バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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前書き
レオンが原作通り限界へ
グレースはBOWが解き放たれたARK内で単独行動、只野は合流目指して彷徨います


130.限界レオン/ARKゾンビ

壁向こうへ逃げたレオンとグレースは、血生臭い廃棄場のようなエリアに到達。

ここからどうするか……鉄と血肉混じりな山に足をつけた刹那、病により限界が近かったレオンは気を失ってしまう。

グレースはどうして良いか分からず、近くで体育座りして視線を泳がし、心身塞ぎ込むのみだったが、医者でもなし、色々あった精神状態では仕方ないだろう。

暫くして覚醒できたものの、己の限界を悟ったレオンはいよいよ時間が無いと、ARK無力化の為に戻ろうとする。

 

 

「かはっ……!」

 

「レオン! 大丈夫なの?」

 

「どれくらい経った?」

 

「わ、わからない……」

 

「直ぐに戻ってARKを破壊する」

 

「ダメ、ゼノには勝てない……そのアザ……」

 

「tウィルス症候群。 ステージ3だ」

 

「病気なのに、どうして来たの?」

 

「ここ……ラクーンシティは俺の原点だ。 あの時、俺は何もできなかった。 もう繰り返させない。 エルピスは奴に渡さない」

 

「なら私も連れてって!」

 

「駄目だ」

 

「もう後悔したくないの! お願い!」

 

「わかった。 だが約束してくれ。 俺に何があろうと、ARKを破壊するんだ」

 

「わかった。 約束する」

 

 

グレースはもう後悔したくないと、共に行く事を決意。 とりま部屋からの脱出路を求めて周囲を捜索。

血肉と鉄屑が混ざったような酷い場所だったが、少し高い位置に通気口を見つけた。

 

 

「あそこから様子を見てくる」

 

「気を付けろよ」

 

 

グレースはレオンに足場になってもらい、中に侵入。 動線へとひと足先に戻っては、レオンを部屋から出す手段を探す事となる。

 

 

 

 

 

一方、パンドラの底に落ちた只野は。

 

 

「俺、EDF隊員で良かったって思うワケ」

 

 

五体満足、無事だった。

常人ならば足腰が折れて内臓や骨が駄目になり絶命する高さだが、EDF隊員は何故か高高度から落下してもノーダメージだ。

只野、猫のようにシュタッと底に着地。 コネクションはBOWよりEDFを研究した方が良いと思うの。

……いやまあ、メタい事を言えばゲームの事情もあるだろうが、それを言ったらレオンやクリスも人外だろう。

 

 

「……厄災が噴き出るパンドラの箱の底にはエルピス、希望の女神か何かが残るんだったか。 だけどそれは俺じゃない。 やはり鍵はグレースか。 ゼノには渡せないな。 レオンが守ろうとする筈だが、本人も病でボロボロだ。 俺もここで寝てられない訳よ」

 

 

只野はレオンとグレース、或いは他の仲間と合流するべく行動を再開。

痛む体に鞭を打ち、近くのメンテナンス通路から内側へと戻る。 すると、壁や空調ダクトを震わせるゾンビの呻き声やらブレイザーの照射音が狂乱して響いてきた。

 

 

「おいおい、侵入者排除の為にBOWを解き放ってるってマジかよ。 守備隊だけじゃ抑えられないからってよ」

 

『管理AI、NOAH。 エラー』

 

「ノア? 方舟か? 乗ってるのは化物か?」

 

『脅威レベルを検知』

 

『ストレージポッドのロック、不可』

 

「管理はどうなってんだ管理は!」

 

 

どうやらARKはNOAHというAIで制御、自動化されているようだったが、戦闘の余波なのか、ゼノや他のコネクションによる意図的なものか、施設内で様々な問題が起きたらしい。

それでBOWを保管するポッドの状態が解凍やら何やらされたのか、次々と中身が活性化。 ガラスを豪快に破り、リヘナラドールのようなARKゾンビや、量産されたリッカーβ2の群れがあちらこちらで徘徊していた。

 

 

「管理や制御ができないBOWは、兵器として不完全ってそれ1番……飼主に噛み付いて勝手に向こうが自滅してくれるなら良いが、ゼノとかいう奴ら、そういうタマじゃないだろうしなぁ。 もしそうなら、ここまで増長してねぇだろうし」

