バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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前書き
初めからでしたが、グレースをエルピス取得の為の重要な鍵としておきながら、ゾンビやBOWの群れを放つのは良かったんですかね?
いくらレオンや侵入者を始末する為とはいえ

遂にARK研究所内部へ侵入。
グレースの救出と謎に迫ります。


127.ARK/特殊部隊/CM-LB-110リッカーβ2戦

巨大な円形状の扉。

見ようによっては金庫の扉であるそれは、目的地であるARK研究所の入口だった。

レオンが扉の前に備え付けられたレバーを下ろせば扉のロック部品が回転、自動で開いていく。

随分と重厚で大掛かりな仕掛けだが、ミサイル攻撃に耐えるだけの強度を誇っているという事か。

そして金庫というのも強ち間違いでは無い。

特にエルピスを守るという意味ではそうだろう。

 

 

「シェリー、巨大な施設を見つけた」

 

「何の施設?」

 

「恐らく目的地のARK。 資材がある。 悪名高い企業だらけだ」

 

 

入って直ぐ、積まれている箱やドラム缶の表面ラベルを見たレオンは言う。

アンブレラを始め、トライセル、HCF。

いずれもバイオテロに関わる何かしらの組織。

敵同士ともいえる組織でもあるが、一同に介するくらいには、この施設は重要、注目に値するという事だろうか。

それかコネクションが全てを糸引く者という事か。

 

 

「まぁそこが何であれ、秘密にしておきたい場所でしょうね」

 

「ああ。 間違いない……EDFの先行部隊、特殊作戦コマンドと合流した。 共に進行し、施設の調査とグレースの救出を試みる」

 

「了解。 気を付けてね」

 

 

入口より先は人間用の通路となっており、殺菌のブルーライトと左右から吹き付ける風で埃を落とす場所。 幅は人間が横並びで3人は歩けそうだが、ビークルを入れるには微妙に狭い。

只野のデプスクロウラーはギリ侵入できそうだが、その先も乗り物を動かすには向かない狭さだ。 部隊行動の邪魔になるとして入口に置いていく事となった。

またマグマ砲は先程の戦闘で燃料切れ。 共に捨て置いて進むとする。 頼れるのは元の装備の小銃と散弾銃。 そしてバックパックの手榴弾系。 そして合流したコマンド部隊だ。

 

 

「EDFのベースを見習ってくれよ。 地下空間なのにコンバットフレームやら戦車やらAFVが余裕で走り回れるぜ。 ここもそうであって欲しかったね」

 

「用途が違うだろ。 ここは研究所、我々のは軍事基地だ。 必要な設備も変わってくる」

 

 

只野が文句たらたらで進む中、コマンド隊員がツッコミを入れる。

確かに地下施設といっても双方目的が違えば様相も異なって仕方ない。 それでも地下に巨大な施設を建設できる点は共通して凄い事だと思うのだが。

周囲を警戒しながら進む内、施設は用途の悍ましさに似合わず純白整然とした様相へ変化していった。 待合室のような場所を経由する際、そこには幾つもの端末があった為に只野やレオンがチェックしていく。

 

 

「やはりここはARKか。 端末から色々と情報を得られそうだ」

 

「なにか手掛かりは掴めそうか?」

 

 

BOWカタログや通信ログにアクセス。

コネクションを叩ける決定的な証拠とはいかないまでも、それなりの情報を得る事はできた。

 

 

「最新のBOWのカタログか。 EDF側でも把握している諸元と価格帯だ……ラクーン事件からどう進化したのか。 少なくともEDFの装備で対処出来る内は良いが……ネメシスαがγになっていたりと、一応変化はしているようだな」

 

「こっちは国防総省……ペンタゴンとコネクションと思われる、28年前の通信記録を見つけた。 ラクーン事件の際の、滅菌作戦で発射されたミサイルについて僅かに触れられている。 やはりコネクションの権力は政府にまで及んでいるようだ。 下手すれば大統領の権限を迂回できるくらいのパイプがある」

