バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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人物紹介等しつつ前進。
短く区切っていきたい……。


4.傭兵

EDF本部は今回の事件を重く見た。

 

コンバットフレームや強力な銃火器を現地に投下したのはその為。 旧式が目立つのは威力偵察も兼ねて、壊れても構わない物が選ばれたからだ。

 

だがしかし。

EDFは、この大惨事を事前に止められなかったのかと頭を抱え自身を悔いる。

 

EDFは世界規模の軍事組織だ。

同時に政財界にも通じている。

 

アンブレラの悪行は遅くとも洋館事件前後で報告を受けていたし、政財界方面でも新兵器と称した怪しい話が舞い込む事があった。

EDFは結託せずコレらを蹴ってきた。

 

知らなかったのではない。

知ろうとしなかったのだ。

 

地球を、人類を守る組織として恥ずかしい話だが、今は事態収束に当たるしかない。 後始末は大変だとしても。

 

 

「後悔先に立たず、か」

 

 

司令官が呟いた次には、新たな絶望が舞い込む。

 

 

「こちら戦略情報部です」

「どうした?」

「合衆国政府が滅菌作戦を決定しました」

「なんだ、それは?」

「新型弾頭でラクーンシティごと、ウィルスを滅菌。 消滅させる作戦です」

「馬鹿な!」

 

 

突然の報告。 司令官は吐き捨てる。

 

 

「現場には隊員と生存者がいるんだぞ!」

「はい。 大至急、撤退するよう要請しています」

「……シモンズめ!」

 

 

思わず歯軋り響く。

政府関係者である一方、政財界を牛耳る者の名を叫びながら。

 

 

「米空軍は!?」

「新型弾頭積み込み中と思われます」

「中止要請だ!」

「掛け合ってみますが、期待は出来ません」

「くそ、現場に緊急連絡。 撤退準備!」

 

 

確かに事態収束は最早困難だ。

だからといって街を吹き飛ばすとは。 他に方法が無い様に見せ掛けて、本音は別にありそうでならない。

 

 

「合衆国の権威、アンブレラの悪事隠蔽が狙いだな。 シモンズにアンブレラ……このツケは必ず払わせてやる!」

 

 

静かに怒りを燃やすEDF。

今は生き延びる事に集中し、状況に備える。

 

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

「撤退命令! ヘリに乗り込め!」

「大型兵器は放棄! 直ちに撤収!」

 

 

来たよ撤退。

滅菌作戦を知って出した訳だ。

 

でもね。 まだ時間があるから。

レオン組とカルロスを助けないとね。

 

 

「まだ生存者がいます。 助けないと」

「残念だが命令だ、諦めろ」

 

 

言えば当然返される。

俺は二等兵。 権限は特に無い。

 

だけどもヤります。

怪我してないし。 FBC新人時代のレイモンドとは違うのだよ。

 

「おい待て只野ッ!?」

 

 

許せ皆よ。

同時に知っている。 何だかんだジルも含めて皆は俺に付き合ってくれる事を。

 

先ずはカルロスだ。 地下鉄に向かう。

 

署内に投げてあった無反動砲グラントM31を背負うと、アンダーアシストでゾンビ集団の中を走り抜ける。

時間が惜しい。 構ってられないので、無視出来る敵は無視。

 

やがて辿り着く地下鉄。

U.B.C.S.の生き残りが生存者を集めている場所。

警察署内よりかは良いんじゃないかな。

リッカーやゾンビ犬が動き回ってるし。 それでも外よりマシだろうけど。 虫はキモ過ぎて生理的に無理。

 

 

「誰だ!」

 

 

ホームで会うや青年に小銃を向けられる。

傭兵のカルロスだ。

装備はPA-11。 EDFから払い下げられたモノだ、アンブレラ関係が使用していると複雑だね。

傭兵に罪は無いが……いやある奴もいるんだが、バイオハザードがアンブレラが原因とは知らない。

 

