倒さねば(今ココ)
本部は世界各地からの報告に追われる中、的を絞り潰して行く方針を固めた。
先ずロシア某所。 タイラントの素体に完全適合したセルゲイ・ウラジミールという奴も絡み、いよいよ怪しいと踏んだ。
他にはヨーロッパ方面、南米、アフリカなど様々な場所で怪しい話があると舞い込んだ。
「アンブレラめ。 ここまで手が広いとは」
全部潰したいが、簡単ではない。
世界規模の軍隊EDFといえど、あれもこれもとはいかない。 政治問題がある。
放置する訳ではないが、確たる証拠もない場所ほど人数は割けない。 先ず目先のロックフォート島を始末しなければ。
と、その矢先にまたも嫌な報告が。
「こちら戦略情報部です」
「どうした」
「ロックフォート島が当主アルフレッドにより爆破され、大半の施設が吹き飛びました」
「なんだと!? 部隊はどうした!?」
「撤退し事なきを得ました」
「そうか……」
突然の出来事に動揺するも、現場の判断に胸を撫で下ろす司令官。
「だが、またも証拠を失ったな」
「それが、まだ終わってないのです」
「なに?」
「カルロス伍長と只野二等兵が島にあった飛行艇で脱出したのですが、そのまま南極基地に向かっています」
「また只野の自由行動か!」
「いえ、強制的に自動操縦になったそうです。 しかも機内に乗り込んだタイラントタイプと戦闘中」
「随分と気に入られた様だな」
「南極部隊に連絡し、備えて下さい」
「全く、忙しくなるばかりで困る」
状況を知った本部は、関係各所に連絡し事態に備えさせた。
そんな南極基地では、アレクシアがコールドスリープによる15年間の眠りから目覚めようとしていた。
同時にバイオハザードが発生しておりゾンビ含む化物が跋扈している状況。
現地に派兵されていたEDF隊員らは制圧を目指し戦闘中であったが、急な来客の報にやれやれ、といった様子であった。
一方、只野達を乗せた飛行艇は南極基地にフライトしつつも、乗り込んだタイラントと殺し合っている最中である。
「相変わらずの耐久力だ!」
「カルロス、ロケラン使え!」
「ねぇよ! あってもこの距離じゃ自爆だ!」
「だよな!」
全裸なタイラントに銃撃を浴びせながら、話し合うカルロスと只野。
時折繰り出される人外パンチやクローを避けながら、尚も撃ち続ける2人。
「「EDFッ!」」
ピンチだが打開策は幾つかある。
只野は"コレ"も経験済みだ。
「なに。 やり様はある」
只野は静かに笑うのみ。
「スティーブ、クレア! 貨物室の後部を開けてくれ! 奴を外に放り出す!」
まぁ……いつも通りに。
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貨物室で暴れる全裸大男、水色肌なタイラント。
ラクーン連中より弱いかもだが、繰り出してくる人外パンチは危険極まりない。 フェンサーと何方が上だろうね?
対して俺とカルロス。 ロケランはないから、ワンパンK.O.は出来ない。
なので別方法で殺処分しなければ。
EDF製の弾丸を至近距離フルオートで食らっているのに、怯むばかりで倒れやしない。
軽量弾と旧式の組み合わせだしね。
本部め。
ブレイザーやミニオンバスター、せめてストークを寄越してくれたら良いものを。 やはり罠か。 そう思わずにいられない。
「只野、弾切れになるまで撃つ気か?」
「そんな訳あるか。 こうするんだよ」
そう言って、貨物室内のコンテナ射出スイッチを押す。 軽い警報音と共に赤信号から青信号に変わる。
刹那、レール上のコンテナが火花を撒き散らし外へ向けて猛移動。
丁度レール上で膝を付いていたタイラントは反応出来ずコンテナをモロ喰らう。
そのまま大外に押し出され、スカイダイビングして貰った。
「グオオオオ…………ッ!」
そのまま大海原に叩きつけられて死ぬかも知れないが、念の為に俺は手元のスイッチを追加押し。
「そらよ」
ポチッとな。
───ドッカァン!
大空で汚ねぇ花火が上がった。
コンテナに貼り付けておいた特殊工作用爆弾……CA20爆弾が起爆したのだ。
タイラントは木端微塵。 爆発四散。
さらば変態。 面倒は早めに片付けるに限る。
「ひゅぅ、流石だな只野」
「飽きてきたけどね」
「只野、大きい音したけど大丈夫!?」
「クレアか、問題ないよ」
「さすがEDFってか! で、この後どうするよ」
「スティーブ君……不時着に備えなさい」
「マジかよ」
俺達を乗せた飛行艇は南極へ。
ごめんよ皆。
強制自動操縦の解除の仕方知らないのよ。
こうして南緯82度17分、南極基地に突撃。
そんで現地民……隊員に言われるのさ。
「ようこそ南極基地へ。 派手な御到着で」
まぁなんだ。
味方がいるのは頼もしい事である。 間違いない。
CA20爆弾
設置式の特殊工作用爆弾。
手榴弾をはるかに上回る威力がある。
起爆には十分な距離を取らないと危険。