 

「やはりそうか。 レオン、君の恩人でもあるアダム大統領は、この事を公開しようとして消されかけたのだろう」

 

「そのツケはデカい。 奴らに払わせてやる」

 

「その証拠を見つけられたら良いが……おいおい、特殊部隊が特別巡回中らしい。 どこかでカチ合いそうで嫌だな……コマンドの方は何かあるか?」

 

 

2人が端末を調べている間、守るように周囲を警戒、或いは斥候していた隊員らに尋ねた。

 

 

「この先にサーバールームと、監視室がある。 グレースの位置を探れそうだ」

 

「迷っている暇はないな」

 

 

そうして一向はサーバールームを抜けて監視室へ直行。 正面の壁一面をモニターが覆う。

その1つの画面にグレースと、白スーツ野郎ことゼノが映っていた。

特殊な部屋なのか、円形の巨大な台座が浮かぶ空間で、壁一面にオレンジ色の球体が無数に並んでいた。

警察署で見た映像記録にも似たような色をした球体が並んでいたが、まさかあの中は全て赤子、クローンが入っているのだろうか。

 

 

「いたぞ、グレースだ」

 

「そこはどこだ?」

 

 

レオンはキーボードを叩き、グレースの位置を探る。 すると『パンドラ』なる場所だと判明。 直ちに向かう事にするが。

 

 

「よし。 場所はわかった、行こう……ん?」

 

 

モニターの1つで、黒ずくめの部隊が動いているのが目についた。

化学防護装備に、ヘルメットやタクティカルベスト、小銃には多数の装備品の数々。

どうも此方を排除しに来た、特別巡回中の特殊部隊らしい。

 

 

「仲良くできそうにないな」

 

「化物の次はARKの特殊部隊かよ」

 

「対人戦か。 コマンド往くぞ! サーバールームで迎え撃つ! 撃ち合いでサーバーが壊れるのは仕方ない。 ARK制圧後、データの吸い上げは解析班に任せれば良い」

 

「怒るだろうな」

 

「構わない。 命がかかってるんだ」

 

 

そうしてEDFvs ARKの特殊部隊同士の銃撃戦が始まろうとしていた!

照明を落とされた薄暗闇のサーバールーム。

箱状に並ぶサーバーに散るようにして陣形を組むコマンド。 銃口は全て唯一の出入り口である自動ドアに向けられている。

 

 

「戦闘まで秒読み……!」

 

 

刹那。

突入してくる黒ずくめの部隊───。

 

 

ドカァン!

 

 

そして入口の前が爆発した!?

只野が投擲した手榴弾MG50が、丁度特殊部隊が突入したタイミングで連中の足元で起爆したのだ。

部隊は悲鳴と共に打ち上がり吹き飛んだ。 EDF製、最新寄りの強力なグレネードだ。 並大抵の防具では防げない。 強烈な爆風と巧妙に組まれて飛び散る破片が、敵部隊の防弾防刃ベストをズタズタに切り裂いた。

 

 

「ぐはっ!?」

 

「酷い出オチだな」

 

 

エゲツないとレオンにツッコミを受け、コマンドの面々は活躍を奪われておかんむり。

けれど只野はあっけからんと言い返す。

 

 

「相手がプロなら、なるべく卑怯に戦いたい。 競技じゃないんだ、堂々撃ち合う道理は無いだろう」

 

「確かにな。 よし、次が来る前に進もう」

 

 

さっさと進む面々。

やはりか、後続部隊がその先の、倉庫のような別部屋で待ち構えており、ドカドカと小銃を撃ってきた。

 

 

「コンタクト!」

 

「今度はそっちが待ち伏せか……むっ!?」

 

 

コマンドが壁やコンテナに隠れつつブレイザーを撃ち返す中、只野は連中の近くに鎮座していたBOWポッドに発砲。

硝子が派手な音で割れるや、中から出てきたは皮膚や背骨が剥き出しで舌が長い、見覚えのある四つん這いのバケモノだ。

ソレは目の前で騒がしく発砲音を奏でる特殊部隊に襲いかかった!

