バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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前書き
前回のあらすじ
火山島に墜落。

元海兵隊少尉ビリー・コーエン出したかったり(出すとは言っていない殴


44.ウェスカー戦後半

 

 

『只野の座標を送った。 直ちに救援に向かえ』

 

 

本部からの命令を受け、クラウザー大尉ら本隊とデルタはジョッシュや駆けつけたカーク、ハットトリックが操縦する輸送ヘリで現地へ向かう。

世界の危機とやらは取り敢えず先延ばしになったが、状況は良いと言えない。

 

 

「只野は無事っぽいが、ウェスカーって野郎もそうだろうな。 コンバットフレームを倒す超人っぷりだ」

 

 

カルロスが言い、クリスとジルが渋い顔で頷く。

 

 

「奴が簡単にくたばるとも思えない。 この目で確認するまでは油断はしない」

「ええ。 皆の仇を……」

 

 

ラクーンの頃から因縁があるウェスカー。

シェバ含む他の者は詳しく知らないが、その表情だけで色々思う所はあった。

 

 

「……力に溺れた末路か」

 

 

クラウザーが呟く。

EDFに、只野に出会えなければ自身も似た末路を辿っていたのではと。

事実、正史ではウィルスの力に魅了されてしまった。 何かを守るにも変えるにも力が必要なのだと。

だがEDFの圧倒的な力、何より間近にいる部下達……カルロス、特に只野を見ていると、ウィルスの可能性よりも人類の可能性に賭けたくなってしまう。

希望的観測に過ぎずとも、直感に従うだけだ。

まぁ……その……命令無視雄叫び上等兵な問題児共を持ってツライさんな場面もあるが。

 

 

『KM6とDE203が先行中』

『潜水母艦が支援可能領域に到達』

『サテライトブラスター、スタンバイ』

『バレンランド基地、テンペスト発射態勢』

『非常時はN6の使用が許可されます』

『特殊作戦コマンドは間に合いそうにない』

『海軍が周辺海域の広域封鎖!』

『最悪は島ごとウィルスを滅菌する!』

 

 

通信が飛び交う。

本部、更には総司令部による最高位の作戦コードまで使用されオオゴトに。 世界の危機だからね、仕方ないね。

そんなEDF。

圧倒的な力による包囲網が完成していく。

最早ウェスカーに逃げ場はない。 それは只野もそうだったが、負ける道理は無かった。

 

 

「頼むぞ只野……!」

 

 

皆は、そう願った。

 

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

 

 

身体中が痛い。 熱い。 息が苦しい。

マグマに囲まれて楽な訳がない。

肺が駄目になる前に何とかしなければ。

武器は既に駄目になったが。 でも探す。 奴を。

痛む身体を引き摺りつつ、俺は叫んだ。

 

 

「はぁくそ……ウェスカー! 出て来いや!」

 

 

歴史の修正力とやらでここに居るならば、奴も生きているに違いない。

そして案の定というべきか、ガラリと岩音を立てて奴が現れた。 何故か上半身裸で。

 

 

「クリスに貴様らといい……殺してやる!」

「やってみろ。 ウロボロス計画は破綻、EDFの大部隊が間も無く此処に来るけどな!」

「舐めるなよ……神になる資格が俺にはある! 見せてやる、その力を!!」

 

 

終始厨二病を貫く気らしい。

雄叫びと共に近くに転がっていたウロボロス入りミサイルに拳を叩き込むと、ウィルスを取り込んでいく。

 

 

「見ろ、この姿! この力!」

 

 

間も無く触手責めに遭っているオッサンが出来上がった。 目にも毒過ぎる。 やっぱ滅ぼさなきゃ(使命感)。

 

 

「いくら痛い言動に痛い見た目しても、痛い目に遭わす事に変わりない。 さっさとマグマに足滑らせて死ね!」

 

 

などと叫んでみたものの、武器ないんだよね。

あっ、そうだ(唐突)。

拾ったアルバートモデルで戦い……弾ないよ!

トリガーの音が虚しく響く!

 

 

「弾なしかい!?」

 

 

いやまぁ、鉛玉程度でどうにかならないんだろうけどね。 体当たりでもしてマグマに落とすしかないか?

いやでもなぁ。

ゴリスのタックルに耐える野郎だからなぁ。

今じゃウロボロス取り込んでるしなぁ。

俺がやっても良くて仲良死だよなぁ。

じゃあ、俺がすべき事は……。

 

 

「逃げるんだよぉ!」

 

 

クリス! ジル! シェバ!

他クラウザーにカルロス! 皆早く来て!?

