前回のあらすじ
橋を制圧
橋を制圧したアルファチームと只野軍曹。
その先をコンバットフレームと荒廃隊員に任せ、他広域地域は空挺に任せる。 ブラボーの生き残りはヘリで撤退。
それで終わりと言えば、そんな事はない。
レーダー反応を頼りに只野が移動すれば、エージェントのシェリーと傭兵のジェイクと出会う。
「国家安全保障局のシェリー・バーキンです」
手帳を掲げてアルファに接近する若い女性。
ラクーン事件の生き残りの1人シェリーだ。
只野からすれば予定通りの展開。
逆に会えなかったら、どうしようかと。
記憶通りの展開となり、クリスと会話する。
「シェリー・バーキン、ラクーン事件の?」
「どうしてそれを」
「クレアと只野だ」
「只野? EDFの?」
名を言われしゃばり出る軍曹殿。
ゲームのキャラや有名人に絡みたいという、面倒かまちょと化した只野君であった。
「呼ばれて飛び出て何とやら。 大きくなってオジサン嬉しいよ」
下手するとクソリプ手前だが、かつての恩人の姿にシェリーは顔を綻ばすばかり。
「貴方も……元気で良かった」
軽く手を上げて互いに挨拶しておく。
記憶通りエージェントになっていた彼女に複雑な心境もある一方、安堵もある。
シェリーの体も特殊だ。 ラクーンで受けたGウィルスの影響で、驚異的な速度で傷が塞がるのだ。 その所為で政府に研究・保護の為に軟禁されていた。 ただ彼女を狙うウェスカーの死亡を受けて、エージェントになるのを条件にある程度の自由を得たのである。 その点、レオンと似た境遇であった。
世界線によってはアルバートに拉致られるシナリオもあったであろう。 そうならず良かった。
「それじゃ、貴方がクリス?」
「妹が世話になっているな」
後は挟まっても仕方ないので、見守るのみ。
「隊長、アイツ反政府軍の……」
「ッ、そう彼は傭兵です。 訳あって合衆国政府が保護しましたが、BSAAと EDFの敵ではありません」
君の上司シモンズは敵だがな。
只野軍曹は心で毒吐いた。 奴らファミリーはアメリカだから後でシめるしかないとして、今は此処、イドニアにいるカーラと追跡者を潰したいところ。
そう思案していると、ジェイクが軽口を吐く。
「カネ次第で敵にもなるぜ」
「なんだとテメェ!」
まだ精神的にも若いピアーズが怒る。
傭兵にも大勢仲間が殺されたのもある。
それを只野は止めつつ、ジェイクに話した。
「君、ジェイク・ミューラーだろ?」
何故知っている、と驚くはシェリー。
Cウィルスワクチンの為にジェイクを成る可く隠密に回収したい身としては、多くに知られて良い話ではない。
「だったらどうした?」
ジェイクは鋭い目付きで睨み接近してくる。
彼にとっては身元がバレようと興味無い。
邪魔するならブッ飛ばすスタイルだ。
シェリーは喧嘩ムードに慌てて止める言葉を探し、ピアーズはやっちまえと只野に期待の視線を送る。
ところが只野は、分からん話を始めたのである。
「なに、凄腕の傭兵の話を聞いてな。 南米で銃を失い丸腰の奴が大勢の敵に囲まれて、挙句に弾をケチられてナイフで襲われたが、生き残った傭兵の話を」
「別人じゃねえか?」
「かもな、だが教訓になる。 素手で戦う術も大切だと。 それを悪事に使った馬鹿を俺は知っているが、お前はそうなるなよ。 それと」
ホルスターから銃を抜く。
緊張が走り、ジェイクは警戒するも、只野はハンドグリップを相手に向けて手渡した。
「コイツをやる」
サムライエッジ、アルバートモデル。
複製ではなく本人の物だ。
ジェイクからすれば厨二病のグラサン親父の形見だが、当人はまだ知らない。
「何の真似だ?」
「厨二病の真似」
「はぁ?」
「貰える物は貰っとけ」
「……ふんっ」
ひったくる様に受け取るジェイク。
直ぐにスライドや弾倉を抜く辺り、警戒がしているのだろうが、カーラの"栄養剤"をブスリと首に刺す奴でもあるからね。 ワイルドというか"無鉄砲"というか。
