前回のあらすじ
カーラと出会い、ドンパチ開始
『こちら本部。 動ける者は直ちに市庁舎へ向かえ、只野軍曹並びBSAAアルファチームがテロ容疑者を追跡中、援護へ入れ!』
『こちら戦略情報部です、テロ容疑者となればBSAA共々優先目標です。 空軍にも連絡を入れました。 支援可能です、エアレイダーは座標指示願います』
共用無線で全部隊に知れ渡ると、手の空いている兵士達は市庁舎を囲む様に行動を開始。 その状態で包囲網を狭め進行する。
『ヒャッハー! 新鮮な獲物だーッ!』
『しかも大捕物だぜ!』
『突撃ィ! 突撃ィーッ!!』
『只野軍曹に遅れを取るなァ!』
『増援からパクった燃料をブチ込めェ!』
『ほっほー! タイホォォオ!!』
先走りの荒廃隊員は輪に入らず市庁舎にヒャッハー突撃をかまし始めたが、空挺含む増援部隊はその限りではない。
「荒くれ共め。 死に急ぐか」
とは言いつつ嬉しそうなクラウザー少佐。
久し振りに問題児の名を聞いたのもある。
奴はいつの間にか下士官入りし、軍曹にまで昇進した。 良く除隊にならず死にもせず、バイオテロを生き延びたものだ。
「まぁ良い。 ネズミの始末も大切だ」
そんなクラウザー少佐。
佐官の立場になれど現場の最前線に出て兵士共々地を駆けている。 歳も皆共々取り始めているが銃を置くには早く、今回も部隊指揮官であった。
そんな傍らには相棒化したカルロス曹長。
階級差があれど、フランクに会話する。
「良いのかい少佐殿? 爆撃でもされりゃ、市庁舎ごと味方が木っ端微塵だぜ?」
「それでくたばるなら、それまでだ」
「無茶言う様になったよ、アンタも」
「守るのは部隊でも建物でもなく地球だ。 その過程で戦死するなら奴らも本望だ」
すっかり米軍からEDF色に染まった少佐。
会話しつつも、胸元のコンバットナイフ1本でズバズバとジュアヴォを切り刻むから凄い。
「後はチカラ次第。 何かを守るにもな」
襲ってくる銃を持った相手に、素早い動きでナイフ1本でバッサバッサ斬り伏せ続ける少佐。
相手が撃つ頃には既に懐に潜り込まれているか、物陰に隠れられて仕留められない。 逆に仕留められる側である。
そんな彼の補助装備はアンダーアシスト。
少佐仕様で瞬発力に長けている物だ。
通常なら走り始めて暫くしないと強化された走力を発揮出来ないが、少佐仕様は即人外並みの走力を出せる。
これにより、相手が反応出来ない速度で接近。
懐に潜り込み急所をズバズバ。 勿論、少佐の腕前でなければ成し得ない技であるが。
そんなナイフ捌き。
元は米軍時代から鍛えてきた腕であるが、EDFに鞍替えして更に磨き抜かれた。
銃を使わずとも制圧していく姿。 味方からすれば頼もしく、同時に畏怖し震え上がるばかり。 その強さから恐怖と尊敬を込めて鬼神と呼ぶ者もいる。 或いは死神の再来か。
只野がいなければ敵になっていた。
そうならず良かった。
「で、雑魚狩りしつつ市庁舎に接近してるけど、ターゲットはカーラって女だとさ。 Cウィルスの開発者でテロの容疑者でもあると。 一方で雪山でもドンパチしてる。 重要人物を護送してたBSAAが襲われたとかで」
「また只野の情報か」
「ご名答」
「いつも通りだな」
カルロス曹長は対怪物用デストラクションブレイザーを背負いつつも、今は高威力のスラッガーNN5で接近した雑魚を片付けつつ前進。
他の隊員はX900-オーキッド。 スラッガーより射程があるのを活かして、中距離の敵を片付けつつ、レーダーに見落としないよう虱潰しの様に進み往く。
なんか偏った装備に感じるが、使えるなら使ってやろうと振り回す。 少なくとも素手よりマシ。 ジェイクやクラウザーの様に格闘戦は出来ないモブ隊員は特に。
「Cウィルス。 他と違う点は高い知性と戦闘力、回復力を兼ね備えている点か」
「敵が銃火器を扱うなんて、嫌な時代だな」
「今更だ。 任務を果たせ」
「了解」
贅沢な悩みで愚痴る曹長を少佐は一蹴し、戦闘に集中させる。 やがて見えてきた市庁舎から爆音が聞こえ、壁が彼方此方吹き飛んだ。 内側と外側、両方が原因だ。
内側は只野がグレネードをポイポイ投擲しているのだろう、対して外側は荒廃チームによる攻撃が原因である。
建物がいつ崩れてもおかしくないレベル。
中の人が生き埋めになりかねない。
「おいおい派手にやってるな!?」
「部隊より目標優先。 褒められん」
「前言撤回で?」
「状況次第だ」
「そうかい。 で、どうする?」
只野はスマートな方法より火力に任せて敵を早々に沈めて解決しようとする時が多い。
EDF全体に言える話だが、それが手っ取り早く、楽なのである。 物資が潤沢な内はソレでも良いかも知れない。
けれど場合による。 何事にも例外はある。
容疑者のカーラを殺して全て解決すれば良いが、それ即ち証人や証拠の類が失われる事に繋がるのだ。 体を弄って証拠が出て来れば良いが、それ以上無ければそれまで。
只野は、その辺を考慮しない奴ではない。 だが万が一もある。 少佐は部隊に指示を出す。
