研究所の奥へ。
施設から脱走したBOWの悉くは包囲部隊が倒し、施設敷地内を彷徨うゾンビやリッカー、ハンターや大蜘蛛も一方的に倒している。
損害はゼロと言っても良い。
そして遂に。
EDF、最下層に突入せり。
その報を受けた本部は制圧成功を確信した。
1番乗りは例の只野二等兵だったが、頼れるカルロス伍長と米特殊作戦軍から転属したクラウザー大尉がいる。
階級はそれぞれEDF内のものであり、必ずしも前職とは関係ない。
カルロスは、やや軽い性格もあり昇進が遅れている様子で傭兵時代と同階級だが、今回及び今後の成果次第では昇進。 今後の活躍にも期待。
クラウザーは職業軍人というか、任務にドライで真面目に遂行、実力もあり屈強な雰囲気だが、同時に恐怖心を隠す。
それを克服する為かチカラを求める節がある。
転属の際、上は見抜いたか否か、彼の価値を大きく肯定、認めて大尉という高階級に。
只野二等兵は……最下級な二等兵のままだ。
勝手な言動や行動を反省して、曹長の元で正規訓練をすれば普通に昇進するだろうに。 残当。
ただ共通しているのは、皆して強い事。
金に固執していないし、状況判断も出来る。
そんな彼等がいれば、テイロスも何とかしてくれる。 確信はない。 だが誇らしい自信だ。
「よし。 このまま制圧、証拠を手にする」
状況は進む。
現場はEDF、私設部隊、暗躍するアルバート・ウェスカーが某大佐の護衛と本人とドンパチ中。
全クローズアップは大変なので只野二等兵方面に絞る。 ご了承下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「知ってた」
この言葉は最早口癖。
キモいぐらい純白な研究施設の通路をひた進めば、例によってウボァなゾンビ共。
それを俺とカルロスがNN2で撃ち払い、貫通弾が後方に順番待ちしてる連中も纏めて葬る。
開けた部屋に出た際は、クラウザーがT1ストークLSをフルオート。
密集している際は時限式の手榴弾、MG11Jを転がして吹き飛ばし殲滅、ルームクリアとする。
「クラウザー、流石ですね」
「狭いからだ」
「只野〜、コレ言うほど悪くないぞ」
「それも狭いから、あと近距離だからだ」
戦場でブツクサ言い合いつつ前進。
狭い通路、部屋は逃げ場が無い反面、銃で一網打尽に出来る場合もある。
本当に場合によるが。 過信すると死にます。
突然の接敵、突然の罠。
ここの施設の場合はセキュリティがそう。
レーザーカット部屋とか。
サイコロステーキになるのはマジ勘弁。
そういった警戒は必要だし、武器に関しては長物より拳銃やナイフが有効な場合もある。
取り回しの問題でね。 素早く対応出来る。
俺は無いけど。 クラウザーとカルロスはあるけど。 なんでか。 二等兵だから、じゃなく単に忘れましたからです。
次は申請して装備に入れねば。 再出撃勘弁。
「部屋が連続しているな……」
「ハニカム構造? 方向感覚が狂うぜ」
「レーダーを見て。 敵がいる方向が正解さ」
「ホント、ご親切にどうも」
サングラス(ゴーグル)・ディスプレイに映る様々な情報をも利用しつつ進撃。
凄いでしょコレも。
一般兵が常備してるんだぜ?
