「『もちろんだよ! それに君とも仲良くしたいと思ってるんだぜ?』」

 

「そ、そうだったんだ。私だったら別に「止めておけ!」なのッ⁉︎」

 

「『まったく人様の会話に横入りするなんて性格疑われるぜ? めだかちゃん。って、今更か』」

 

「黙れ。球磨川、貴様にこれ以上、煮え湯を飲まされるわけにはいかないのだ。早急に立ち去れ!」

 

凛っ

 

「『酷い! 僕はただ皆と友達になりたかっただけなのに! 僕みたいな最底辺の人間は、そんなことすら許されていないんだね⁉︎』」

 

「そんなことないの! ね⁉︎ お姉さんもホントはそう思ってるよね?」

 

「ぐっ…!」

 

「『…いいんだ、なのはちゃん。どうせめだかちゃんにとって僕なんかそこいらに群生する雑草と同じなのさ。だから君たちもこんな雑草なんかと無理に仲良くしようなんて考えなくていいよ?』」

 

「私とお兄さんはもうお友達なの! だから安心してほしいの」

 

「『ありがとう! そう言ってもらえると助かるよ。

ところで友達だったら〝これ″貸してくれるよね?』」

 

そう言って球磨川が取り出したのは、一個のジュエルシードだった。

 

「「「「「あっ! いつの間に!」」」」」

 

「か、返して!」

 

「『え〜、ケチ臭いこと言うなよ〜。僕たち友達だろ〜? 少しくらいいいじゃんか〜』」

 

「友達でもそれはダメなの!」

 

「『はぁ…まったく我儘だなぁ。ま、所詮、上辺だけの友達だから見返りがないとこんなもんだよね。わかったよ。代わりに僕がまだ読んでない今週号のジャンプを貸してあげる!』」

 

「いい加減にしろ! 球磨川。貴様、ジュエルシードがどんなに危険なものかわかっているのか⁉︎」

 

「『知ってるよ? 知ってるから欲しいんじゃないか。めだかちゃんは相変わらず天然さんだな〜』」

 

「球磨川ァァァァア…!」

 

「『やだなぁ。そう怒んないでよ。僕だって悪気は《長〜〜い‼︎ 長すぎるよ球磨川ちゃん!》…あれれ〜? もうそんな、時間? 』」

 

突然、どこからともなく響いてきた巨大な音声にその場にいる全員が一斉に硬直した。

 

と、その時だった。

 

空中の何もない空間から突如、横長のモニターらしきものが現れ、そこに一人の女性が映り混んだ。

 

《ヤッホー♩ 皆、元気〜?》

 

「篠ノ之束!」

 

《おんや〜? そういう君は黒神めだかちゃんじゃあ〜りませんか。お元気〜?》

 

「篠ノ之…全て貴様の企んだことか!」

 

《はて? なんのことやら「とぼけるな!」…ちょっとちょっと〜話に割り込むのはマナー違反だって言われたばかりなのにもう忘れちゃったの? お馬鹿さんだな〜、も〜う》

 

「き〜さ〜ま〜ら〜…!」

 

《や〜い。怒った怒った〜。って、そうそう。こんなことしてる場合じゃなかった。

 

ちょっと霊夢ちゃん!》

 

「は、はい⁈」

 

《なにをチンタラしてるわけ? 早いとこジュエルシードをゲットして戻って来なきゃダメでしょ! まったく…》

 

「……どういうことですか。霊夢さん?」

 

「あ〜っと…その〜……」

 

「『霊夢ちゃんと僕は共通の秘密を抱えているのさ』」

 

「ッ! 球磨川君‼︎」

 

「共通の……秘密だと?」

 

「『そ。しかもそれを不幸なことに束ちゃんに握られちゃってるんだ。あ〜なんて可哀想な僕たち……どこからどう見ても被害者だよね〜』」

 

「うぅ……」

 

《まったくよく言うよ。元々、弱みしかない球磨川ちゃんからしたらこんなの屁でもない癖にさ》

 

「『おいおい。僕だって傷付く時は傷付くんだぜ? ヤムチャがサイバイマンにやられた時とかチャオズが自爆したときとか。後はピッコロが《あ〜、もういいよ。君がサイヤ人襲来編が大好きなことは重々理解したから》いやぁそこまで僕のことを分かってくれるなんて流石、束ちゃんだね! そこに痺れる、憧れるよ!』」

