バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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前書き
バイオシリーズは、主人公を変えつつも何処まで続くのか。ラクーン事件から続いてきて、只野も年寄りに……この事件を契機に引退か。レクイエムに続けるにしてもツライさんか。謎の組織コネクションの伏線も回収できていませんからね。レクイエムで回収するのかな?

前回ハイゼンとの会話。
今回ミランダ戦に向けて。


111.ハウンドウルフ

ハウンドウルフ。

BSAAの特殊別働隊……といえば聞こえは良いが、実際はクリス率いる独立部隊といったところか。

 

ベーカー邸で起きたE型特異菌事件にて、世間から事件を隠蔽しようとするBSAAの対応に不信感を抱いたクリスは、越権行為ともいえるデータアクセス等で組織から半ば離反、信頼できる仲間で構成されたハウンドウルフを率いて、独自にバイオハザードを調査、謎の組織コネクションの手掛かりを追っている。

 

調査の途上、E型特異菌の原種をコネクションに提供したのはミランダと判明。

ミランダはコネクション経由でローズの存在を知ると、ミアに化けてウィンターズ家に潜入、百年前のスペイン風邪で失った我が子エヴァの器……復活させるべく機を伺っていたのだ。

まだ詳細不明なれど、知ったクリスらはイーサンに知らせないままウィンターズ家を襲撃、ミアに化けていたミランダを射殺、感染の疑いがあるローズとイーサンをサイトBへ車で輸送する。

が、死体にすら擬態したミランダが蘇生、乗員を殺害、目的のローズを奪取、用済みとなった実験場の村はライカンの群れに襲われる流れになってしまう。

イーサンが生かされたのは、興味がなかったからか、死んだと思われていたか……いや、どうなるか試されていたか。

 

何にせよ、クリス達ハウンドウルフは予定通り上手くいかず、村は悲劇に見舞われ、イーサンに誤解を与え、それでもなお元凶の菌根のある村を吹き飛ばす為に奔走。

 

 

そして今。

 

 

「ミランダめ気付きやがった! もう後戻りは出来ねぇぞ!」

 

「元より覚悟の上さ!」

 

「地獄を楽しめ!」

 

 

只野とイーサンも戦っているのを知り、ハイゼンも一時的に仲間としてミランダを追っている。

 

だがこの動きをミランダは感知したか、村の菌根が活性化、村中に気味の悪い樹木のような黒い根が生えて、幹や枝が畝りしなり、鞭のように振り回して侵攻する者達を阻む。

 

 

「時間がねぇ。 祭祀場まで行くぜおい!」

 

 

ハイゼンはまだ人間形態、ミランダ戦の為に力を温存、代わりにフェンサー装備のゾルダート達に先陣を切らせ、露払いとする。

その背後をイーサンの乗る自走砲が追従、ゾルダートを援護する様に機銃を乱射、時々主砲でライカンの残党を吹き飛ばす。

只野は随伴歩兵としてイーサンの横背後、グレランUMRAの残弾を道塞ぐ菌根にくれてやる。

 

 

「ありゃタダノだ。 情報通りハイゼンベルクまでいやがる。 派手にやりやがって、計画が狂うじゃねえか」

 

「元より狂ってるでしょ」

 

 

そうした様子をハウンドウルフ隊は監視、呆れと驚愕を交えつつ、付け入る隙を窺う。

 

 

「ところで、タダノってマンネンかしら?」

 

「一応出世はしてるがな、他に誰がいる?」

 

「その組織、EDFは来るのよね?」

 

「俺達と同じ様に山腹で様子見してるとこだ。 レーダーに映ってるだろ」

 

「あとBSAAのVTOLもね」

 

「……早いな。 狙いは菌根か」

 

 

バリバリと音を立て、爆炎あがる戦場に飛び込んでいく垂直離着陸機。

後部ハッチが開くと兵員の影が降下していく。

が、途中で菌根が機体に伸びていき、鞭のように払い除けると、その勢いに機体はバランス喪失、そのまま墜落、戦場の爆炎を増やした。

 

戦争の情景。

今までの経験で1、2を争う酷さかも知れない。

只野的にはラクーンシティやキジュジュ地区の方が悲惨だったと言うかも知れないが。

 

 

「まるで地獄だ」

 

「その地獄に飛び込もうってのよ」

 

 

刹那、更なる爆発。

山腹の所々で光が瞬き始め、村々に爆発に次ぐ爆発。 EDFの軽迫撃砲による準備射撃後、バリアス戦車隊が突入してはBOWを蹂躙。

後続には二足歩行要塞な地上戦の切札、BMX10プロテウスがのっそのっそと歩いてきて、やがて射程圏に入ると、両端のバスターカノンが火を噴き、前方に爆炎の津波を齎していく。

 

 

「これほど酷い戦場は久しぶりだ」

 

