バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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前書き
如何にもボス部屋な円形の部屋、パンドラへ
謎の白スーツグラサン野郎ゼノと対峙


129.パンドラ/コネクション/ゼノ戦

ガスマスクと戦うレオン、予備部隊と戦うコマンドを背後に残し、1人先着する只野。

そこは円形の巨大な台座が浮かぶ特異な空間。 中央からややズレた位置には何かしらの装置が鎮座。

台座に合わせるように囲む円形の壁には、オレンジ色の球体が無数に埋め込まれている。

そこにグレースはいた。 彼女を攫った白スーツグラサン野郎、ゼノと共に。

只野、なるべく音を立てないように、かかとから爪先へと体重をゆっくり移して近寄りながら、向こうの会話を聞きつつ小銃を構える。

 

 

「───グレース、これが現実だ。 世界は脅威に晒されている。 人の意思を操作する技術は先例こそあれ、他者への感染力が弱かった。 それをスペンサーは克服した。 エルピスでな───エルピスを得る為、コネクションはラクーンシティを封鎖してきた。 エルピスはお前を待っていたんだ」

 

 

ゼノはそう言いながら、装置に寄って小さな端末を起動。

現れたキーボードと、画面には"創造主は何を望む?"と書かれていた。

 

 

「これに阻まれていた。 間違えたパスワードを入れれば、このARKは崩壊し、エルピスは永遠に失われる。 さあ言うんだグレース。 パスワードは何だ?」

 

「わ、わからない……」

 

「そんな筈はない。 お前は……」

 

 

困惑するグレース、詰め寄るゼノ。

どうして良いか分からず視線を泳がし続けたグレースだったが、格子状の橋を渡ってくる人物を見つけ、助けを求める声を上げた。

 

 

「タダノ!」

 

 

当人、心中舌打ち。

いずれバレるにしても、グレースが声を上げなければもう少し近寄れた。

狭い橋での戦闘は逃げ場がない。 とはいえあと数歩の距離だ。 どうにかなる。 いや、どうにかしなければならない。

 

 

「恥の上塗りはよせタダノ。 お前では俺に勝てない」

 

「やってみなきゃ分からんよ!」

 

 

刹那、只野は小銃PA-11SLS発砲。

グレースに当たらないよう、けれどフルオートで弾幕を張るもしかし、ゼノはウェスカーのように瞬間移動で避けまくりながら、只野に近寄り、次の瞬間。

 

 

「ッ!」

 

 

手に持つ、銃身の長い拳銃をこめかみに当てた。

余裕だとでも言いたげに。 言われても分からないからやって見せたぞと格好をつけて。

だが只野は諦めない。

 

 

「目立ちたがりめ!」

 

 

身を低くして射線から外れると同時、身を翻し散弾銃、スローターEZに持ち替え弾をばら撒いた。

不意打ち気味の近距離散弾だ、拡散範囲は狭くもいくらかは当たり、近距離での高威力で片手が抉れ、薄皮1枚で垂れ下がる。

しかし直ぐに再生、元の形に再結合した。

 

 

「銃も腕も中折れ式!? ベッドの上でもか?」

 

「フンッ!」

 

「はぅっ!?」

 

 

茶化して時間を引き延ばし、誤魔化そうとするも失敗した只野。

超人の力で張り手をくらい、グレースの近くまで吹き飛ばされてしまった。

お陰で足場が広くなったが、状況は依然悪い。

 

 

「タダノ!」

 

「嘘だろマジかよ……そう怒るなよ、冗談だってウェスカーモドキが」

 

「"模倣"を彷彿とさせるとは良い度胸だ。 余程死にたいとみえる」

 

「……やはりあの厨二病と関係が?」

 

 

考察している暇は無いが、思わず思う。

アルバート・ウェスカーはtウィルスの力に適合し、超人的な力を手に入れた。

目の前の男、ゼノは、その遺伝子を完コピないし参考にしたクローンなのか?

 

 

「終わりだ。 貴様の後で、レオンやお仲間をあの世に送ってやる。 寂しくないようにな」

 

「お気遣いなく!」

 

 

只野、バックパックからテルミット弾を投擲。

ゼノを火壁の向こうへと追いやった。

 

 

「時間稼ぎのつもりか?」

 

「キャンプファイヤーを前に、フォークダンスはどうかなってな」

 

「どこまでもふざけた男だ……」

 

「コマンド! レオン! 早く来てくれ! 間に合わなくなっても知らんぞ!」

 

「こちらコマンド! すまない、予定地点への到達は困難! 奴らBOWを解放してきた! 現在リッカーβ2及び人造ゾンビと思われる群れと交戦中!」

 

「もうつく、持ち堪えてみせろ」

 

 

コマンドはまたしても足止めを食らって役立たずであったが、レオンはガスマスクとケリをつけて駆けつけている最中だった。

ならば英雄の到着を夢見て、踊り明かす他ない。

 

 

「レッツ、シャルウィダンス!?」

 

 

血反吐を床に吐き捨て、只野は散弾銃を炎の壁越しにぶちかます。

 

 