レオンは思い出したように言った。

 

 

「リッカー!」

 

 

CM-LB-110リッカーβ2

販売価格:$14,000,000〜(1400万ドル也)

(約22億円?)

元々は感染者が突然変異したものだが、研究の末、変異の誘発因子が見つかり製品化に成功。 壁を伝った移動や、鋭い爪と舌などの特徴を持つ。

 

……せめてセット価格かな?

だとしても筋肉や脳が剥き出しの体で硫酸に弱いし、火炎瓶も効く様子。 脳天を斧でカチ割られてやられたり、破血アンプルを打たれると爆散するのはともかく……。

目が見えず、音に頼って獲物を攻撃するが、空き瓶等で簡単に陽動ができて、ゆっくり歩く相手には気付かないなど、28年前のリッカーと弱点が共通しているようにも感じられる。

いや、まあ、筋肉と脳が剥き出しの化物に遭遇して冷静にいられるか、そもそも弱点や対処法を皆が知っていて実行できるかは怪しいし、硝煙弾雨でドッタンバッタン大騒ぎの戦場では手当たり次第狩り放題だろう。

意図的に量産できるようになったのは進歩した部分なのだろうが、懐かしさを懐かしいままにしているようなBOWの1つであり、どの辺が進化したのか、それとも敢えてそのままなのか、何かしようとしたが上手くいかなかったのか疑問でもある。

東欧のスラブ共和国でのドンパチで用いられたリッカーは、レジスタンス側が寄生体と併用する事で制御化に置いていた。

その群れが軍隊が守る議事堂的な場所に突入、守備隊を壊滅させるという戦果を出していたが、その後は、まあ、出てきたタイラントにグチャグチャにされてしまったが……。

とりま、そのようにすれば価値が高まりそうだが、アレは人間側の負担がデカいというデメリットがあった。

他、派生型や似たBOWが他企業、作品にでてきたと思うが、こうして未だにあるという事は需要があるという事だろう。 たぶん。

 

 

「よし! 連中がリッカーへの対処を優先し始めたぞ! これで戦い易くなった!」

 

「エゲツないが、よくやった」

 

「まさかBOWに助けられるとはな」

 

 

この混乱に乗じて、コマンドが ARK部隊を次々と倒していく。

ブレイザーが照射する原子光線が前では、防弾ベストなんて皆無に等しい。

もれなく連中は胸元を焦がし倒れていく。

だが増援がやってきた。 今度は大きな盾持ちまで来たから厄介だ。

 

 

「増援が来やがった! フェンサーのシールドみてぇにデカいのを持ってやがる! 強化外骨格までいかずとも、ハーネスも無しによく持ち歩けるな!?」

 

「だが例によりリッカーへの対処を優先している。 今のうちに叩くぞ!」

 

「おう! リッカーごと燃やしてやる!」

 

 

只野、バックパックの余り物、テルミット弾を投擲。 敵部隊の近くに落ちた際、衝撃で起爆、一気に炎が燃え広がった。

 

 

「ぐあああ!?」「ギエエエエ!?」

 

 

仲良く火だるまになる敵部隊とリッカー。

暫く踊り狂い、やがて燃え尽きて黒炭となる。

 

 

「よし! これで最後か?」

 

「レーダーに感なし! クリア!」

 

「前進! 先行する!」

 

 

コマンド部隊が安全確認やポイントマン、斥候を兼ねて先行して次の部屋へと出ていけば、暫くして静寂が蘇る。

 

 

「EDFがいれば何とでもなりそうだよ」

 

「油断大敵さ。 あの白スーツ野郎とかな」

 

「間違いない……行こう」

 

 

レオンと只野たちEDFの ARK攻略は続く……。




後書き
意図的にリッカーを作れるようになったらしいとはいえ、ラクーンの時とどう変化したのか…
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