バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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前書き
前回のあらすじ
アレックス逮捕
ナタリア救出


56.アレックス戦

突然、塔の外から爆音が聞こえたと思えば、無線から悲鳴に似た報告が舞い込んでくる。

 

 

『こちらスカウト! アレックスを護送していた輸送ヘリが爆発! 墜落します!』

「なんだって!?」

 

 

慌てて外に出てみれば、1機のヘリが炎上し高度を下げている。

機体表面にはウロボロス特有の黒い触手が纏わりついている。 刹那、側面の扉が爆炎と共に吹き飛ぶと、隊員が火の玉となって地上に落ちた。

やがて轟音と共にヘリは地上に墜落。 海岸近くなだけに巻添えを食らった隊員も少なくない。

 

 

『レーダーに反応! 恐らくアレックスです!』

『馬鹿な! 普通生きて、う、うわあああ!』

『奴だ! BOWになりやがったああ!』

『撃て! 撃てーッ!!』

『動ける者は戦闘に参加せよ!』

『ガンシップに排除要請!』

『座標───』

「くそっ! この期に及んで奴は何がしたい!」

 

 

只野は毒付く。 歴史を繰り返していると。

何度ループしても必ず何処かしら正史通りの展開を歴史は見せてくる。

この修正力は思った以上に強烈な粘り気だ。 振り解くのは至難の業だと改めて思う他ない。

 

 

「現実を見ろ!」

 

 

少尉が一喝。

只野の気持ちなんて知りもしないが、現状、やれる事をやるしかないのは共通する。

 

 

「迎撃する! 墜落現場に急行!」

「ッ、イエッサ」

「分析官以外もだ!」

『了解!』

『GO! GO! GO!』

『行け! 行けぇ!』

「ナタリアは此処に残っていなさい」

「でもロッティが!」

「大丈夫。 きっと助ける」

 

 

塔を皆して飛び出した。

少女に嘘を息をするように吐くのは心苦しいが、状況は逼迫している。 戦場に連れていけない。

 

収まりかけた戦闘音は再び激しさを増し、海岸は火の海となる。

現場は銃撃と爆音、悲鳴が支配していた。

いつもの事だが、そのいつもの事が只野には嫌である。 もう仕方ないのだが。

 

 

「見えてきたぞ!」

 

 

視認出来る距離に来れば、アレックスが。

ただし、正史と異なり醜い顔に猫背からの背骨が剥き出しな化物のソレではなかった。

元の人間の姿を殆ど残したまま、体表面全体を黒い触手が覆っている。 言うなれば最終決戦時のアルバート同様なのだ。

 

 

「だとしても殺す」

 

 

ひとり呟く只野。

そも、見た目が趣味じゃないし。 熟女の触手責めは見ていられない。 基本記憶は残さねばならないが、こればかりは消したい気持ちが強くなった。

 

 

「そうだ! やるか、やられるかだ!」

 

 

少尉は只野の気持ちを知らずして鼓舞し、射程距離まで接近。 バーストで撃ち始め現場を援護する。

 

 

 

『只野!』

 

 

そこにヘリが低高度で接近。

搭乗していたバリーが素早く飛び降り、ローリングして勢いを殺しつつ合流してきた。

 

 

「とっつぁん!」

「サイアクな事になったな。 手を貸すぞ」

 

 

そう言って、リボルバーの回転弾倉を銃身横振りで格好良くセット。

只野はニヤけつつ言葉に甘える事にした。

一方、離れていくヘリは一定の距離を保ち始め、中から3バースト狙撃銃NP3-Aを構えた女性が。 クレアだ。 隣にはモイラもいる。 あとスティーブとかその他諸々。

 

 

『只野! 此処から援護するわ!』

『バリー、じゃなくてパパ! 勝ってよね!』

「任せろ! 奴の呪いはここで断ち切る!」

 

 

知らん間に親子は打ち解けたらしい。

良くも悪くも記憶通りだ。

 

 

「これも歴史通りか。 けど頼もしいね」

 

 

共に並び銃撃を開始する只野達。

無数の多種多様な弾薬が火を噴き、アレックスは集中砲火を食らっていく。

アレックスは触手を振り回す暇がない。 振り回したとしても、弾幕の壁を前に千切れ落とすばかりとなる。

 

 

「良いぞ! このまま抑え込め!」

 

 

激しい弾幕でアレックスを押さえ込むEDF。

エアレイダーかフェンサーが到着すれば、高火力で消炭に出来る。

それを察してか、怒りと恐怖混じりのアレックスは叫び散らす。 そして変化が始まった。

 

 

「おのれEDF! おのれタダノ!」

 

 

生命の危機、死ぬ恐怖に飲まれ、体内に予め打ち込んでいたCウィルスが反応。

ウロボロスと合わさり、とうとう人間のフォルムを失っていく。 大量の触手の塊と化していくと、小銃弾から身を守り始める。 バリーのマグナムが多少効いてる程度だ。

 

 

「さすがウェスカー計画の生き残り。 ウィルスとの相性は良さそうで」

「馬鹿言ってないで何とかするぞ!」

 

 

只野の軽口にバリーはツッコミ。

代わりにモブがテルミット弾で抑え込む。

他の隊員もグレランでナパームを撃ち込んだり、汚物焼却用で持ち込んだ火炎放射器α等で燃やし尽くす勢いで攻め返す。

触手の塊に着弾、燃え始めれば、火の玉に。

流石に堪えたらしい。 人ならざる悲鳴を上げ、暴れ始めた。 火の鞭と化した触手を滅茶苦茶に振り回し、塊がγ型の如く跳ね回り、周囲の隊員が弾きまくられる。

 