 

 

ボヤきながらダッシュ移動していると。

前方の通路を塞ぐように、ゾンビの群れが接近。

外の野良ゾンビと異なり肉付きが良く、しかし皮膚は水色寄りで病的だ。

実験やリッカーに育てる為に、人工的に培養されていたのか知らないが、敵である事に変わりない。

 

 

「……どこまでも楽、させてくれねぇなぁ」

 

 

只野、邪魔するなと散弾銃を構えて発砲。

あの世に弾は持ってけねぇと、ショットシェルを使い果たす気で撃ちまくる。

 

 

「ウボァ……」

 

「この程度で俺達を止められると思うなよ!」

 

 

道を拓きつつ、先へ急ぐ。

レオンがどの部屋にいるかは知らないが、彼ならば自力で何とかするだろう。

そして目的地は同じ、ゼノがいるパンドラ。 そこに眠るエルピスなる存在。 それを何とかしようとする。 ならばそこに行けば自然と会える。 その筈だ。

 

 

「はぁはぁ……! まだだ、まだやれる!」

 

 

痛む体に鞭打ち、先へ急ぐ只野。

病に冒され末期のレオンは、この比ではないだろう。 ならば今1番動けるのは自分だ。

そう自らを鼓舞しながら進む事暫し。 曲がり角で危うく人影とぶつかりそうになった。

咄嗟に銃を構えるも、相手はグレースだった。

 

 

「待って待って!? 撃たないで人間よ!」

 

「グレース!? レオンはどうした?」

 

「廃棄場みたいな所に閉じ込められてる……そうだ、タダノの武器なら、扉までの道を塞いでるクレーンを壊せるはず」

 

「よくわからんが、わかった。 案内しろ」

 

「こっちよ」

 

 

運良くグレースは、只野と合流。

只野はレオンと違い格好悪いし、いい加減な男で、怪しい言動は老化による若年性のボケや、凶悪な精神犯罪者予備軍に分類される可能性を秘めるが、この場では頼る他ない存在だ。

それで手っ取り早くレオンが助かるならばと、グレースは彼を案内する。

そしてレオンのいる部屋、ドアノブ式の扉を開けて、目の前を邪魔するクレーンをEDF製の強烈な貫通力がある散弾を至近距離で食らわせたなら、邪魔するモノは鉄屑の仲間と化した。

 

 

「只野、か……早かったな」

 

 

顔にも黒いアザを浮かべたレオンが、枯れ気味の声と共に顔を上げる。

限界が近い。 只野はその事は今は触れず、努めて日常的な軽口を叩いて励ました。

 

 

「これで貸し借りなしか? でもよ、パンドラのサイズよりずっと小さくて常識的なアームクレーンくらい、よじ登るなりレクイエムで壊すなり出来たんじゃね?」

 

「俺が何でも出来たら、詰まらないだろ?」

 

「そうか。 そうだな……俺さ、ARK上層部のパンドラに行くんだけど……また奴を焼いてかない?」

 

「良いね。 付き合うよ」

 

「グレース、肩を貸してやりな。 俺が先行する、ついてこい」

 

「え、ええ……」

 

 

そうして護衛の只野を先頭に、レオンはグレースに支えられながらヨロヨロと部屋を脱出するのだった。

 

 

「奴はパスワードがどうのって言っていたな。 心当たりは?」

 

「わからない……どうしよう」

 

「大丈夫だ。 パスワードを間違えればARKは崩壊する。 丁度良いじゃないか……」

 

「だな。 時間は俺が稼いでやる。 その間にやる事やって皆で逃げるぞ、良いな?」

 

「無理よ。 2人がかりでもゼノには勝てなかった。 どうしようもない」

 

「グレース。 希望に縋れ。 その度量くらい、俺達にもまだある筈だ」

 

「……ええ。 ありがとう」

 

 

不安はあるが、決意を新たに一向は進む。

只野は行く手を阻み、天井や壁にぎっしりと張り付いて迫り来る大量のリッカーβ2と対峙。

 

 

「キシャアアア!!」

 

「わかってるよ、来るならさっさと来い」

 

「邪魔だァ!! 退けえぇッッ!!!」

 

 

只野、小銃PA-11SLSに切り替え。

レオンとグレースを守るように雄叫びフルオートで蹴散らした。

だがリッカーも進化しているのか、なんと回避動作をし射線から外れる個体も。

数の多さもあり、普通に撃ち漏らしてしまう。

 