「只野軍曹、敵ですよ? 渡さないで下さい」
ピアーズは抗議するも、只野は手で止める。
「まだ若い。 それに、政府が保護するという事はタダの傭兵と違い事情がある。 それをココで手を出して良い事があると思うか?」
「傭兵にも仲間が殺されたんですよ!」
「ずっと戦って来たEDFもな」
「だったら!」
「傭兵にも恨みはある。 だが政治的、民族的な要因が絡んで起きた内戦にキレ散らかしても火に油を注ぐだけだ。 それにBSAAの使命はバイオテロの根絶。 戦争じゃないだろ?」
「くっ……分かってます……!」
「それと、戦争を終わらせるのは俺達EDFの仕事だ。 張り切って取らないでくれよ?」
震えながも頷き、引っ込むピアーズ。
言葉ではそう言うが、言われるまで怒りのまま暴力に訴えようとしたであろう。
「ピアーズさん、只野軍曹の言う通りです」
新兵のフィンにも言われ、多少腹が立つも言う通りである事を飲み込み耐える。
ひとつ、痛みを伴いながら彼も成長した。
「新米に言われなくても分かってる……!」
一方、ジェイクは彼等を無視。
無意味な喧嘩を始めるでもなく、渡された銃をホルスターに仕舞う。
「カスタムハンドガン。 古いが悪くねぇ」
それを新世界の神(未遂)が聞いたら喜ぶな。
いやアイツは無いわな。 只野は思った。
やがてジッと見てくるクリスに何かを感じて声を出す。 クリスも何か感じるモノがあったのだろう。 親父の面影とかで。
「なんだ?」
「何でもない」
クリスは短く即答。
只野はこの辺で刹那的にレーダーをチラ見したが、敵の反応は無い。 先程始末したからか、空軍が支援を開始したからか。 正史だとBOWが来たが今回は来なかった。 楽な分は構わない。
代わりに味方輸送ヘリが早々に現れ、クリスはパイロットと会話していく。 戦闘はカット。
「パイロットに行き先は伝えた」
「ご協力、ありがとうございます」
そうして乗り込もうとする2人。
その内の1人、ジェイクをクリスが止める。
「おい待て」
「あ?」
「どこかで会ったか?」
「アホ面に見分けなんかつくか」
「テメェいい加減に……」
鎮火しつつあった怒りに油を注がれ、殴り掛かろうとしたピアーズを、今度はクリスが止める。
止めつつ、話を打ち切り彼等を行かせた。
「引き止めて悪かった……気を付けて」
背中を見せ乗り込む2人。
正史ならピアーズがココでクリスに抗議するが、只野が先に説教したので発生しなかった。
「ピアーズ、戦争はEDFに任せろ」
クリスにも似た事を言われ、頷くしかない。
ここで只野がシェリー達について行けば、追跡者を始末し、ヘリパイロットを助けられたかも知れない。
だが只野の体はひとつだけ。 シェリーもクリスも両方に手を伸ばすのは無理だ。
「だから……イドニアに残るって訳」
正史通りならば、シェリーとジェイクは捕まるも生き延びてくれる。
だがクリス達はそうはいかない。 確実に死ぬであろう新兵達がいる。 放置は出来ない。
それを言ってしまえば、やはりシェリー側の隊員もなのだが……別働隊に任す。
「本部。 俺の予想だとシェリーとジェイクの乗るヘリは墜落する。 現場は雪山のどっかだ、航路を確認してくれ」
『本部了解。 既に情報部が部隊を派遣した』
「助かります。 いつもそうなら良いですが」
『文句言っている暇あるなら、アルファチームの支援に回れ。 それも情報通りなら……』
「分かってます。 そのつもりです」
───その後、アルファチーム市庁舎突入。
総員散開。 室内の徹底調査を開始。
正史だとフィン含むBSAA隊員の多くがカーラの罠に嵌りCウィルスにやられ、クリーチャー化してしまう。
その際、クリスは記憶喪失。 半年間酒浸りの荒れた生活を送る事になるが、只野はその未来を回避する事が出来るのだろうか。
更新常に未定