バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

114 / 137
前書き
雑であっても、一応の完結を目指して。
……綺麗に終わらないかもですが。


112.ミア・ウィンターズ

クリスはEDFのアサルトライフルX900オーキッドを装備。 只野らEDFと疑惑のBSAAが暴れ、火の海に沈む村を突き進む。

進行を妨害するライカンの残党が襲いかかるが、オーキッドの破壊力ある弾丸を前にミンチになるばかり。

 

 

「邪魔するな! 道を開けろ!」

 

 

火柱に照らされる肉塊と血の海を超え、その先の建物、ミランダの研究所へ乗り込んだ。

無人……外の騒音とは別世界のように静寂に包まれた空間で、クリスはめぼしい研究資料を漁っていく。

 

 

「ここに組織への手掛かりがあれば良いが」

 

 

4貴族のカドゥ適合率や能力の詳細資料の他、3、4年前のベイカー邸事件におけるエヴリンについて書かれている書類など、ミランダが組織と繋がっていた事を示唆していた。

 

 

「これは……」

 

 

中には製薬会社アンブレラの創始者スペンサー卿からの手紙まであった。

それによればスペンサーは若き医学生の頃、雪山で遭難。 それをミランダが助け、彼女の研究、感染による変化という考えに触れて衝撃を受けたとの事。

暫く共にいたが、娘という個人(故人)を復活させたいミランダと人類全体を進化させたいスペンサーという考え方の違いから離反してしまった事の謝罪、同時に己の理想の為にバイオハザードの諸悪の根源アンブレラを友人と共に創設する旨、企業ロゴには洞窟にあった模様を採用する事が書かれていた。

 

 

「スペンサーが? 馬鹿な」

 

 

思わぬ場所で衝撃を受けるクリス。

まさかミランダとスペンサーが出会っていたとは。 アンブレラ創設までの流れを部分的に知り、同時に切っても切れない縁に嫌気とも使命にも似た感覚に襲われる。

 

なんか、スペンサーは老いを克服する為、不老不死についても研究していた気がするが、その点においては悠久の刻を生きるとしたミランダに従事していれば糸口掴めてたんじゃねとも思ったが……考え方、やり方、あと単純に菌根じゃ解決出来なかったのかも知れない。 知らんけど。

 

今となっては過ぎた事。

クリスはそのまま奥にある牢屋に向かい、施錠されていた鍵を銃撃で破壊。 開けて入れば───

 

 

「来ないで!」

 

 

中にいた何者かに襲われた。

咄嗟にいなし、銃口を向けて警告。

 

 

「動くな! 両手を上げろ!!」

 

「ッ、く、クリス……!?」

 

 

両手を上げ無抵抗を示す女性。

その姿はイーサンの妻、ミアそのものだ。

 

 

「! ミランダは今何処にいる!?」

 

「祭祀場だ。 何かの準備をしている模様」

 

 

ミランダお得意の擬態かと疑い、仲間に連絡を取れば、本人は祭祀場にいると判明。

となると目の前の人物は……。

 

 

「驚いた。 本物のミアなんだな」

 

 

行方知らずのイーサンの妻。

ミア・ウィンターズだった。

 

何故、邪魔でしかない筈のミアを生かしていたのか。 モルモットとしての価値を見出していたのか。

それとも、同じ母親としての慈悲か。

 

 

「何故こんなところにいる?」

 

「攫われて監禁されてたの……ねぇ夫は? イーサンは? ローズは何処!?」

 

「イーサンはローズを助けようと仲間と共に戦っている最中だ。 菌根を破壊する為にも直ぐに援護に向かわないとならない。 ここは危険だ、一緒に来るんだ」

 

「待って! 隠し通したかったけど……イーサンは普通の人間じゃないの」

 

「なに? 突然何の話だ?」

 

「特異菌で体を構成しているの……でも限界が近いかも知れない。 菌根を破壊すれば、もしかしたら一緒に……」

 

「なんだって? だがイーサンは検査では……いや、ミランダのように『擬態』しているというのか?」

 

 

ここにきて、突然のカミングアウトに困惑するクリス。

揺れる研究室。 砂埃が天井から降り注ぐ。 悠長に悩んでいる暇はなさそうだった。

 

 

「話は後だ。 俺の仲間が輸送機を確保した、搭乗して待ってろ、良いな!」

 