 

「ぐあああッ!?」

「増援はまだか!」

「悪足掻きを!」

「弾薬残り僅かです!」

「弱音を吐くな! 俺達は何者だ!」

「EDFッ!」

「地球を、市民を守るのは誰だ!」

「EDFッ!!」

 

 

互いを鼓舞する隊員達。

その中、執拗に狙ってくる鞭打ちを只野はローリングで回避していく。

味方部隊は残り少ない。 流石に声も荒くなる。

 

 

「くそっ! 本部、増援はまだか!?」

『間も無く到着する! 持ち堪えて見せろ!』

「気楽に言ってくれて!」

 

 

クレアに無線を送り、現状戦力で対処を試みる。

 

 

「クレア! あるんだろ、とっておきが!」

『御免なさい。 このヘリには無いの!』

「おうおうマジかよEDF使えねーな!?」

『サイアク!』

 

 

揚陸した海岸近くなのに、有効な重火器持ちがいない歯痒さ。 只野は周囲を見回した。

すると、あった。 死体と化した隊員の側にグラントMTXが転がっているのを。

 

 

「いや最悪でもない! とっつぁん!」

「分かった!」

 

 

言い切る前に理解したバリーが言うと、マグナムからサムライエッジに持ち替え、弾幕を張り注意を引く。

その間に只野がダッシュ。 グラントをローリングキャッチすると、即座に構えた。

 

 

「アルバートに宜しく!」

 

 

トリガーを引く。

ロケット弾が高速で飛び出し、正確にアレックスに飛翔した。

着弾の刹那、一瞬だけ間抜けな表情をしたアレックスは、そのままロケランの生み出した火球にウィルスごと呑み込まれ、爆炎の中に沈んでいった。

 

後に残るは静寂。

遠くからヘリのローター音。

沈黙を破ったは塔に残った工兵の悲鳴。

 

 

『塔の自爆シーケンスが起動!』

 

 

刹那。 ワッ、と新たな緊張。

 

 

「アレックスが死んで作動したか!」

「ナタリアと脱出急げ!」

「退路がない! た、助けて下さい!?」

 

 

どうもクレアとモイラが辿った、断崖絶壁辺りに取り残されてしまったらしい。

EDF隊員だけなら海に飛び込めば良いが、ナタリアにダイブはさせられない。 海面に打ち付けられて死んでしまう。

 

 

「何か方法はある筈」

 

 

遠くからでも分かる程、塔の崩壊は進んでいる。

本チャンの自爆まで時間はあるにせよ、小規模な連続崩壊が連鎖し、人が踏める足場はみるみる崩れ去る。

 

 

「今行く! 待ってろ!」

 

 

只野は周囲を見やり、クレアに頼んだ。

 

 

「クレア!」

「分かった!」

『ホーク1。 回収に向かう』

 

 

こちらも意図を察し、パイロットは崩壊する塔に寄るという危険を犯してくれた。

只野も揚陸された物資を漁り、軍用バイクのフリージャーを拝借すると塔の近くへと飛ぶ様に寄って行く。

 

 

「ヘリが来た!」

 

 

断崖絶壁に留まる工兵が手を振った。

が、これ以上は寄れない。 ローターが壁にぶつかるからだ。

 

 

『これ以上は無理だ! 嬢ちゃんを投げてくれ!』

「大丈夫! 私達が必ず受け止めるからね!」

「俺達が向こうに投げる。 怖いだろうけど大丈夫だから」

「ううん平気。 怖くないから」

 

 

こんな時、恐怖が抜け落ちたナタリアは勇敢に見える。 工兵がEDF式に鍛え抜かれたパワーで担ぎ、ヘリのクレアに投げ飛ばす。

 

 

「頼むぞ!」

「大丈夫、そのまま……ッ!?」

 

 

手が届く刹那。

落ちてきた瓦礫がヘリのローターに衝突。

火花を散らし大きくバランスを崩してしまう。 本来なら届く筈だった距離が狂い、ナタリアはクレアの手をすり抜け海へ落下。

 

 

「きゃあああ!」

「ナタリア!?」

 

 

万事休す。 そのまま海に叩きつけられる。

かに思われた瞬間。 ウィングダイバーが空中ダッシュでギリギリ彼女をキャッチ。

重さで海には落ちてしまうも、衝撃が和らいだ事で一命を取り留めた。

 

 

「退避する!」

 

 

レーダーでも確認すると、安堵する間も無くヘリは直ちに後退。 崩れる塔から離れた。

一方、取り残された工兵は。

 

 

「えっ! 俺達は!?」

 

 

などと言うから、只野が冷たく言った。

 

 

『贅沢いうな。 海に飛べ』

「ファッ!?」

『鍛えてるなら問題ない』

「あー! もう! 分かりましたよ!」

 

 

再びの只野伍長の酷さに晒されつつ、飛ばねば死ぬので仕方なく海へダイブ。

かなりの高さがあるし、運が悪いと海面から生えている岩にぶつかる。 それでもEDF隊員の丈夫さなら死ぬことはないだろう。

まぁ、正史でクレアが奇跡的に生き延びたのだ。

EDF隊員が出来ない事はないとの判断だった。

 

 

「一件落着だな」

「全然ですよ! 誰か回収して下さい!」

「岸まで泳げ」

「そんなー!?」

 

 

モブには厳しい只野であった。




戦闘中に塔から脱出を促さないポカ。

更新常に未定(殴
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