「あれ、この先に味方表示が2つあるぞ」
カルロスが言う。
見やれば確かに。 此処まで潜ってきたのはEDF隊員なら俺達しかいない筈。
であれば私設部隊、クリスとジルの名コンビ。
「クリスとジルだ」
「知り合いか」
「はい。 ラクーン市警特殊部隊員だった人です」
「あー、前に聞いたな。 ジルはラクーンにいたっけか、クリスって奴は知らんけど」
「誰でも良い。 だが此処まで来たという事は少なくとも強者と見て間違いない。
運だけで生き残れる程、この戦場は甘く無い」
「実際、頼れる人達です。 ですがあの2人がいるところ大変な事ばかり起きます」
「トラブルメーカーかよ」
「毎度強敵、元凶と戦ってるって事」
「是非会いたくなった。 行くぞ」
クラウザーが先行、後続に俺とカルロス。
レーダーばかり頼らず周囲警戒しつつ、現場へ駆けつければ謎に広い部屋に出た。
そこには予想通りクリスとジル。 防寒服姿で此方を見やると、再会の挨拶から始まる。
「ッ、只野にカルロス!」
「よぅ。 俺はもうアンブレラじゃないぜ?」
「只野、妹が世話になったな」
「2人とも久しぶり。 ジルはラクーン、クリスは南極で少しかな」
「……戦友か。 折角の再会に水を差して悪いが、此処は嫌な予感がする。 警戒は怠るな」
クラウザーが注意を促し、早速というか何処からかアナウンスが流れ始めた。
某大佐だ。
tウィルスに適合し、アンブレラで幹部の地位を得たセルゲイ・ウラジミール。
ウェスカーとはこの後対決するのかな。 そっちは任せる。 俺の体は1つしかないのでな。
というか超人対決とか無理。
巻き込まれたく無い。 ツッコミされそうだけど。
『ふふふっ、客は多い方が良い』
「誰だ!」
セルゲイです。 放置で良いですよクリス。
この後、ウェスカーに殺されるから。
『此処まで来た褒美に、我がアンブレラの新作B.O.W.を紹介しよう』
言うや、部屋の隅から出て来るデカい奴。
見た目はゴリラ。
クリスも将来ゴリラになるが、その比じゃない。
装甲を纏い、肩にロケラン担いでいる。
明らかにヤバい見た目。 歩兵だけじゃとても。
でもご安心下さい(EDF広報風)!
クリスとジルの方が化物です。 俺が干渉しなくても、2人は途中の部屋等で手に入れたMP5的なサブマシンガンとかで、なんだったら持込拳銃で何とかしちゃうから。
この先も似た事するが。
あと……なんだろうね。
EDF隊員は全員じゃなくても、こういった施設内や地下での任務が予想される場合、ディスプレイやヘルメットに内蔵されたカメラ等で戦闘記録は取られる。
で、歩兵2人……今は5人……に倒されちゃう新型BOWの映像が出回ったら「アンブレラワロスw」で色々終わると思うの。
だって1個分隊以下の戦力に倒されるんだぞ。
それでいて新作は見た目的にも高価だろう。
割に合わない。 切札は建前の趣味かなと思われて仕方ない。 仕方なくない?
『タイラントをコンピュータ制御する事で、より強力な兵器となった』
「これがアンブレラの"砦"か!」
『楽しみたまえ。 EDF諸君と共に』
うん。 楽しまず倒そう。
俺達は銃を構える。 何とでもなるさ。
クリスとジルもいるワケだし。
時に周囲の隊員が死ぬので、死神扱いをする者もいるとかいないとかだが、今この場の者達は全員生き残る。
生き残らせて見せる。
「くるわ!」
「散開!」
各々別々に動き、相手を撹乱。
早速放ってきたロケランの爆風に転がされつつも、その勢いのままローリング。
姿勢を素早く整えると、NN2を撃ちまくる!
「EDFッ!」
俺が叫べば、2人も叫ぶ!
「EDFッ! EDFッ!」
「EDF!」
良いぞ良いぞカルロスにクラウザー!
慣れてきたね、EDFのノリにィィッ!!
「なぁジル。 EDFはこうだったか?」
「私に聞かないで頂戴」
こうして新型BOW、テイロスと交戦。
激闘が始まったのであった。
MG11J
手榴弾MG11のJ(時限式)型。
接触式より構造が簡略な事で威力が高い。