バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

108 / 137
前回のあらすじ
村人の生存確認

変化のなさに悩みつつ。
魔改造した鋼の軍団、出したい……


106.アンジー&ドナ

 

 

「人形使いのドナ。 その屋敷へ入った者は生きて帰れないと言われたが」

 

 

イーサンは情報を共有しようとするも、只野は理解している範疇だ。

手にはフォアグリップ付き小銃、M1レイヴンが揺れる中、只野は応対する。

 

 

「何処行っても共通する話だ」

「そうだね! 出てきた化物はブチのめす!」

 

「乱暴だな。 いや、結局のところ、そうか」

 

 

イーサンも思いつつ、KFF50LSを構え息を吐き、止めると、遠くから飛んで来る飛行型にレティクル(十字線)を合わせると、ズドンと発砲。

マズルフラッシュと共に跳ね上がった銃身が戻ると、目標は落下、地面に叩きつけられた瞬間を見る。

イーサンは白い息を大きく吐きながら、ボルトを後退させて廃莢と次弾を込めた。

 

 

「立ったまま当てるとか、凄いな?」

「軍人、それもEDFに言われると複雑だな」

 

「只野だったらクソエイムで無駄弾だよね」

「黙れ人形」

 

 

只野らは毒を吐き合いながら先へ往く。

 

場合によっては1km近い射程もあるKFFシリーズだが、短距離であれば直接照準で大抵の的には当たるのだろう。

とはいえ、対物狙撃銃扱いらしいKFFを起立姿勢で発砲、反動や手ブレに屈せず平然としている彼等自体も凄いのかも知れないが。

ゲーム的な事情もあるだろうけれども。

 

 

「地図によると、もうすぐだが……なんだ」

 

 

イーサンが目を擦る。

ドナの能力で幻覚が見えてきたらしい。

 

 

「……ミア?」

「イーサン、俺には見えないぞ」

 

「幻覚、幻聴だね。 私のセンサーにも何も投影されてないよ、強いて言えば不可解な植物花粉を検知。 原因はコレだと予想」

 

「そうか、慣れそうにない……」

 

「俺には影響がない……いや、死神が……」

 

 

只野にも変なモノが見え始める。

嫌な記憶が引き出され、目の前に視覚情報かの様に投影されていく。

繰り返してきたラクーン事件、その時のゾンビ大行進、厳しい訓練を課す訓練教官の曹長、他、某死神の処刑動作。

何度見ても慣れない、死が迫る光景。

繰り返した事で、加えてマリスの悪意ある訓練に晒された只野准尉はメンタルは強い方だと自負していたつもりだが、リアルに見せられてはツライさんになってしまう。

 

ドナの見せる幻覚が何処までコントロール出来るかとか、見せられる範囲の限界とか、規則は分からないが、取り敢えず只野の場合はトラウマパックフルコースな記憶をフラッシュバックしまくりであった。

 

 

「やべ、気持ち悪くなってきたわ」

 

 

蹌踉ける只野、支える人形。

このままイーサン共々行けば、同士討ちをさせられる可能性も出てきた。

そこで人形、TOWAは只野を外に置いてイーサンと共に突入する事を提案する。

 

 

「じゃ、私がイーサンと屋敷に行くよ」

「影響が出ない奴が行くのが良いのは分かるが」

「大丈夫か? 突然背後を襲わないか?」

 

 

只野だけでなく、イーサンも不安がる。

人格に不安がある奴(機械だが)と共に動くのは、それはそれで怖いものがあった。

 

 

「大丈夫だよ! 1発だけなら誤射だよ!」

「真面目に頼むぞ!?」

「イーサン、最悪、破壊して良い。 俺が許す」

 

 

ガチなのか冗談なのか分からない人形に中指を立てたくなりながら、結局は共に屋敷に突入する事になるイーサン。

一方、只野は幻覚から逃れる為、村に戻り、偵察隊と共にライカンを始末する仕事に戻ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4貴族の内の1人、人形使いのドナ。

ビスクドールの、花嫁衣装ながら気味の悪い風貌をしたアンジーにカドゥを株分けし、これを操り会話や嫌がらせをしてくる。

また、植物の花粉等を介して幻覚、幻聴を見せる事が出来るものの、直接の戦闘力は乏しく、その意味では最弱の貴族である。

 

イーサンはゲーム中、幻覚作用からか武器や家族写真含む装備を奪われ、現実か幻覚か分からない屋敷空間を彷徨い、謎解きや巨大赤さんに襲われながらも、最後はアンジーに(ドナに)鋏を突き刺して殺害、現実へ帰還すると共に目当てのローズのフラスコと装備、裏に文字を書かれた写真を取り戻す……のだが。

 

 

「私に任せなぁ!」

 

 

そこは幻覚攻撃が効かないTOWAの出番!

