バイオ歴史改変:EDFのターン   作:ハヤモ

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前書き
前回のあらすじ
イドニア内戦地域へ。


59.交戦

制空権がどうなっているのか、空を敵味方問わずヘリ部隊が行き交っている。 地上も敵味方が入り乱れる中、クリス率いるアルファチームはEDFが拠点とする廃墟に到達。

世界規模の軍隊がボロボロな装備を纏っているのに哀れみの目で見つつ、只野軍曹に挨拶していく。

 

 

「また会ったな只野。 昇格したそうじゃないか」

「クリス程じゃないさ」

 

 

組織や規模、階級が違えど、只野は言う。

クリスはオリジナルイレブンの権限を投げて部隊の指揮をしている。

この辺も何となく記憶通りだ。 周囲にいる隊員もそうだ。 手に持つ武器がEDF製と変化は見られるものの、面子は変わりない様だ。

ああ、また彼等は死ぬのだろうか。

記憶で印象深いは新兵フィン・マコーレー。 今回は助けられるだろうか。 そう複雑そうに目を細め見渡す只野にクリスは紹介した。

 

 

「こっちはピアーズだ」

「宜しく頼みます。 噂は予々」

 

 

ターミガン狙撃銃を持つピアーズは言う。

彼もまた印象深い。 只野は頷きつつ答える。

 

 

「EDFの只野だ。 君の噂も聞いている」

 

 

挨拶すると、本人は怪訝そうに尋ねた。

問題児として有名になった只野に、ナニを言い返されるのかと警戒。

 

 

「どの様なモノでしょう」

「軍に腕の良い狙撃手がいたと。 後にBSAAに移籍したとブルージャケットに聞いたが、君の様だな」

 

 

それとなく誤魔化した。

まさかループしてるから知ってますと言えない。

 

 

「期待に応えます」

 

 

個人同士の信頼関係はコレからだ。

それより問題は今。 クリスは状況を進める。

 

 

「───EDFが情報をくれた。 フィン!」

「イエッサ!」

 

 

ニット帽を被る新兵フィンが、ライトの様なのを翳せば、地面に投影される多くの情報。

凄い技術だ。 今回は生きてる内に何処まで行くんだろうと只野は思う。

悪く言えば今は新鮮味が無い。 あるとすれば戦力の違いか。 前の記憶だと現地にEDF隊員は展開していなかったし、BSAAは参入すれど装備は違った。 情報を持ち帰る為に無茶したBSAA隊員は今回生き延びている。

小さな変化かも知れないが、頑張れば良い結果にはなるのでは、とまた期待をしてしまう。 現実は残酷なのを知りつつも。

 

 

「───新種は武器を扱う高い知能と回復力を持ち、非常に攻撃的。 データに無い不可解な変異も見られます」

「───この新種を必ず抑える。 3隊に分かれて進行。 EDFと協力しつつ制圧する、行け!」

「「イエッサ!」」

 

 

只野が悶々としてる間に兵士は輸送車に乗り込んだ。 EDF製武装装甲車両グレイプだ。 輸送が主な運用だが砲塔が付いており戦闘力は侮れない。

記憶では高機動車、ハンヴィーか何かだった。

その点も違う事から、只野は遂に尋ねてみる。

 

 

「クリス、装備の提供も?」

「そうだ。 威力と精度が高く重宝している」

 

 

会話しつつ空いている車両に乗り込む。

フィンの車両だった。 まぁ良いか、と無線越しに会話を続ける。

 

 

「本部連中がBSAAに武器提供するのは良いんだけどさ。 先ず自軍に寄越すのが道理だと思うんだがね」

「何か考えがあるのさ」

「どうだか」

 

 

今までを思う。

折角情報提供しているのに、バイオテロは歴史をなぞる。 現場からすれば上は何をしているんだと言いたい。 やっと目に見えて動いてるなぁと久し振りに思えばコレだ。 不満が出て無理はない。

廃墟の中を1列に進むグレイプの群れ。 暫く無言で揺れていると、沈黙を破るはクリスだった。

 

 

「只野」

 

 

クリスは言った。

 

 

「BSAAの方でも動きがある。 EDFの動きと連動しているのかも知れない」

「何?」

 

 

初耳である。

今までこの様な事は無かった。

 

 

「そりゃ、一体」

 

 

聞こうとした刹那、味方が叫び銃撃響く。

 

 

『敵襲! 敵襲!』

『アルファ、交戦!』

「チッ、良いところで!」

 

 

先頭を走るピアーズの武装装甲車両がロケランを喰らい、一時的に足止め。

だが正史と違い吹き飛びひっくり返る事はなく、堅牢な装甲によって被害拡大を食い止めた。

そのまま砲塔が火を噴き反撃。 榴弾が敵のいる廃墟に直撃すると瓦礫の山を作っていく。

その威力に恐る事なく、敵は銃撃を浴びせ始めた。 手に持つは射程と精度は無いが威力の高いスラッガーNN2小銃だ。 中には大型投擲弾DNG2を抱え特攻紛いをして来る奴まで。 油断すれば隊は全滅だ。

 

 

「話は後だ。 応戦するぞ」

「分かってるさ」

 

 

運転手兼砲撃手のフィンに車両を任し、後方扉から味方共々外に出て展開。 敵を迎え撃つ。

 

 

「銃撃戦か。 いよいよだな」

 

 

先が思いやられる。

とはいえ嘆いても始まらない。 只野はスレイドを構えるとフルオートで敵……ジュアヴォを倒しまくっていく。

 

 

「派手にやっている様だな。 手を貸すぞ」

 

 

そこに現地EDF隊員が駆けつけて、十字砲火。

ガンワゴンも来て荷台の高射砲を撃ちまくる。

そんなボロ装備でも助かる中、トラックの荷台に乗ったコンバットフレームも突撃してきて、いよいよ火力が上がった。

 

 

「この街の整備はどうなっていやがる!」

「機体がガタつくぞ、後で見てくれ!」

「落ちなきゃ良い! 今は撃て!」

「歩兵は援護しやがれ!」

「もっとアクセルを踏めぇ!」

「傭兵どもめ、遊んでやるぜ!」

「燃料が勿体無い! さっさと終わらせろ!」

 

 

ニクスマシンガンの弾幕が敵の群れをミンチにし、大火力の火炎放射器が敵の変異を許さず燃やし尽くす。

ボロとはいえ、歩兵とは比較にならない戦力。

その光景にクリス達も笑うしかない。

 

 

「武器装備が足りずともEDFは逞しいな」

「有ればもっと逞しいかと」

 

 

只野は笑みを浮かべつつも、援護するのだった。




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