ハンクなのか分からん、部隊のボスと交戦。
お互いに話には聞いているようですが何者か
『ここARKでは、あなたの行動は監視下にあります。 指定エリア以外への侵入は固く禁じられています。 また情報の記録・発信は如何なる理由であれ許可されません』
エントランスに流れる自動アナウンス。
その空間にある骨格標本のオブジェクトを尻目に、一向は遠慮することなく深部へと侵入していく。
「趣味の悪い飾りだ。 完成当初からあるのか、コネクションが設置したのか知らんけど」
「意味不明なパズル仕掛けにされてないだけマシだな」
雑談混じりの中、突然の銃声と照射音。
先行していたコマンドが、再び特殊部隊と接敵、交戦したようだった。
「ッ! まだ守備隊が残っていたか!」
「EDFがいるぶん、戦力増量中なんだろ」
「加勢してさっさと終わらせる!」
走り出す只野とレオン。
長めの直線通路を抜けようとした刹那、向かいの自動扉が開き、2眼レンズのガスマスクの男が現れる。
「……噂で聞いた気がするな」
「まさか死神? 手に斧を持ってるが」
他隊員のように様々な光学機器をつけたヘルメットはなく、ベストや武装はシンプルだが、そこに猛者の風格さえ感じられる。
背中にはClatterカービンと思われる小銃。
ホルスターにはP320らしき拳銃。
斧はシンプルな構造のモータルエッジ。
更に手術メスのようなカランビットナイフ。
謎のガスマスク男、特殊部隊のボス。
USS関係者なのか、それこそ死神ハンクなのかは不明。 わかるのは敵だということ。
やがてガスマスク越し、くぐもった声が響く。
「予備部隊は?」
「必要ない。 こちらで処理する」
刹那、突っ込んでくるガスマスク!
「来やがった」
「遮蔽物もナシに、迷いがないのか!」
レオン、咄嗟に拳銃を抜き発砲。
只野も一瞬遅れてフルオート。
銃撃が肩に当たるも、奴の勢いは止まらず、そのまま近接戦へ。
「こなくそ!」
レオンは斧に持ち替え、只野は小銃を槍や剣代わりに振り回し、銃床で叩こうとするも。
「EDFのジン・タダノ。 数多の修羅場を潜り抜けたと聞くが、対人格闘は苦手か」
「ぐはっ!?」
「只野!」
斧の振り上げを受け、倒れてしまった。
それも関節部、アーマーの継ぎ目、僅かな隙間に刃を捩じ込むような攻撃。 的確に有効打を、弱点を突いてくる。
「ちっ!」
レオンは取っ組み合いをしながら、通路の脇、ガラス窓を突き破り、敵共々下へ落ちていく。
そこは太いパイプの柱が並ぶ、赤く、薄暗闇の不気味な空間だった。
「ごほっ、ごほっ!」
「レオン・S・ケネディ。 最後に会えて良かったよ」
「……熱烈なファンだ。 サインがいるか?」
「噂通り、無駄口が多い」
僅かな赤い照明に照らされた演出空間の中、猛者同士、斧同士がぶつかり合い、火花が散っていく。
「病んではいても錆びてはいないか」
「俺の心配か? 意外だな」
「勘違いするな。 任務遂行が優先事項だ」
赤い薄暗闇の中、金属音と共に黄色い火花が散り、刹那的に明るくなっては消えていく。
一方、只野は上の通路で血を流し、苦悶の表情で転がっている。
「くそ……レオンを助けねぇと。 このくらいなんて事ねぇだろ俺! 今までの苦痛と比べれば!」
メディカルポーチから、出血を抑える止血剤と止血帯、緊張性気胸を緩和する為のペン型針な減圧針が床に転がる。
「ぐああ……!」
患部より前を痛いくらいにバンドで締めて、止血対策を施すと銃を持ち直して、よろよろと立ち上がった。
「レオンを援護しねぇと……」
割れた窓から下を覗く。
レオンとガスマスクが斧で鍔迫り合いを繰り広げている。
銃口を向け、眉間に皺を寄せてトリガーの遊びを殺すも、すぐ人差し指を伸ばした。
「駄目だ近過ぎる。 体も痛くて照準もブレる。 コマンド、無事か?」
「こちらコマンド! 敵の予備部隊と交戦中、手が離せない!」
「……さて、どうする?」
レオンを信じて先へ行くべきか?
その逡巡を察してか、レオンから息苦しそうにも指示が飛ぶ。
「俺に構わず先に行け!」
「ッ、わかった。 勝てよレオン!」
「ああ。 只野はグレースを助けろよ」
これが最後の会話にならない事を願いつつ、お互いに信じて二手に別れるのだった。
「うおおっ!」
斧と斧、体術を交えたぶつかり合い。
偶に銃声が赤闇に響くも、お互い照準から素早く外れ合う。
だがそれも終わりがきた。 レオンの斧の連撃にガスマスクの持つ斧が弾き飛ばされ、せめての抵抗に振り翳したナイフも飛び、最後は首元に斧の刃が刺さり、斬り伏せられた。
レオン、息を整えてシェリーに一報する。
「厄介な奴に会った。 噂以上にタフな奴だった」
「レオンが褒めるなんて珍しいわね」
「奴の斧……貰っておこう。 早く只野と合流して、グレースを助けないと」
戦利品となった相手の斧を回収し、レオンは先を急ぐ。
お互いに知っている様子だったが、何者だったのだろうか。
果たしてこの特殊部隊のボスが、かつてのUSS関係者、それこそ死神ハンクだったのか、関連作品に出てくる他の隊員なのか、アンブレラの遺産の1つだったのかは分からない。
だが今はと先へ往く。
まだ暫く戦いは続く……。
後書き
操作設定や運次第かもですが、操作可能になった瞬間、ボスに即死攻撃ができて、成功すれば即終了できるという
倒したあと死体?を見ると手袋が外れており、レオンと同じように黒い痣がありましたね。彼も病に冒されていたのかも
戦闘中、あくまで任務優先と言うも、最初咳き込んでいるレオンを見て銃を抜かないという優しさ。台詞的に最後の任務のつもり、死に場所を求めていたのか
部屋に戻ると死体?が消えますが、ゲームの負荷的な事情なのか、匂わせか、DLCで語られるのか不明