「コーエン少尉、この場を任す」
近場の奴に言うだけ言って、本人はアンダーアシストによる俊足で市庁舎に突入していく。
「ちょ、少佐!」
「曹長、お前も来い」
「こちとらハイブリッドプロテクターだ」
「上等だ。 身軽に動け」
そうして現場に突入する両名。
一方、市庁舎内部では激しい鬼ごっこが繰り広げられていたのであった……。
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「只野! 建物が崩れるぞ!?」
「脆い建物が悪い」
「無茶苦茶だなアンタ!?」
「落ち着いて下さい只野軍曹!」
市庁舎内部。
只野はカーラをレーダー頼りに追いかけ回し、元暴徒鎮圧用のスプレッドグレネード1号弾をばら撒いていた。
コイン大のグレネードを豆まきの様にばら撒き広範囲を攻撃する運用方法で、1号弾は威力を持たされ殺傷能力があるものである。
それをばら撒く只野。 情け容赦無い。 して良い相手でもない。
けれど場所が良くない。 他グレネードより威力は低いとはいえ、内戦でボロボロの市庁舎だ。 只野が投げるたびに起きる爆発で脆くなった天井や床、壁が崩れていく。
「アルファチーム脱出だ! 急げ!」
「くそっ、後で覚えてろよ!?」
更に悪い事に外から荒くれ者が援護とは名ばかりのコンバットフレームによる大口径弾マシンガンが襲う。 市庁舎はズダボロになる一方。 アルファチームもたじたじだ。
クリスは隊員共々退避。 只野のみが追い回す。
野郎達の恨みを買いつつ、今は目の前の女の尻を追い回す只野君。
「本当、EDFは野蛮で困るわ」
カーラも割と本気でキレつつ、フックショットで外へと飛び出した。
ところが、只野とは別の影が追う。
「女狐め。 仕留めさせて貰う」
「ッ!?」
クラウザー少佐だ。
着地地点に合わせ、剛腕で地面に叩き伏せつつナイフを首に突き立てる。
「遊びは終わりだ。 変な気を起こさん事だ」
「くっ、私がこんな事で……!」
遅れて只野軍曹、カルロス曹長が合流。
周囲もゾロゾロと囲い込む。
「さすが少佐。 頼りになります」
「相変わらずだな只野。 詰めの甘さ含めてな」
「まだ情報提供者なんだってな?」
「カルロスも相変わらずの軽さで安心」
軽口を叩き合ってると、クリスが皆共々やって来ては、只野の頭頂部にヘルメットごと1発ゴリラパンチをかます。
「ふんっ!」
「ゴフッ!?」
漫画の様に吹き飛ぶ只野君。
抗議の為、即座に立ち上がれば怒り顔のクリス。
「何すんねんゴリス!」
「こっちの台詞だ。 部隊を危険に晒すな!」
最もな説教を喰らい、萎れる只野。
ループもキツいが説教もツライさんである。
「……悪かった。 すまん」
「よし」
戦場なのもあり短く終わらせるクリス。
今はテロ容疑者をどうするかだ。
「HQ、EDFが容疑者カーラを確保」
『HQ了解。 今は彼等に任せ、アルファは雪山に向かえ。 先程離陸した輸送ヘリが墜落、生存者が襲撃に遭っている。 救助せよ』
「了解。 聞いたな、行くぞ」
アルファは輸送ヘリが溜まる広場に移動。
一方、カーラを任されたEDF。 クラウザーがしっかり手錠等で捕縛すると、その辺の輸送ヘリにブチ込み始める。
「只野軍曹、こっちは任せて貰おう。 お前はBSAAと共に雪山に向かえ」
「えっ。 俺もコッチじゃ駄目?」
「サボるな。 それにお前は仕事が雑だ、先程の動きを見るにコイツは只者じゃない。 目を離して逃すのが目に見える」
少佐、容赦ない口撃。
けれど言わんとしているのは最もで、只野君
が護衛なんてしたら、胸の谷間に視線を吸われてる間にヤられてしまう。
逃すだけでなく、下手すると只野君はCウィルスを打ち込まれて化物ENDだ。 それは避けたい。
「てな訳で頑張れ軍曹。 降格しない様にな」
カルロスはニヤついて只野を煽る。
自身は敵とはいえ美人と共に居られるからと。
「くっそ、良い笑顔になりやがって!」
「遊んでないで早く行け」
「分かりましたよ。 了解です、りょーかい」
少佐に叱られ、やっと動く只野。
その背中を見守る2人。
「良かったのか?」
「構わん。 派手な戦場にこそ奴がいる」
「それは高評価だな?」
「適材適所。 それだけだ」
こうして再会したのも束の間。
それぞれの戦場に別れ戦いは続く。
今度はシェリーとジェイク。
そしているだろう追跡者と対峙しそうだ。
と、その前に只野はまたも騒いだ。
BSAAと同じ輸送ヘリ内で。
「あヤベッ、スレイドの弾が切れてた!?」
「何してんだよアンタ」
「ピアーズ君、何か貸してくれ!?」
「断ります」
「外気より冷たッ!? ならフィン!」
「CA特殊工作爆弾なら」
「銃が欲しいの! じゃあクリス!」
「全く……このヘリに積んでる奴を使え」
「あざっす隊長、愛してる!」
「余計に寒くなる、止めろ」
溜息を吐くアルファチーム。
只野に助けられた面もあるが、今はタダの迷惑な客と成り下がっている。
……はてさて、どうなることやら。
更新常に未定