「ベロニカを思い出す! クソ女アレクシア! あと天使マヌエラ! 見ているか! 俺も中々に頑張ってるぞ!」

 

「さっきから何を言ってるの!?」

 

 

グレースのツッコミを背に受けつつ戦う只野。

その意味を彼女は知る由もないだろうが。

あとマヌエラは当世界線では生きている。 最も彼女もゾンビだらけの環境にいた経験があるので、tウィルス症候群になっている可能性は否めないが。

そんな彼女が、もう1度助けてくれたとしたら、こんな感じに火が上がるかなと妄想しつつ戦う只野。

関連して、ロックフォート島の囚人からテラセイブになったスティーブとか、米特殊作戦軍からEDFに鞍替えしたクラウザーを走馬灯のように思い出す。

その間にグレースを逃そうと思ったが、護衛もなしでは心許ないか。 ここはレオンに期待して粘る他ない。

 

 

「そろそろ踊りも飽きた頃だ」

 

 

刹那、弱まった炎の壁向こうからライフル弾が飛翔、只野のボディアーマーに命中する。

 

 

「ぐはっ……!」

 

 

またも吹き飛び転がる只野。

EDF製の強靭なアーマーだ。 ライフルの1発を耐える。 しかし衝撃は受ける。 只野も人間だ。 アザ、内臓の損傷、骨にヒビが入ったかも知れない。

 

 

「タダノ! だめ、立って! お願い!」

 

「ふん、終わりだな。 グレース、どけ」

 

「い、いや。 私まで撃てない……でしょ?」

 

「死ななければ良いだけだ……」

 

「に、逃げろグレース……!」

 

 

迫るゼノ。

刹那、新たな発砲音。

ゼノ、何発も不意打ちを喰らい、銃を持つ腕が再び折れる。

 

 

「なに?」

 

「隙あり!」

 

「ぐっ!」

 

 

その隙をつき、只野は体当たり。

ガードレールや街灯を吹き飛ばすEDF式ローリングを食らわせれば、今度はゼノが床を転がる番となる。

 

 

「待たせたな」

 

「思ってたより早かったよ……!」

 

 

レオンが到着したのだ。

ボロボロの只野はグレースを彼に預け、共に並び立つ。

 

 

「ガスマスクに勝ったんだな?」

 

「ああ。 奴は強かった……特戦はどうした?」

 

「来れそうにない。 BOWと交戦中だ」

 

「良いね、なりふり構ってられないって事は、追い詰められているって事だ」

 

「そうともいえるか。 コマンドだけじゃない、後続で本隊も来る筈だ。 そうなればゼノといえど、抑えられないだろ」

 

 

そのゼノは立ち上がり、苛立ちを浮かべる。

黒いアザが顔面に広がり、能力を行使する。

 

 

「どこまでも邪魔をしてくれる! 遊びは終わりだッ!!」

 

「リベンジだこのコピペグラサン野郎!」

 

 

只野とレオンが弾幕を張れば、さすがのゼノといえど、何発も被弾していく。

だが勢いは止まらない。 やはりいつぞやのように薬を打たないといけないのか。 しかし、そう都合よくない。 グレースがクラフトして持てる破血剤をハイサイクルリバーサーやリバースシューターに詰めてぶち撒ければ効果はあるかも知れないが、無い物強請りしても仕方ない。

技研のルイスの協力があればとも思うも、それもまた無い者強請りだ。

 

 

「レオン! 駄目だコイツ、ポッと出の癖して強いぞ! グレースを連れて逃げろ、ここは俺が時間を稼ぐ!」

 

「只野1人でやって勝てる相手か!」

 

「隙を見て逃げるさ……全滅するよりマシだ」

 

「……死ぬなよ」

 

「そっちもな」

 

 

レオン、レクイエムで近くの巨大アームロボットの付け根を破壊。

グレースの手を引き、倒れ落ちるアームにしがみつく。

 

 

「しっかり掴まってろ!」

 

「きゃあああ!?」

 

 

2人してパンドラの底に落ちていく、と見せかけて途中、壁際を自動で移動していた小さなリフトに乗り移る。

そのまま2人はトンネルを潜り、壁の向こう側へ消えていった。

 

 

「さて、次は俺の番か……」

 

「逃げられるとでも?」

 

「逃げるんだよぉ!」

 

「なに!?」

 

「アイキャンフラアァイ!!」

 

 

只野、グレースがいなければと自由奔放。

そのまま円形足場から飛び降り、自由落下。

レオンと異なり考えなし、リフトに飛び移る真似もせず、底の方へと落ちていくのだった……。

 

 

「……まあ良い。 人は希望に縋る。 溺れる者は藁をも掴む。 グレースは此処へ戻らずを得ない。 死にかけのレオンとタダノに何ができる。 EDFの本隊もBOWが十分足止めしている。 エルピスを得るまでの時間を稼げれば良い……」

 

 

取らぬ狸の皮算用。

都合の良い未来を妄想し、笑みを浮かべるゼノ。

ウェスカーのように銃弾避けをできる能力者相手に、レオンと只野は勝てるのか。

 

果たして未来は……。




後書き
ゼノの掘り下げ、DLCでされるのか否か
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