そんなカルロス。

本当ならジルと行動を共にし、ラクーン脱出を果たすまでのバディである。

今回は俺。 野郎でスマソ。 下端同士頑張ろう。

 

 

「待て、EDFだ。 助けに来た」

「世界の軍隊か、そりゃ頼もしい。 もっと早くに来てくれて良かったんだぜ?」

 

 

そうは言うがね。

二等兵がどうこう決められないのだよ。

 

まぁ、こうして勝手に動く事で変わる状況もあるけどね。 だから動いた。

 

 

「そうなんだが、撤退命令が出た」

「なっ、生きてる奴を見捨てるのか!?」

「政府が街を吹き飛ばす。 撤退だ」

 

 

伝えると、狼狽するカルロス。

だが直ぐに持ち直し、これからを考える。

 

こうした切替が生存に繋がるんだろうな。

 

 

「時間はあるのか?」

「無かったら来てない」

「よし……此処にいる生存者だけでも脱出させてやりたい。 俺達の予定は電車を動かして脱出か時計塔にヘリを呼んでの脱出。 EDF側の策は?」

「ヘリだ。 陸路は暴徒と瓦礫で時間が掛かるからね。 数は十分」

「其方の予定に合わせた方が良さそうだな」

「言ったろう、助けに来たって」

 

 

無線を飛ばして生存者の数と輸送可能か否かを確認、許可を貰う。

 

だが生存者の中には自力で動けない者がいる。

特にカルロスの隊長。 重症で動けない。

 

 

「俺に構うな……行け、カルロス」

「置いていけるかよ」

 

 

と、この様な揉め事が起きている。

そうなるのを知っていたから、根回ししてある。

 

兵員輸送用のグレイプを呼ぶ。

 

 

「装甲車が来る、それに全員乗せる。 狭苦しいけど耐えてくれ」

「マジか。 ホント、頼りなる連中だな」

「……俺ら傭兵と違うな」

 

 

別にU.B.C.S.が悪い訳じゃない。

彼等の装備もちょっとした軍隊だ。

ただ今回は状況が悪過ぎたというか、更に言うとクズ監視員ニコライ・ジノビエフがいる所為もある。

1番責められるは雇主のアンブレラだ。

 

 

「そうだ、予め言っておく」

「なんだ?」

「この騒動は君達の雇主が原因だ」

「アンブレラが?」

「それとニコライって奴は信用するな、アイツはアンブレラ側の監視員だ。 戦闘データを収集するのが目的でな、その為に何人ものU.B.C.S.隊員が奴に嵌められて死んでいる」

「突然ペラペラと……信じろってか」

「そうしてくれ」

 

 

困惑されつつも、何とか飲み込んで「分かった」と短く返答される。

何故EDFの1兵士が色々知ってるんだ、と疑問は尽きないだろうが、常軌を逸した状況下だ。

 

やがて外に装甲車がやって来る。

同時に隊員も到着。 早速叱咤された。

 

 

「何やってるんだ! 単独行動で!」

「生存者がいるから助ける。 それだけです」

「全くお前って奴は……ここにいる生存者は署まで送るが、お前も来い。 一緒に撤退するぞ」

「いや、まだ生存者を見かけたので」

「あっ、おい待て只野!」

 

 

俺は再び走り出す。

クズを叩きのめしておかないと、背中が危ないからね。

その次はレオン組だ。 まだタイラントとGバーキンが残っている。

守らないと。 後々の事件に絡む為にも。




PA-11
EDFの初期型自動小銃。
安定した性能で信頼されてきたが、後継銃の開発と旧式化に伴い、使用されなくなった物が民間・警察向けに流出している。 アンブレラの私兵も使用しているのは、その為である。

グラントM31
EDFの初期携行型ロケットランチャー。
後継が開発されており、M31は旧式化が進んでいる。 ただし強力な重火器に変わりない。 照準器もあり命中率も高い。
単発かと思いきや、EDF謎の技術で2、3発以上の装弾数で連続して発射可能。
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