「クリス……! イーサンを、ローズを!」

 

「必ず助ける! きっとだ!」

 

 

ミアを連れ出し駆け出すクリス。

合流はまだ少し後になりそうだ。

 

 

 

 

 

一方、BSAAは人型BOWを投入、ライカンや菌根の一部と戦い始め、村の制圧に乗り出している。

そこにEDFのレンジャー隊員やフェンサーが突入。 PA-11を魔改造した、WCXな見た目と化した小銃でフルオート。 ライカンごとBOWを一掃した。

 

 

「マジかよ、情報通りだぜ!?」

 

「ああ、まさかBSAAがBOWを運用とは」

 

「機械化されたゾンビまでいやがる」

 

「それはハイゼンベルクのだ。 まだ味方だ」

 

 

EDFモブ隊員は、BSAAの闇の片鱗に触れて動揺の声を漏らす。

教えて貰ってはいたし、任務の一部にBSAAの BOWの回収か含まれてはいたものの、実物を目の当たりにするとショックだった。

 

 

「倒した人型を、一体でも多く輸送機に運んで検体とするんだ。 あとは技研やルイスの奴が解析してくれる筈だ」

 

「急げ! 村が吹き飛ぶ前に!」

 

「只野准尉とイーサン達は!?」

 

「死なんだろアイツなら!」

 

「おっそうだな」

 

 

謎の信頼を置かれ、未だ孤立奮戦中の只野。

喜んで良いのか悪いのか……。

 

モブ達がBOWを輸送機のランデブーポイントまで引き摺る中、話にあった只野准尉達はというと……。

 

 

「はっはぁ!! くたばれミランダァ!!」

 

 

ハイゼンベルクが巨大な磁界渦を発生。

周囲に来ていたバイアス戦車が巻き込まれて竜巻のように舞い上がり、それに殴られる形でイーサンと只野は外野に飛ばされてしまった。

 

 

「痛えなくそっ! 自走砲が壊れた!」

 

「あの野郎、張り切り過ぎだろ!」

 

 

只野はイーサンを抱き起こしながら周囲を見やる。 やや離れた場所まで吹き飛ばされたようだが、歩けば戻れる距離だ。 遠くでスクラップと戦車の渦が見える。

 

 

「ウチのバリアス戦車まで巻き込みやがって、装甲は硬いから乗員は無事だと思うが。 あれ試作のR型から更に発展強化した試作量産型にして最新鋭のTZ4-Sじゃねえか? 1台何億だろうな、壊れたら弁償しろよあの野郎」

 

「なんで説明口調なんだよ……ん?」

 

「どうした?」

 

「デューク……!」

 

 

イーサンが指差す先。

馬車に居座る太っちょ商人、デュークの姿が。

 

 

「またお会いできましたなウィンターズ様」

 

「こんな大変な時にも商魂逞しいな」

 

「ほっほっほっ。 商いは場所を選びません。 しかし激しい戦いなのは間違いないですな。 ここまで多くの来客とは、しかもミランダにハイゼンベルク卿が挑むとは。 これが最後の取引になるやも知れません」

 

「ああ、最期の買い物をさせてくれ」

 

「もうお気付きと思われますが、その身体は朽ちかけているようだ。 もう人の世に戻る事は出来ませんぞ。 御覚悟は?」

 

「ああ……出来てるさ」

 

「愚問でしたかな」

 

 

どうやらイーサン、ここまでの旅路で己が人ではない、カビ人間だと自覚した様子。

或いは精神世界でエヴリンと再会、煽られたのかも知れない。

 

 

「これも愚問だろうが、アンタは何者なんだ」

 

「ほっほっ、わたくし自身も判りかねます」

 

「何にせよ世話になった。 ありがとう」

 

「此方こそ───御武運を」

 

 

金はあの世に持っていけない。

出し惜しみなく払い、装備を整えていく。

 

それは只野も同じだ。

何だかんだ共に出陣してくれる相棒だ。

 

 

「往くぞ相棒。 最期だ、ここまでありがとう」

 

「悲しい事言うなよ。 付き合ってやるから」

 

 

男2人、再び戦場に戻っていく。

必ずローズを助ける。 その覚悟を持って。




後書き
DLCな成長したローズの精神世界への介入は難しいかもなので、スルーかも。
あと、本編EDでBSAAが欧州本部に殴り込みに行く流れもよく分からないので……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。