「はぁ…はぁ…はぁ…‼︎」
(急がなきゃ!)
高町なのはは、焦っていた。なぜ、と問われれば何と無くこのままではいけないと感じたから、としか答えようがないだろう。
だが少女の有するこの力強い意思が、この先の地球並びに他惑星の命運を握ることになるのである。
「確か…はぁ…ここら辺のはず…はぁはぁ…」
テレパシーによるSOSが発信されたとおぼしき現場は、どうやら下校時に道端で傷ついていたフェレットを預けた病院の近くだったようだ。
息を切らしてヘタレていたなのはだが、突如起こった激しい地面の揺れに慌てて顔を上げた。
「なっ、なに⁈ 地震⁉︎」
「危ない! 後ろ‼︎」
「えっ! フェレット⁉︎」
あまりに唐突な事態に硬直してしまうなのは。
そんな彼女に襲いくるのは、黒色のゼリー状のバケモノによる非情な触手攻撃だった。
「ひッ‼︎ いっ、いやァァァァッ‼︎‼︎‼︎」
まさに絶体絶命の大ピンチ。と、その時だった。
「へ…?」
バケモノとなのはの間に一筋の光が指し、気が付けばなのはは、触手から遙か遠くへと後退していた。
「いったい何が……」
「何がも何も見たまんまさ。お前さんは助かった。この私の手によってね」
「ふぇっ⁉︎」
そこにいたのは、なのはを片手で脇に抱える齢10そこそこの少女だった。
「た、助かった…? 本当に? …本当に私、助かったの?」
「あぁ、本当さね。そしてあんたは、この先も私に感謝し続けることになるのさ」
「⁇ それってどういう……」
「‼︎ 口閉じてな! 舌噛むよッ‼︎」
「きゃあ‼︎」
突如、食事を邪魔された猛獣かの如く襲いくるバケモノの触手撃を少女は綺麗に掻い潜っていく。それはさながら闇夜に走る一筋の閃光だった。
なのははその光景を唖然と見つめていた。
「綺麗なの……」
「でもこのままではジリ貧だ」
確かにフェレットが指摘した通りだった。傍目には少女はただ攻撃に晒されているだけで防戦一方のように思われる。
だが果たして本当にそうなのだろうか?
「……うぅん、違うよ。お姉さんは反撃してる」
「え…」
「見えない? 目を凝らしたらホラ。光の線がバチッてなってるのが」
「へ? あっ! 本当だ‼︎ 確かに電気のような何かが走ってる‼︎」
そうこうしているうちに少女は、バケモノを一気に吹き飛ばしてしまった。
「さてと…。トドメは、任せてもいいかい?」
「あっ! はいッ」
其の後は、原作の通り無事、魔法少女になったなのはによってジュエルシードが封印された。
「ふぅ…なんとかなったの」
「にしても、まさか私の動きが見えるとはねぇ。自信無くしちゃうよ、まったく」
「い、いえ。それは多分、普段からウチのお兄ちゃんの稽古を見ていたりしたからで。私自身は特に何もしていないというか」
「いや寧ろそれくらいでなくちゃ困るんだよ」
「え?」
「っと、そう言えば自己紹介がまだだったね。私の名前はビスケット=クルーガー。ビスケと呼んどくれ」
「あっ、私の名前は高町なのは。なのはって呼んで欲しいの!」
「そこのお喋りフェレットは?」
「ぼ、僕はユーノ。ユーノ=スクライアと言います」
「よし。それじゃあユーノとなのは。少しの間、避難してな」
「「え?」」
ビスケが指を唇の前に立て声を潜めるよう指示を出す。
「どうやら今日はお客さんが多いみたいだ。今すぐここから離れなさい」
「え…それって……」
「ッ‼︎ お姉さんはどうするの⁉︎」
「大丈夫。程よいところで切り上げるからさ」
その後は半ば強引に言いくるめ、どうにか一人になったビスケ。
するとそこへ待ってましたと一人の男が現れた。
「やれやれ。空気の読めないトランプ使いは一人で十分なんだけどねぇ」
「生憎と空気は吸う専門でしてね」
「…冗談も通じないのかい。ったく。で? 要件はなんだい?」
「いえね。まぁ単刀直入に言いますと、ウチのシマで勝手されたら困るんですよ」
「ふ〜ん。勝手と言ってもねぇ。私はたまたま夜中に不審な何かに襲われそうになっていた幼気な少女を助けて保護しようとしていただけなんだけどねぇ」
「ビスケット=クルーガー。実年齢57歳。ハンター協会所属のシングルハンター。現在はストーンハンターとして単身活動中」
「……トランプ使いは揃いも揃って変態ばかりなのかい? ストーカーとは関心しないわねおじさま?」
「これは大変失礼。お若いレディ。ですが仕事に準じさせて頂きますと今、貴女の手にジュエルシードがありますね?」
「チッ……だったらなんだい?」
「あぁ違うんです。どちらかと言うと我々にとってそちら(ジュエルシード)の方はどうでもいいんです。寧ろ大事なのは……」
そう言って男は、ビスケの後方にある茂みを指差す。
「なのは? はぁ……まさかロリコン趣味とは。本格的に業が深いねぇ」
「困るんですよ。不慮の事故と称してオーラを当てられでもしたら」
「ッ‼︎」
突然、ビスケの体が後方に跳ね上がった。見ると先ほどまでいた足元にトランプが突き刺さっている。
「いきなりご挨拶じゃないか! えぇ!?」
「失礼。では遅ればせながら…。お見せしよう。カーネフェルの真髄を」
そう言うと男ーーオズワルドは構えを取った。
こんにちは。あずき@です。
自分で文を書き始めて(成長しているかどうかは置いといて)毎日学ぶことが多くなったように思います。
例えばサブタイトルを付ける難しさとか、後、サブタイトルの難しさとか、サブタイトルとか…
サブタイトル、考えるのムズ過ぎだろ……