「情報収集ばかりで腕が鈍った。 心配ね」

 

「アルファからの指示は?」

 

「今来たとこ。 行くわよ」

 

「了解。 やるっきゃねぇ、おっ始めようぜ」

 

 

突入して狩りを始めるハウンドウルフ。

BOW、EDF、BSAA、只野らと混ぜて三巴どころじゃない勢力争いに発展。

もはや村の面影はなく残骸だらけ。 後は残された者同士が殺し合う。

最後に立っていた奴が勝者だ。 最も目的はそれぞればらばらだったが。

 

 

 

 

 

『こちら本部。 只野准尉聞こえるか?』

 

「こちら只野。 感度良好、どうぞ」

 

『戦車隊とプロテウスが到着。 村の制圧に乗り出した。 准尉はそのまま菌根を目指せ。 ミランダの拘束か殺害、並びに菌根の制圧、無力化が困難なようならハウンドウルフのアルファ……クリス・レッドフィールドの持つN2爆弾で村ごと吹き飛ばして貰う。 それも困難なようならN6ミサイルを発射、その地域一帯を吹き飛ばす』

 

「そこまでやるんですかい」

 

『元凶のある場所の放置は出来ない。 最善は准尉と制圧隊が作戦を遂行、ミアを救出し、敵性BOWを一掃、菌根を無力化。 任務を全うする事だ。 武運を祈る』

 

「ちょ本部!? あー、くそっまたかよ」

 

 

舌打ちする只野。

援軍は有難いが、他にも思惑がありそうだ。

BSAAが来るタイミングに合わせて部隊を派遣したという事は、そのBSAAが投入してきたもの……人型BOWもどさくさに紛れて攻撃、制圧、捕獲、調査等を並行、なんで対バイオテロ組織が忌むべきBOWを運用しているのかの闇を暴く手掛かりにする気だろう。

 

只野達のローズ奪還、ミランダと菌根の始末という重大任務はこっち任せときた。

まぁ余力があれば助けてくれるだろうが、村の制圧とBSAAに掛かり切りで難しい。

クリスの部隊ハウンドウルフも、この大混乱を縫いながら菌根の始末をしなきゃならないので、気が気では無く余裕は無い。

 

 

「とにかく今はミランダの始末とローズの救出だ。 ミアはクリスが見つけてくれると信じよう。 てか、これだけの戦力で無理とか嘘だろおい」

 

 

ブツブツ言っている間にも、ハイゼンとイーサンは祭祀場……ミランダの場所まで到達する。

腕には儀式の末、菌根の中で人の形を取り戻したローズが抱かれており、同時に力を吸われているのか、目から黒い涙を流している。

 

 

「ミランダッ!! ローズを返せ!!」

 

「イーサン・ウィンターズ。 やはり普通の人間ではないな……興味深いが、同時に裏切り者もいるようだな」

 

「人聞き悪い言い方だな"お母さま"。 アンタに貰った力でアンタを殺す。 これ以上ない親孝行って奴だァ!」

 

「挨拶っている? いらなくね?」

 

 

それぞれが吼えると、ミランダは黒い翼を広げて臨戦状態に。

対抗する様にハイゼンは磁気を高め、己を核としたスクラップの体をした怪物と化した。

 

 

「愚かな。 その程度の力で倒す気か」

 

「俺様だけじゃねえだろ。 俺様の鋼の軍団に、世界の軍隊EDF、そして対バイオテロ組織BSAAまで来やがった。 ここにいるタダノとイーサンを倒しても、助かりはしねぇ。 とっとと諦めてオネンネしな!」

 

「だな。 お前の発言や研究室の資料的に少なくとも百年以上生きてるんだろ、そろそろ寝とけよ。 そんで菌根の中だかあの世だかで愛する娘のエヴァと仲良くしてりゃ良いじゃねえか。 俺達を巻き込むなよ」

 

「どうでも良いから娘を返せ!!」

 

 

話が平行線を辿る間にも、爆音が彼方此方から響き渡る。

間も無く夜明けだ。 夜を照らす炎の海も、やがて必要なくなるだろう。

だがその前に決着はつく。 そう意気込む。

 

 

「さぁラストダンスだミランダァ!!」

 

「ローズは、エヴァは私のものォ!!」

 

「お前の娘じゃない! 俺の娘だ!!」

 

「もう良いから始めよう。 結局コレだろ?」

 

 

只野だけ冷めた目線を向けつつ、再び弾が飛ぶ。

 

イーサンの乗る自走砲がマシンガンを撃ち。

 

ハイゼンの大腕についた丸鋸が振り回され。

 

ミランダが謎の黄色エネルギー弾を飛ばす。

 

これだけの力がありながら、個人の携行火器でやられてきたBOWたち。

今更ツッコミを入れることもなく、只野は淡々と撃ち返すのみであった。




後書き
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