前回のあらすじ
シモンズが化物に。
手短に。
主人公勢がいない中、只野は1人奮戦中。
瓦礫化したビルの屋上でBOW化したシモンズ相手にステゴロで挑んでいた。
「好きでやってんじゃねえぞ、ゴフッ!?」
状況に文句言いつつ、サソリの様な相手を殴り蹴り、そして巨大な鋏の腕で吹き飛ばされる。
ローリングでバスやトラックを吹き飛ばせる人外のEDF隊員だが、見た目と共に人間を辞めたBOWには敵わなかった。
それでもクリスやジェイク、ジョーといった拳で語る人に任せればワンチャンありそうで怖い。
「は、はやく救援寄越せよ本部……!」
が、只野はこの始末。
自由行動でこうなったのに、上には文句しか出ない自己中只野君。
「正史じゃレオンが避雷針で落雷攻撃してたよな、でもここはそんなの無いし」
そもそもビルが違う。
ターチィにあるクアッドタワーの様に立派ではない。 シモンズも物言えぬ化物だし、レオンもいなければヘレナもいない。 エイダはいるかもだが、何処にいるのやら。
「こんな事なら逃げときゃ良かった」
後悔先に立たず。
よろよろと立ち上がりつつ、拳を握る。
銃もナイフもない。 勝機は薄く、嬲られて殺されてリスポーンになりそうだ。
が、もしそうなれば、ここまでの努力が全て無駄になるということ。 今までも経験した事だが、ラクーンからここまで何年も経つ。 そろそろ心が持ちそうに無い。
「何とかしないと……ん?」
そんな時。
願いが通じたのか、小さなヘリがやってきた。
キャノピーは全天周囲を見渡せる様なガラス貼りだが、ライトで照らして来て眩しく、操縦席に誰がいるのか見る事が出来ない。
だが記憶的に誰なのかを知っている只野は、思わぬ助っ人に喜ぶばかり。
「やっぱいるじゃねえか、っておい!?」
ところがヘリはケースを投下すると何処かへ去っていく。 小型機とはいえ機銃とロケット弾で武装しているんだから援護してくれて良いのに。
「まぁ向こうもカーラ絡みで忙しいか」
そう無理矢理納得した只野は、投下されたケースを開けてみる。 中身は箱状ロケラン、アイビス誘導ロケットだった。
カスケードに似ているが、こちらはレーザーで誘導出来る。 他に慣れると使い難いかも知れないが、ロックオン時間が無いので即座に撃てる利点、途中で弾道を変えるといった事が出来る。 何事も腕次第か。
「距離が近いのにレーザー誘導式かい」
助けて貰って文句ばかりの只野。
が、贅沢言えないので早速構えた。
「素手より良い、喰らえ!」
自爆しない程度の距離を保ちつつ、トリガーを引き続けた。 4つある発射口から連続して30発ものロケット誘導弾が速射され、全弾サソリに命中していく。
「グギャアオオオオオオオオオオオッ!!」
悲鳴をあげ、ビルから転落していくシモンズだったナニか。 1発1発の威力は低いが、それが連続して当たれば無事とは済まない。
微かに息があれども、地面に落ちた衝撃がトドメとなり、BOWは赤い花を咲かせ動かなくなる。 呆気ない最期だ。
「武器さえありゃ、こっちのものさ……」
鉄箱を脇に放り投げ、その場にへたる。
バリバリバリと別のヘリの音が接近してくれば、降下してくる味方のレンジャー部隊。
寄って来る隊員に軽く手を上げ挨拶はする。
「軍曹、自力で終わらせたので。 流石です」
「遅過ぎたからな」
武器が無かったら終わっなかっただろうが。
なんなら自分の命が終わってたすらある。
「失礼しました……乗っていきますか?」
「そうさせてくれ。 状況は?」
「街中はBSAAと共同で鎮圧しつつある他、軍港は抑え、近海の空母も制圧。 Cウィルス入りのミサイルの発射を阻止しました。 海底油田施設に偽装した研究所に向かった陸戦隊とは連絡取れず、状況不明です」
「なら研究施設に向かう事にしよう」
ヘリが下ろしたタラップに手をかけ、登り始める只野。 対して慌てる隊員。
「えっ、このまま!?」
「時間が無いんだ」
只野はヘリパイロットに無理矢理指示を出し、今度は海底油田施設へ向かう。
既に海軍の陸戦隊、続いてクリスとピアーズが乗り込んだ筈だが、安心は出来ない。
(何せ、人も歴史も繰り返そうとするからな)
悲劇を回避したく、只野は飛び立つ。
世界の危機より心配はそっちだ。
クリスがいれば"最悪"は免れるだろうが、周囲の人達はそうはいかない。
「この世界に死神は何人いるんだろうな」
ボヤきはヘリのローター音に掻き消される。
只野の自由行動は、もう少し続きそうだ。
更新常に未定