豪快に屋敷の扉を蹴破るや、ハンドグレネードMG11を連続投擲、ホールで派手な爆発。

 

 

「おい何をしてる!?」

「ひゃっはー! 汚ねぇ花火大会じゃ!」

 

 

家財が飛び散り、辺りの人形はバラバラに。

アンジーとドナは巻き込まれなかったにせよ、突然の発狂にビビる。

 

 

「乱暴過ぎないか!? もしローズのフラスコも被害に遭ったら どうしてくれる!」

 

「分かるところに隠してないから平気だよ、たぶん。 それより自分の心配しなよ」

 

 

等身大人形が言えば、ドナの操る別の人形群……鎌等で武装した人形が寄って集り切り裂こうとしてきたから、イーサンは咄嗟にホルスターに手を掛け拳銃を発砲、咄嗟の速射で人形を撃ち落としていく。

TOWAの影響で、奪われずに済んだのだ。

 

 

「虫に続いて人形まで嫌いになりそうだ!」

「いいよイーサン、やっちゃえ!」

 

 

流石に相手が悪いと思ってか、何処からかアンジーの声が聞こえ始める。

罵倒、罵詈雑言であるが、逆にそれくらいで足掻くしか他に方法がないのだ。

 

 

「くそっ、テメェ! 可愛い お人形ちゃんに何しやがる! ローズにも同じ事するのか!」

 

「黙れ! 隠れてないで出てこい、倒してやる」

 

「隠れんぼかな? 見つけて殺して、この世から解放してあげるよ!」

 

 

勇ましいイーサンに反して、TOWAは物騒な発言をしつつ屋敷内を暴れ回る。

イーサンは幻覚の所為で、何処までが現実の光景か判断に苦しんだが、たぶん、恐らく、情け容赦ない攻撃を人形が人形にしていた様に思える。

 

 

「とゆーか、私の方が可愛い人形でしょ。 完全自立型だし! 対してアンジーとか、花嫁衣装こそ良くても、後はキモいし怖いし、子供が泣くよね!」

 

「ああん!? 好き勝手言いやがって、耐性あるからって調子乗んなよな!」

 

「あっはは! 強がってるのは私じゃなくてソッチだよね! 負け犬だって認めて、さっさと死んで黙って頂戴!」

 

 

部屋に次々とグレネードを放り込み、襲って来る人形に情け容赦なく散弾をかまし、時に銃身をバットにして壁まで殴り飛ばす。

やがて鋏を拾い、次にアンジーを見つけると掴み上げ、ただジタバタするばかりのソレに ひと言。

 

 

「バイバ〜イ!」

 

 

ブスッ!

鋭利な鋏をアンジーに突き立てた。

 

 

「ギャアアアッ!!?」

 

 

刹那、イーサンの幻覚が解かれると、現実の光景として飛び込んだは、ゲームと同じくして、人間の女性、ドナの頭に鋏が刺さった光景であった。

 

 

「お前が……?」

「うん、人形を操ってたドナ」

 

 

鋏から手を離し、淡々と話す人形。

 

 

「人と話すのが苦手の、塞ぎ込み女だったぽいね。 でもこっちを殺しに来たんだし同情しなくて良いよ」

 

「ああ……ローズは何処だ?」

 

「そこじゃない?」

 

 

指差す方を見やれば、バイオ名物の謎の仕掛け、下から台座が出てきて、その上に乗っているローズが入ったフラスコ。

イーサンはそっと手に取ると、屋敷を後にする。

 

 

「次だ、行こう……只野と合流しないと」

「そうだね。 まだ先は長いし」

 

 

TOWAも共に外へ出て次へ備える。

 

こうして呆気なくドナは撃破された。

次は沼地のモロー、そしてハイゼンベルクか。

 

どこまで正史通りに行くか。

果たして都合良く行くのだろうか……。




更新未定
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。