 

「ゲホッ……お前達の進化はその程度か?」

 

 

そこをレオンが拳銃アリゲータースナッパーで射撃し怯ませる。

鋭い舌を高速で伸ばしてレオンの体を貫こうとした個体もいたが。

 

 

「俺を舐めるなよ……!」

 

 

斧によるジャストパリィで舌を斬る。

 

 

「この……! 急いでるの、邪魔しないで!」

 

 

そこをグレースがなけなしの勇気で接近、追い討ちをかけた。

破血アンプルを打ち爆散させたり、どこかの研究室で拾って来た硫酸ビンを投げつけて撃退した。

 

 

「コマンド! まだ化物退治かよ!?」

 

「ARKセキュリティにも阻まれてるんだ! ロックされた自動ドアやエレベーターの再起動中!」

 

「後続本隊! 遊んでんじゃねぇぞ!!」

 

「BSAAゾンビの迫撃砲で部隊に被害! 再編部隊がARKに突入したが、今度は内部のBOWと交戦! 退路の確保も合わせている、直ぐには行けない!」

 

「後先考えてたら間に合わねえだろうが! 荒っぽい方法でも良い、世界の危機だと思え!」

 

 

仲間に怒鳴る只野だったが、どうにもならない。

離れてからというもの、部隊とはまともに合流できていない。

役立たずと罵りたいが、それはあくまでも只野目線の話だ。 EDFは施設を制圧するのが目的だし、背後にBOWやゾンビを残して前進するなんて危険であるのは間違いないだろう。

だが世界の危機というのも誇張のつもりはない。 エルピスの正体は未だ不明だが、もし噂通りヤバいウィルスなら世界の危機だ。

 

 

「……只野」

 

 

レオンが弱々しく声をかけた。

 

 

「俺の身に何が起きても、ARKを止めるんだ。 それとグレースも、頼む」

 

「アンタが弱音なんてらしくない。 今のは聞かなかった事にしといてやる」

 

「真面目だぞ」

 

「ああ、俺もいつだってマジだ」

 

「冗談キツいぜ」

 

 

そうこうしている内に一向はヨロヨロと進んでいたが、少し目を休ませようと、グレースが1人で駆けていたエリア、その脇にある大きな一室……監視室、モニタールームへ転がり込んだ。

 

 

「ここは……ARK入口近くの所より立派だな。 白い壁は、目が痛みそうだ……俺は少し目を休ませる」

 

「後で情報共有してやる。 だからそのまま永眠とかやめてくれよ」

 

「あ、これ……」

 

 

2人の男の軽口を他所に、グレースはモニターを操作。 ディスクを読み込み、内部のファイル、動画を再生する。

そこには義母アリッサのインタビュー映像。

その相手は───。

 

 

「スペンサーだと!?」

 

 

諸悪の根源アンブレラ創始者の1人。

オズウェル・E・スペンサーだった……。




後書き
順番は前後していますが……
ARKゾンビはなんだったのか
何かの実験やリッカーにする為なのか。あのまま商品にしているとは思えず…

作者のリアルの話になりますが…ビルの待合室で休んでいたら、目と鼻の先の距離で幼子が椅子か机の付け根に躓いたのか転倒、大泣きした時があったんです
その子の両親が目を離していた隙のようで、何が起きたのか原因が分からないと親同士話し合いながら、その子を慰めていたのですが…
近くにいた私は緊張でした。勿論、何も悪い事はしておらず、向こうが勝手に転倒しただけなのですが、その原因や責任を近くにいたというだけで此方に転換されないか、怒鳴り込まないか不安でした
努めて姿勢を維持し、スマホを弄り、非情ながら無関係無関心を装い、視線を上げないようにしました。変に上げる等のアクションを起こしたら、疑惑の目と合いそうで怖かったのです。時間が経った後も、子供が怪我したんだぞ後遺症が出たぞと己の過失ではなく誰かの責任にしたい人間の心理思考から慰謝料云々と訴えが来ないか不安になります。似たような状況や、こうした己の精神状態は今までも何度もあるだけに、考え過ぎ、気にしたら生きていけないと思ってはいますが…
…情けない話をして失礼しました。メンタルが弱っているようです
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