 

《はいはい。ワロスワロス。で、君のその手の中の石ころがジュエルシードってやつなわけ?》

 

「『そうだよ。いやぁまさかこんな石が星の命運を左右するなんてとてもじゃないけど信じられないよね〜。まぁ、なのはちゃんが嘘吐きの可能性も捨てきれないけど』」

 

「嘘じゃありません! 本当に危険なんです! だから私に「いいや、私たちだね!」犬のお姉さん⁉︎」

 

「いい加減、そいつをよこしなーーー!」

 

アルフが球磨川に向かって突進する。

 

「『ガフッ!』」

 

「え…?」

 

アルフの拳が球磨川の胴体を貫いた。

 

大量に吐血しながら前のめりに倒れ伏す球磨川禊。どこからどう見ても死んでしまっている。

 

球磨川の血に濡れた手を見てワナワナと震えるアルフ。

 

「ア……ルフ…………?」

 

「ち…違うんだ! フェイト! 私は……そんなつもりじゃなかった……殺す……殺すつもりなんて………わたし…‼︎」

 

「『おいおい。そんな言い訳がまかり通ったら裁判所はいらないぜ。

自分のやったことには、ちゃ〜んと責任を取らなくちゃ。仏さんが浮かばれないよ〜?』」

 

「「「「⁉︎」」」」

 

驚愕の事態に目を見開く原作四人組。

 

「え? え? え⁇」

 

理解が追いついてない様子のなのは。

 

片やフェイトは既に気絶していた。

 

「そ、そんな…私は確かにアンタを……どうして?」

 

アルフは震える声でそう尋ねる。

 

「『イッツオールフィクション! すべてが無かったことになったのさ』」

 

「すべてが……」

 

「無かったことに…?」

 

「そんな無茶苦茶な……」

 

《……球磨川ちゃん。いつまでも遊んでないで用も済んだしもう帰るよ?》

 

「『は〜い! あ、ところで霊夢ちゃんはどうするの?』」

 

《あ〜、もうそれはいらないや。だから放っておいていいよ〜》

 

「そ、そんな…それじゃあ私はなんのために……」

 

《知らないよ。キミが役立たずなのがいけないんじゃないか。

 

じゃあ私、忙しいからバイバ〜イ》

 

そう言うと同時に空中のモニターが消えた。

 

気が付けば球磨川の姿も無かった。

 

「おのれ! 篠ノ之束め! やはり裏で糸を引いていたか!」

 

苦虫を噛み潰したような表情のめだか。

 

「………霊夢さん。大丈夫ですか?」

 

「…………」

 

ガックリと膝を着き、項垂れる霊夢。

 

「とりあえず帰りましょうか……」

 

「…………帰る場所なんて私にはありませんよ」

 

「そうですか……じゃあ好きにして下さい。私は帰ります。今日はもう疲れました」

 

そう言って去っていくめだか。

 

「め、めだかさん! 待って下さいよ!」

 

「めだかさん⁈」

 

「本当にいいんですかい⁉︎ めだかさーん‼︎」

 

めだかのあまりに冷酷な態度に信じられないと言った様子の博麗組の面々。

 

後に取り残された霊夢は、独り言をポツリと呟く。

 

「そう……私に帰る場所なんてもう……「あるよ!」………え?」

 

霊夢が顔を上げるとそこには優しい笑みを称えたなのはが立っていた。

 

「私とお友達になってよ! それで今日からウチで一緒に暮らすの。きっと楽しいよ!」

 

「あ……うっ…うぅぅぅぅ………」

 

「あっ! 大丈夫⁉︎ 霊夢お姉ちゃん」

 

「う…うん。大丈夫。私ならもう大丈夫だよ? ありがとう。『なのはちゃん』」

 

その一言を受けてパァァァっと晴れやかな笑みを見せ、うんうんと大きく頷くなのはであった。

 

 

 

 

 

「今のうちにそ〜っとそ〜っと……」

 

感動の場面のその裏側でフェイトを抱えたアルフが多大な苦労を強いられていた。




お久しぶりです。あずき@です。

今回かなり難産でした。

クマーの口調はムズイし、キャラが多くて回し難いしで、も〜てんやわんや(涙)

違和感がある箇所も多々あるでしょうが、その際は是非ご一報願えたらありがたいです。

それではまた!
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