 

 

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

 

 

「ありゃ只野じゃねえか」

 

 

火山島上空に到着後、皆が只野を探しているとカルロスが言った。

注目すればウェスカーに追われている只野がいる。 僅かな足場を飛び跳ねてマグマを飛び越え逃げ惑っている。

明らかに武器を持ってない。 あっても腰に拳銃をぶら下げているのみだ。

 

 

「ウェスカー! やはり生きていたか!」

「只野が危ないわ」

「援護が必要ね」

 

 

クリスが叫び、パートナーも呼応する。

クラウザーは早速指示を出した。

 

 

「上空からで構わない。 援護しろ」

 

 

言い終わるが早いか、各輸送ヘリの扉が開いてはマズルフラッシュと銃撃音が響き始めた。

KFF狙撃銃やブレイザーの光線の弾幕がウェスカーに突き刺さっていく。 普通の人間なら蒸発して余りあるが、奴は怯むこそすれ、人の形を保ち続ける。

 

 

「EDFめ、どこまでも忌々しい!」

 

 

ヘリ部隊を睨むと、そこら辺の岩を投げ飛ばす。

幾つかがヘリに当たり黒煙を上げると、海原へと墜落してしまった。

 

 

「とんでもない奴だ!」

 

 

誰かが皆を代表する様に驚愕の声。

戦時含め化物の数々を相手したEDFだが、ウェスカーは人のサイズであれだけの力を有している。 改めて情報以上に危険であると身を震わせる他ない。

一方、只野は機体から落ちたKFF70を拾うと、それで戦い始めた。

ボルトアクション式で連射は効かないも、精度の高さと只野の腕もあり、何発もの弾丸がウェスカーを貫く。 だがウロボロスの触手アーマーが上回っているのか、怯むばかりで中々倒せない。

 

 

「化物め!」

「でも只野は諦めてない!」

「なら俺らが逃げる訳にいかねぇよな!」

 

 

それでも諦めない只野に感化される隊員ら。

士気が下がる事なく、抗い続ける。 クリスとジルも積年の恨み辛みが奴にあるので、引く訳にはいかない。

とはいえこのままでは埒が明かない。

そこで現場の只野は思いつく。 正史の記憶からマグマダイブさせる事に決めたのだ。 早速友軍に頼む。

 

 

『こちら只野、奴をマグマに突き落とせないか!? 奴のいる足場ごとロケランか何かで吹き飛ばして欲しい!』

「なるほど、分かった! 丁度クリスの乗るヘリにゴリアスZDがある、それで沈める!」

「了解!」「分かったわ!」

『えっ、待って最終作戦級積んでるの?』

 

 

カルロスが対応し、クリスへ伝達。

クリスとジルは了解すると、ヘリに積んであった最終作戦仕様な大筒ロケラン、ゴリアスZDを構える。

ゴリスがゴリアスを(ry。

 

 

「これで終わらせる!」

『ちょまっ、俺まで───』

 

 

トリガーを引けば、轟音と共に飛んでいく大きな弾頭が2つ。

大筒に備わるレーザーポインタ目掛けて軌道を変えて飛んでいく誘導式。 この精度と威力は高く、これを喰らってマトモな奴はいない。

なんならマグマに落とさず直撃させれば良さそうだが……二段構えというヤツだ。

 

 

「「おのれクリイイイイスッ!!」」

 

 

そして弾頭がピンポイントでウェスカーに直撃。

巨大な爆炎に飲み込まれ、島の足場も大きく吹き飛んだ。 ついでに只野も。

 

 

「これでウェスカーも流石に……しまった!」

『しまったじゃねぇよ! 早くタラップ!』

 

 

沈みゆく足場に取り残される丸焦げの只野。

最寄りのヘリから折り畳み式の梯子が下げられ、只野がそれに飛びつく。

刹那、人が立てそうな場所は全てマグマに沈んでしまった。 間一髪だった。

 

 

「ふざけんな! もう少しで溶岩浴だ!」

「正直悪かった」「ええ、次は気を付ける」

「"次"があって堪るか!」

「はっはっはっ! 笑わせるなよ只野!」

「笑えないぞカルロス!?」

 

 

離脱するヘリにしがみ付きつつ文句垂れる。

只野だったから生き残れたものの、普通は死んでいる。 ゴリアスZDの様な最終作戦仕様相当の兵器は威力が桁違いだ。

しかも死んだら"次"の恐れすらある。 只野としては勘弁願いたい事象だ。

 

 

『まぁ野郎の席も空けてるだけ有り難く思え』

『全くだな』

『何にせよ無事で何よりだ』

 

 

何処かで聞いた声が無線越しに聞こえた。

ヘリパイロット達の声だ。

 

 

「その声、パイロットのカークにハットトリック、デルタ隊長のジョッシュ。 生きてたんだな……良かった」

『はぁ? まぁ皆無事よ。 EDFのお陰だな』

 

 

安堵する只野。

ジョッシュは兎も角、カークらモブパイロットは正史で戦死している。

今回はEDFの介入で助かっていた。 その意味では完全に歴史は繰り返していない。

全体で見れば小さい出来事かも知れないが、只野にとっては大きな出来事だった。

 

そんな只野をカルロス達は引き上げつつ、クラウザーはその光景に満足そうに頷くと本部に短い報告を入れた。

 

 

「任務完了。 これより帰投する」

『本部了解。 よくやってくれた!』

 

 

日差しを浴びつつ、ヘリ部隊が征く。

この光景と皆の笑顔を見れただけでも、この世界を守った価値はあったといえよう。

少なくとも、クラウザーと只野は思った。




とりまウェスカー戦終了までこれました……。
今後どうなるのか不明(殴
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